31 平成28年度(2016 年度)の国民医療費について、傷病大分類別の医科診療医療費が最も多いのはどれか。
1.新生物(腫瘍)
2.呼吸器系の疾患
3.循環器系の疾患
4.内分泌、栄養及び代謝疾患
5.筋骨格系及び結合組織の疾患
解答3
解説
「国民医療費」とは、当該年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計したものである。この費用には、医科診療や歯科診療にかかる診療費、薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費等が含まれる。なお、保険診療の対象とならない評価療養(先進医療(高度医療を含む)等)、選定療養(入院時室料差額分、歯科差額分等)及び不妊治療における生殖補助医療などに要した費用は含まない。また、傷病の治療費に限っているため、(1)正常な妊娠・分娩に要する費用、(2)健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種等に要する費用、(3)固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢等の費用も含まない。
(※一部抜粋:「国民医療費の範囲と推計方法の概要」厚生労働省HPより)
1.× 新生物(腫瘍)は、14.2%を占め第2位である。
2.× 呼吸器系の疾患は、7.4%を占め、第5位である。
3.〇 正しい。循環器系の疾患は、19.7%を占め第1位である。
4.× 内分泌、栄養及び代謝疾患は、6.8%を占め第4位である。
5.× 筋骨格系及び結合組織の疾患は、7.9%を占め第3位である。
32 母子健康手帳に記載されている「保護者の記録【3歳の頃】」で、正しいのはどれか。2つ選べ。
1.はさみを上手に使えますか。
2.片足でケンケンをしてとびますか。
3.はっきりした発音で話ができますか。
4.衣服の着脱をひとりでしたがりますか。
5.手を使わずにひとりで階段をのぼれますか。
解答4・5
解説
1~2.× はさみを上手に使えますか。片足でケンケンをしてとびますか。これらは、4歳の頃の発達確認項目である。
3.× はっきりした発音で話ができますか。これは、5歳の頃の発達確認項目である。
4~5.〇 正しい。衣服の着脱をひとりでしたがりますか。手を使わずにひとりで階段をのぼれますか。これらは、3歳の頃の発達確認項目である。
【1歳6か月】
・コップで水を飲む。
・スプーンを使って食べようとする。
・積み木を2~3個積むことができる。
・意味のある言葉を2~3語話す(パパ, ママ, ブーブー)。
・簡単な指示に従うことができる(おいで、○○をとって)。
・離乳が完了する。
【3歳】
・自分の名前を言う。
・簡単な文章を話す。
・指示に従う。
・物の大小や長短、色を区別できる。
・箸を持って食べる。
・手を洗う。
・ままごとやごっこ遊びをする。
33 平成29年(2017年)の日本における出生の動向で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.出生順位別構成割合は第1子が50%を上回っている。
2.母の年齢別にみた出生率は30〜34 歳が最も高い。
3.都道府県別合計特殊出生率は沖縄県が最も低い。
4.出生率は8.0(人口千対)を下回っている。
5.純再生産率は1を超えている。
解答2・4
解説
1.× 出生順位別構成割合は、第1子が50%を下回っている。令和元(2019)年は、第1子が46.3%、第2子が36.5%となっている。
2.〇 正しい。母の年齢別にみた出生率は30〜34 歳が最も高い。令和元(2019)年は、30~34歳が最も高く98.5である。
3.× 都道府県別合計特殊出生率は、沖縄県が最も高い。令和元(2019)年は、沖縄県が1.82で最も高い。
4.〇 正しい。出生率は8.0(人口千対)を下回っている。令和元(2019)年の出生率(人口千対)は7.0である。(※選択肢1~4データ引用:「厚生労働省HPより」平成元年(2019年)の日本における出生の動向)
5.× 純再生産率は1を下回っている。平成30(2018)年の純再生産率は0.69である。(国立社会保障・人口問題研究所:人口統計資料集)
34 人口10万人の市の保健師が担当地区の地域診断を行った。
情報分析の方法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1.出生数を県全体の数値と比較した。
2.妊産婦死亡率を学校区別に比較した。
3.地区組織の代表者からの意見を分析した。
4.住民登録者のない地区をアセスメントから除外した。
5.子育てニーズを母親の就労の有無などの属性別に集計した。
解答3・5
解説
地域診断とは、「公衆衛生を担う専門家が、 地区活動を通して地域課題を明らかにし、 地区活動を通して個人のケアに留まらず、集団あるいは地域を対象にケアを行い、地域課題を軽減・解消していく一連のプロセスである。
1.× 「出生数」ではなく、出生率を県全体の数値と比較した方が良い。なぜなら、人口規模が異なるため。出生数とは、子どもの生まれた数のことであり、一方、出生率とは、一定人口に対するその年の出生数の割合をいう。
2.× 妊産婦死亡率を学校区別に比較する必要はない。妊産婦死亡率とは、妊産婦10万人中の死亡数のことである。学校区別の比較することで得られる情報は少ない。ただし、都道府県によって5倍以上の差があることが、厚生労働省の研究班の調べでわかっており、 過去10年間の平均をとったところ、最も低い広島が出生10万件あたり1.84人だったのに対し、最も高い京都は10.70人であった。
3.〇 正しい。地区組織の代表者からの意見を分析した。なぜなら、意見を分析することで、地域課題を明らかにするだけでなく、地域の生活実態や人々の考え方についての情報が得られるため。受け持ち地区の地域診断において適切である。
4.× 住民登録者のない地区をアセスメントから除外する必要はない。なぜなら、住民登録者のある・なしに関わらず、住民が居住している場合は、保健活動を展開していく必要があるため。
5.〇 正しい。子育てニーズを母親の就労の有無などの属性別に集計した。なぜなら、子育てニーズを母親の就労などの属性別で集計することにより、母親の背景から特徴が分析できる可能性があるため。地域診断とは、「公衆衛生を担う専門家が、 地区活動を通して地域課題を明らかにし、 地区活動を通して個人のケアに留まらず、集団あるいは地域を対象にケアを行い、地域課題を軽減・解消していく一連のプロセスである。
35 難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)に基づく難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針で定める内容はどれか。2つ選べ。
1.発症の予防
2.就労の支援
3.医療費の適正化
4.対象疾患の拡充
5.療養生活の環境整備
解答2・5
解説
『難病法』とは、難病の患者に対する医療などに関する施策を定め、良質・適切な医療の確保、療養生活の質の維持向上を図ることを目的としている。この目的に沿って定められている8つの基本方針は以下のとおりである。
【難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方
①医療等の推進の基本的な方向
②医療を提供する体制の確保に関する事項
③医療に関する人材の養成に関する事項
④調査及び研究に関する事項
⑤医療のための医薬品及び医療機器に関する研
⑥療養生活の環境整備に関する事項
⑦医療等と福祉サービスに
⑧その他、医療等の推進に関する重要事項
【難病と指定難病の定義】
・発病の機構が明らかでない。
・治療方法が確立していない。
・希少な疾病である。
・長期の療養を必要する。
【指定難病】
・患者数が一定の人数に達しない。
・客観的な診断基準が確立してない。
【医療費助成制度について】
①都道府県・指定都市の窓口に申請する。
②医療費助成の対象者:指定難病に罹患し、重症度分類等による病状の程度が一定以上であるとして認定を受けた者。
③患者の自己負担は2割で、自己負担上限額(月額)が設定されている。
④自己負担上限額は、応能負担(世帯の所得に応じて設定)されている。
⑤医療費助成は、都道府県・指定都市が指定する指定医療機関が行う特定医療に対して行われる。
⑥特定医療費の支給に要する費用は、都道府県と国が50%ずつ負担している。
(※参考「指定難病の要件について」厚生労働省HPより)
1,3,4.× 発症の予防/医療費の適正化/対象疾患の拡充については定めていない。
2.〇 正しい。就労の支援は、上記記述の⑦「難病の患者に対する医療等と難病の患者に対する福祉サービスに関する施策、就労の支援に関する施策その他の関連する施策との連携に関する事項」で定めている。
5.〇 正しい。療養生活の環境整備は、上記記述の⑥「難病の患者の療養生活の環境整備に関する事項」で定めている。