第106回(H29) 看護師国家試験 解説【午前11~15】

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11 大動脈に血液を送り出す部位はどれか。

1.左心室
2.右心室
3.左心房
4.右心房

解答1

解説

(※図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)

1.〇 正しい。左心室は、大動脈へ血液(全身に送る)を送り出す。
2.× 右心室は、肺動脈へ血液(全身から還流した静脈血を肺に送る)を送り出す。
3.× 左心房は、左心室へ血液を送り出す。
4.× 右心房は、右心室へ血液を送り出す。

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【10問】心臓の解剖と生理についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

12 喀血が起こる出血部位で正しいのはどれか。

1.頭蓋内
2.気道
3.食道
4.胆道

解答2

解説

喀血とは?

喀血とは、気道(気管・肺)から出血した時に見られる出血である。気道の出血が少量であれば痰に血が混じっている状態、血痰という。喀血は血液そのものを咳とともに吐く状態である。一方、吐血との区別は口から血が出たときに伴う症状で区別する。①喀血:下気道(気管支肺)からの出血、②吐血:上部消化管からの出血がある。したがって、喀血は吐血と比べると赤みが強く、泡が混じることが多く、固まりにくいという特徴がある。

1.× 頭蓋内の出血は、脳出血という。意識障害など脳機能障害が生じる。ちなみに、高次脳機能障害とは、脳損傷に起因する認知障害全般を指し、 この中にはいわゆる巣症状としての失語・失行・失認のほか記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などが含まれる。
2.〇 正しい。気道からの出血により喀血(血液のみ喀出)が起こる。喀血とは、気道(気管・肺)から出血した時に見られる出血である。気道の出血が少量であれば痰に血が混じっている状態、血痰という。喀血は血液そのものを咳とともに吐く状態である。喀血は吐血と比べると赤みが強く、泡が混じることが多く、固まりにくいという特徴がある。
3.× 食道(上部消化管)からの出血は、吐血という。上部消化管とは、食道、胃、十二指腸のことである。
4.× 胆道から出血は、血便や黒色便がみられる。胆道とは、肝臓から十二指腸までの胆汁の通り道を総称して呼ぶ。下血とは、肛門から黒い血が出ることである。血便と下血は別のものであり、血便とは、赤い血が混じっている便である。一方、下血は黒い血が混じっている便のことをいう。赤い便(血便)は、下部消化管、すなわち回腸や大腸・肛門からの出血が原因である。一方、黒い便(下血)の原因は、上部消化管、つまり食道、胃、十二指腸などの上部小腸からの出血である。

 

 

 

 

 

13 胸痛を訴えるのはどれか。

1.髄膜炎
2.腎結石
3.急性心筋梗塞
4.Mènière<メニエール>病

解答3

解説

1.× 髄膜炎とは、なんらかの理由(主な病原体:髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌)で、髄膜が炎症を起こす病気である。症状は、髄膜炎の3大症状でもある発熱頭痛項部硬直で、75%以上の意識障害(傾眠~昏睡と程度は様々)である。他にも、嘔吐や羞明もよくみられる。けいれんは初期症状にみられ、髄膜炎の全経過を通して20~40%に起きる。
2.× 腎結石とは、尿管から膀胱に向かって徐々に下降し、結石が膀胱に近づくと、膀胱を刺激し、頻尿や残尿感、腰背部に激しい痛みなどの症状が現れる。
3.〇 正しい。急性心筋梗塞では、20分以上持続する胸痛が典型的な症状である。急性心筋梗塞とは、冠状動脈内に血栓が形成され、動脈を閉塞し心筋が壊死することである。リスクファクターとして、①高血圧、②喫煙、③糖尿病、④脂質代謝異常などである。合併症には、不整脈や心不全、脳梗塞がある。そのほかに重篤なものとして心破裂や心室中隔穿孔などがある。
4.× Mènière<メニエール>病とは、膜迷路を満たしている内リンパ液の内圧が上昇し、内リンパ水腫が生じる内耳疾患である。4大症状として、①激しい回転性のめまい、②難聴(感音難聴)、③耳鳴り、④耳閉感を繰り返す内耳の疾患である。主な原因は「内リンパ水腫」で、 その根底にはストレス・睡眠不足・疲労・気圧の変化・几帳面な性格などがあると考えられている。耳発作時では安静を第一に考えた指導を行い、間欠期では発作が起こらないようにするための指導をする。

尿路結石とは?

尿路結石症とは、尿路に、結石(尿に含まれるカルシウム・シュウ酸・リン酸・尿酸などが結晶化したもの)ができる病気である。結石のできる位置によって、腎結石(腎臓内にある結石) 、尿管結石、膀胱結石などと呼ばれる。結石ができる原因は明確に分かっていないが、リスク要因としては体質遺伝の他、生活習慣が大きく関わっているとされている。典型的な最初の症状は脇腹から下腹部にかけての突然の激痛である。 「動くと痛い」というのは結石の症状ではなく筋肉や骨からの症状のことが多いが、尿管結石の場合はじっとしていてももだえるほどの症状が出ることがある。 また、結石によって閉塞した部位の中枢側の尿路が拡張し、腰背部の仙痛発作が起こる。治療としては、①体外衝撃波腎・尿管結石破砕術、②経尿道的尿路結石除去術、③経皮的尿路結石除去術(もしくは②と③を同時に併用する手術)などがあげられる。

 

 

 

 

 

14 小脳失調でみられるのはどれか。

1.下肢の麻痺が認められる。
2.姿勢保持が困難になる。
3.血圧が不安定になる。
4.体がこわばる。

解答2

解説

小脳とは?

小脳とは、後頭部の下方に位置し、筋緊張や身体の平衡の情報を処理し運動や姿勢の制御(運動系の統合的な調節)を行っている。小脳は、筋トーヌスと運動の調節に関与している。

1.× 下肢の麻痺は生じない。なぜなら、下肢の麻痺は、皮質脊髄路(錐体路)の障害で起こるため。錐体路とは、大脳皮質運動野―放線冠―内包後脚―大脳脚―延髄―錐体交叉―脊髄前角細胞という経路をたどる。障害されることで片麻痺などの症状をきたす。
2.〇 正しい。姿勢保持が困難になる。なぜなら、小脳障害により、平衡保持体幹失調小脳性運動失調になるため。ちなみに、体幹失調とは、随意運動遂行時に働く筋群に協調性が失われ、そのため運動が円滑に行われず開脚歩行などを呈する症状である。小脳虫部の損傷によって起こる。
3.× 血圧が不安定になるのは、自律神経失調症や脳幹、脊髄の障害で起こる。脳幹や脊髄を通る交感神経系が障害されると血圧が不安定となり、起立性低血圧などが生じる。
4.× 体がこわばるのは、関節リウマチパーキンソン病などで生じることが多い。パーキンソン病とは、黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変成疾患である。4大症状として①安静時振戦、②筋強剛(筋固縮)、③無動・寡動、④姿勢反射障害を特徴とする。また、自律神経障害による便秘や起立性低血圧、排尿障害、レム睡眠行動障害などが起こる。レム睡眠行動障害とは、レム睡眠の時期に体が動き出してしまう睡眠障害の1つである。 睡眠時随伴症に分類される。

”関節リウマチとは?”

関節リウマチは、関節滑膜を炎症の主座とする慢性の炎症性疾患である。病因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されているが、詳細は不明である。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こる。関節破壊(骨びらん) は発症6ヶ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著である。関節リウマチの有病率は0.5~1.0%とされる。男女比は3:7前後、好発年齢は40~60歳である。
【症状】
①全身症状:活動期は、発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹、朝のこわばりなどの全身症状が出現する。
②関節症状:関節炎は多発性、対称性、移動性であり、手に好発する(小関節)。
③その他:リウマトイド結節は肘、膝の前面などに出現する無痛性腫瘤である。内臓病変は、間質性肺炎、肺線維症があり、リウマトイド肺とも呼ばれる。
【治療】症例に応じて薬物療法、理学療法、手術療法などを適宜、組み合わせる。

(※参考:「関節リウマチ」厚生労働省HPより)

 

 

 

 

 

15 せん妄の誘発因子はどれか。(※採点対象外)

1.身体拘束
2.心血管障害
3.低栄養状態
4.電解質バランス異常

解答1(※採点対象外)
理由:必修問題としては妥当でないため。

解説

せん妄とは?

せん妄とは、疾患や全身疾患・外因性物質などによって出現する軽度~中等度の意識障害であり、睡眠障害や興奮・幻覚などが加わった状態をいう。高齢者は薬剤によってせん妄が引き起こされる場合も多い。
【原因】脳疾患、心疾患、脱水、感染症、手術などに伴って起こることが多い。他にも、心理的因子、薬物、環境にも起因する。

【症状】
①意識がぼんやりする。
②その場にそぐわない行動をする。
③夜間に起こることが多い。 (夜間せん妄)
④通常は数日から1週間でよくなる。

【主な予防方法】
①術前の十分な説明や家族との面会などで手術の不安を取り除く。
②昼間の働きかけを多くし、睡眠・覚醒リズムの調整をする。
③術後早期からの離床を促し、リハビリテーションを行う。

1.〇 正しい。身体拘束は、せん妄の誘発因子である。
①直接因子とは、その因子単独でせん妄を直接引き起こしうる疾患や生理学的異常、薬物などをさす。治療の可能な疾患や、中止・変更の可能な薬物は、医療者側の工夫によってある程度避けられる。
②誘発因子とは、主に睡眠覚程リズム障害を通してせん妄の発症を誘発する要因で、環境変化、極度の不安、疼痛、頻尿による不眠など。
③準備因子とは、患者さん自身がもともともっているせん妄を発症しやすい脳の脆弱性(例えば、高齢や既往歴など)。

2.× 心血管障害/低栄養状態/電解質バランス異常は、せん妄の直接因子である。ちなみに、せん妄の原因として、脳疾患、心疾患、脱水、感染症、手術などに伴って起こることが多い。他にも、心理的因子、薬物、環境にも起因する。

 

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