6 昨年度の生活習慣病予防教室参加者から、自主グループとしてウォーキング愛好会を立ち上げたいと地区担当保健師に相談があった。
このグループの発展段階の開始期に支援する内容で適切なのはどれか。
1.年間活動計画の立案
2.ウォーキングコースの設定
3.メンバー募集のチラシ作成
4.メンバーの役割分担
解答1
解説
・昨年度の生活習慣病予防教室参加者:「自主グループとしてウォーキング愛好会を立ち上げたい」
・グループの発展段階の開始期に支援する内容。
→開始期:メンバーが集まってグループとして動き出すまでの段階である。
【支援役割】①メンバーは緊張しているため、ワーカー自身が受容的な雰囲気を作っていく。②グループワークを実施する目的・意義・理由・背景等の説明する。③基本的なルールや民主的な態度でグループ運営を行っていく。
1.〇 正しい。年間活動計画の立案は、グループの発展段階の開始期に支援する内容で適切である。開始期:メンバーが集まってグループとして動き出すまでの段階である。【支援役割】①メンバーは緊張しているため、ワーカー自身が受容的な雰囲気を作っていく。②グループワークを実施する目的・意義・理由・背景等の説明する。③基本的なルールや民主的な態度でグループ運営を行っていく。
2.4.× ウォーキングコースの設定などの具体的な活動内容の検討/メンバーの役割分担が確立するは、作業期に行う活動である。③作業期:メンバーとグループ全体が、自分たちの課題に取り組み、目的達成のために成果が出るよう進めていく段階である。【支援役割】①メンバー個別に信頼関係を得ていく。②メンバーのプログラム参加の動機づけを高めるよう意見を反映する。③プログラム活動の目的を共有し、仲間意識を高める。④孤立するメンバーやサブグループが現われたら適切に対応する。⑤相互援助システムを形成する。
3.× メンバー募集のチラシ作成は、準備期に行う活動である。①準備期:初めて顔を合わせる前に準備する段階である。
【支援役割】①ニーズを探り援助対象を決定する。②組織のバックアップを受けて、メンバーは固定グループか開放グループか検討し、援助期間や頻度も決めておく。③メンバーの情報を集め理解をしておく。④記録用紙の様式も検討しておく。
①準備期:初めて顔を合わせる前に準備する段階である。
【支援役割】①ニーズを探り援助対象を決定する。②組織のバックアップを受けて、メンバーは固定グループか開放グループか検討し、援助期間や頻度も決めておく。③メンバーの情報を集め理解をしておく。④記録用紙の様式も検討しておく。
②開始期:メンバーが集まってグループとして動き出すまでの段階である。
【支援役割】①メンバーは緊張しているため、ワーカー自身が受容的な雰囲気を作っていく。②グループワークを実施する目的・意義・理由・背景等の説明する。③基本的なルールや民主的な態度でグループ運営を行っていく。
③作業期:メンバーとグループ全体が、自分たちの課題に取り組み、目的達成のために成果が出るよう進めていく段階である。【支援役割】①メンバー個別に信頼関係を得ていく。②メンバーのプログラム参加の動機づけを高めるよう意見を反映する。③プログラム活動の目的を共有し、仲間意識を高める。④孤立するメンバーやサブグループが現われたら適切に対応する。⑤相互援助システムを形成する。
④終結期:グループ援助を終わりにする段階である。
【支援役割】①今まで共有した時間を振り返り、共に経験した感情を分かち合い、グループワークの成果を今後どのように生かしていくか考える。②必要に応じてメンバー個別に援助を行っていく。③各メンバーのグループ経験を評価する。
(※参考「ループの発達段階@本八幡」就労移行支援事業所リバーサル本八幡様HPより)
7 A市の新生児訪問のデータを表に示す。
このデータの統計分析に適切なのはどれか。
1.F検定
2.t検定
3.U検定
4.χ2(カイ乗)検定
解答4
解説
検定とは、統計学的手法を用いて、帰無仮説が正しいか、正しくないかを判断することである。
「検定の方法」
①パラメトリック検定(母集団が正規分布をするという仮説のもとに行う)
例:パラメトリック検定には、①t検定(2群の平均値の差を検定する)、②分散分析(3群以上の平均値に差があるかどうかを検定する)などがある。
②ノンパラメトリック検定(母集団の分布にかかわらず用いることのできる)に大別される。
例:ノンパラメトリック検定には、①Mann-Whitney検定(2群の中央値の差を検定する)、②X2検定(割合の違いを求める)、③Wilcoxon符号付順位検定(一対の標本による中央値の差を検定する)などがある。
1.× F 検定は、2つのデータ群のばらつきが等しいかどうか(等分散)を検定する。
2.× t 検定は、2群間の平均値の差を検定する。
3.× U 検定は、2群をひとまとめにして順位をつけ、群ごとの順位の和を用いて比較する検定である。
4.〇 正しい。χ2(カイ乗)検定は、2つの変数カテゴリー同士の観察された頻度に、理論値との差(割合の差)があるかどうかを検定する。何かが発生する頻度(度数)について偏りがあるかどうかを調べる手法である。 理論的に予想されるデータの分布と実際に観測されたデータの分布がほぼ同じかどうかを検証する。
8 平成29年(2017 年)の地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律で改正されたのはどれか。
1.介護医療院の創設
2.地域ケア会議の推進
3.全国一律の予防給付の地域支援事業への移行
4.一定以上所得のある者のサービス費の利用者負担2割
解答1
解説
1.〇 正しい。介護医療院の創設は、平成29年(2017 年)の地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律で改正された。介護医療院の創設のほかにも、利用者負担2割の者のうち、特に所得が高い層における負担割合の3割への引き上げなどが行われた。介護医療院は、療養病床等からの移行が見込まれているが、単なる療養病床等からの移行先ではなく、「住まいと生活を医療が支える新たなモデル」として創設された。介護医療院においては、「利用者の尊厳の保持」と「自立支援」を理念に掲げ、「地域に貢献し地域に開かれた交流施設」としての役割を担うことが期待されている。
2~4.× 地域ケア会議の推進/全国一律の予防給付の地域支援事業への移行/一定以上所得のある者のサービス費の利用者負担2割は、いずれも、平成26(2014)年の改正内容である。このときの改正の目的は、『地域包括ケアンステムの構築と費用負担の公平化』である。
(参考:「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律のポイント」厚生労働省HPより)
9 市の健康増進計画(3か年計画)を新たに策定することになり、市に健康増進計画審議会を設置することになった。
審議会の説明として適切なのはどれか。
1.策定した計画の評価を目的とする。
2.審議会の決定は法的拘束力を持つ。
3.地域保健法に基づき設置される。
4.合議制の諮問機関である。
解答4
解説
健康増進計画審議会は、条例に基づき設置されており、市長の諮問に応じて、枚方市健康増進計画の策定および推進に関する調査審議を行いう。委員は、①学識経験を有する者、②保健、医療に関する専門的知識を有する者、③市民団体又は関係団体を代表する者で構成している。
【目的】①計画の評価、②策定計画の目標、③具体的な内容の検討など。
1.× 策定した計画の評価だけを目的としていない。健康増進計画審議会は、計画の評価だけでなく、①策定計画の目標、②具体的な内容の検討についても目的としている。
2.× 審議会の決定は、法的拘束力を持たない。審議会の答申を受け、施策などを最終的に決定するのは行政機関(本問の場合は市)である。
3.× 健康増進計画は、地域保健法ではなく『健康増進法』に基づき設置される。
4.〇 正しい。合議制の諮問機関である。諮問機関(しもんきかん)とは、国の行政機関である府・省・委員会・庁の長及び地方公共団体の執行機関の附属機関の一種であり、行政庁の意思決定に際して、専門的な立場から特別の事項を調査・審議する合議制の機関のことである。
10 がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針について、平成28年(2016年)改訂以降の内容で正しいのはどれか。
1.乳がん検診の対象者は20 歳以上である。
2.胃がん検診には胃内視鏡検査が含まれる。
3.肺がん検診の受診間隔は2年に1回である。
4.子宮頸がん検診の受診間隔は1年に1回である。
解答2
解説
1.× 乳がん検診の対象者は、「20 歳以上」ではなく、当該市町村の区域内に居住地がある40歳以上の女性となっている。
2.〇 正しい。胃がん検診には胃内視鏡検査が含まれる。平成28(2016)年改正により、胃癌検診の検診項目は、①問診、②胃部エックス線検査または③胃内視鏡検査のいずれかとなった。
3.× 肺がん検診の受診間隔は、「2年に1回」ではなく原則として年1回行うことになっている。
4.× 子宮頸がん検診の受診間隔は、「1年に1回」ではなく、原則として2年に1回行うことになっている。実施回数に関して、がん検診は、原則として同一人について年1回行う。ただし、胃がん検診、子宮頸がん検診及び乳がん検診については、原則として同一人について2年に1回行う。なお、胃がん検診については、当分の間、胃部エックス線検査を年1回実施しても差し支えない。
参考資料:「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(厚生労働省)」