第105回(H31) 保健師国家試験 解説【午後36~40】

 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。
 Aさん(56歳、女性)。隣接する市に所在する警察署から、B町の保健師に「町に住む無職のAさんが、泥酔して路上で寝ていたところを保護している。先ほど目を覚ましたので事情を聴いたが、本人は『何も覚えていない』と言う。1か月前も同じ状況で保護した。Aさんは、1人暮らしで親族と連絡が取れなかったことから、その時は1人で帰している。今回は、保健師の支援をお願いできないか。B町の保健師に連絡することは本人が同意している」と連絡があった。保健師は、住民基本台帳でAさんがB町に居住し、他県に姉のCさんがいることを確認した。

36 保健師は上司に報告および相談し、警察署でAさんと面接することになった。
 この面接の際に把握する情報で、優先度が高いのはどれか。

1.飲酒歴
2.所持金
3.就労の有無
4.今回の飲酒の理由

解答

解説

本症例のポイント

・Aさん(56歳、女性、1人暮らし、B町に居住)。
・隣接する市に所在する警察署に何度か泥酔してお世話になっている。
・他県に姉のCさんがいる。

・保健師は上司に報告および相談し、警察署でAさんと面接することになった。
→本症例は、アルコール依存症が疑われる。アルコール依存症とは、少量の飲酒でも、自分の意志では止めることができず、連続飲酒状態のことである。常にアルコールに酔った状態でないとすまなくなり、飲み始めると自分の意志で止めることができない状態である。【合併しやすい病状】①離脱症状、②アルコール幻覚症、③アルコール性妄想障害(アルコール性嫉妬妄想)、④健忘症候群(Korsakoff症候群)、⑤児遺性・遅発性精神病性障害 など。アルコール依存症の初期治療では、身体的治療・離脱症状の管理と治療が行われる。

1.〇 正しい。飲酒歴は、最も優先して確認すべき情報である。なぜなら、飲酒歴を確認することである程度「その人が今までどのようにお酒と関わってきたか」が評価できるため。アルコール依存症の程度や身体的・精神的障害の端的に評価できる。
2.× 所持金より優先度が高いものが他にある。なぜなら、所持金が少なく自宅に帰れなかったわけではないため。設問文に「泥酔して路上で寝ていたところを保護」されていることが記載されている。
3.× 就労の有無より優先度が高いものが他にある。なぜなら、就労の有無に関わらず、アルコール依存症は発症する恐れがあるため。お酒を飲めるだけの金銭的余裕もあると考えられる。
4.× 今回の飲酒の理由より優先度が高いものが他にある。なぜなら、アルコール依存症とは、少量の飲酒でも、自分の意志では止めることができず、連続飲酒状態のことであるため。常にアルコールに酔った状態でないとすまなくなり、飲み始めると自分の意志で止めることができない状態である。むしろ、今回の飲酒の理由を確認することは、本人が「飲酒したことを責められている」と感じやすい。今後の保健師と本人との関係構築が難しくなる可能性がある。

 

 

 

 

 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。
 Aさん(56歳、女性)。隣接する市に所在する警察署から、B町の保健師に「町に住む無職のAさんが、泥酔して路上で寝ていたところを保護している。先ほど目を覚ましたので事情を聴いたが、本人は『何も覚えていない』と言う。1か月前も同じ状況で保護した。Aさんは、1人暮らしで親族と連絡が取れなかったことから、その時は1人で帰している。今回は、保健師の支援をお願いできないか。B町の保健師に連絡することは本人が同意している」と連絡があった。保健師は、住民基本台帳でAさんがB町に居住し、他県に姉のCさんがいることを確認した。

37 面接時、Aさんは保健師に「疲れているので、早く家に帰りたい。話は明日にして欲しい」と言い、保健師とともに家に戻った。その際に、Aさんには手指の振戦がみられていた。保健師は翌日に再度家庭訪問することを伝え、Cさんの連絡先を教えてもらった。保健師はB町役場に戻り、Aさんが直近の3か月間には医療機関の受診がないことを確認し、Aさんに医療機関の受診を勧めることをCさんに連絡して了解を得た。
 翌日の保健師の対応で最も適切なのはどれか。

1.複数の保健師による家庭訪問を行う。
2.警察官に家庭訪問時の同席を依頼する。
3.家庭訪問を町役場での面接に変更する。
4.精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づいて保健所に通報を行う。

解答

解説

本症例のポイント

・面接時に手指の振戦
・保健師は、Cさんの連絡先を教えてもらった。
・Aさん:直近の3か月間は医療機関の受診がない
・Aさんに医療機関の受診を勧めることをCさんに連絡して了解を得た。
→本症例は、手指の振戦がみられていることからもアルコール依存症が疑われている。また、直近の3か月間は医療機関の受診がなく、治療が進んでないことも分かる。したがって、まずは医療機関に受診できるよう支援していく必要がある。

1.〇 正しい。複数の保健師による家庭訪問を行う。なぜなら、複数の保健師で訪問することでAさんに事の重大さが伝わりやすいため。また、もし訪問した際に、再飲酒していたり、医療機関の受診を勧めた際にAさんが拒否的もしくは攻撃的な反応だった場合は、複数の保健師で守りあえるなどリスク管理支援体制確保が十分行えるため。
2.× あえて警察官に家庭訪問時の同席を依頼する必要はない。なぜなら、警察官は主に防犯活動を行うことであるため。また、警察官を同伴することはAさんの警戒心を高め、保健師との相談関係の構築が難しくなる可能性がある。
3.× あえて家庭訪問を町役場での面接に変更する必要はない。なぜなら、町役場での面接に変更すると、Aさんの自宅の様子や帰宅後の生活状況について確認できなくなるため。家庭訪問するメリットとして、Aさんの自宅の様子や帰宅後の生活状況が観察により評価できることにある。デメリットとして、対象者のプライバシーな部分もあり抵抗感がある。ちなみに、役所または役場とは、国(中央官庁)や地方公共団体(都道府県・市区町村)が、公の事務とりわけ行政事務を取り扱う組織、およびその組織が入居する建物をいう。
4.× 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づいて保健所に通報を行う必要はない。精神保健及び精神障害者福祉に関する法律とは、「精神保健福祉法」ともいう。精神保健及び精神障害者福祉に関する法律<精神保健福祉法>は、措置入院を規定する法律である。精神障害者の入院について5つの入院形態(任意入院・医療保護入院・応急入院・措置入院・緊急措置入院)を定めている。

 

 

 

 

 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。
 Aさん(56歳、女性)。隣接する市に所在する警察署から、B町の保健師に「町に住む無職のAさんが、泥酔して路上で寝ていたところを保護している。先ほど目を覚ましたので事情を聴いたが、本人は『何も覚えていない』と言う。1か月前も同じ状況で保護した。Aさんは、1人暮らしで親族と連絡が取れなかったことから、その時は1人で帰している。今回は、保健師の支援をお願いできないか。B町の保健師に連絡することは本人が同意している」と連絡があった。保健師は、住民基本台帳でAさんがB町に居住し、他県に姉のCさんがいることを確認した。

38 その後、Aさんは精神科医療機関を保健師が同伴して受診した。診察室で精神保健指定医に「誰と来たか」と問われると、A さんは「清掃センターの人」と答え、出身地を尋ねられると、答えに詰まった。「今、困っていることはありますか」の問いに対して「若い女性の声が聞こえてくる」、「夜、眠れない」と答えた。医師からAさんに入院による治療が必要であると説明されると、Aさんは理解できていない様子であった。医師からAさんと保健師に「Aさん本人の同意による入院はできない」と説明があり、Cさんに連絡したところ、入院の手続きを進めて欲しいとの意思表示があった。
 Aさんの入院に向けた対応で適切なのはどれか。

1.保健師からAさんに入院の必要性を説明する。
2.精神保健指定医が成年後見人の選定を申し立てる。
3.精神科病院の管理者が医療保護入院の手続きを行う。
4.精神科病院の管理者が措置入院に必要な届出を行う。

解答

解説

本症例のポイント

・Aさん:精神科医療機関を保健師が同伴して受診した。
・A さん:見当識障害幻聴不眠理解力の低下みられる。
・医師からAさんと保健師に「Aさん本人の同意による入院はできない」と説明がある。
・Cさん:入院の手続きを進めて欲しいとの意思表示があった。
→本症例の入院形態として、医療保護入院となるだろう。医療保護入院とは、患者本人の同意:必ずしも必要としない。精神保健指定医の診察:1人の診察。そのほか:家族等のうち、いずれかの者の同意。備考:入院後、退院後ともに10日以内に知事に届け出る。入院権限:精神科病院管理者である。

1.× 保健師からAさんに入院の必要性を説明する必要はない。なぜなら、本症例の入院形態として、医療保護入院となるため。医療保護入院とは、患者本人の同意:必ずしも必要としない。精神保健指定医の診察:1人の診察。そのほか:家族等のうち、いずれかの者の同意。備考:入院後、退院後ともに10日以内に知事に届け出る。入院権限:精神科病院管理者である。
2.× 精神保健指定医が成年後見人の選定を申し立てる必要はない。なぜなら、本症例にはCさん(Aさんの姉)がいるため。『精神保健福祉法』に規定されている扶養義務者に該当するCさん(Aさんの姉)が入院に同意しているため、改めて成年後見人の選定を申し立てる必要はない。成年後見人は、財産管理などの手続きを本人の代理で行う。後見開始の審判を受けた者は、成年被後見人(本人のこと)となり成年後見人(保護者)が付される。成年後見人は、成年被後見人の財産管理などの手続きや契約などの法律行為を代理する。
3.〇 正しい。精神科病院の管理者が、医療保護入院の手続きを行う。なぜなら、本症例の入院形態として、医療保護入院となるため。医療保護入院とは、患者本人の同意:必ずしも必要としない。精神保健指定医の診察:1人の診察。そのほか:家族等のうち、いずれかの者の同意。備考:入院後、退院後ともに10日以内に知事に届け出る。入院権限:精神科病院管理者である。
4.× 精神科病院の管理者が措置入院に必要な届出を行う必要はない。措置入院とは、患者本人の同意:必ずしも必要としない。精神保健指定医の診察:2人以上の診察、そのほか:自傷・他害のおそれがある。備考:国立・都道府県立精神科病院または指定病院に限る。入院権限:都道府県知事である。本症例の場合、自傷他害の記述がなく、また、精神保健指定医2名の診察が行われていないため、措置入院は適応外である。

入院の形態

①任意入院:患者本人の同意:必要。精神保健指定医の診察:必要なし。そのほか:書面による本人意思の確認。備考:本人の申し出があれば退院可能。精神保健指定医が必要と認めれば、72時間以内の退院制限が可能。入院権限:精神科病院管理者。

②医療保護入院:患者本人の同意:必ずしも必要としない。精神保健指定医の診察:1人の診察。そのほか:家族等のうち、いずれかの者の同意。備考:入院後、退院後ともに10日以内に知事に届け出る。入院権限:精神科病院管理者

③応急入院:患者本人の同意:必ずしも必要としない。精神保健指定医の診察:1人の診察。そのほか:医療および保護の依頼があるが、家族等の同意が得られない。備考:入院期間は72時間以内。入院後直ちに知事に届け出る。知事指定の病院に限る。入院権限:精神科病院管理者

④措置入院:患者本人の同意:必ずしも必要としない。精神保健指定医の診察:2人以上の診察そのほか:自傷・他害のおそれがある。備考:国立・都道府県立精神科病院または指定病院に限る。入院権限:都道府県知事

⑤緊急措置入院:患者本人の同意:必ずしも必要としない。精神保健指定医の診察:1人の診察そのほか:自傷・他害のおそれが著しく、急を要する。備考:入院期間は72時間以内。指定医が1人しか確保できず時間的余裕がない場合、暫定的に適用される。入院権限:都道府県知事

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)とは?

①精神障害者の医療及び保護を行うこと、②障害者総合支援法とともに、精神障害者の社会復帰の促進、自立と社会経済活動への参加の促進のために必要な援助を行うこと、③精神疾患の発生の予防や、国民の精神的健康の保持及び増進に努めることによって、精神障害者の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図ることを目的とした法律である。(参考:「精神保健福祉法について」厚生労働省HPより)

 

 

 




 

 

次の文を読み39、40の問いに答えよ。
 Aさん(20歳、専門学校生)。3か月前から咳が続き、市販薬を服用していたが、改善しなかった。そこで内科を受診したところ、胸部エックス線写真で空洞性病変があり、喀痰塗抹陽性、結核菌PCR陽性で結核病床へ入院した。結核の既往歴はない。入院前、Aさんは居住地のB市内にある専門学校に休まず通学していた。

39 情報収集を踏まえ、B市を管轄する県のC保健所で接触者健康診断の対象者が決定された。対象者は全員18歳以上である。
 C保健所保健師が接触者健康診断の対象者に説明する内容で正しいのはどれか。

1.「ツベルクリン反応検査を行います」
2.「2年間にわたり健康診断を行います」
3.「3か月後に初回の健康診断を行います」
4.「B 市の保健センターで健康診断を行います」

解答

解説

本症例のポイント

・Aさん(20歳、専門学校生)。
・3か月前:咳が持続。
・内科受診:胸部エックス線写真で空洞性病変、喀痰塗抹陽性、結核菌PCR陽性で結核病床へ入院した。
・結核の既往歴はない。
・入院前:専門学校に休まず通学していた。

・B市を管轄する県のC保健所で接触者健康診断の対象者が決定。
・対象者は全員18歳以上
→結核スクリーニングには、まず胸部レントゲンが選択される。その後、結核の疑いがある場合は、喀痰検査へと移る。肺結核とは、結核菌による感染症で、体の色々な臓器に起こることがあるが多くは肺のことである。結核菌は、喀痰の中に菌が出ている肺結核の患者と密閉空間で長時間(一般的には数週間以上)接触することにより空気感染でうつる。リンパ節結核や脊椎カリエス(骨の結核)など、肺に病気のない結核患者からはうつらない。また肺結核でも、治療がうまくいって喀痰の中に菌が出ていない患者さんからはうつることはない。また、たとえ感染しても、発病するのはそのうち1割ぐらいといわれており、残りの9割の人は生涯何ごともなく終わる。感染してからすぐに発病することもあるが、時には感染した後に体の免疫が働いていったん治癒し、その後数ヶ月から数十年を経て、免疫が弱ったときに再び結核菌が増えて発病することもある。結核の症状には、咳、痰、血痰、熱、息苦しさ、体のだるさなどがある。

1.× ツベルクリン反応検査は実施しない。感染症予防法の改正により、平成24年度からツベルクリン反応検査は廃止されている。現在、結核の感染症診断にはツベルクリン反応に代わり、BCG接種や大多数の非結核性抗酸菌感染の影響を受けないインターフェロンγ遊離試験(IGRA)が汎用されている。BCGワクチン(BCG接種)とは、ウシ型結核菌の実験室培養を繰り返して作製された細菌、および、それを利用した結核に対する生ワクチンである。1歳まで(標準として生後5か月から8か月まで)に1回接種する。主に小児の結核の発症・重症化予防に効果があるとされている。
2.〇 正しい。2年間にわたり健康診断を行う。なぜなら、結核は、感染後1年以内に発病することが最も多く、約8割は2年以内に起こるため。したがって、経過観察が必要と判断された接触者に対してはおおむね2年間にわたり健康診断を行う必要がある。ほかにも、結核再発のリスクが高い方として、①治療開始後2ヶ月時点で培養検査結果陽性の方、②治療開始時に肺に空洞所見が有った方、③医療機関側の指示ミス、④不規則な治療(RFP、PZAの使用が2ヶ月未満)があげられる。(※参考:「結核Q&A(一般の方向け/医療従事者向け)」大分県HPより)
3.× 初回の健康診断は、「3か月後」ではなく、診断直後に実施する必要がある。なぜなら、Aさんの咳症状が3か月続いているため。IGRA検査の実施時期については、検査のウインドウ期(感染していても検査結果が陽性とならない期間)を考慮し、原則として結核患者との最終接触から2~3か月後に実施する。ただし、患者との接触期間(結核菌の曝露期間)が長い場合などには、初発患者の診断直後でもIGRA検査を行い、陰性の場合は最終接触から2~3か月経過後に再度IGRA検査を行う。ちなみに、IGRA検査とは結核菌特異抗原により全血あるいは精製リンパ球を刺激後、産生されるインターフェロンγ(IFN-γ)を測定し、結核感染を診断する方法である。
4.× 健康診断を行う場合、「B市の保健センター」ではなく接触者の居住地の保健所で行われる。保健センター(ヘルスセンター、地域保健センター)とは、総合診療医および看護師らが勤めている診療所である。一般的には家庭医療および歯科医療を行っており、一部ではさらに内科・小児科・婦人科・家族計画・薬局・臨床検査なども行うところがある。

(※写真引用:「入国前結核スクリーニング」厚生労働省様HPより)

 

 

 

 

 

次の文を読み39、40の問いに答えよ。
 Aさん(20歳、専門学校生)。3か月前から咳が続き、市販薬を服用していたが、改善しなかった。そこで内科を受診したところ、胸部エックス線写真で空洞性病変があり、喀痰塗抹陽性、結核菌PCR陽性で結核病床へ入院した。結核の既往歴はない。入院前、Aさんは居住地のB市内にある専門学校に休まず通学していた。

40 接触者健康診断の結果、潜在性結核感染症と診断された専門学校生が3名おり、治療を開始することになった。C保健所保健師は、専門学校の教員から「潜在性結核感染症の病気の特徴や対応がよくわからないので教職員に説明して欲しい」と言われた。
 保健師の説明で適切なのはどれか。

1.感染者が使用した部屋は消毒する必要がある。
2.感染者にはN 95 マスクの着用を義務付ける。
3.感染者は入院治療が必要である。
4.他者への感染の恐れはない。

解答

解説

ポイント

・接触者健康診断の結果:潜在性結核感染症(3名)が治療を開始。
・専門学校の教員から「潜在性結核感染症の病気の特徴や対応がよくわからないので教職員に説明して欲しい」と。
→潜在性結核感染症とは、結核菌が体内にあっても、発病していない感染状態のことをいう。一方、結核を発病している人が咳やくしゃみをした時に、結核菌が飛び散り、 吸い込むことにより感染することがある。結核菌を吸い込んでもすべての人が感染をするわけではなく、体の抵抗力により追い出される。しかし、菌が体内に残る場合は、免疫細胞の一種であるマクロファージが結核菌を囲み核が作られ、結核菌が体内に残っていても体内に封じ込められたまま活動しない状態もある。このことを「潜在性結核感染症」という。

1.× 感染者が使用した部屋は、消毒する必要はない。なぜなら、結核は空気感染であり、潜在性結核感染症では他者への感染の恐れはないため。
2.× 感染者には、N 95マスクの着用を義務付ける必要はない。なぜなら、潜在性結核感染症では他者への感染の恐れはないため。ちなみに、N95マスクは、結核の感染を防ぐため、排菌患者と接する場合に周囲の者(医療従事者や面会者など)が着用する。アメリカ合衆国労働安全衛生研究所のN95規格をクリアし、認可された微粒子用マスクのことで、N95マスクの役割は空気感染源を捕集し、着用者の呼吸器感染のリスクを低減することである。
3.× 感染者は、入院治療が必要である必要はない。潜在性結核感染症とは、結核菌が体内にあっても、発病していない感染状態のことをいう。
4.〇 正しい。他者への感染の恐れはない。潜在性結核感染症は、結核に感染しているが発病はしておらず、排菌もしていない。一方、結核を発病している人が咳やくしゃみをした時に、結核菌が飛び散り、 吸い込むことにより感染することがある。

 

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