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31 出生に関する記述で正しいのはどれか。
1.合計特殊出生率が2.60を下回ると人口減少が始まる。
2.合計特殊出生率は人口年齢構成の影響を受けやすい指標である。
3.総再生産率は母の年齢別出生率を女児だけについて合計したものである。
4.平成12年(2000年)に、日本では初めて合計特殊出生率が2.0を下回った。
5.令和4年(2022年)の日本において、母の年齢階級別出生率が最も高いのは25~29歳である。
解答3
解説
1.× 合計特殊出生率が、「2.60」ではなく約2.07〜2.08を下回ると人口減少が始まる。なぜなら、両親2人が次世代の2人(男女1人ずつ)を残す必要があることに加え、出産前に死亡する女性や、結婚しない女性などを考慮した数値となるため。
・合計特殊出生率とは、15~49歳の女性の年齢別出生率を合計したものである。1人の女性が一生の間に生む平均子ども数を表したものである。
2.× 合計特殊出生率は、人口年齢構成の影響を「影響されにくい」指標である。なぜなら、合計特殊出生率は、各年齢層の女性人口の大小にかかわらず、もしその年の年齢別出生率が将来にわたって続いた場合に、一人の女性が平均して何人の子どもを産むかを示す仮想的な数値であるため。
3.〇 正しい。総再生産率は、母の年齢別出生率を女児だけについて合計したものである。総再生産率とは、15~49歳の女性が、それぞれの年齢別出生率に従って子どもを生むと仮定した場合、1人の女性が生むであろう平均女児数を表したものである。
4.× 「平成12年(2000年)」ではなく昭和50年(1975年)に、日本では初めて合計特殊出生率が2.0を下回った。2023年は、1.20となtっている。
5.× 令和4年(2022年)の日本において、母の年齢階級別出生率が最も高いのは、「25~29歳」ではなく30~34歳である。なぜなら、日本では晩婚化・晩産化が進んでいるため。
32 地域ケアシステムの「共助」はどれか。2つ選べ。
1.経済的に困窮した高齢者が生活保護を受給する。
2.低所得のひとり親世帯が児童扶養手当を受給する。
3.健康づくりのために家族で毎朝ウォーキングを行う。
4.要介護4の高齢者が介護保険制度による訪問看護を利用する。
5.仕事中に受傷した骨折の治療費を労働者災害補償保険から受給する。
解答4・5
解説
地域包括ケアシステムとは、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で生活を継続することができるよう、包括的な支援・サービス提供体制の構築を目指すものである。医療・介護のみならず福祉サービスを含めたさまざまなサービスが日常の生活の場で提供できるような地域での体制をいう。この地域包括ケアシステムが効果的に機能するために、「4つの助(自助・互助・共助・公助)」の考え方が連携し、課題解決に向け取り組んでいく必要がある。
「公助」は税による公の負担。
「共助」は介護保険などリスクを共有する仲間(被保険者)の負担。
「自助」には「自分のことを自分でする」ことに加え、市場サービスの購入も含まれる。
「互助」は相互に支え合い、費用負担が制度的に裏づけられていない自発的なものである。
1.× 経済的に困窮した高齢者が生活保護を受給するのは、「公助」に該当する。
・生活保護とは、『日本国憲法』25条の理念に基づき、生活困窮者を対象に、国の責任において、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長することを目的としている。8つの扶助(生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)があり、原則現金給付であるが、医療扶助と介護扶助は現物給付である。被保護人員は約216.4万人(平成27年度,1か月平均)で過去最高となっている。
2.× 低所得のひとり親世帯が児童扶養手当を受給するのは、「公助」に該当する。児童扶養手当も生活保護と同様に、国や地方公共団体が税金を財源として、特定の要件を満たす世帯(この場合は低所得のひとり親世帯)に対して支給する公的給付金である。
・特別児童扶養手当は、「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」に定められた、20歳未満の障害児を監護する父母又は養育者に対して支給される手当である。障害の程度に応じて1級または2級として認定され、手当月額は1級52,400円、2級34,900円である。
3.× 健康づくりのために家族で毎朝ウォーキングを行うのは、「自助」に該当する。家族でのウォーキングは、個人の健康増進を目的とした行動であり、家族という最も小さな単位での自発的な取り組みである。
4.〇 正しい。要介護4の高齢者が介護保険制度による訪問看護を利用するのは、「共助」に該当する。介護保険制度とは、寝たきりや認知症等で常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合や、家事や身支度等の日常生活に支援が必要であり、特に介護予防サービスが効果的な状態(要支援状態)になった場合に、介護の必要度合いに応じた介護サービスを受けることができる。
5.〇 正しい。仕事中に受傷した骨折の治療費を労働者災害補償保険から受給するのは、「共助」に該当する。労働者災害補償保険とは、労働者災害補償保険法に基づき、業務災害及び通勤災害に遭った労働者又はその遺族に給付を行う。略称は労災保険と呼ばれる。保険料は全額事業主の負担で、労災保険の対象となる労働者は、使用されて賃金を支給される人すべてをいうため雇用形態には関係ない。
33 A市では健康増進計画を策定するにあたり、住民の意見を反映させることとなった。
用いる方法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1.フォトボイス
2.モニタリング
3.マスターテーブル
4.コミュニティワーク
5.タウンミーティング
解答1・5
解説
1.〇 正しい。フォトボイスを用いる。なぜなら、フォトボイスは、住民の意見を健康増進計画に反映させることができるため。写真という視覚的な手がかりがあることで、住民がより具体的に、そして主体的に意見を表明しやすくなる。
・フォトボイスとは、参加者(住民)が自らの生活や健康に関連する事柄を写真に撮り、その写真について語ることで、写真だけでは伝えきれない背景にある感情、経験、意見、ニーズなどを表現する手法である。これにより、言葉だけでは引き出しにくい深層の意見や、文字に起こすのが苦手な住民の声を効果的に収集できる。
2.× モニタリングより優先されるものが他にある。なぜなら、モニタリングの目的は、住民から直接意見を収集する手法ではないため。モニタリングは、計画が効果的に実施されているか、目標が達成されているかを検証することに用いる。
・モニタリングとは、監視、観察、観測を意味し、対象の状態を継続または定期的に観察・記録することを指す。
3.× マスターテーブルより優先されるものが他にある。なぜなら、マスターテーブルの目的は、住民から直接意見を収集する手法ではないため。マスターテーブルは、データの管理や分析のために用いられるものである。
・マスターテーブルとは、データベースなどでデータの基本となる情報を格納するテーブルのことである。例えば、氏名、住所、生年月日などの個人情報や、疾病コード、地域コードなどの基礎情報が含まれることが多い。
4.× コミュニティワークより優先されるものが他にある。なぜなら、コミュニティワークの目的は、住民から直接意見を収集する手法ではないため。
・コミュニティワークとは、地域住民が主体となって、自分たちの抱える課題を解決していくための活動を支援する社会福祉の方法である。具体的には、住民同士の繋がりを強化し、地域をより良くするための活動を支援したり、地域に必要な社会資源や仕組みを構築したりする活動が含まれる。
5.〇 正しい。タウンミーティングを用いる。なぜなら、タウンミーティングは、住民の意見を健康増進計画に反映させることができるため。
・タウンミーティングとは、地域住民が直接行政担当者や専門家と対話し、地域の課題や計画について意見交換を行う場である。この形式は、住民が自身の考えを直接表明できる機会を提供し、質疑応答を通じて疑問点を解消したり、他の住民の意見を聞いて理解を深めたりすることができる。
34 労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.保健師が事業場の安全衛生計画を策定する。
2.衛生委員会が事業場の安全衛生方針を表明する。
3.請負関係を除いた事業場を1つの単位として実施する。
4.事業者が労働者の協力の下に安全衛生活動を実施する。
5.事業場における自主的な安全衛生活動の促進を目指す。
解答4・5
解説
労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)は安全衛生活動を組織的かつ体系的に運用管理するための仕組みである。事業場における安全衛生水準の向上を目的に、事業者が労働者の協力のもと、以下の①~④の事項を一連の過程(PDCA サイクル)により実施する自主的な安全衛生活動の仕組みである。
①安全衛生方針の表明。
②危険性または有害性等の調査およびその結果に基づき講ずる措置(リスクアセスメント)。
③安全衛生目標の設定。
④安全衛生計画の作成・実施・評価・改善。
(※参考「労働安全衛生マネジメントシステムについて」厚生労働省HPより)
1.× 「保健師」ではなく事業者が、事業場の安全衛生計画を策定する。労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針(OSHMS指針)において、事業場の安全衛生計画を策定する責任者は事業者であり、その計画の実施は安全管理者、衛生管理者、産業医、保健師などの関係者が協力して行う。
2.× 「衛生委員会」ではなく事業者が、事業場の安全衛生方針を表明する。
・安全衛生方針とは、企業(事業者)が労働者の安全と健康を守るための基本的な考え方や目標を示したものである。事故や病気を防ぐための取り組みの方向性を明確にし、全社員で共有する。
3.× 必ずしも、請負関係を除いた事業場を1つの単位として実施する必要はない。むしろ、同一の場所で複数の事業者が混在して事業を行う場合(例:建設業の請負関係、複数の企業が入居するビルなど)には、元方事業者と関係請負人が連携して安全衛生活動を実施することが求められている。例えば、建設現場では、元請けが全体的な安全管理計画を立て、下請け業者もそれに従って作業を進める。これにより、請負関係にあるすべての労働者の安全が確保できる。
4.〇 正しい。事業者が、労働者の協力の下に安全衛生活動を実施する。なぜなら、安全衛生は、事業者だけでなく、そこで働く全ての労働者の問題であり、双方の協力なくして効果的な安全衛生管理は実現できないため。労働者の意見や経験を反映させることで、より実効性のある対策が立てられる。
5.〇 正しい。事業場における自主的な安全衛生活動の促進を目指す。労働安全衛生マネジメントシステムの目的の1つは、各事業場が自らの判断と責任で、PDCAサイクル(計画→実施→評価→改善)を回しながら、継続的かつ自主的に安全衛生活動を推進していくことである。これにより、個々の事業場の特性に応じたきめ細やかな対策が可能となり、労働災害のリスクを低減し、労働者の健康と安全を一層確保することを目指す。
35 石綿障害予防規則に基づく対応で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.石綿の作業記録は5年間保存しなければならない。
2.事業者は石綿作業主任者を選任するよう努めなければならない。
3.建築物等の解体作業の際は石綿の使用状況の事前調査が必要である。
4.石綿を取り扱う作業者の健康診断は6か月に1回実施する必要がある。
5.石綿を取り扱う作業者の健康管理手帳は労働基準監督署から交付される。
解答3・4
解説
石綿障害予防規則は、アスベスト(石綿)による健康被害を防ぐために定められた労働安全衛生法に基づく規則である。主に、石綿を含む建材の取り扱いや解体作業時の作業基準、保護具の使用、作業場の管理などを規定し、労働者の健康を守ることを目的としている。
1.× 石綿の作業記録は、「5年間」ではなく40年間保存しなければならない。なぜなら、石綿による健康被害が非常に長い潜伏期間を経て発症する可能性があるため。
・石綿障害予防規則の第35条(作業の記録)に規定されている(※参考:「石綿障害予防規則」e-GOV法令検索様HPより)
2.× 事業者は石綿作業主任者を選任するよう「努めなければならない」のではなく「必ず選任しなければならない」。なぜなら、石綿作業の危険性が高く、専門知識を持つ責任者が作業を指揮することが必須であるため。
・石綿障害予防規則の第19条(石綿作業主任者の選任)に規定されている(※参考:「石綿障害予防規則」e-GOV法令検索様HPより)
3.〇 正しい。建築物等の解体作業の際は、石綿の使用状況の事前調査が必要である。なぜなら、石綿が使用されているかどうかを事前に把握することで、適切な飛散防止対策を講じ、労働者のばく露を未然に防ぐため。
・石綿障害予防規則の第3条(事前調査及び分析調査)に規定されている(※参考:「石綿障害予防規則」e-GOV法令検索様HPより)
4.〇 正しい。石綿を取り扱う作業者の健康診断は6か月に1回実施する必要がある。なぜなら、石綿ばく露による健康影響を早期に発見し、適切な対策を講じるため。
・石綿障害予防規則の第40条(健康診断の実施)に規定されている(※参考:「石綿障害予防規則」e-GOV法令検索様HPより)
5.× 石綿を取り扱う作業者の健康管理手帳は、「労働基準監督署」ではなく都道府県労働局長から交付される。
・これは、労働安全衛生法の第67条(健康管理手帳)に規定されている(※引用:「労働安全衛生法」e-GOV法令検索様HPより参考)
・労働基準監督署とは、管轄内の事業所が労働関係法令を守って運用しているかを監督する機関である。業務上疾病の認定は、疾病の認定だけではなく、業務上か否かの認定も行わなければならない。