第105回(H28) 看護師国家試験 解説【午後16~20】

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16 C型慢性肝炎に使用するのはどれか。

1.ドパミン
2.インスリン
3.リドカイン
4.インターフェロン

解答4

解説

C型肝炎とは?

C型肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することによって起こる肝臓の病気である。C型肝炎ウイルスは、主に感染者の血液や体液から感染する。感染の危険性がある行為としては注射器の使い回しや剃刀(かみそり)の共用などがある。そのほか、妊娠中の母親から胎児への感染や性行為による感染もあるが、感染する確率は低いと考えられている。

1.× ドパミンは、血圧上昇作用薬であるため、急性循環不全(心原性ショック、出血性ショック)の治療に用いられる。
2.× インスリンは、血糖降下作用薬であるため、糖尿病に対して用いられる。
3.× リドカインは、局所麻酔作用薬であるため、抗不整脈薬として使われる。
4.〇 正しい。インターフェロンは、C型慢性肝炎に使用する。インターフェロンとは、動物体内で病原体や腫瘍細胞などの異物の侵入に反応して細胞が分泌する蛋白質のことである。ウイルス増殖の阻止や細胞増殖の抑制、免疫系および炎症の調節などの働きをするサイトカインの一種である。抗ウイルス薬として使われるため、C型慢性肝炎に対して用いられる。

慢性肝炎とは?

肝炎を起こすウイルス(C型肝炎ウイルス)の感染により、6ヵ月以上にわたって肝臓の炎症が続き、細胞が壊れて肝臓の働きが悪くなる病気である。一般的な原因としては、B型およびC型肝炎ウイルス、特定の薬などがあり、ほとんどの場合は無症状である、全身のけん怠感、食欲不振、疲労などの漠然とした症状がみられることもある。初期は無症状が多いが、放置しておくと、長い経過のうちに肝硬変や肝がんに進行しやすい。

 

 

 

 

 

17 カルシウム拮抗薬の服用時に避けた方がよい食品はどれか。

1.納豆
2.牛乳
3.わかめ
4.グレープフルーツ

解答4

解説

カルシウム拮抗剤とは?

カルシウム拮抗剤とは、血管の平滑筋にあるカルシウムチャネルの機能を拮抗し、血管拡張作用を示す薬剤のことである。適用症例として主に高血圧、狭心症があげられる。グレープフルーツジュースで服用すると、血中薬物濃度が上昇し副作用を生じることがある。その結果、必要以上の血圧低下や心拍数の増加が起こり、頭痛、顔面紅潮、めまいなどの副作用の発現頻度が増えることが考えられる。

1.× 納豆(ビタミンK)の摂取は、ワルファリンの内服と避けるべきである。なぜなら、納豆(ビタミンKが多く含む)を摂取すると凝固機能が亢進しワルファリン作用が減弱するため。
2.× 牛乳(カルシウム)は、ニューキノロン系抗菌薬やテトラサイクリン系抗菌薬など(抗菌作用)の吸収が妨げられ、効果が減弱する。
3.× わかめ(海藻:ヨウ素)の摂取制限は、放射性ヨウ素を用いた甲状腺の検査前(甲状腺シンチグラフィーなど)である。なぜなら、甲状腺シンチグラフィーなどは、ヨウ素が甲状腺に集まるという特性を利用して行い、正しく検査結果が出ない可能性があるため。
4.〇 正しい。グレープフルーツは、カルシウム拮抗薬の服用時に避けた方がよい食品である。天然フラボノイド成分は、CYP3A4という酵素の働きが抑えられ、カルシウム(Ca)拮抗薬の分解が遅くなるため、血中濃度が上昇する。つまり、グレープフルーツジュースに含まれる物質には、この代謝酵素を阻害する働きがあるため、同時に飲むと薬の代謝が阻害され、薬が長く体内にとどまり、必要以上に強い効果が出てしまう可能性がある。これにより、血圧が異常に下がってしまう危険性がある。

 

 

 

 

 

18 患者の洗髪の介助方法で適切なのはどれか。

1.脱脂綿で耳栓をする。
2.43〜44℃の湯をかける。
3.指の腹を使って洗う。
4.強い振動を加えて洗う。

解答3

解説

1.× 「脱脂綿」ではなく、油分を含む青梅綿で耳栓をする。なぜなら、脱脂綿は吸水性の高い(水を吸ってしまう)ため。耳に水が入ってしまい、患者に不快感を与えてしまうことがある。
2.× 「43〜44℃」ではなく、39~41度(40±1℃)の湯をかける。なぜなら、40±1℃は、若干暖かさを感じ、リラックス効果の高い温度であるため。ちなみに、熱くも冷たくも感じない37℃前後の水温(不感温度)は、心拍数、血圧、呼吸数、酸素消費量など最も影響が少ない。人それぞれ温度の感じ方は異なるため、あくまでも目安で患者に聞きながら温度は調整する。
3.〇 正しい。指の腹を使って洗う。なぜなら、爪を用いると頭皮を傷つけやすいため。指の腹を使って頭皮をマッサージするように洗うことでも、十分毛根の汚れが除去されるうえに、頭皮の血流促進効果が得られる。
4.× 強い振動を加えて洗う必要はない。なぜなら、頭部を強く振動させるとめまいや悪心の原因となるため。片手で頭部を支えて安定させ、大きく揺らさないように洗う。

 

 

 

 

 

19 全身清拭時、洗面器に準備する湯の温度で適切なのはどれか。

1.20〜25℃
2.30〜35℃
3.40〜45℃
4.50〜55℃

解答4

解説

 清拭に用いる湯温は50℃前後に保ち、タオルの端をひらひらさせない(冷感を与えない)。 皮膚の二面が接しているところ(頚部・腋下・乳房の下など)を丁寧に拭く。 掛け物とバスタオルを用いて露出を少なくする。 皮膚に湿り気を残さないように拭き取る。したがって、全身清拭時、洗面器に準備する湯の温度は、選択肢4.50〜55℃とする。

 

 

 

 

 

20 スタンダードプリコーションの対象はどれか。

1.汗
2.爪
3.唾液
4.頭髪

解答3

解説

標準予防策(スタンダードプリコーション)とは?

スタンダード・プリコーションとは、感染症の疑いや診断の有無にかかわらず、すべての患者に共通して実施される感染対策で、汗を除くすべての湿性生体物質(血液・体液・分泌物・排泄物・損傷した皮膚・粘膜)を感染源と見なし、対処する予防策である。

1~2.4.× 汗/爪/頭髪は、スタンダードプリコーションの対象ではない。なぜなら、湿性生体物質ではないため。
3.〇 正しい。唾液は、スタンダードプリコーションの対象である。なぜなら、湿性生体物質であるため。

【手指衛生の5つのタイミング】
①患者に触れる前( 手指を介して伝播する病原微生物から患者を守るため)
②清潔/無菌操作の前( 患者の体内に微生物が侵入することを防ぐため)
③体液に曝露された可能性のある場合(患者の病原微生物から医療従事者を守るため)
④患者に触れた後(患者の病原微生物から医療従事者と医療環境を守るため)
⑤患者周辺の環境や物品に触れた後(患者の病原微生物から医療従事者と医療環境を守るため)
(※引用:「WHO手指衛生ガイドライン」矢野邦夫より)

 

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