第115回(R8) 看護師国家試験 解説【午前61~65】

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61 標準的な幼児の基本的生活習慣についての組合せで正しいのはどれか。

1.2歳:1人で洗顔ができる。
2.3歳:排便後の後始末ができる。
3.4歳:昼寝を1日2回する。
4.5歳:1人で衣類を着ることができる。

解答

解説

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(※図:日本版デンバー式発達スクリーニング検査)

1.× 1人で洗顔ができるのは、「2歳」ではなく4歳頃である。
2歳児は、手を洗う、スプーンを使う、簡単な衣服を脱ぐなど、基本的生活習慣の獲得が進む時期である。

2.× 排便後の後始末ができるのは、「3歳」ではなく5歳頃である。
3歳児は、尿意や便意を伝えられる、トイレに行く、便座に座る、排泄するなどの自立が進む時期である。

3.× 昼寝を1日2回するのは、「4歳」ではなく1歳ころである。なぜなら、4歳では睡眠リズムが乳児期より成熟しており、昼寝は1回または不要になっていく時期であるため。

4.〇 正しい。5歳:1人で衣類を着ることができる。なぜなら、5歳児は、手指の巧緻性と理解力が発達し、衣服の前後を判断して着る、ボタンを扱うなどの身辺自立が進む時期であるため。

 

 

 

 

 

62 ホルモンとその働きの組合せで正しいのはどれか。

1.エストロゲン:骨端軟骨板閉鎖
2.成長ホルモン:子宮の増大
3.テストステロン:乳房の発育
4.プロゲステロン:排卵

解答

解説

エストロゲンとは?

エストロゲンとは、主に卵巣から分泌される女性らしさをつくるホルモンで、成長とともに分泌量が増え、生殖器官を発育・維持させる働きをもっている。女性らしい丸みのある体形をつくったり、肌を美しくしたりする作用もあるホルモンである。分泌量は、毎月の変動を繰り返しながら20代でピークを迎え、45~55歳の更年期になると急激に減る。

1.〇 正しい。エストロゲン:骨端軟骨板閉鎖
なぜなら、エストロゲンは思春期の骨成熟を進め、最終的に骨端軟骨板を閉鎖させる作用があるため。
・骨端軟骨板とは、長管骨の端にある軟骨部分で、身長が伸びる場所である。

2.× 子宮の増大は、「成長ホルモン」ではなくエストロゲンである。
・成長ホルモンとは、下垂体前葉から合成・分泌されるホルモンで、成長促進作用や代謝作用などの作用がある。

3.× 乳房の発育は、「テストステロン」ではなくエストロゲンである。
・テストステロンとは、男子の第二次性徴に最も関与するホルモンである。アンドロゲン(雄性ホルモン、男性ホルモン)とは、ステロイドの一種で、生体内で働いているステロイドホルモンのひとつである。アンドロゲンにはテストステロンとジヒドロテストステロン (dihydrotestosterone;DHT)があり、精巣の分化、機能、組織形成、さらに内性器・外性器の形成に重要な役割を果たす。

4.× 排卵は、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」ではなく黄体形成ホルモンである。
・プロゲステロンとは、黄体ホルモンともいい、基礎体温を上げ、受精卵が着床しやすい状態にする作用を持つ。性周期が規則的で健常な成人女性において、着床が起こる時期に血中濃度が最も高くなるホルモンである。着床が起こる時期とは、月経の黄体期である。黄体期は、排卵した後の卵胞(黄体)から黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されるようになる時期である。

 

 

 

 

 

63 生後6か月の男児。保護者が児の尿の色が濃いことを心配して来院し、尿検査のため採尿することになった。採尿に使用する用具を下に示す。
 この男児の採尿に使用する用具として適切なのはどれか。

1.①
2.②
3.③
4.④

解答

解説

1.3.× ①(おむつ)/③(尿を吸収するパッド)は、尿検査の採尿用具として用いない。なぜなら、おむつは、尿を吸収するため。したがって、尿検査に必要な尿を清潔かつ正確に回収できない。
・おむつとは、排泄物を吸収して保持するための衛生用品である。尿の色や量の大まかな観察に役立つ。

2.× ②(採尿コップ)より優先されるものが他にある。なぜなら、生後6か月の乳児は、指示に従ってコップへ排尿することができないため。
・採尿コップは、成人やトイレで排尿できる年長児が、自分で尿を出して採取する場合に用いる。

4.〇 正しい。(乳幼児用採尿バッグ)が、最も優先される。なぜなら、乳児は、自分でコップに排尿できないため。したがって、外陰部・陰茎周囲に貼付して尿を受ける採尿バッグを使用する必要がある。
・採尿バッグとは、粘着面を皮膚に貼り、排尿された尿を袋の中にためる用具である。乳児やトイレトレーニング前の幼児など、自分で排尿を調整できない子どもに用いられる。

 

 

 

 

 

64 日本の人口動態統計における死亡率と計算式の組合せで正しいのはどれか。

1.周産期死亡率:(妊娠満12週以後の死産数+早期新生児死亡数)÷出生数×1,000
2.新生児死亡率:新生児死亡数÷(出生数+死産数)×1,000
3.乳児死亡率:乳児死亡数÷出生数×1,000
4.妊産婦死亡率:妊産婦死亡数÷出生数×100,000

解答

解説

1.× 周産期死亡率:(妊娠満12週以後の死産数+早期新生児死亡数)÷出生数×1,000
選択肢では、①妊娠満12週以後となっている点、②分母が出生数だけになっている点、
この2か所が誤りである。
・周産期死亡率とは、妊娠満22週以後の死産数と早期新生児死亡数を合計したものを出生数と妊娠満22週以後の死産数を加えたもので除したものである。
【求め方】
周産期死亡率 = 年間周産期死亡数 ÷(年間出生数 + 年間の妊娠満22週以降の死産数)× 1000

2.× 新生児死亡率:新生児死亡数÷(出生数+死産数)×1,000
新生児死亡率の分母は、「出生数+死産数」ではなく出生数である。
・新生児死亡率とは、生後4週未満に死亡した出生児の死亡率を、出生数を分母として表す指標である。新生児死亡とは、生後4週未満、つまり生後28日未満の死亡である。
【求め方】
新生児死亡率= 新生児死亡数 ÷ 出生数 ×1,000

3.〇 正しい。乳児死亡率:乳児死亡数÷出生数×1,000
・乳児死亡率とは、生後1年未満に死亡した乳児の死亡率のことである。
【求め方】
乳児死亡率= 乳児死亡数 ÷ 出生数 ×1,000

4.× 妊産婦死亡率:妊産婦死亡数÷出生数×100,000
妊産婦死亡率の分母は、「出生数」ではなく出産数である。
・妊産婦死亡率とは、「妊娠中または妊娠終了後満42日未満の女性の死亡で、妊娠の期間および部位には関係しないが、妊娠もしくはその管理に関連したまたはそれらによって悪化したすべての原因」によって死亡した妊産婦の割合を示す数値である。
【求め方】
妊産婦死亡率= 妊産婦死亡数 ÷ 出産数 ×100,000

 

 

 

 

65 Aさん(25歳、初産婦)は妊娠経過が順調であり、自然分娩を希望している。妊娠40週2日、陣痛発来し入院した。未破水、陣痛の間欠6分、発作20秒で産痛を訴えている。入院してから4時間経過しており、現在、子宮口4cm開大している。
 Aさんへの援助で適切なのはどれか。

1.足浴を勧める。
2.安静に過ごすよう促す。
3.飲食は控えるように説明する。
4.陣痛にあわせて努責を開始させる。

解答

解説

ポイント

・Aさん(25歳、初産婦)
・妊娠経過:順調、自然分娩を希望。
・妊娠40週2日、陣痛発来し入院した。
・未破水、陣痛の間欠6分発作20秒産痛を訴えている。
・入院してから4時間経過しており、現在、子宮口4cm開大している。
→現在、分娩第1期である。分娩第1期では、子宮口が全開大するまでの間、産婦が不安や緊張を軽減し、体力を保ちながら過ごせるよう援助する。

1.〇 正しい。足浴を勧める。なぜなら、足浴はリラックス疼痛緩和に役立つ援助であるため。分娩第1期では、子宮口が全開大するまでの間、産婦が不安や緊張を軽減し、体力を保ちながら過ごせるよう援助する。

2.× 安静に過ごすよう促すより優先されるものがほかにある。なぜなら、正常経過の分娩第1期では、安静臥床よりも産婦が楽な体位や歩行などを選べるようにすることが望ましいため。分娩第1期に立位や歩行を行うことで、第1期が短縮することが期待できる。

3.× 飲食は控えるように説明するより優先されるものがほかにある。なぜなら、なぜなら、Aさんは、低リスクで分娩第1期にあるため。むしろ、分娩に向けた体力維持や脱水予防の目的に、水分補給などが必要になる。

4.× 陣痛にあわせて努責を開始させるより優先されるものがほかにある。なぜなら、努責は、子宮口全開大後(分娩第2期)に行うものであるため。
・早いタイミングで努責(いきみ)を行うと産道に傷がついたり赤ちゃんの頭に無理がかかったりする。分娩第1期は呼吸法や肛門圧迫で努責(いきみ)を逃す。

分娩期

【分娩第1期】
陣痛の開始から、子宮口(子宮頸部)が完全に開く(全開大、約10cm)までの期間を指す。

・分娩第1期
「①潜伏期」と「②活動期」に分けられる。
①潜伏期:陣痛がリズミカルになり、子宮頸部が薄くなり4cmほど開いた状態まで(初産婦で12時間・経産婦で5時間程度かかる)の時期を示す。
②活動期:子宮口が4センチから10cm(全開)に開き、胎児の一部が胎盤内に降りてくる(初産婦で3時間・経産婦で2時間程度かかる)。いきみたくなって来る段階である。

・分娩第2期:赤ちゃんが産道を通っている間
子宮口が完全に開大してから胎児を娩出するまでの期間を指す。この段階は初産婦では平均45~60分間、経産婦では15~30分間続く。

・分娩第3期:「後産」の時期
胎児を娩出してから胎盤を娩出するまでの期間である。この段階は数分間で終わるのが普通であるが、最大30分ほど続くこともある。

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