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46 ノーリフトケアに該当するのはどれか。
1.車椅子の後ろから患者を抱えて座位を整える。
2.患者を抱きかかえてポータブルトイレに移動する。
3.スライディングシートを使って患者をベッド上で移動する。
4.ボディメカニクスを活用してベッド上で患者の上体を起こす。
解答3
解説
介護・看護の現場で、利用者を人の力だけで「持ち上げない・抱え上げない・引きずらない」ケアのことです。スライディングシートや移乗ボード、リフトなどの福祉用具を活用し、介助者の腰痛や労働災害を防ぎながら、利用者にも安全で負担の少ないケアを行います。
1.× 車椅子の後ろから患者を抱えて座位を整える。
2.× 患者を抱きかかえてポータブルトイレに移動する。
これらの方法は、ノーリフトケアに該当しない。なぜなら、ノーリフトケアは、介助者が患者を人力で抱え上げたり引き上げたりしないことを基本とするため。
3.〇 正しい。スライディングシートを使って患者をベッド上で移動する。
この方法は、ノーリフトケアに該当する。なぜなら、スライディングシートは、摩擦を減らし、患者を抱え上げずに少ない力で移動できる福祉用具であるため。
・スライディングシートとは、ベッド上で体の向きを変えたり位置を直したりする際に使う福祉用具である。摩擦を減らし、少ない力で安全に介助できるため、介助者の腰痛予防や利用者の負担軽減に役立つ。
4.× ボディメカニクスを活用してベッド上で患者の上体を起こす方法は、ノーリフトケアに該当しない。なぜなら、ボディメカニクスは、介助者の身体の使い方を工夫する方法であり、患者を抱え上げないケアそのものではないため。
ボディメカニクスとは、「body=身体」と「mechanics=機械学」の造語で、人間が動作するときに骨や筋肉、関節が相互にどのように作用するかといった力学的関係を活用したものである。介護を行うときには、介護者の負担の軽減のためにも身につけておきたい。
①重心の高さは、低い方が安定する。
②支持基底面の広さは、広い方が安定する。
③摩擦抵抗の有無は、有った方が踏ん張りが効き安定する。
④支持基底面と重心の距離は、短い方が足腰への負担は少ない。
47 職業に伴う作業や環境と健康障害の組合せで正しいのはどれか。
1.紫外線の曝露:緑内障
2.情報機器作業:眼疲労
3.工具や機械の振動:手指の熱感
4.重量物の取り扱い:骨粗鬆症
解答2
解説
VDT作業とは、ディスプレイを持つ画面表示装置(VDT:Visual Display Terminals) を用いた作業のこと。コンピュータや監視カメラを用いた作業を指す。 VDT作業はVDT症候群のように、心身の負担を感じさせることにつながるため、厚生労働省においても「VDT作業における労働衛生環境管理のためのガイドライン」を定めている。
【作業環境管理】
(1)照明及び採光
①室内は、できるだけ明暗の対照が著しくなく、かつ、まぶしさを生じさせないようにすること。
②ディスプレイを用いる場合のディスプレイ画面上における照度は500ルクス以下、書類上及びキーボード上における照度は300ルクス以上とすること。また、ディスプレイ画面の明るさ、書類及びキーボード面における明るさと周辺の明るさの差はなるべく小さくすること。
③ディスプレイ画面に直接又は間接的に太陽光等が入射する場合は、必要に応じて窓にブラインド又はカーテン等を設け、適切な明るさとなるようにすること。
(2)一連続作業時間及び作業休止時間
一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10分~15分の作業休止時間を設け、かつ、一連続作業時間内において1回~2回程度の小休止を設けること。
(3)その他
換気、温度及び湿度の調整、空気調和、静電気除去、休憩等のための設備等について事務所
衛生基準規則に定める措置等を講じること。
(※一部引用:「VDT作業における労働衛生環境管理のためのガイドライン」厚生労働省HPより)
1.× 紫外線の曝露は、「緑内障」ではなく、白内障である。なぜなら、紫外線は、水晶体や角膜に障害を起こしやすい因子であるため。
・白内障は、水晶体が混濁する疾患で、視力低下やかすみ目を生じる。
・緑内障は、主に視神経障害により視野障害を起こす疾患で、眼圧上昇などが関係する。
2.〇 正しい。情報機器作業:眼疲労
なぜなら、情報機器作業では画面を長時間注視し、瞬目の減少や調節機能への負担が生じるため。
・情報機器作業とは、VDT作業ともいい、パソコン、タブレット、スマートフォンなどの画面を見ながら行う作業である(※上参照)。
3.× 工具や機械の振動は、「手指の熱感」ではなく白ろう病である。なぜなら、工具や機械の振動は末梢血管や末梢神経を障害し、手指の冷感・しびれ・蒼白を起こすため。
・白ろう病とは、振動障害ともいい、チェーンソー、グラインダー、刈払機などの振動工具の使用により発生する①手指等の末梢循環障害、②末梢神経障害、③運動器(骨、関節系)障害の3つの障害の総称である。
4.× 重量物の取り扱いは、「骨粗鬆症」ではなく腰痛である。なぜなら、重量物の取り扱いは腰部に過度な負担をかけ、筋骨格系障害、特に腰痛を起こしやすいため。
骨粗鬆症とは、骨量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気である。原因として、閉経による女性ホルモンの低下や運動不足・喫煙・飲酒・栄養不足・加齢などである。骨粗鬆症の患者は、わずかな外力でも容易に圧迫骨折(特に胸腰椎)、大腿骨頚部骨折、橈骨遠位端骨折を起こしやすい(※参考:「骨粗鬆症」日本整形外科学会様HPより)。
48 意思決定が困難な成人患者の代理意思決定で適切なのはどれか。
1.意思決定者を医療者が指名する。
2.患者の意思を推定して判断する。
3.意思決定した内容は変更できない。
4.意思決定者に親しい友人は含まれない。
解答2
解説
代理意思決定とは、患者の意思表示が困難な場合に家族が代わりに治療の選択等を行うことである。
1.× 意思決定者を「医療者」が指名する「ことはしない」。なぜなら、代理意思決定では、患者本人が信頼していた人や家族等との関係性、本人の価値観を踏まえて判断する必要があるため。あくまでも医療者は、医学的情報を説明し、意思決定を支援する立場である。
2.〇 正しい。患者の意思を推定して判断する。なぜなら、意思決定能力が低下していても、医療・ケアは患者本人の価値観や希望を尊重して行うべきであるため。代理意思決定では、本人が過去に話していた希望、人生観、信念、宗教観、治療への考え方、生活上大切にしていたことなどをもとに、「本人ならどう望むか」を推定する。
3.× 意思決定した内容は「変更できる」。なぜなら、患者の状態、医学的評価、本人や家族の考えは時間とともに変化しうるため。一度決めた方針であっても、病状の変化、新しい治療選択肢、苦痛の程度、本人の意思の変化などに応じて、繰り返し話し合い、見直すことが重要である。
4.× 意思決定者に親しい友人「も含まれる」。なぜなら、患者に身寄りがない場合や、家族よりも親しい友人が本人の考えをよく知っている場合も考えられるため。
49 慢性疾患がある成人のアドヒアランスを高める要因はどれか。
1.自覚症状がない。
2.治療費が高額である。
3.療養方法が複雑である。
4.療養方法の利益と害が分かる。
解答4
解説
アドヒアランスとは、医療現場で患者が治療方針の決定に賛同し、積極的に治療を受けることを意味する言葉である。コンプライアンスとは、医療者からの指示を患者が遵守することを指す。似たような言葉であるが、アドヒアランスは、患者が賛同、つまり能動的に治療を受けることを指す。
1.× 自覚症状がないことは、アドヒアランスを低下させやすい要因である。なぜなら、自覚症状がないと、患者が治療の必要性を実感しにくいため。
2.× 治療費が高額であることは、アドヒアランスを低下させやすい要因である。なぜなら、経済的負担が大きいと、通院・服薬・検査の継続が困難になりやすいため。
3.× 療養方法が複雑であることは、アドヒアランスを低下させやすい要因である。なぜなら、療養方法が複雑だと、患者が理解・実行・継続しにくくなるため。
4.〇 正しい。療養方法の利益と害が分かることは、アドヒアランスを高める要因である。なぜなら、患者が治療の目的・効果・副作用を理解すると、納得して主体的に療養行動を継続しやすくなるため。
50 廃用症候群の説明で適切なのはどれか。
1.がん患者ではみられない。
2.尿管結石を発症しやすい。
3.加齢とともに進行は遅くなる。
4.二次的に高血圧を発症しやすい。
解答2
解説
廃用症候群とは、病気やケガなどの治療のため、長期間にわたって安静状態を継続することにより、身体能力の大幅な低下や精神状態に悪影響をもたらす症状のこと。関節拘縮や筋萎縮、褥瘡などの局所性症状だけでなく、起立性低血圧や心肺機能の低下、精神症状などの症状も含まれる。一度生じると、回復には多くの時間を要し、寝たきりの最大のリスクとなるため予防が重要である。廃用症候群の進行は速く、特に高齢者はその現象が顕著である。1週間寝たままの状態を続けると、10~15%程度の筋力低下が見られることもある。
1.× がん患者「でもみられる」。なぜなら、廃用症候群は疾患の種類に限定されず、長期臥床や活動性低下によって起こるため。
2.〇 正しい。尿管結石を発症しやすい。なぜなら、長期臥床により骨吸収が進み、尿中カルシウム排泄が増加して結石ができやすくなるため。活動量が低下すると骨への荷重刺激が減り、骨からカルシウムが血中へ出やすくなる。その結果、尿中にカルシウムが多く排泄され、尿路結石のリスクが高まる。
3.× 加齢とともに進行は遅くなるのではなく「しやすくなる」。なぜなら、高齢者は、筋力・骨量・心肺機能・予備力が低下しており、活動低下の影響を受けやすいため。
4.× 二次的に、「高血圧」ではなく起立性低血圧を発症しやすい。なぜなら、長期臥床により循環血液量の調節や自律神経反応が低下し、起立時に血圧を保ちにくくなるため。
・起立性低血圧とは、急に立ち上がったり、起き上がった時に血圧が低下し、軽い意識障害、いわゆる立ちくらみをおこすことである。機序として、血圧調節機能がうまく働かず血圧が低下し、脳血流が減少して、めまいや立ちくらみなどを起こす。仰臥位・坐位から立位への体位変換後3分以内に、以下のいずれかが認められるとき、起立性低血圧と診断する。①収縮期血圧が20mmHg以上低下、②収縮期血圧の絶対値が90mmHg未満に低下、③拡張期血圧が10mmHg以上低下。
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