第107回(H30) 看護師国家試験 解説【午後106~110】

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次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
 Aさん(32歳、男性)。自宅の部屋で多量の鎮咳薬を見つけた母親に心配され、自宅近くの病院を受診した。「5年前、仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らないことがあった。そのときに処方された咳止めの薬を飲むと、頭がボーッとして気持ちが良かったのがきっかけで、近所の薬局で咳止めを買うようになった。3年前から飲む量が増えるようになり、やめられなくなっている。仕事もうまくいかなくなり、退職した」と言う。Aさんは紹介を受けた精神科を受診した。

106 このときにAさんから収集する情報として優先度が高いのはどれか。

1.排尿回数
2.咳嗽の有無
3.鎮咳薬の使用状況
4.生活上のストレス要因

解答3

解説

本症例のポイント

・Aさん(32歳、男性)
多量の鎮咳薬を見つけた。
以下発言
・5年前:仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らないことがあった。
・頭がボーッとして気持ちが良かった。
・3年前:飲む量が増えるようになり、やめられなくなっている
・仕事もうまくいかなくなり、退職した。
→本症例は、鎮咳薬(咳止め)の依存がみられる。鎮咳薬(咳止め)には、麻薬性と非麻薬性がある。このうち、麻薬性(コデインなど)には依存性があり、しばしば乱用されることがある。退職まで陥ることになっているため、まずは現在の服薬量を評価することが大切である。

1.× 排尿回数より優先度が高いものが他にある。なぜなら、設問文からは排尿状態に関する記載はないため。ただし、必要以上に麻薬性鎮咳薬を服用すると、便秘・排尿障害・血圧低下・吐き気などの副作用が認められるほか、依存により服用量がどんどん増えていく。したがって、まずは現在の服薬量を評価することが大切である。
2.× 咳嗽の有無より優先度が高いものが他にある。なぜなら、鎮咳薬(咳止め)を飲み続けている理由は、「頭がボーッとして気持ちが良かった」ことが強いと考えられるため。鎮咳薬(咳止め)を飲み始めるきっかけは、風邪であるがそれは5年前の話である。
3.〇 正しい。鎮咳薬の使用状況は、収集する情報として優先度が高い。なぜなら、本症例は、鎮咳薬(咳止め)の依存がみられるため。鎮咳薬(咳止め)には、麻薬性と非麻薬性がある。このうち、麻薬性(コデインなど)には依存性があり、しばしば乱用されることがある。退職まで陥ることになっているため、まずは現在の服薬量を評価することが大切である。
4.× 生活上のストレス要因より優先度が高いものが他にある。なぜなら、鎮咳薬(咳止め)を飲み続けている理由は、「頭がボーッとして気持ちが良かった」ことが強いと考えられるため。設問文には、「仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らない」とは記載されているが、「生活上のストレス」に関した記載は読み取ることはできない。ただし、一般的に、依存性物質を乱用してしまう背景に生活上のストレスがあることは多いため、優先度は現在の服薬状況より高くはないが、今後、入院前の生活を評価する必要がある。

 

 

 

 

次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
 Aさん(32歳、男性)。自宅の部屋で多量の鎮咳薬を見つけた母親に心配され、自宅近くの病院を受診した。「5年前、仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らないことがあった。そのときに処方された咳止めの薬を飲むと、頭がボーッとして気持ちが良かったのがきっかけで、近所の薬局で咳止めを買うようになった。3年前から飲む量が増えるようになり、やめられなくなっている。仕事もうまくいかなくなり、退職した」と言う。Aさんは紹介を受けた精神科を受診した。

107 Aさんは鎮咳薬による薬物依存症と診断され、任意入院となった。入院2週後、Aさん、主治医および担当看護師で、今後の治療について話し合った。Aさんは「今までは自分の力で薬をやめられると思ったけれど、やっぱりできなかった。仕事もしていないし、家に帰ったらまた薬を買ってしまいそうだ。今度こそ何とかやめたい」と話している。
 Aさんへの対応として最も適切なのはどれか。

1.服薬心理教育を実施する。
2.ハローワークを紹介する。
3.生活技能訓練(SST)を勧める。
4.薬物依存症者のリハビリテーション施設の情報を提供する。

解答4

解説

本症例のポイント

・診断:鎮咳薬による薬物依存症(任意入院)
・入院2週後「今までは自分の力で薬をやめられると思ったけれど、やっぱりできなかった。仕事もしていないし、家に帰ったらまた薬を買ってしまいそうだ。今度こそ何とかやめたい」と。
→依存症の治療として、自助グループがあげられる。例えば、アルコール依存症の集団精神療法では、自己の飲酒問題を認め、断酒の継続を行うことが治療上極めて有効である。自助グループ(セルフヘルプグループ、当事者グループ)に、同じ問題や悩みを抱える者同士が集まり、自分の苦しみを訴えたり、仲間の体験談を聞いたりすることで問題を乗り越える力を養っていく。断酒継続のための自助グループ(当事者グループ)としてよく知られているものに、断酒会とAA(Alcoholics Anonymous:アルコール依存症者匿名の会)がある。断酒会は日本独自のもので、参加者は実名を名乗り、家族の参加も可能である。AAはアメリカで始まり、世界各地にある。匿名で参加し、家族は原則として同席しない。

1.× 服薬心理教育を実施する優先度は低い。なぜなら、服薬心理教育とは、主に統合失調症に対して行う支援のひとつであるため。服薬心理教育とは、まず統合失調症の症状や原因を学ぶところから始まり、治療に対する薬物療法での薬剤の作用、副作用から日常生活における注意点を指導するといった治療に対して前向きに取り組んでいくための教育を行うものである。
2.× ハローワークを紹介する優先度は低い。なぜなら、Aさんから復職の希望が聞かれていないため。ハローワークとは、就職困難者の支援など地域の総合的雇用サービス機関であり主な業務として、①職業相談、②職業紹介、③求人確保、④事業主に対する助言・窓口業務、⑤就職後の障害者に対する助言・指導などがあげられる。公共職業安定所ともいわれる。
3.× 生活技能訓練(SST)を勧める優先度は低い。なぜなら、Aさんから「家に帰ったらまた薬を買ってしまいそう」という再発の不安が主に聞かれるため。生活技能訓練は直接的な解決とはならない。ちなみに、生活技能訓練(SST:Social Skills Training)とは、社会生活を送るうえでの技能を身につけ、ストレス状況に対処できるようにする集団療法の一つ(認知行動療法の一つ)である。精神科における強力な心理社会的介入方法である。患者が習得すべき行動パターンを治療者(リーダー)が手本として示し、患者がそれを模倣して適応的な行動パターンを学ぶという学習理論に基づいたモデリング(模倣する)という技法が用いられる。
4.〇 正しい。薬物依存症者のリハビリテーション施設の情報を提供する。Aさんは「今までは自分の力で薬をやめられると思ったけれど、やっぱりできなかった。仕事もしていないし、家に帰ったらまた薬を買ってしまいそうだ。今度こそ何とかやめたい」と話していることからも、鎮咳薬を買いそうだとの不安を感じられる。鎮咳薬を今度こそ断ちたいと思いつつも、自分だけの力では依存を治療できないことに気づいたAさんにとって、支援を提供してくれるリハビリテーション施設を紹介することは適切な対応である。

”統合失調症とは?”

統合失調症とは、幻覚・妄想・まとまりのない発語および行動・感情の平板化・認知障害ならびに職業的および社会的機能障害を特徴とする。原因は不明であるが、遺伝的および環境的要因を示唆する強固なエビデンスがある。好発年齢は、青年期に始まる。治療は薬物療法・認知療法・心理社会的リハビリテーションを行う。早期発見および早期治療が長期的機能の改善につながる。統合失調症患者の約80%は、生涯のある時点で、1回以上うつ病のエピソードを経験する。統合失調症患者の約5~6%が自殺し,約20%で自殺企図がみられる。したがって、うつ症状にも配慮して、工程がはっきりしたものや安全で受け身的で非競争的なものであるリハビリを提供する必要がある。

(※参考:「統合失調症」MSDマニュアル様HPより)

 

 

 

 

次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
 Aさん(32歳、男性)。自宅の部屋で多量の鎮咳薬を見つけた母親に心配され、自宅近くの病院を受診した。「5年前、仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らないことがあった。そのときに処方された咳止めの薬を飲むと、頭がボーッとして気持ちが良かったのがきっかけで、近所の薬局で咳止めを買うようになった。3年前から飲む量が増えるようになり、やめられなくなっている。仕事もうまくいかなくなり、退職した」と言う。Aさんは紹介を受けた精神科を受診した。

108 さらに2週が経過し、Aさんは鎮咳薬の服用をやめる意思を強く固め、今後の依存症の治療について真剣に考えるようになった。Aさんの父親はAさんが幼少期のころ死亡しており、Aさんは母親と2人で暮らしていた。母親は週2回面会に来て、Aさんに対して小さな子どもに接するように世話をしていた。担当看護師が母親と今後のことについて話すと、母親は「私が何とかします。私しかこの子の力になってあげられないのです。本当はもっとAにしっかりして欲しい。でも、そう言うとAは怒ってしまいます」と話した。
 担当看護師の母親への声かけで適切なのはどれか。

1.「親戚で頼りになる方はいませんか」
2.「なるべく怒らせないようにすることが大切です」
3.「お母さんは今までどおりの関わりで良いですよ」
4.「Aさんが自分で自分のことをできるようにサポートしていきましょう」

解答4

解説

本症例のポイント

・Aさん(32歳、男性)
・2週経過:鎮咳薬の服用をやめる意思を強く固めた。
・今後の依存症の治療について真剣に考えるようになった。
・父親:幼少期のころ死亡(2人暮らし:Aさんと母親)
・母親:週2回面会(小さな子どもに接するように世話する)
・母親「私が何とかします。私しかこの子の力になってあげられないのです。本当はもっとAにしっかりして欲しい。でも、そう言うとAは怒ってしまいます」と。
→依存症治療は、家族など周囲の協力も大切である。ときには家族の関係が依存症を引き起こしていることもあり、家族にも疾患について正しく理解し、適切な行動をとってもらうことが望まれる。Aさん(32歳、男性)にもかかわらず、母親は小さな子どもに接するように世話している様子が見られている。共依存の関係(自分と特定の相手がその関係性に過剰に依存しており、その人間関係に囚われている関係への嗜癖状態を指す。)も疑われ、母親に対する適切な指導が必要となる。

1.× 「親戚で頼りになる方はいませんか」と伝える必要はない。なぜなら、母親は役立たずというように伝わりかねないため。依存症治療は、家族など周囲の協力も大切である。また、母親は「私が何とかします」と協力的な姿勢も見られる。したがって、家族にも疾患について正しく理解し、適切な行動をとってもらうことが望まれる。
2.× 「なるべく怒らせないようにすることが大切です」と伝える必要はない。なぜなら、母親の伝え方が一方的に悪いよう聞こえかねないため。母親は「本当はもっとAにしっかりして欲しい」という思いで言っている。そのため、母親の伝え方にも原因があるかもしれないが、決めつけた言い方をするのではなく、Aさんにも原因が考えられる可能性がある。したがって、まずは傾聴や受容しながら情報収集に努める。
3.× 「お母さんは今までどおりの関わりで良いですよ」と伝える必要はない。なぜなら、Aさん(32歳、男性)にもかかわらず、母親は小さな子どもに接するように世話している様子が見られているため。これまで通りでは、Aさんの再発防止などの解決へはつながらない。
4.〇 正しい。「Aさんが自分で自分のことをできるようにサポートしていきましょう」と母親へ声かけする。なぜなら、母親「私が何とかします。私しかこの子の力になってあげられないのです」と、母親のAさんへの接し方が、Aさんの精神的な自立を妨げている恐れが考えられるため。依存症は、イネイブラー(enabler)である家族と患者との共依存が問題となる疾患である。例えば、アルコール依存症者が飲み続けることを可能にする(周囲の人の)行為を「イネイブリング(enabling)」、それをしてしまう人(後援者)のことを「イネイブラー(enabler)」という。責任の肩代わりをすると本人が感じるべき後悔や痛みを軽減してしまうため、本人は嫌な思いをせずに済む。その結果、「喉元過ぎれば」で、飲み続けることを可能にしてしまう悪循環になる。家族、友人、同僚、上司など、本人のことを大切に思っている人ほど「イネイブラー(enabler)」になりやすい。

 

 

 

 

次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
 Aさん(23歳、女性)。両親との3人暮らし。Aさんは大学受験に失敗して以来、自宅に引きこもりがちになった。 1年前から手洗いを繰り返すようになり、最近では夜中も起き出して手を洗い、手の皮膚が荒れてもやめなくなった。心配した母親が付き添って受診したところ、Aさんは強迫性障害と診断された。母親は、Aさんについて「中学生までは成績優秀で、おとなしい子どもだった」と言う。Aさんには極度に疲労している様子がみられたことから、その日のうちに任意入院となった。

109 入院後、Aさんは主治医と話し合い、1日の手洗いの回数を決めたが、毎日その回数を超えて手洗いを続けている。看護師が確認するといつも洗面所にいる。
 Aさんが決めた回数を超えて洗面所で手洗いを続けているときに、看護師がとる対応で適切なのはどれか。

1.手洗いを続けてしまうことについてAさんと一緒に話し合う。
2.病棟は清潔であることをAさんに説明する。
3.主治医にAさんの隔離について相談する。
4.Aさんと決めた手洗いの回数を増やす。

解答1

解説

本症例のポイント

・Aさん(23歳、女性、引きこもり強迫性障害
・3人暮らし:両親。
・1年前から:手洗いを繰り返す
・最近:夜中洗い、手の皮膚が荒れてもやめなくなった。
・母親「中学生までは成績優秀で、おとなしい子どもだった」と。
・任意入院となった。
・1日の手洗いの回数を決めたが、毎日その回数を超えて手洗いを続けている。
いつも洗面所にいる
→強迫性障害とは、自分の意志に反する不合理な観念(強迫観念)にとらわれ、それを打ち消すために不合理な行動(強迫行為)を繰り返す状態をいう。治療として、①SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、②森田療法、③認知行動療法などである。他のことに目を向けさせることによりこだわりを軽減することを目的とする。

1.〇 正しい。手洗いを続けてしまうことについてAさんと一緒に話し合う。なぜなら、まずはAさんが手洗いを続けてしまっていることに対しどう思っているか聞くことができるため。強迫性障害の治療として認知行動療法がある。認知行動療法とは、ベックによって精神科臨床に適応された治療法である。例えば、うつ病患者の否定的思考を認知の歪みと考え、その誤りを修正することによって症状の軽快を図る。認知行動療法の中に、系統的脱感作法がある。系統的脱感作法とは、患者に不安を引き起こす刺激を順に挙げてもらい(不安階層表の作成)、最小限の不安をまず想像してもらう。不安が生じなかったら徐々に階層を上げていき、最終的に源泉となる不安が消失する(脱感作)ことを目指す手法である。
2.× 病棟は清潔であることをAさんに説明する必要はない。なぜなら、強迫性障害とは、自分の意志に反する不合理な観念(強迫観念)にとらわれ、それを打ち消すために不合理な行動(強迫行為)を繰り返す状態をいうため。医療者が一方的に説明するだけでは、効果は見込めない。
3.× 主治医にAさんの隔離について相談するのは必要はない。なぜなら、隔離の目的は、患者の症状からみて、本人又は周囲の者に危険が及ぶ可能性が著しく高く、隔離以外の方法ではその危険を回避することが著しく困難であると判断される場合に、その危険を最小限に減らし、患者本人の医療又は保護を図ることであるため(※参考:「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三十七条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」厚生労働省HPより)。
4.× Aさんと決めた手洗いの回数を増やす必要はない。なぜなら、回数を増やしたところでAさんの強迫行為が減る可能性は低いため。まずは、手洗いの回数を減らすために、精神的・身体的苦痛が軽減できることが目標である。Aさんと話し合うのが優先される。

患者の隔離について

第三 患者の隔離について
一 基本的な考え方
①患者の隔離(以下「隔離」という)は、患者の症状からみて、本人又は周囲の者に危険が及ぶ可能性が著しく高く、隔離以外の方法ではその危険を回避することが著しく困難であると判断される場合に、その危険を最小限に減らし、患者本人の医療又は保護を図ることを目的として行われるものとする。
②隔離は、当該患者の症状からみて、その医療又は保護を図る上でやむを得ずなされるものであつて、制裁や懲罰あるいは見せしめのために行われるようなことは厳にあつてはならないものとする。
③十二時間を超えない隔離については精神保健指定医の判断を要するものではないが、この場合にあつてもその要否の判断は医師によつて行われなければならないものとする。
④なお、本人の意思により閉鎖的環境の部屋に入室させることもあり得るが、この場合には隔離には当たらないものとする。この場合においては、本人の意思による入室である旨の書面を得なければならないものとする。

(※参考:「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三十七条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」厚生労働省HPより)。

 

 

 

 

次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
 Aさん(23歳、女性)。両親との3人暮らし。Aさんは大学受験に失敗して以来、自宅に引きこもりがちになった。 1年前から手洗いを繰り返すようになり、最近では夜中も起き出して手を洗い、手の皮膚が荒れてもやめなくなった。心配した母親が付き添って受診したところ、Aさんは強迫性障害と診断された。母親は、Aさんについて「中学生までは成績優秀で、おとなしい子どもだった」と言う。Aさんには極度に疲労している様子がみられたことから、その日のうちに任意入院となった。

110 Aさんは、食事の時間以外は他の患者との接触を避け、病室で1人で過ごしている。両親は共働きで、毎日面会に来ることはできない。Aさんは自宅に面会の催促の電話をかけては母親と口論している。Aさんとの関わりに心身ともに疲れ果てた母親が、看護師に相談してきた。
 母親への看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1.父親と交代で毎日面会に来るよう勧める。
2.Aさんからの自宅への連絡を制限することを約束する。
3.Aさんの代わりに看護師がAさんの苦悩を母親に伝える。
4.Aさんと母親との話し合いに看護師が同席することを提案する。

解答4

解説

本症例のポイント

・Aさん(23歳、女性、引きこもり強迫性障害
・食事の時間以外は他の患者との接触を避けている。
・病室で1人で過ごしている。
両親は共働き(毎日面会に来ない)
Aさんは自宅に面会の催促の電話をかけては母親と口論している
・Aさんとの関わりに心身ともに疲れ果てた母親が、看護師に相談してきた。
→すでに、Aさんの母親は心身ともに疲れ果てている。両親は共働きで、ただでさえ疲労がたまっていると考えられる。まずは本症例の家族にも負担がかからないように看護師はアドバイスしよう。

1.× 父親と交代で毎日面会に来るよう勧める優先度は低い。なぜなら、設問文から「両親は共働きで、毎日面会に来ることはできない」、また「母親は心身ともに疲れ果てている」様子である。これ以上、父親と父親と交代で毎日面会に来るよう勧めるとさらに負担を強いることになってしまう。
2.× Aさんからの自宅への連絡を制限することを約束する優先度は低い。なぜなら、通信は法律にて原則として自由が保障されており、やむを得ず治療上制限をしなければならない場合には医師の判断が必要であるため。これは「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第三十七条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」の第2条に規定されている(※参考:e-GOV法令検索様HPより)。
3.× Aさんの代わりに看護師がAさんの苦悩を母親に伝える優先度は低い。なぜなら、Aさんは面会を望んでいるのに、それを無視して看護師が代理で伝えることは問題解決にならないためである。
4.〇 正しい。Aさんと母親との話し合いに看護師が同席することを提案する。なぜなら、看護師が同席することで、母親と口論になってしまったときでも、2人の間を取り合うことで、冷静に話し合うことができるため。

 

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