第109回(R2) 看護師国家試験 解説【午後21~25】

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21 標準予防策(スタンダードプリコーション)で感染源として取り扱うのはどれか。

1.汗
2.爪
3.唾液
4.頭髪

解答3

解説

標準予防策(スタンダードプリコーション)とは?

スタンダード・プリコーションとは、感染症の疑いや診断の有無にかかわらず、すべての患者に共通して実施される感染対策で、汗を除くすべての湿性生体物質(血液・体液・分泌物・排泄物・損傷した皮膚・粘膜)を感染源と見なし、対処する予防策である。

1.× 汗は、標準予防策(スタンダードプリコーション)の感染源として扱わない。なぜなら、汗以外のヒトの身体から出る湿性生体物質が対象であるため。
2.4.× 爪/頭髪は、標準予防策(スタンダードプリコーション)の感染源として扱わない。なぜなら、爪は湿性生体物質ではないため。
3.〇 正しい。唾液は、感染源として取り扱う。スタンダード・プリコーションとは、感染症の疑いや診断の有無にかかわらず、すべての患者に共通して実施される感染対策で、汗を除くすべての湿性生体物質(血液・体液・分泌物・排泄物・損傷した皮膚・粘膜)を感染源と見なし、対処する予防策である。

 

 

 

 

 

22 赤血球製剤の保存温度で適切なのはどれか。

1.-6〜-2℃
2.2〜6℃
3.12〜16℃
4.22〜26℃

解答2

解説

赤血球製剤とは?

赤血球製剤は、輸血治療に使用される赤血球の冷凍保存製剤である。血液から血漿、白血球および血小板の大部分を取り除いたもので、出血及び赤血球が不足する状態、またはその機能低下による酸素欠乏のある場合に使用される。

赤血球製剤は2~6℃の低温で保存することにより、細菌の増殖を抑制し細胞の生存率や形態を保ち21日の長期保管が可能となる。したがって、選択肢2.2〜6℃が正しい。ちなみに、血小板製剤は室温に近い20~24℃で振盪(しんとう)しながら保管するが、保管期間は4日である。

 

 

 

 

23 成人で1日の尿量が100mL以下の状態を示すのはどれか。

1.希尿
2.頻尿
3.乏尿
4.無尿

解答4

解説

尿とは?

健常者の尿は、1日に8回程度で、1,000~1,500mL程度である。尿は、生体内代謝産物を排泄するため、腎臓で血液が濾過され作られる。健康人では体重1kgあたり、1時間に約1mLの尿が排泄されるとされている。膀胱は通常100~150mLで最初の尿意(初発尿意)を感じる。

・希尿:日中に3回以下。尿量は関係ない。
・頻尿:日中に8回以上。尿量は関係ない。
・無尿:100mL/日以下
・乏尿:400mL/日以下
・多尿:3,000mL/日以上
・正常な1日の尿量:1.000~1500mL/日

1.× 希尿とは、日中に3回以下の排尿しかない状態である。尿量は関係ない。ちなみに、希尿になる原因としては、急性腎炎、ネフローゼ症候群、腎不全の末期、肝硬変、うっ血性心不全、多量の出血、やけど、熱中症、膀胱がん、尿道結石、尿道狭窄、脱水症などがあげられる。
2.× 頻尿とは、日中に8回以上の排尿がある状態である。尿量は関係ない。ちなみに、頻尿になる原因としては、様々であるが、過活動膀胱、残尿(排尿後にも膀胱の中に尿が残ること)、多尿(尿量が多いこと)、尿路感染・炎症、腫瘍、心因性などがあげられる。
3.× 乏尿とは、1日の尿量が400mL以下となった状態である。ちなみに、乏尿となる原因としては、腎炎、ネフローゼあるいは心不全などがあげられる。
4.〇 正しい。無尿とは、1日の尿量が100mL以下となった状態である。重度の腎障害が起こっている可能性がある。

 

 

 

 

 

24 仰臥位における褥瘡の好発部位はどれか。

1.踵骨部
2.内顆部
3.膝関節部
4.大転子部

解答1

解説

褥瘡とは?

 褥瘡とは、局所の持続的な圧迫により組織に虚血が生じて発生する皮膚・皮下組織の損傷のことである。仙骨部、大転子部、足関節外果、踵部などの骨の突出している場所に好発する。頚髄完全損傷では、自分で除圧できないこと、感覚障害を合併していることより、褥瘡が生じやすい。したがって、仰臥位の褥瘡好発部位は、仙骨部が最も多く、次いで踵骨部肩甲骨部後頭部などがある。

1.〇 正しい。踵骨部は、仰臥位における褥瘡の好発部位である。
2.4.× 内顆部/大転子部は、側臥位における褥瘡の好発部位である。側臥位では、他にも腸骨稜部、外果部などにも好発する。ちなみに、内顆部(内果部)とは、足首の内側にある突起部分、つまり内くるぶしのことである。また、坐位では尾骨部、坐骨部などに褥瘡が多く発生する。
3.× 膝関節部は、側臥位腹臥位における褥瘡の好発部位である。

 

 

 

 

25 成人の静脈血採血で通常用いられる注射針の太さはどれか。

1.14G
2.18G
3.22G
4.26G

解答3

解説

注射の知識

深さ:表皮→真皮→皮下組織→静脈→筋肉の順に深くなる。
角度:皮内(ほぼ水平)→皮下注射(10~30度)→筋肉内注射(45~90度)である。

注射部位が浅ければ刺入角度を小さくし、注射部位が深ければ刺入角度を大きくする。

注射針の大きさはゲージ(G)で表す。ゲージの数値が小さいほど針は太く、大きいほど針は細い

①輸血:18~20G
②採血・静脈:21~23G
③筋肉注射:23~25G
④皮下注射:24~27G
⑤皮内注射:26~27G

1.× 14Gの注射針はあまり用いられることはない。静脈留置針として用いることがあるが、ー般的には20~24Gを用いる。
2.× 18Gは、輸血投与時に使用する。
3.〇 正しい。22G(21~23G)は、成人の静脈血採血で通常用いられる。注射針が細いと溶血を起こしやすくなるため注意する。
4.× 26Gは、皮内注射に使用する。皮内注射とは、主に前腕内側を選択し、皮膚をつまんで皮下組織を集めて、皮膚とほぼ平行に針を刺入し、薬液を皮内(表皮と真皮の間)に注入する方法である。ツベルクリン反応やアレルゲンテストで用いられる。

 

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