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61 乳児の心拍測定で正しいのはどれか。
1.心拍数110/分は正常である。
2.聴診ではⅠ音とⅡ音で2心拍である。
3.バスタオルで体幹および四肢を固定して測定する。
4.呼吸周期に関連した心拍リズムの不整は異常である。
解答1
解説
1.〇 正しい。心拍数110/分は正常である。なぜなら、乳児の正常な心拍数は、安静時で100〜160回/分であるため。
2.× 聴診ではⅠ音とⅡ音で、「2心拍」ではなく1心拍である。なぜなら、心音聴診において、Ⅰ音(収縮期)とⅡ音(拡張期)は合わせて1回の心拍(1拍)と数えるため。
3.× バスタオルで、体幹および四肢を固定して測定する必要はない。なぜなら、自由に動けないことで、泣いたり暴れたりし、心拍数が上昇し、正確な測定が困難になる可能性が考えられるため。したがって、可能な限り、優しく抱っこしたり、おもちゃなどで注意をそらしたりしながら、乳児を安心させて測定を試みるべきである。
4.× 呼吸周期に関連した心拍リズムの不整は、「異常」ではなく正常である。これを呼吸性不整脈とう。
・乳児の呼吸性不整脈とは、心拍が呼吸に合わせて速くなったり遅くなったりする生理的な現象である。息を吸うと心拍が上がり、吐くと下がることが多い。
正常心音は、Ⅰ〜Ⅳ音に分類されるが、健康成人ではⅠ音とⅡ音しか確認できないことが多い。
Ⅰ音(心室収縮時に起きる音:おもに僧帽弁閉鎖音、大動脈弁開放音)
Ⅱ音(心室拡張の始まりに起きる音:おもに大動脈弁閉鎖音(ⅡA)と肺動脈弁閉鎖音(ⅡP))
Ⅲ音(心室拡張期の終わり:心室筋の伸展による音)
Ⅳ音(心房収縮音:Ⅰ音の直前)
62 保護者による子どもへの虐待に対する外来の看護師の対応で適切なのはどれか。
1.子どもの全身の観察では、保護者の同意を得る必要がある。
2.プライバシー保護のため、他職種との情報共有はしない。
3.子どもや保護者の発言内容や様子を記録に残す。
4.保護者の同席のもと子どもから話を聞く。
解答3
解説
1.× 子どもの全身の観察では、保護者の同意を得る必要はない。なぜなら、子どもへの虐待が疑われる場合、子どもの安全確保が最優先となるため。虐待の疑いがある状況で保護者の同意を待っていては、適切な介入が遅れる可能性がある。
2.× プライバシー保護「があっても」、他職種との情報共有は「行うことができる」。なぜなら、子どもの生命・安全が最優先となるため。また、児童虐待防止法において、市町村の福祉事務所や都道府県の児童相談所への通報義務がある。
3.〇 正しい。子どもや保護者の発言内容や様子を記録に残す。なぜなら、虐待の事実を特定したり、その後の支援計画を立てたりするための重要な情報源となるため。また、詳細かつ客観的な記録は、今後の医療介入、児童相談所への通告、あるいは法的な手続きの際に根拠となる証拠となり得る。
4.× 「保護者の同席のもと」子どもから話を聞く必要はない。なぜなら、子どもが正直に話せない可能性が高いため。子どもから話を聞く際は、子どもの安全が確保された上で、保護者から離れた場所で個別に行うことが望ましい。
63 事業主は雇用している女性労働者が妊婦健康診査を受けるために必要な時間を確保できるようにしなければならないと規定している法律はどれか。
1.母体保護法
2.労働基準法
3.雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律〈男女雇用機会均等法〉
4.育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉
解答3
解説
1.× 母体保護法とは、不妊手術及び人工妊娠中絶に関する堕胎罪の例外事項を定めること等により、母親の生命健康を保護することを目的とした法律である。1948年7月13日に公布された。
2.× 労働基準法とは、労働者の生存権の保障を目的として、①労働契約や賃金、②労働時間、③休日および年次有給休暇、④災害補償、⑤就業規則といった労働者の労働条件についての最低基準を定めた法律である。
3.〇 正しい。雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律〈男女雇用機会均等法〉は、事業主は雇用している女性労働者が妊婦健康診査を受けるために必要な時間を確保できるようにしなければならないと規定している法律である。これは、12条(妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置)において、「事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、その雇用する女性労働者が母子保健法の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならない」と規定されているため。
・男女雇用機会均等法とは、1972年に施行された男女の雇用の均等及び待遇の確保等を目標とする日本の法律で、主に職場における性別による差別を禁止し、男女とも平等に扱うことを定められている。所管官庁は、厚生労働省である。
4.× 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉とは、育児・介護に携わる労働者について定めた日本の法律である。①労働者の育児休業、②介護休業、③子の看護休暇、④介護休暇などが規定されている。
64 Leopold〈レオポルド〉触診法で分かるのはどれか。
1.胎向
2.胎児の筋緊張
3.胎盤付着部位
4.胎児の健康状態
解答1
解説
(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」)
レオポルド触診法とは、母体の腹壁に触れることで子宮の収縮状態、子宮底の位置、胎児の数、胎向、胎位、胎勢、先進部、下降度などの観察が目的である。妊娠27週頃から可能で、児頭は固く丸く、四肢は小部分として触れる。
【触診法】
第1段法:子宮底の位置や高さ、形、胎児部分を触診する。
第2段法:一方の手で胎児小部分を確認し、他方の手で胎向を確認する。子宮の形、大きさ、緊張度、羊水量、胎動、胎向をみる。
第3段法:恥骨結合上の胎児部分を触診し、可動性(移動性)をみる。
第4段法:恥骨結合と胎児の下降部に指先を挿入して、下降部と骨盤進入度合いを確認する。
1.〇 正しい。胎向は、Leopold触診法で分かる。レオポルド触診法とは、母体の腹壁に触れることで子宮の収縮状態、子宮底の位置、胎児の数、胎向、胎位、胎勢、先進部、下降度などの観察が目的である。
2.× 胎児の筋緊張は、胎動の活発さや、超音波検査での胎児の動きなどで評価する。
3.× 胎盤付着部位は、超音波検査によって確認する。
4.× 胎児の健康状態は、胎児心拍数モニタリング(NSTなど)、超音波検査(胎児発育、羊水量、ドプラー血流など)などで評価する。
65 子宮口全開大のときに破水した。
この破水はどれか。
1.前期破水
2.早期破水
3.遅滞破水
4.適時破水
解答4
解説
1.× 前期破水とは、陣痛開始前のいずれかの時点で胎児の周りの羊水が流れ出ることである。多くの場合、破水後まもなく陣痛が始まる。破水して6~12時間以内に陣痛が始まらない場合には、妊婦と胎児の感染リスクが上昇する。
2.× 早期破水とは、分娩開始以降で子宮口全開大前の破水のことである。
3.× 遅滞破水とは、子宮口が全開大し、既に分娩第2期に入っているにもかかわらず、まだ破水していない状態を指す。
4.〇 正しい。適時破水が該当する。子宮口全開大に達する頃の破水のことをいう。