第108回(R4)保健師国家試験 解説【午前26~30】

 

26 平成30年(2018年)の労働安全衛生調査(実態調査)で、労働者の仕事や職業生活における強い不安、悩み、ストレスの内容に関して最も割合が高いのはどれか。

1.役割・地位の変化等(昇進、昇格、配置転換等)
2.対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)
3.仕事の失敗、責任の発生等
4.会社の将来性
5.仕事の質・量

解答

解説
1.× 役割・地位の変化等(昇進、昇格、配置転換等)は、5位(17.7%)である。
2.× 対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)は、3位(27.0%)である。
3.× 仕事の失敗、責任の発生等は、2位(35.0%)である。
4.× 会社の将来性は、4位(20.9%)である。
5.〇 正しい。仕事の質・量は労働者の仕事や職業生活における強い不安、悩み、ストレスの内容に関して最も割合が高い。56.7%と最も高い。

(データの引用:「平成30年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況」厚生労働省様HPより)

 

 

 

 

 

 

27 リスクコミュニケーションに当てはまる活動はどれか。

1.民生委員の会合でハザードマップを確認する。
2.災害派遣医療チーム<DMAT>を組織する。
3.災害が起こったときの被害を予測する。
4.食中毒の原因となる菌を調べる。
5.市の防災基本計画を策定する。

解答

解説

リスクコミュニケーション(リスクの意見交換)とは?

リスクコミュニケーション(リスクの意見交換)とは、個人・集団・組織間でリスクやその管理手法について相互に意見交換をすることである。交換のプロセスを通してリスクの受け止めしつつ、相互の信頼を深めることを目的としている。

1.〇 正しい。民生委員の会合でハザードマップを確認することは、リスクコミュニケーションに当てはまる。リスクコミュニケーション(リスクの意見交換)とは、個人・集団・組織間でリスクやその管理手法について相互に意見交換をすることである。交換のプロセスを通してリスクの受け止めしつつ、相互の信頼を深めることを目的としている。
2.× 災害派遣医療チーム<DMAT>の組織は、リスクコミュニケーションに当てはまらない。DMAT(災害派遣医療チーム)の特徴として、①都道府県の派遣要請に基づく。②災害の急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性をもつ。③主な活動は、広域医療搬送、病院支援、地域医療搬送、現場活動などである。
3.× 災害が起こったときの被害の予測は、リスクコミュニケーションに当てはまらない。なぜなら、災害が起こったときの被害の予測は、専門的な知識が必要であり、ハザードマップが存在するため。ちなみに、ハザードマップとは、自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したものである。
4.× 食中毒の原因となる菌を調べることは、リスクコミュニケーションに当てはまらない。リスクコミュニケーション(リスクの意見交換)とは、個人・集団・組織間でリスクやその管理手法について相互に意見交換をすることである。食中毒の原因となる菌を調べるのは、すでに食中毒が起こったあとに実施することになる。
5.× 市の防災基本計画の策定は、リスクコミュニケーションに当てはまらない。そもそも市は、防災基本計画を策定しない。なぜなら、防災基本計画の策定は、『災害対策基本法』に基づき中央防災会議で策定されるため。市町村では、防災基本計画に基づき、地域の実情に合った地域防災計画を策定する。

DMAT(災害派遣医療チーム)の特徴

定義:災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム。
医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)から活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームである。

①都道府県の派遣要請に基づく。
②災害の急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性をもつ。
③主な活動は、広域医療搬送、病院支援、地域医療搬送、現場活動などである。

※(「DMATとは」厚生労働省HPより)

民生委員とは?

民生委員は、日本独自の制度化されたボランティアである。地域社会の福祉の増進図っている。任期は3年で都道府県知事の推薦を受けて厚生労働大臣に委嘱されたものである。市町村の各地区に配置され、①住民の生活状況の把握、②関係機関との連携、③援助を要するものヘの相談援助を主な役割とする。根拠法令は「民生委員法」で給与の支給はない。

 

 




 

 

 

28 症例対照研究で計算が可能な指標はどれか。

1.受療率
2.オッズ比
3.寄与危険
4.推計患者数
5.5年生存率

解答

解説

コホート研究と症例対照研究の比較

コホート研究とは、時間軸:前向き研究で、観察期間は長期間行う。信頼性は高いが費用・労力が大きい。

症例対照研究とは、時間軸:後ろ向き研究で、観察期間はない。信頼性は低いが費用・労力が小さい。症例群と対照群に分け、両群の過去の曝露状況を比較する方法である。曝露と疾患発症の関連を明らかにする。

1.× 受療率は、患者調査の情報によって算出される。受療率は、調査日に医療施設で受療した推計患者数を、人口10万人に対する割合で表したものである。
2.〇 正しい。オッズ比は、症例対照研究で計算が可能な指標である。症例対照研究における相対危険度の近似値として求めることができる。オッズ比とは、「ある事象の起こりやすさを示す尺度」である。つまり、「ある事象が起こる確率を起こらない確率で割ったもの」である。オッズが大きいほどその事象は起こりやすく、小さいほどその事象が起こりにくいことがわかる。
3.× 寄与危険(リスク差)とは、コホート研究における曝露群と非曝露群の疾病発症リスクの差のことである。「曝露因子があるとどれだけ危険度が増すか」を示す。
4.× 推計患者数とは、調査日当日に、「病院・一般診療所・歯科診療所で受療した患者の推計数」であり、実際に受療した患者数も含まれる。
5.× 5年生存率は、ある疾患の診断から5年経過後に生存している患者の比率を示す指標である。

患者調査とは?

目的:病院・診療所を利用する患者について、傷病状況の実態を明らかにする。
調査頻度:3年に1回、医療施設静態調査と同時期に実施している。
調査対象:標本調査(全国の病院、一般診療所、歯科診療所から層化無作為により抽出した医療施設の患者)
調査項目:患者の性別、出生年月日、住所、入院・外来の種別、受療の状況等。
調査方法:医療施設の管理者が記入。

(参考:「患者調査(基幹統計)」厚生労働省HPより)

 

 

 

 

 

 

29 日本の主な死因別にみた死亡率(人口10万対)の年次推移を図に示す。
心疾患はどれか。

1.A
2.B
3.C
4.D
5.E

解答

解説

(※図引用:「健康づくりポータルサイト(healthy-life21.com)」様より)

1.× Aは、悪性新生物である。
2.〇 正しい。Bは、心疾患である。
3.× Cは、老衰である。
4.× Dは、脳血管疾患である。
5.× Eは、肺炎である。
(参考:「人口動態統計年報」厚生労働省様HPより)

 

 




 

 

 

30 レセプト情報・特定健診等情報データベース<NDB>に収載されているのはどれか。

1.世帯収入
2.食塩摂取量
3.同居家族人数
4.主要死因別死亡数
5.特定保健指導の実施状況

解答

解説

レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)とは?

レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)とは、①医療機関を受診した際に医療機関から保険者に対して発行される診療報酬明細書(レセプト)と、②40歳以上を対象に行われている特定健康診査・保健指導の結果からなるデータベースである。

1.3.× 世帯収入/同居家族人数は、国民生活基礎調査で調査する。国民生活基礎調査とは、国民生活の基礎的事項(保健・医療・福祉・年金・所得など)を把握するために行われる調査である。
2.× 食塩摂取量は、国民健康・栄養調査で調査する。国民健康・栄養調査とは、国民の健康状態、生活習慣や栄養素摂取量を把握するための調査である。 毎年、食生活状況、各種身体・血液検査や飲酒、喫煙、運動習慣などを調べており、国における健康増進対策や生活習慣病対策に不可欠な調査となっている。国民健康・栄養調査は、『健康増進法』に基づき、国民の身体の状況、栄養素等摂取状況および生活習慣の状況についての調査で、標本調査により実施される。
4.× 主要死因別死亡数は、人口動態調査で調査する。人口動態調査は、出生、死亡、婚姻、離婚および死産の全数を対象とした悉皆調査(しっかいちょうさ)、全数調査である。それらの事象(人口動態事象)を把握する調査である。
5.〇 正しい。特定保健指導の実施状況は、レセプト情報・特定健診等情報データベース<NDB>に収載されている。レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)とは、①医療機関を受診した際に医療機関から保険者に対して発行される診療報酬明細書(レセプト)と、②40歳以上を対象に行われている特定健康診査・保健指導の結果からなるデータベースである。

国民健康・栄養調査とは?

国民健康・栄養調査とは、国民の健康状態、生活習慣や栄養素摂取量を把握するための調査である。 毎年、食生活状況、各種身体・血液検査や飲酒、喫煙、運動習慣などを調べており、国における健康増進対策や生活習慣病対策に不可欠な調査となっている。国民健康・栄養調査は、『健康増進法』に基づき、国民の身体の状況、栄養素等摂取状況および生活習慣の状況についての調査で、標本調査により実施される。

【国民健康・栄養調査の調査項目】
1)身体状況調査票
ア.身長、体重(満1歳以上)
イ.腹囲(満6歳以上)
ウ.血圧測定(満20歳以上)
エ.血液検査(満20歳以上)
オ.問診<服薬状況、糖尿病の治療の有無、運動>(満20歳以上)

2)栄養摂取状況調査票
満1歳以上の世帯員の食品摂取量、栄養素等摂取量、食事状況(欠食・外食等)、1日の身体活動量(歩数:満20歳以上)

3)生活習慣調査票
満20歳以上が対象。食生活、身体活動・運動、休養(睡眠)、飲酒、喫煙、歯の健康等に関する生活習慣全般を把握。

(※参考「国民健康・栄養調査」厚生労働省HPより)

 

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