21 行政機関におけるアカウンタビリティで適切なのはどれか。
1.母子保健計画の中間評価を市のホームページで公開した。
2.新しい健康づくり計画の素案について市民から意見を求めた。
3.地域包括支援センターの運営業務を社会福祉法人へ委託した。
4.市のホームページをカラーユニバーサルデザインに基づく構成に変更した。
解答1
解説
アカウンタビリティ(Accountability【直訳】結果に対する責任)とは、説明責任のことである。政府・企業・団体・政治家・官僚などの、社会に影響力を及ぼす組織で権限を行使する者が、株主や従業者(従業員)や国民といった直接的関係者だけでなく、消費者、取引業者、銀行、地域住民など、間接的関係を持つ全ての人・組織(利害関係者/ステークホルダー; 英: stakeholder)にその活動や権限行使の予定、内容、結果等の報告をする必要があるとする考えをいう。
1.〇 正しい。母子保健計画の中間評価を市のホームページで公開したのは、行政機関におけるアカウンタビリティである。アカウンタビリティ(Accountability【直訳】結果に対する責任)とは、説明責任のことである。政府・企業・団体・政治家・官僚などの、社会に影響力を及ぼす組織で権限を行使する者が、株主や従業者(従業員)や国民といった直接的関係者だけでなく、消費者、取引業者、銀行、地域住民など、間接的関係を持つ全ての人・組織(利害関係者/ステークホルダー; 英: stakeholder)にその活動や権限行使の予定、内容、結果等の報告をする必要があるとする考えをいう。
2.× 新しい健康づくり計画の素案について市民から意見を求めるのは、バブリックコメントである。バブリックコメントは、計画策定の過程で素案を提示したうえで、広く住民に意見を募集し、計画について合意形成を図る方法である。
3.× 地域包括支援センターの運営業務を社会福祉法人へ委託するのは、アウトソーシング(外部委託)である。地域包括支援センターとは、介護保険法に基づき各市町村によって設置されており、地域の高齢者の医療・福祉・介護・虐待など様々な事柄に関する相談窓口となっている。実施主体は市町村であるが、社会福祉法人などの外部への委託も可能である。
4.× 市のホームページをカラーユニバーサルデザインに基づく構成に変更するのは、 アクセシビリティ(利用しやすさ)の向上に寄与するものである。カラーユニバーサルデザインは、多様な色覚(色の見え方)に配慮して情報がすべての人に正確に伝わるようにデザインするものである。カバーサルデザインは、年齢や身体障害の有無に関係なく誰でも必情報に簡単にたどり着け、利用できることを指す。
地域包括支援センターとは、介護保険法に基づき各市町村によって設置されており、地域の高齢者の医療・福祉・介護・虐待など様々な事柄に関する相談窓口となっている。地域包括支援センターの人員基準は、「第1号被保険者(65歳以上の高齢者)3000人~6000人ごとに、保健師、社会福祉士及び主任介護支援専門員(準ずる者を含む)を最低限それぞれ各1人」である。
ユニバーサルデザインとは、障害の有無だけでなく、老若男女・能力・言語の違いを問わず、誰でも利用可能な製品・設計・情報のデザインのことである。
【ユニバーサルデザイン7原則】
①公平、②柔軟、③簡単、④理解、⑤安全、⑥省力、⑦空間
22 児童虐待を防止するため、平成28年(2016年)に改正された児童虐待防止対策の充実に向けた児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)及び児童福祉法の内容で正しいのはどれか。
1.児童の安全確認のための立ち入り調査の強化
2.しつけに際して必要な範囲を超えた懲戒の禁止
3.地方公共団体の要保護児童対策地域協議会設置の努力義務化
4.市町村等における児童虐待を受けたと思われる児童の安全確認の義務化
解答2
解説
①児童の安全確認等のための立入調査等の強化
・児童相談所等は、虐待通告を受けたときは、速やかに安全確認のための措置を講ずるものとすること。
・市町村等は、立入調査又は一時保護の実施が適当であると判断した場合には、その旨を児童相談所長等に通知するものとすること。
・児童虐待のおそれのある保護者に対する都道府県知事による出頭要求を制度化すること。
・従来の立入調査のスキームに加え、都道府県知事が立入調査を実施し、かつ、重ねての出頭要求を行っても、保護者がこれに応じない場合に限り、裁判官の許可状を得た上で、解錠等を伴う立入を可能とすること。
・立入調査を拒否した者に対する罰金の額を引き上げるものとすること。(30万円以下→50万円以下)
②保護者に対する面会・通信等の制限の強化
・一時保護及び保護者の同意による施設入所等の間も、児童相談所長等が保護者に対して面会・通信を制限できるようにすること。
・裁判所の承認を得て強制的な施設入所等の措置を行った場合であって、特に必要があるときは、都道府県知事は、保護者に対し、児童へのつきまといや児童の居場所付近でのはいかいを禁止できることとし、当該禁止命令の違反につき罰則を設けること。
③保護者に対する指導に従わない場合の措置の明確化
・児童虐待を行った保護者に対する指導に係る都道府県知事の勧告に従わなかった場合には、一時保護、施設入所措置その他の必要な措置を講ずるものとすること。
・施設入所等の措置を解除しようとする際には、保護者に対する指導の効果等を勘案するものとすること。
④その他
・法律の目的に、「児童の権利利益の擁護に資すること」を明記すること。
・国及び地方公共団体は、重大な児童虐待事例の分析を行うこととすること。
・地方公共団体は、要保護児童対策地域協議会の設置に努めなければならないものとすること。など
(※引用:「児童虐待の防止等に関する法律及び児童福祉法の一部を改正する法律(平成19年改正)」厚生労働省HPより)
1.× 児童の安全確認のための立ち入り調査の強化は、平成19(2007)年の『児童虐待防止法』の改正事項である。立入調査を拒否した者に対する罰金の額を引き上げるものとすること。(30万円以下→50万円以下)
2.〇 正しい。しつけに際して必要な範囲を超えた懲戒の禁止は、平成28(2016)年の『児童虐待防止法』の改正事項である。親権者は、児童のしつけに際して、監護・教育に必要な範囲を超えて児童を懲戒してはならないことが定められた。
3.× 地方公共団体の要保護児童対策地域協議会設置の努力義務化は、平成19(2007)年の『児童福祉法』の改正事項である。ちなみに、それまでは任意設置であった。
4.× 市町村等における児童虐待を受けたと思われる児童の安全確認の義務化は、平成19(2007)年の『児童虐待防止法』の改正である。ちなみに、それまで努力義務であった。
要保護児童対策地域協議会(子どもを守る地域ネットワーク)は、虐待予防対策のなかで、重要な役割を担う。要保護児童等のへの適切な支援を図ることを目的に地方公共団体が設置・運営する組織である。『児童福祉法』で設置が規定されている。
【要保護児童対策地域協議会の業務内容】
①代表者会議:年1~2回程度の開催で、各関係機関の責任者(管理職)レベルで連携を深め、実務者会議の円滑な運営の環境整備を行う。
②実務者会議:3か月に1回程度の開催で、実務者により、すべてのケースの定期的な状況確認、主担当機関の確認、支援方針の見直し等を行う。
③個別ケース検討会議:適時開催され、個別のケースについて、直接かかわっている担当者や今後かかわる可能性のある関係機関の担当者が、危険度や緊急度の判断、具体的な支援の内容を検討する。
(※参考:「要保護児童対策地域協議会設置・運営指針」厚生労働省HPより)
(※「児童福祉法等の一部を改正する法律(平成28年法律第63号)の概要」厚生労働省HPより)
23 介護保険法に基づく地域包括支援センターの基本機能で正しいのはどれか。
1.介護予防ケアマネジメント
2.高齢者の住まいの整備
3.要介護認定の実施
4.福祉用具の貸与
解答1
解説
地域包括支援センターとは、介護保険法に基づき各市町村によって設置されており、地域の高齢者の医療・福祉・介護・虐待など様々な事柄に関する相談窓口となっている。地域包括支援センターの人員基準は、「第1号被保険者(65歳以上の高齢者)3000人~6000人ごとに、保健師、社会福祉士及び主任介護支援専門員(準ずる者を含む)を最低限それぞれ各1人」である。
1.〇 正しい。介護予防ケアマネジメントは、地域包括支援センターの基本機能である。地域包括支援センターとは、介護保険法で定められた、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関である。介護予防マネジメントとは、支援者や基本チェックリストで事業対象の基準に該当した者に対して介護予防・日常生活支援を目的として、訪問型サービス、通所型サービス、その他の生活支援サービスなどが包括的かつ効率的に提供されるよう必要な援助を行う事業のことである。
2.× 高齢者の住まいの整備は、地域包括支援センターではなく「国の基本方針および地方自治体の計画」に定められている内容である。『高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)』に規定されている。高齢者の居住の安定の確保を図り、もってその福祉の増進に寄与することを目的とする日本の法律である。
3.× 要介護認定の実施は、地域包括支援センターではなく市町村の業務である。要介護認定の手順として、①被保険者が市区町村に要介護認定申請書を提出する。②市区町村は、認定調査員を本人(被保険者)宅に派遣して訪問調査を行い、主治医に意見書の作成を依頼する。③認定調査の結果がコンピュータに入力されて1次判定が行われる。④介護認定審査会において、1次判定の結果及び認定調査票の特記事項、主治医意見書を用いて2次判定が行われ、介護認定が判定される。⑤介護認定審査会から市区町村に判定結果が通知される。⑥市区町村から判定結果が本人(被保険者)に郵送で通知される。
4.× 福祉用具の貸与は、地域包括支援センターではなく指定居宅サービス事業者が実施する。福祉用具の貸与は、居宅サービス計画を立案した介護支援専門員(ケアマネジャー)を通じて福祉用具貸与事業者から貸与される。直接的に、介護支援専門員(ケアマネジャー)が行うことはしない。介護支援専門員(ケアマネジャー)が利用者や家族と相談し、利用できるサービスのなかでニーズに合ったものを決定する役割をしている。
(※画像引用:「要介護認定の流れ」厚生労働省様HPより)
24 災害対策基本法施行令に規定される福祉避難所の説明で適切なのはどれか。
1.都道府県知事が指定する。
2.所得に応じて利用費が発生する。
3.負傷者の救護活動が目的である。
4.特別な配慮を必要とする者が利用できる。
解答4
解説
避難所生活において、何らかの特別な配慮を必要とする要配慮者(具体的には、高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児、病弱者など)のための施設である。老人福祉施設や養護学校などを利用するが、不足する場合は公的な宿泊施設などに福祉避難所として機能するための物資・器材、人材を整備し活用する。
1.× 「都道府県知事」ではなく市町村長が指定する。災害対策基本法に規定されている。
2.× 福祉避難所を含む指定避難所の利用者に対して、所得に応じて利用費が発生しない。
3.× 目的は、「負傷者の救護活動」ではなく、「要配慮者の一時滞在」である。避難所生活において、何らかの特別な配慮を必要とする要配慮者(具体的には、高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児、病弱者など)のための施設である。老人福祉施設や養護学校などを利用するが、不足する場合は公的な宿泊施設などに福祉避難所として機能するための物資・器材、人材を整備し活用する。
4.〇 正しい。特別な配慮を必要とする者が利用できる。根拠として、『災害対策基本法施行令』において福祉避難所は「主として高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者(要配慮者)を滞在させることが想定されるもの」に該当する。
『災害対策基本法』は、①防災計画の作成、②災害予防、③災害応急対策、④災害復旧および防災に関する財政金融措置など、災害対策の基本を定めている。
25 ソーシャルサポートにおける道具的(手段的)サポートはどれか。
1.称賛する。
2.愛情を伝える。
3.家事を手伝う。
4.情報提供する。
5.アドバイスする。
解答3
解説
ソーシャルサポート(社会的支援)とは、個人のよりよい状態を支えるための心理的・物理的資源のことである。ストレッサーがあっても周りの人からサポートを受けることによって、そのストレッサーを前向きにとらえられるようになることや、うまく対処(コーピング)できることにつながる。
ソーシャルサポート(社会的支援)は、個人のよりよい状態を支えるための心理的・物理的資源を指す。人間関係や社会的ネットワークも含まれる。種類は、(1)手段的サポート(①道具的サポート、②情報的サポート)、(2)情緒的サポート(③情緒的サポート、④評価的サポート)に分類される。
①道具的サポート:物資、金銭、労働等、形のある直接的な支援。
②情報的サポート:問題解決に役立つ情報提供、アドバイスなどの支援。
③情緒的サポート:愛情、共感等、他者との情緒的なつながりを築くための支援。
④評価的サポート:賛成、称賛等。自己評価のために役立つ支援
(※「ソーシャルサポート」厚生労働省HPより)
1.× 称賛するのは、評価的サボートである。
2.4.× 愛情を伝える/情報提供するのは、情緒的サポートである。
3.〇 正しい。家事を手伝うのは、道具的サボートである。
5.× アドバイスするのは、情報的サポートである。