36 代表値はどれか。2つ選べ。
1.分散
2.平均
3.最頻値
4.標準誤差
5.標準偏差
解答2・3
解説
代表値とは、分布を1個の数値で代表させた値のことをいう。例えば、あるクラスの全員の身長を記録したものなど、与えられた資料を度数分布表などに整理すれば、資料の分布の状況が見やすいものになる。その数値を代表値といい、具体的には①平均値(相加平均)、②相乗平均、③中央値、④最頻値が用いられる。
1.× 分散とは、データの散らばりの度合いを表す値である。 分散を求めるには、偏差(それぞれの数値と平均値の差)を二乗し、平均を取る。
2.〇 正しい。平均は代表値である。平均値とは、観測値の総和を観測値の個数で割ったものである。一番小さい値を除いた場合、平均値が大きくなる。
3.〇 正しい。最頻値は代表値である。最頻値とは、データ群や確率分布で最も頻繁に出現する値である。
4.× 標準誤差とは、標本平均(真の値の推定値)のばらつきの幅を示したもので、標本の精度がどの程度かを表す。
5.× 標準偏差とは、分散の正の平方根のことである。平均値を中心に観測された値がどれくらいばらついている示すものである。
37 割合の差の検定について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.回帰分析で用いる。
2.相関係数が計算できる。
3.クロス集計表は有用である。
4.検定の際に散布図を用いる。
5.χ2<カイ乗>検定で有意差を検定する。
解答3・5
解説
検定とは、統計学的手法を用いて、帰無仮説が正しいか、正しくないかを判断することである。
「検定の方法」
①パラメトリック検定(母集団が正規分布をするという仮説のもとに行う)
例:パラメトリック検定には、①t検定(2群の平均値の差を検定する)、②分散分析(3群以上の平均値に差があるかどうかを検定する)などがある。
②ノンパラメトリック検定(母集団の分布にかかわらず用いることのできる)に大別される。
例:ノンパラメトリック検定には、①Mann-Whitney検定(2群の中央値の差を検定する)、②X2検定(割合の違いを求める)、③Wilcoxon符号付順位検定(一対の標本による中央値の差を検定する)などがある。
1.× 回帰分析は用いない。回帰分析とは、2つ以上の変数の関係について、x(独立変数)を用いて、y(従属変数)を予測するものであり、割合の差の検定に用いるものではない。
2.× 相関係数は計算できない。相関係数は、2つの変数の相関の度合いを数値化して、2つの変数の関連性(線形関係の程度)を示す尺度である。1人あたりの食塩摂取量が大きい国は高血圧症有病率が高い(小さい国は低い)というような関連の強弱を評価できる。
3.〇 正しい。クロス集計表は有用である。クロス集計表とは、縦と横に変数を配置してできるセルに頻度や割合を示したものである。
4.× 検定の際に散布図は用いない。散布図は、2つの変数間の関連をみるために両分布を図に表したものであり、一方の変数を横座標に他方の変数を縦座標にとる。
5.〇 正しい。χ2<カイ乗>検定で有意差を検定する。X2検定は、割合の違いを求めることができる。2群の独立性を検定し、割合の違いを求めるノンパラメトリック検定である。
38 健康増進法に基づく市町村の役割はどれか。2つ選べ。
1.特定保健指導
2.がん検診の実施
3.健康増進計画の策定
4.特定給食施設に対する指導
5.飲食店における受動喫煙の防止に関する指導
解答2・3
解説
健康増進法は、国民の健康維持と現代病予防を目的として制定された日本の法律である。都道府県と市町村は、地域の実情に応じた健康づくりの促進のため、都道府県健康増進計画(義務)および市町村健康増進計画(努力義務)を策定する。平成14(2002)年に制定された。
【市町村が行う健康増進事業】
①健康手帳、②健康教育、③健康相談、④訪問指導、⑤総合的な保健推進事業、⑥歯周疾患検診、⑦骨粗鬆症検診、⑧肝炎ウイルス検診、⑨がん検診、⑩健康検査、⑪保健指導などである。
【都道府県の役割】
都道府県は、都道府県健康増進計画において、管内市町村が実施する健康増進事業に対する支援を行うことを明記する。都道府県保健所は、市町村が地域特性等を踏まえて健康増進事業を円滑かつ効果的に実施できるよう、必要な助言、技術的支援、連絡調整及び健康指標その他の保健医療情報の収集及び提供を行い、必要に応じ健康増進事業についての評価を行うことが望ましい。都道府県は、保健・医療・福祉の連携を図るとともに、市町村による健康増進事業と医療保険者による保健事業との効果的な連携を図るために、地域・職域連携推進協議会を活性化していくことが望ましい。
1.× 特定保健指導とは、予備群や軽症でまだ薬を必要としない人に対してもしっかり働きかけ、生活習慣病にならないようなしくみである。特定保健指導と特定健康診査は、『高齢者医療確保法』に基づき医療保険者が実施する。
2.〇 正しい。がん検診の実施は、健康増進法に基づく市町村の役割である。市町村が行う健康増進事業の⑨がん検診に該当する。
3.〇 正しい。健康増進計画の策定は、健康増進法に基づく市町村の役割である。『健康増進法』に基づき、市町村も都道府県も市町村健康増進計画や都道府県健康増進計画を策定する。
4.× 特定給食施設に対する指導は、健康増進法に基づく都道府県知事の役割である。都道府県知事は、特定給食施設の設置者に対し、栄養管理の実施に関し必要な指導及び助言をすることができる。
5.× 飲食店における受動喫煙の防止に関する指導は、健康増進法に基づく施設管理者の役割である(努力義務)。
39 健康日本21(第二次)の具体的な目標はどれか。2つ選べ。
1.高血圧の改善
2.平均寿命の延伸
3.糖尿病合併症の減少
4.週労働時間80時間以上の雇用者の割合の減少
5.低栄養傾向(BMI20以下)の若者の割合の増加を抑制
解答1・3
解説
日本における健康対策の現状や第三次国民健康づくり対策(健康日
(※参考:「健康日本21(第二次)」厚生労働省HPより)
1.〇 正しい。高血圧の改善は、健康日本21(第二次)の具体的な目標である。②「生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底」のなかの循環器疾患の項目に、高血圧の改善「男性134mmhg、女性129mmhg」と記載されている。
2.× 「平均寿命」ではなく「健康寿命」の延伸である。平均寿命とは、生まれたばかりの子どもが平均して何年生きるかを示したものであり、0歳の平均余命のことである。健康寿命とは日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる期間を指す。健康寿命の延伸の具体的な目標値として「平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加」が掲げられている。
3.〇 正しい。糖尿病合併症の減少は、健康日本21(第二次)の具体的な目標である。②「生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底」のなかの糖尿病の項目に、①合併症(糖尿病腎症による年間新規透析導入患者数)の減少、②治療継続者の割合の増加を75%にする。③血糖コントロール不良者の割合の減少、④糖尿病有病者の増加の抑制があげられている。
4.× 週労働時間「80時間以上」ではなく「60時間以上」の雇用者の割合の減少が、健康日本21(第二次)の具体的な目標である。⑤「生活習慣および社会環境の改善」のなかの休養の項目に、①睡眠による休養を十分とれていないものの割合の減少の他に、週労働時間「60時間以上」の雇用者の割合の減少があげられている。
5.× 低栄養傾向(BMI20以下)の「若者」ではなく「高齢者」の割合の増加を抑制が、健康日本21(第二次)の具体的な目標である。⑤「生活習慣および社会環境の改善」のなかの栄養・食生活の項目に「適正体重を維持しているものの増加(肥満、やせの減少)」があげられている。
40 A市におけるある年の肺炎の罹患患者数は1,000人であり、そのうち死亡数は50人であった。これらの肺炎患者のうち感染症Bによるものは100人であり、そのうち死亡数は15人であった。
感染症Bによる致命率<致死率>を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第位を四捨五入すること。
解答:①②%
①:0~9
②:0~9
解答15%(①:1.②:5)
解説
致命率(致死率)とは、ある疾病にかかった者のうち、その疾病で死亡した者の割合を表す。
感染症Bによる致命率<致死率>
感染症Bに羅患した人:100人
その疾病(感染症B)で死亡した人:(15人)
15(人)/100(人)×100
=0.15 × 100
=15%