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次の文を読み50~52の問いに答えよ。
A町は人口1万人で高齢化率40%。後期高齢者の割合が65%と高齢化が進行し、独居高齢者が多い。A町は広大な山間部を有し、山の中腹や谷合に集落が点在している。運動機能が低下すると坂が多いため閉じこもり傾向となる高齢者が多い。近年、介護認定率が急増しており、健康寿命を延伸し住み慣れた地域で生活できるよう、地域包括ケアシステムの構築をめざす取り組みが検討されている。
51 3か月間の筋力トレーニングの取り組み終了直後は参加者の運動機能は向上したが、1年後に介護認定を受けている参加者がいることが分かった。そのため、地域ケア会議で今後のA町の介護予防について検討することになった。
検討する内容で最も適切なのはどれか。
1.筋力トレーニングの質の向上
2.介護予防サービス事業所の誘致
3.筋力トレーニングの費用対効果
4.社会的交流を目的とした社会資源の創出
解答4
解説
・人口1万人、高齢化率40%。
・後期高齢者の割合65%と高齢化が進行、独居高齢者が多い。
・3か月間の筋力トレーニングの終了直後:参加者の運動機能は向上した。
・1年後:介護認定を受けている参加者がいる。
・地域ケア会議:今後の介護予防について検討する。
→短期的な筋力トレーニングの効果はあったものの、トレーニングの継続性がみられていないことに着目する。したがって、その課題に対応できる検討が必要である。運動機能の維持・向上だけでなく、高齢者の閉じこもり予防や社会参加を促進する視点が必要である。
→地域ケア会議とは、介護保険法第115条の48で定義され、地域包括支援センターまたは市町村が主催し、設置・運営する「行政職員をはじめ、地域の関係者から構成される会議」のことである。多職種の専門職の協働の下で、①高齢者個人に対する支援の充実と、②それを支える社会基盤の整備を同時に進めていく、地域包括ケアシステムの実現に向けた手法として市町村や地域包括支援センターが開催する会議体である。
1.× 筋力トレーニングの質の向上は優先度が低い。なぜなら、3か月間の筋力トレーニングの終了直後は、参加者の運動機能は向上したという結果が出ているため。課題は、トレーニングの「質」ではなく継続性(運動の定着)である。
2.× 介護予防サービス事業所の誘致は優先度が低い。なぜなら、地域ケア会議で、「今後の介護予防」について検討するため。つまり、要介護状態にならないための「予防」策の検討である。介護予防サービスの対象は、すべての人が介護予防サービスを受けられるわけではなく、介護認定(要支援1、2)を受けている場合受けられる。
・介護予防サービスとは、住み慣れた地域環境で自立した生活を継続していけるように支援するサービスの1つである。サービスを受けられる対象は基本的に自立した生活のできる要支援1、2の方である。
3.× 筋力トレーニングの費用対効果は優先度が低い。なぜなら、3か月間の筋力トレーニングの終了直後は、参加者の運動機能は向上したという結果が出ているため。課題は、トレーニングの継続性である。まずは「なぜ効果が持続しなかったのか」「他にどんなアプローチが必要か」を議論し、その上で新しい取り組みの費用対効果を検討する。
・費用対効果とは、「かけた費用に対してどのくらい効果があるか」を意味する。ただし、地方自治体では、限られた財政、人的資源を有効に用いるため、新たな事業を計画する際は考慮が必要である。
4.〇 正しい。社会的交流を目的とした社会資源の創出が優先される。なぜなら、設問より、筋力トレーニングだけでは長期的な介護予防効果が得られなかった背景には、「独居高齢者が多い」「坂が多く閉じこもり傾向」といった社会的な孤立や活動性の低下が影響している可能性が高いため。運動習慣の継続には、楽しさや仲間との交流といった動機づけが重要である。社会的交流を促す場(サロン、趣味の会、地域の居場所など)を創出することは、閉じこもり予防、精神的な健康維持、そして結果的に身体活動量の維持・向上にもつながり、総合的な介護予防として効果が期待できる。
次の文を読み50~52の問いに答えよ。
A町は人口1万人で高齢化率40%。後期高齢者の割合が65%と高齢化が進行し、独居高齢者が多い。A町は広大な山間部を有し、山の中腹や谷合に集落が点在している。運動機能が低下すると坂が多いため閉じこもり傾向となる高齢者が多い。近年、介護認定率が急増しており、健康寿命を延伸し住み慣れた地域で生活できるよう、地域包括ケアシステムの構築をめざす取り組みが検討されている。
52 A町の町民のアンケートでは、終末期の療養場所として自宅を希望する者が6割であるが実際に死亡場所が自宅であるのは1割程度である。そこで、終末期に町民が住み慣れた地域で療養できる体制の構築について検討した。
保健師の取り組みで優先度が高いのはどれか。
1.成年後見制度の普及
2.介護保険サービスの利用促進
3.在宅医療と介護の関係者の連絡会の企画
4.救急搬送時間の短縮に向けた検討会の企画
5.介護職を対象とした自動体外式除細動器〈AED〉の研修の実施
解答3
解説
【A町の町民のアンケート】
・終末期の療養場所の希望:自宅(6割)
・実際の死亡場所:自宅(1割程度)
・検討事項:終末期に町民が住み慣れた地域で療養できる体制の構築について。
→療養場所の「希望」と「実際」で乖離がみられる。まずは検討事項でもある「療養できる体制」の原因や課題に対応できる環境や方法の構築が必要となる。
1.× 成年後見制度の普及は優先度が低い。なぜなら、今回の検討事項は、終末期に町民が住み慣れた地域で療養できる体制の構築についてであり、関連性が低いため。
・成年後見制度とは、判断能力がないまたは不十分な者に対して、保護者を付すことにより契約などの法律行為を補助するものである。①法定後見制度と②任意後見制度とがある。①法定後見制度:認知症・知的障害・精神障害などによって判断能力が不十分な方に対して、本人の権利を法律的に支援、保護するための制度である。本人の判断能力の程度に応じて、後見・保佐・補助の3類型がある。②任意後見制度:まだしっかりと自分で判断ができるうちに、自分の判断能力が衰えてきた時に備えて、あらかじめ支援者(任意後見人)を誰にするか、将来の財産管理や身の回りのことについてその人に何を支援してもらうか、自分で決めておくことができる仕組みである。
2.× 介護保険サービスの利用促進は優先度が低い。なぜなら、介護保険サービスの利用促進が、必ずしも終末期の療養場所が自宅とはならないため。特に、終末期には、医療的なケア(疼痛管理、呼吸管理など)や急変時の対応が必要となるため、介護サービスだけでは限界がある。
・介護予防サービスとは、住み慣れた地域環境で自立した生活を継続していけるように支援するサービスの1つである。サービスを受けられる対象は基本的に自立した生活のできる要支援1、2の方である。
3.〇 正しい。在宅医療と介護の関係者の連絡会の企画の優先度が高い。なぜなら、今回、療養場所の希望と実際で乖離がみられるため。終末期に自宅で療養するためには、医師、訪問看護師、ケアマネジャー、ヘルパーなど、在宅医療と介護に関わる多職種が緊密に連携し、情報を共有し、役割分担しながら一体的に支援する体制を構築する必要がある。関係者が顔を合わせ、課題を共有し、連携強化策を話し合う連絡会を企画する。
4.× 救急搬送時間の短縮に向けた検討会の企画は優先度が低い。なぜなら、今回の検討事項は、終末期に町民が住み慣れた地域で療養できる体制の構築についてであり、関連性が低いため。むしろ、終末期においては、本人の意向を尊重し、必ずしも救急搬送を選択しない(自宅での看取りを選ぶ)ケースにも考慮する必要がある。
5.× 介護職を対象とした自動体外式除細動器〈AED〉の研修の実施は優先度が低い。なぜなら、今回の検討事項は、終末期に町民が住み慣れた地域で療養できる体制の構築についてであり、関連性が低いため。終末期に必要なのは、心停止への対応よりも、症状緩和、精神的ケア、看取りに向けた継続的な支援体制である。
・AED(自動体外式除細動器)とは、心臓がけいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器である。
終末期看護の役割は、患者の残された時間の生活の質(QOL)を高め、その人らしいまっとうできるように援助を行うことである。患者が可能な限り前向きに生活できるような支援体制を提供するという。従来、医療・介護の現場では、終末期における治療の開始・中止・変更の問題は重要な課題のひとつである。疾病の根治を目的とせず延命のみを目的とした対症療法を一般的に延命治療と称し、人工呼吸・人工栄養(経管栄養)、人工透析などが含まれる。しかし、終末期患者では意思疎通の困難な場合も多く、患者の意思に反する治療(延命)になりかねない。治療・ケア内容に関する患者や家族の意思や希望を病状などに応じて繰り返し確認し、それを患者・家族・医療者で共有し、方針を見いだすことが非常に重要である。
次の文を読み53、54の問いに答えよ。
Aさん(64歳男性、要支援2)は妻(63歳)と2人暮らしである。5年前に歩行時の違和感を自覚し受診したところ、脊髄小脳変性症と診断された。Aさんは難病になったことに驚いたが徐々に受け入れ、妻の励ましやサポートを受けて生活してきた。最近、歩行時のふらつきが強くなったため「室内に手すりをつけたい」と保健師に相談した。
53 Aさんの住宅改修について給付の根拠となる法律はどれか。
1.介護保険法
2.障害者基本法
3.高齢者の医療の確保に関する法律
4.難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉
解答1
解説
・Aさん(64歳男性、要支援2、脊髄小脳変性症)
・2人暮らし:妻(63歳)
・5年前:歩行時の違和感を自覚し受診した。
・難病になったことに驚いたが徐々に受け入れた。
・妻の励ましやサポートを受けて生活してきた。
・最近:歩行時のふらつきが強くなったため「室内に手すりをつけたい」と。
→本症例(要支援2)は、「室内に手すりをつけたい」と住宅改修の希望がある。本症例の条件に合った住宅改修を実施できる保険を選択する。
1.〇 正しい。介護保険法が、住宅改修について給付の根拠となる法律である。なぜなら、本症例は、要支援2とすでに介護保険を取得しており、「室内に手すりをつけたい」と住宅改修の希望は、介護保険法に基づく介護予防住宅改修を利用できるため。
・介護保険法とは、1997年12月に公布された法律で、40歳以上で介護が必要になった人の自立生活を支援するために、国民が負担する保険料や税金を財源として、日常生活の行為にかかるさまざまな介助やリハビリなどのサービスにかかる給付を行うことを目的にしている。加齢に伴って生じる心身の変化による疾病等により介護を要する状態となった者を対象として、その人々が有する能力に応じ、尊厳を保持したその人らしい自立した日常生活を営むことができることを目指している。
2.× 障害者基本法は、住宅改修に関する給付はない。「障害のある方」の住宅改修に関する支援は、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業などで実施される。
・障害者基本法とは、障害者施策について基本事項を定め、障害者の自立と参加を総合的かつ計画的に推進することを目的としている法律である。
3.× 高齢者の医療の確保に関する法律は、住宅改修に関する給付はない。
・高齢者の医療の確保に関する法律(高齢者医療確保法)とは、国民保健の向上および高齢者の福祉の増進を図ることを目的とする法律である。主に、特定健診・特定保健指導など、医療保険制度や保健事業について定めている。
・特定健康診査とは、40~74歳の者を対象に実施される。特定健康診査(健診)は、問診、身体測定、血圧測定、血液検査、尿検査などを行う。メタボリックシンドロームや高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を早期発見し、早期対策に結びつけることが目的である。
4.× 難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉は、住宅改修に関する給付はない。
・難病法とは、難病の患者に対する医療などに関する施策を定め、良質・適切な医療の確保、療養生活の質の維持向上を図ることを目的としている。
・手すりの取り付け
・段差の解消
・滑り止め防止及び移動の円滑化等のための床または通路面の材料の変更
・引き戸等への扉の取り替え
・洋式便器等への取り替え
・これらに付帯して必要となる改修
(※支給限度額は20万円)
次の文を読み53、54の問いに答えよ。
Aさん(64歳男性、要支援2)は妻(63歳)と2人暮らしである。5年前に歩行時の違和感を自覚し受診したところ、脊髄小脳変性症と診断された。Aさんは難病になったことに驚いたが徐々に受け入れ、妻の励ましやサポートを受けて生活してきた。最近、歩行時のふらつきが強くなったため「室内に手すりをつけたい」と保健師に相談した。
54 住宅改修の後、保健師が1年に1回の家庭訪問を行い3年が経過した。ある日、妻から「通院治療を続けてきたが、最近、夫がよく転ぶようになり食事中もむせることが多くなりました。病気が悪くなってきているようで不安です」と相談があった。
保健師が確認する情報で優先度が高いのはどれか。
1.妻の健康状態
2.AさんのADL
3.Aさんの世帯の経済状況
4.Aさんの最近の食事内容
解答2
解説
・Aさん(64歳男性、要支援2、脊髄小脳変性症)
・2人暮らし:妻(63歳)
・住宅改修後3年経過:1年に1回の家庭訪問。
・妻「最近、夫がよく転ぶようになり食事中もむせることが増えた」
・妻「病気の進行が不安」と。
→妻の情報から、夫の病気が進行していることが読み取れる。脊髄小脳変性症の特徴(進行性)をおさえつつ、ほかの選択肢が消去される理由もあげられるようにしよう。
1.× 妻の健康状態より優先度が高いものが他にある。なぜなら、妻は「病気の進行が不安」と言っているため。まずは主訴に対して評価する。AさんのADLを評価し、妻が何にどの程度介護が必要か評価する必要がある。ただし、Aさんの家庭は妻と二人暮らしであるため、介護量によっては妻の健康状態の低下も考えられる。
2.〇 正しい。AさんのADLの優先度が高い。妻の情報から、夫の病気が進行していることが読み取れる。Aさんは、脊髄小脳変性症であるため徐々に病気が進行する特徴を持つ。したがって、AさんのADLを評価し、妻が何にどの程度介護が必要か評価する必要がある。また、要介護認定の見直しを含め、今後のサービスを検討していく必要がある。
3.× Aさんの世帯の経済状況より優先度が高いものが他にある。なぜなら、妻は「病気の進行が不安」と言っているため。まずは主訴に対して評価する。AさんのADLを評価し、妻が何にどの程度介護が必要か評価する必要がある。ただし、Aさんは、脊髄小脳変性症であり、徐々に病気が進行する特徴を持つため、ゆくゆくは経済的困難に直面する可能性も考えられる。
4.× Aさんの最近の食事内容より優先度が高いものが他にある。なぜなら、妻「食事中もむせることが増えた」と言っているが、食事内容が原因と断定することは難しいため。むせの原因は、食事内容だけでなく、脊髄小脳変性症の進行や、姿勢、嚥下の過程、摂取方法なども影響していると考えられる。また、妻の訴えは、食事中のむせだけでなく、転倒や病気の進行もあげている。食事のみに視点を当てる優先度は低い。
脊髄小脳変性症とは、運動失調を主症状とし、原因が、感染症、中毒、腫瘍、栄養素の欠乏、奇形、血管障害、自己免疫性疾患等によらない疾患の総称である。遺伝性と孤発性に大別され、①純粋小脳型(小脳症状のみが目立つ)と、②多系統障害型(小脳以外の症状が目立つ)に大別される。脊髄小脳変性症の割合として、孤発性(67.2%)、常染色体優性遺伝性(27%)、が常染色体劣性遺伝性(1.8%)であった。孤発性のものの大多数は多系統萎縮症である。(※参考:「18 脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く。)」厚生労働省様HPより)
多系統萎縮症とは、成年期(多くは40歳以降)に発症し、進行性の細胞変性脱落をきたす疾患である。①オリーブ橋小脳萎縮症(初発から病初期の症候が小脳性運動失調)、②線条体黒質変性症(初発から病初期の症候がパーキンソニズム)、シャイ・ドレーカー症候群(初発から病初期の症候が自律神経障害であるもの)と称されてきた。いずれも進行するとこれら三大症候は重複してくること、画像診断でも脳幹と小脳の萎縮や線条体の異常等の所見が認められ、かつ組織病理も共通していることから多系統萎縮症と総称されるようになった。(※参考:「17 多系統萎縮症」厚生労働省様HPより)
次の文を読み55の問いに答えよ。
A市は地場産業が主要産業の人口5万人の市である。平成30年度(2018年度)策定の自殺対策計画では数値目標として自殺者数の20%減少を掲げており、計画策定時に対策が優先された対象は60歳以上の男女と40~59歳の無職の男性であり、直近2年の自殺者総数は減少した。一方で、20歳代男女の自殺企図による救急搬送の件数は増加傾向にある。
55 今後のA市の20歳代への自殺対策として適切なのはどれか。2つ選べ。
1.ソーシャルネットワーキングサービス〈SNS〉を活用した相談支援体制の強化
2.精神保健福祉相談の希望者を対象とする精神科医による診察の実施
3.特定健康診査・特定保健指導の場を活用したメンタルヘルス対策
4.年1回のストレスチェック実施の義務化
5.ハローワークと連携した相談事業の実施
解答1・5
解説
・地場産業が主要産業の人口5万人の市。
・自殺対策計画の数値目標:自殺者数20%減少。
・20歳代男女の自殺企図による救急搬送の件数:増加傾向。
・計画策定時に対策が優先された対象:60歳以上の男女と40~59歳の無職の男性。
・直近2年の自殺者総数:減少した。
→ほかの選択肢が消去される理由もあげられるようにしよう。
1.〇 正しい。ソーシャルネットワーキングサービス〈SNS〉を活用した相談支援体制の強化の優先度が高い。なぜなら、20歳代はSNSの利用率が非常に高く、日常的に慣れ親しんでいるコミュニケーションツールであるため。また、匿名での相談も可能であり、悩みを抱える若者にリーチしやすい有効な手段といえる。
2.× 精神保健福祉相談の希望者を対象とする精神科医による診察の実施の優先度は低い。なぜなら、精神保健福祉相談を希望する人々だけが対象となり、網羅性に欠けるため。自殺企図に至る若者の中には、相談すること自体にためらいを感じている人も含まれるため、支援が必要な人すべてにアプローチできるわけではない。
・精神保健福祉相談とは、精神保健センターで行う相談のことを指す。センターでは、①こころの健康についての相談、②精神科医療についての相談、③社会復帰についての相談、④アルコール・薬物依存症の家族の相談、⑤ひきこもりなど思春期・青年期問題の相談、⑥認知症高齢者相談など精神保健福祉全般にわたる相談をおこなっている。電話や面接でも相談でき、センターの規模によって異なるが、医師、看護師、保健師、精神保健福祉士、公認心理師、作業療法士などの専門職がいる。(※参考「保健所、保健センター、精神保健福祉センター」厚生労働省HPより)
3.× 特定健康診査・特定保健指導の場を活用したメンタルヘルス対策の優先度は低い。なぜなら、特定健康診査・特定保健指導の対象者は、原則として40~74歳までの医療保険加入者でるため。つまり、今回の課題である20歳代はこの制度の対象外である。
・特定健康診査とは、40~74歳までの医療保険加入者を対象に実施されるものである。特定健診で行う検査は、主に①身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)、②血中脂質検査(中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロール)、③肝機能検査(GOT・GPT・γ-GTP)、④血糖検査(空腹時血糖・HbA1c)、⑤尿検査(尿糖・尿蛋白)などである。
4.× 年1回のストレスチェック実施の義務化の優先度は低い。なぜなら、「市」が義務化するものではないため。労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の労働者を使用する事業者に対して課せられている(※下参照)。
・ストレスチェック制度とは、労働者に対して行う心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)や、検査結果に基づく医師による面接指導の実施などを事業者に義務づける制度である。平成26(2014)年6月の法改正で、労働者50人以上の事業所で毎年1回、すべての労働者に対してストレスチェックを実施することが義務づけられた。ストレスチェック後に「高ストレス判定」が出た場合、会社の対応が義務つけられている。①検査の結果「高ストレス者」と判定された労働者から申し出があった場合、産業医などの医師による面談(面接指導)を実施すること。②面接指導の結果に基づき、医師の意見を聞き、必要に応じ就業上の措置を講じることも義務となる。
5.〇 正しい。ハローワークと連携した相談事業の実施の優先度が高い。なぜなら、計画策定時に対策が優先された対象に「60歳以上の男女と40~59歳の無職の男性」とあり、直近2年の自殺者総数は「減少した」と結果があるため。若年層における自殺のリスク要因として、失業や就職活動の困難、経済的な問題などが挙げられる。ハローワークと連携した相談事業を実施することで、仕事と精神的な健康の両面に対するサポートを提供できる。
・ハローワークとは、就職困難者の支援など地域の総合的雇用サービス機関であり主な業務として、①職業相談、②職業紹介、③求人確保、④事業主に対する助言・窓口業務、⑤就職後の障害者に対する助言・指導などがあげられる。公共職業安定所ともいわれる。