21 平成29年度(2017年度)の傷病分類別医科診療医療費で、医療費が最も多いのはどれか。
1.精神および行動の障害
2.呼吸器系の疾患
3.循環器系の疾患
4.消化器系の疾患
5.新生物<腫瘍>
解答3
解説
(参考データ:「平成29年度(2017年度)の傷病分類別医科診療医療費」厚生労働省様HPより)
診療医療費を主傷病による傷病分類別にみると、「循環器系の疾患」6兆771億円(構成割合19.7%)が最も多く、次いで「新生物<腫瘍>」4兆3,761億円(同14.2%)、「筋骨格系及び結合組織の疾患」2兆4,452億円(同7.9%)、「損傷,中毒及びその他の外因の影響」2兆3,814億円(同7.7%)、「呼吸器系の疾患」2兆2,892億円(同7.4%)となっている。
1.× 精神および行動の障害(損傷,中毒及びその他の外因の影響)は、4位:2兆3,814億円(7.7%)である。
2.× 呼吸器系の疾患は、5位:2兆2,892億円(7.4%)である。
3.〇 正しい。循環器系の疾患の医療費が最も多い。1位:6兆771億円(19.7%)である。
4.× 消化器系の疾患(筋骨格系及び結合組織の疾患)は、2兆4,452億円(7.9%)である。
5.× 新生物<腫瘍>は、2位:4兆3,761億円(14.2%)である。
22 Aさん(32歳、男性)は20歳からたばこを吸い続けていたが、妻の妊娠で両親学級に参加し、たばこによる胎児への影響が深刻であることを知り、これを機に禁煙しようと思った。Aさんは両親学級が終わった後、会場にいた保健師に「禁煙しようと思うのですが、良い方法はありますか」と尋ねた。
Aさんの現在の行動変容ステージに最も適した保健師の提案はどれか。
1.「禁煙のための知識を学びませんか」
2.「喫煙所の近くに行かないようにしましょう」
3.「禁煙に成功した人の経験を聞いてみませんか」
4.「まず今日一日たばこを吸わずに過ごしてみましょう」
5.「禁煙できた時の自分へのご褒美を考えてはどうでしょう」
解答1
解説
変化ステージ理論(行動変容ステージモデル)とは、人の健康行動の変容や維持について示された理論である。1980年代前半に禁煙の研究から導かれたモデルであり、いろいろな健康(食事や運動、禁煙)に関する行動について幅広く研究と実践が進められた。行動変容ステージモデルでは、人が行動(生活習慣)を変える場合は、「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通ると考えられている。
無関心期:行動変容を考えていない時期である。
関心期:行動変容を考えているが実行していない時期である。
準備期:すぐ始める意思がある時期もしくは独自の方法でも何かしら行っている時期である。
実行期:望ましい行動を起こした時期である。
維持期:6か月以上行動を継続している時期である。
1.〇 正しい。「禁煙のための知識を学びませんか」は、準備期である。設問から、Aさんは両親学級が終わった後、会場にいた保健師に「禁煙しようと思うのですが、良い方法はありますか」と尋ねている。すぐに始める意思があるため、準備期に該当する。
2.× 「喫煙所の近くに行かないようにしましょう」は、維持期(6か月以上行動を継続している時期)である。健康のために習慣化した行動を継続できるように、情報や評価を行う。
3.× 「禁煙に成功した人の経験を聞いてみませんか」は、関心期(行動変容を考えているが実行していない時期)である。動機づけの強化や行動変容の負担軽減、意識決定の支援を行う。禁煙に成功した人の経験を聞くことで、動機づけの強化につながる。
4.× 「まず今日一日たばこを吸わずに過ごしてみましょう」は、実行期(望ましい行動を起こした時期)である。自己効力感を高める支援や努力に対する評価を行う。まずは一日禁煙し成功体験を積むことで、自己効力感を向上できる。自己効力感とは、自分が行動しようと思っていること、変えようと思っている生活習慣などに対し、自分がどれだけできるかという自信や意欲のことである。
5.× 「禁煙できた時の自分へのご褒美を考えてはどうでしょう」は、実行期(望ましい行動を起こした時期)~維持期(6か月以上行動を継続している時期)である。シェイピングとは、簡単な課題から始めて、褒美を与えながら段階的に最終的な目的に接近していく(最終的な形をつくること:shaping) 方法をいう。
23 要因A「あり」の要因A「なし」に対する疾病B「あり」のオッズ比と95%信頼区間を求めた。
疾病Bの危険因子として統計学的に有意なのはどれか。なお、有意水準は5%と設定する。
1.オッズ比2.0 95%信頼区間(1.5〜2.7)
2.オッズ比2.0 95%信頼区間(0.5〜8.0)
3.オッズ比1.0 95%信頼区間(0.5〜2.0)
4.オッズ比0.5 95%信頼区間(0.1〜2.5)
5.オッズ比0.5 95%信頼区間(0.4〜0.6)
解答1
解説
オッズ比とは、症例群と対照群の事象の起こりやすさ(オッズ)の比をとったものである。つまり、「ある事象が起こる確率を起こらない確率で割ったもの」である。オッズが大きいほどその事象は起こりやすく、小さいほどその事象が起こりにくい。「1より大きいどうか」が目安となる。
95%信頼区間とは、母平均が95%の確率でその範囲にあるということをさす。信頼区間が、1を挟んでしまうと、母集団でのオッズ比は、2つの練習に差がない・2つのいずれかが優れている(2パターン)という3種類のオッズ比になる可能性を示す。つまり1を挟むと統計学的に「有意なし」ことになる。
1.〇 正しい。オッズ比2.0 95%信頼区間(1.5〜2.7)が、疾病Bの危険因子として統計学的に有意である。オッズ比とは、症例群と対照群の事象の起こりやすさ(オッズ)の比をとったものである。つまり、「ある事象が起こる確率を起こらない確率で割ったもの」である。オッズが大きいほどその事象は起こりやすく、小さいほどその事象が起こりにくい。「1より大きいどうか」が目安となる。95%信頼区間とは、母平均が95%の確率でその範囲にあるということをさす。信頼区間が、1を挟んでしまうと、母集団でのオッズ比は、2つの練習に差がない・2つのいずれかが優れている(2パターン)という3種類のオッズ比になる可能性を示す。つまり1を挟むと統計学的に「有意なし」となる。
2~4.× オッズ比2.0 95%信頼区間(0.5〜8.0)/オッズ比1.0 95%信頼区間(0.5〜2.0)/オッズ比0.5 95%信頼区間(0.1〜2.5)/は、95%信頼区間が「1を挟んでいる」ため、統計学的に「有意なし」となる。
5.× オッズ比0.5 95%信頼区間(0.4〜0.6)は、オッズ比が「1より小さい」ため、統計学的に「有意なし」となる。
24 検査で陽性と判定された人のうち実際に疾病を有している人の割合を示す指標はどれか。
1.特異度
2.敏感度
3.有効度
4.偽陽性率
5.陽性反応的中度
解答5
解説
・疾病を有するものを正しく疾病ありと診断する確率を「感度」という。
・疾病を有さないものを正しく疾病なしと診断する確率を「特異度」という。
・検査陽性者のうち実際に疾病を有する者の割合を「陽性反応的中度(陽性的中率)」という。
・検査陰性者のうち実際に疾病を有さない者の割合を「陰性反応的中度(陰性的中率)」という。
・疾病なしだが、検査結果は陽性と判定される割合を「偽陽性率」という。
・疾病ありだが、検査結果は陰性と判定される割合を「偽陰性率」という。
1.× 特異度とは、疾病を有さないものを正しく疾病なしと診断する確率のことをいう。つまり、「特異度が高い」=「偽陽性が少ない」=「疾患がない人を、きちんと健康と診断できるか」を示している。
2.× 敏感度とは、実際に疾病にかかっている者が検査で陽性となる割合のことをいう。検査による疾病発見の能力を表す。値が高いほど良いものと考える。
3.× 有効度とは、疾病の有無を正しく反映している割合のことをいう。
4.× 偽陽性率とは、疾病なしだが、検査結果は陽性と判定される割合のことをいう。
5.〇 正しい。陽性反応的中度(陽性的中率)は、検査で陽性と判定された人のうち実際に疾病を有している人の割合を示す指標である。検査陽性者のうち実際に疾病を有する者の割合のことをいう。
25 平成30年(2018年)国民健康・栄養調査における20歳以上の男女別の「現在習慣的に喫煙している者の割合」で正しいのはどれか。
1.男性39.0% 女性28.1%
2.男性39.0% 女性18.1%
3.男性29.0% 女性18.1%
4.男性29.0% 女性8.1%
5.男性19.0% 女性8.1%
解答4
解説
(図引用:「平成30年(2018年)国民健康・栄養調査」厚生労働省様HPより)
4.〇 正しい。平成30年(2018年)国民健康・栄養調査における20歳以上の男女別の「現在習慣的に喫煙している者の割合」は、選択肢4.男性29.0% 女性8.1%である。