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86 特定健康診査・特定保健指導について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.医療保険者が実施主体である。
2.がんのスクリーニングを目的とする。
3.特定健康診査の受診者全員に特定保健指導を実施する。
4.対象は、75歳以上の医療保険被保険者・被扶養者である。
5.根拠法令は、高齢者の医療の確保に関する法律〈高齢者医療確保法〉である。
解答1・5
解説
・特定健康診査とは、40~74歳までの医療保険加入者を対象に実施されるものである。特定健診で行う検査は、主に①身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)、②血中脂質検査(中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロール)、③肝機能検査(GOT・GPT・γ-GTP)、④血糖検査(空腹時血糖・HbA1c)、⑤尿検査(尿糖・尿蛋白)などである。
・特定保健指導とは、予備群や軽症でまだお薬を必要としない人に対してもしっかり働きかけ、生活習慣病にならないようなしくみである。
1.〇 正しい。医療保険者が実施主体である。なぜなら、高齢者医療確保法(第20条・第24条)に基づき、保険者が加入者に対して特定健康診査・特定保健指導を行う制度であるため。
・医療保険者とは、国民健康保険、健康保険組合、全国健康保険協会、共済組合などを指す
2.× がんのスクリーニングを目的「としていない」。なぜなら、特定健康診査はメタボリックシンドロームに着目し、生活習慣病の予防を目的とする健診であるため。
3.× 特定健康診査の受診者全員に特定保健指導を実施「とはならない」。なぜなら、特定保健指導は、特定健診の結果から生活習慣病の発症リスクが高いと判定された人に行うため。
4.× 対象は、「75歳以上」ではなく40〜74歳の医療保険被保険者・被扶養者である。ちなみに、75歳以上は、後期高齢者医療制度の対象となる。
・後期高齢者医療制度とは、2008年施行の高齢者の医療の確保に関する法律を根拠法とする日本の医療保険制度である。①75歳以上または②65~74歳で一定の障害があると認定された人である。
5.〇 正しい。根拠法令は、高齢者の医療の確保に関する法律〈高齢者医療確保法〉である。なぜなら、特定健康診査・特定保健指導は、高齢者の医療の確保に関する法律〈高齢者医療確保法〉に基づいて医療保険者が実施する制度であるため。
国民の高齢期における適切な医療の確保を図るため、医療費の適正化を推進するための計画の作成及び保険者による健康診査等の実施に関する措置を講ずるとともに、高齢者の医療について、国民の共同連帯の理念等に基づき、前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整、後期高齢者に対する適切な医療の給付等を行うために必要な制度を設け、もって国民保健の向上及び高齢者の福祉の増進を図ることを目的とした法律である。
87 チーム医療におけるタイムアウトの説明で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.処置の終了時に実施する。
2.侵襲性の高い処置の際に実施する。
3.チームの全員が作業の手を止めて集合する。
4.チームメンバー間で作業を分担して実施する。
5.患者とコミュニケーションを取りながら実施する。
解答2・3
解説
タイムアウトとは、手術にかかわる医師や看護師などのメンバー全員が、いっせいに手を止めて患者および手術部位を確認しあうことである。手術患者や手術部位の誤認防止を目的としており、手術時の安全対策のひとつである。
1.× 処置の「終了時」ではなく処置開始前に実施する。なぜなら、タイムアウトを終了時に行っても誤処置の予防にならないため。
2.〇 正しい。侵襲性の高い処置の際に実施する。なぜなら、侵襲性の高い処置では、患者誤認・部位誤認・手技誤認が重大事故につながるため。
・侵襲性の高い処置とは、身体に針・メス・カテーテルなどを用いて介入し、出血、感染、臓器損傷などのリスクがある処置を指す。代表例は手術、中心静脈カテーテル挿入、内視鏡的処置、穿刺、局所麻酔下処置などである。
3.〇 正しい。チームの全員が作業の手を止めて集合する。なぜなら、タイムアウトは、関係者全員が同じ情報を共有し、認識のずれを防ぐための手順であるため。
4.× チームメンバー間で作業を分担して実施する「ものではない」。なぜなら、作業を分担して実施しても誤処置の予防にならないため。
5.× 「必ずしも」、患者とコミュニケーションを取りながら、実施「するものではない」。なぜなら、タイムアウトが行われる時点では、患者が麻酔下にある場合や、意識がない場合、乳幼児や認知機能低下がある場合もあるため。
チーム医療とは、「医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること」と一般的に理解されている。チーム医療がもたらす具体的な効果としては、①疾病の早期発見・回復促進・重症化予防など医療・生活の質の向上、②医療の効率性の向上による医療従事者の負担の軽減、③ 医療の標準化・組織化を通じた医療安全の向上、等が期待される。(※引用:「チーム医療の推進について」厚生労働省HPより)
88 老視の原因はどれか。2つ選べ。
1.房水の循環障害
2.毛様体筋の萎縮
3.虹彩の弾力性の低下
4.網膜神経細胞の減少
5.水晶体の弾力性の低下
解答2・5
解説

(図引用:「~看護師イラスト集~」看護roo!様HPより)
老視とは、近いところが見えにくくなる症状のことである。水晶体の弾力性の低下による視機能の低下が主な理由である。水晶体の弾力性の低下は40代ぐらいから始まる。ちなみに、水晶体とは、ほぼ透明で眼の中でレンズの役割を担う器官である。
1.× 房水の循環障害は、緑内障に関係する。
・房水とは、眼の前房・後房を満たす液体で、角膜や水晶体に栄養を与え、眼圧を保つ働きがある。房水の流れが悪くなると、眼圧が上昇し、視神経が障害される緑内障につながる。
・緑内障とは、眼圧の上昇や視神経の脆弱性などにより視神経が障害され、視野障害をきたす疾患である。一般的な症状として、①見える範囲が狭くなる、②一部が見えにくくなる、③見えない部分が出現するなどである。病気の種類や進行度合いなどによって薬物療法、レーザー治療、手術などが検討される。一度悪くなった視界・視野の症状は改善されることはないため、早い段階で治療を受けることが大切である。
2.〇 正しい。毛様体筋の萎縮は、老視の原因である。なぜなら、毛様体筋は、水晶体の厚さを変えてピント調節を行う筋であるため。したがって、加齢によりその働きが低下すると近くに焦点を合わせにくくなり、老視の原因となる。
・毛様体筋とは、眼の遠近調節を行う筋である。【近くを見るとき】毛様体筋が収縮すると、毛様体小帯の緊張が低下し、水晶体が厚みを増して丸みを帯びる。これにより、屈折力が強くなり、近くの物体が焦点に合うようになる。【遠くを見るとき】毛様体筋が弛緩すると、毛様体小帯の緊張が高まり、水晶体が平坦になる。これにより、屈折力が弱まり、遠くの物体が焦点に合うようになる。
3.× 虹彩の弾力性の低下は、光量調節に関係する。なぜなら、虹彩は、瞳孔径(眼に入る光の量)を調節する部位であるため。
・虹彩とは、瞳孔の大きさを調整し、網膜に入る光の量を調節する役割を持つ組織である。
4.× 網膜神経細胞の減少は、視力低下、視野障害、暗点などに関連する。なぜなら、網膜神経細胞は、光を受け取って視覚情報を脳へ伝える細胞であるため。
・網膜とは、眼球内の光を感知する部分である。網膜には、視細胞や神経節細胞などがあり、光を電気信号に変換して視神経を通じて脳へ伝える。眼球の内側にある網膜という膜が剥がれて、視力が低下する病気を網膜剥離という。
5.〇 正しい。水晶体の弾力性の低下は、老視の原因である。なぜなら、水晶体は、近くを見るときに厚く変形してピントを合わせる構造であるため。
・水晶体とは、ほぼ透明で眼の中でレンズの役割を担う器官である。
89 常位胎盤早期剝離のリスク因子はどれか。2つ選べ。
1.経産婦
2.妊娠糖尿病
3.帝王切開術の既往
4.妊娠高血圧症候群
5.常位胎盤早期剝離の既往
解答4・5
解説
常位胎盤早期剝離とは、子宮壁の正常な位置に付着している胎盤が、胎児娩出以前に子宮壁より剥離することをいう。剥離出血のため、性器出血や激しい腹痛、子宮内圧の上昇、子宮壁の硬化が起こり、ショック状態を起こすことがある。胎盤が早い時期に剥がれると、在胎週数の割に成長しなかったり、死亡することさえある。また、低酸素のために急速に胎児機能不全に陥る。
1.× 経産婦とは、過去に分娩経験がある女性を指す。なお、疫学研究では母体年齢や妊娠・分娩歴と胎盤早期剝離の関連が検討されることがある。ちなみに、高齢の場合は、常位胎盤早期剝離のリスクとなる。
2.× 妊娠糖尿病は、巨大児、羊水過多、新生児低血糖などと関連が強い。
・娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発見、または発症した糖尿病まではいかない糖代謝異常のことである。糖代謝異常とは、血液に含まれる糖の量を示す血糖値が上がった状態である。肥満女性は妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、帝王切開分娩、巨大児などのリスクが高い。
3.× 帝王切開術の既往の既往そのものは危険因子とはいえない。しかし、帝王切開の既往があり、子宮切開をした瘢痕部に胎盤がかかっていた場合、癒着胎盤のリスクが高くなる。
4.〇 正しい。妊娠高血圧症候群は、常位胎盤早期剝離の重要なリスク因子である。なぜなら、妊娠高血圧症候群では胎盤血管の異常や血管内皮障害により、胎盤が剝離しやすくなるため。※ただし、機序ははっきりわかっていないという報告もある。
・妊娠高血圧症候群とは、妊娠時に高血圧(収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上)を発症した場合をいう。妊娠前から高血圧を認める場合、もしくは妊娠20週までに高血圧を認める場合を高血圧合併妊娠という。妊娠20週以降に高血圧のみ発症する場合は妊娠高血圧症、高血圧と蛋白尿を認める場合は妊娠高血圧腎症と分類される。
5.〇 正しい。常位胎盤早期剝離の既往は、常位胎盤早期剝離の重要なリスク因子である。なぜなら、過去に常位胎盤早期剝離を起こした妊婦は、再発リスクが高くなるため。
【常位胎盤早期剥離のリスク因子】
①高齢、②高血圧(妊娠中に発症する高血圧の一種である妊娠高血圧腎症など)、③胎盤への酸素供給不足、④胎児を包んでいる組織の感染症(羊膜内感染)、⑤血管炎やその他の血管の病気、⑥常位胎盤早期剥離の既往、⑦腹部外傷、⑧血液凝固障害(抗リン脂質抗体症候群など)、⑨喫煙、⑩前期破水、特に胎児の周囲を満たしている羊水の量が多すぎる(羊水過多)の場合、⑪コカインの使用
(※引用:「常位胎盤早期剥離」MSDマニュアル家庭版様HPより)
90 1500mLの輸液を朝6時から18時にかけて点滴静脈内注射で実施する。20滴で1mLの輸液セットを用いた場合の1分間の滴下数を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。
解答:①②滴/分
①:0~9
②:0~9
解答42
解説
①まず投与時間を「分」に直す。
なぜなら、点滴滴下数は「1分間に何滴か」で求めるため。
6時から18時までは12時間である。
12時間を分に直すと、12時間 × 60分 = 720分
②次に、1分間に何mL投与するかを求める。
1500mLを720分で投与するので、
1500mL÷720分 = 2.083…mL/分
③輸液セットは20滴で1mLなので、1分間の滴下数を求める。
2.083…mL/分×20滴 = 41.666…滴/分
④小数点以下第1位を四捨五入する。
41.666…→42
したがって、42滴/分
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