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1 イタイイタイ病の原因物質で正しいのはどれか。
1.ヒ素
2.カドミウム
3.メチル水銀
4.ダイオキシン類
解答2
解説
有機水銀は特に胎児の中枢神経の発達に影響を及ぼすとされている。妊婦、幼児、近く妊娠を予定されている方は、有機水銀濃度が高い水産物を主菜とする料理を週1回以内(合計で週におおむね50~100g程度以下)にすることをお勧めしている。主に多くの有機水銀が含まれるものとして、マグロ類(マグロ、カジキ)、サメ類、深海魚類(キンメダイ、ムツ、ウスメバルなど)、鯨類(鯨、イルカ)などがあげられる。ちなみに、サンマ、イワシ、サバなどは、一般的に有機水銀濃度が低い水産物であるため、控える必要はない。
①四日市喘息(三重県):主に亜硫酸ガスによる大気汚染を原因。
②新潟水俣病:有機水銀(メチル水銀)による水質汚染や底質汚染を原因。
③イタイイタイ病(富山県):カドミウムによる水質汚染を原因
④熊本水俣病:有機水銀(メチル水銀)による水質汚染や底質汚染を原因
1.× ヒ素は、慢性ヒ素中毒で皮膚障害や発がんなどが問題となる物質である。
2.〇 正しい。カドミウムは、イタイイタイ病の原因物質である。
・イタイイタイ病とは、富山県神通川流域で発生し、鉱山排水に含まれるカドミウムが原因で、訴訟に発展した4大公害である。主に女性に多く発生し、腎障害から骨軟化症(骨折や激しい疼痛)へ発展した。
3.× メチル水銀は、神経系を強く障害する物質である。熊本水俣病の原因である。
4.× ダイオキシン類とは、ものを燃やすと、発生しやすい有機塩素化合物である。発がん性、免疫毒性、生殖・発生毒性などが問題となる物質である。
2 Aさん(42歳)は夫と長男(中学生)の3人暮らし。抑うつ状態が続くため、精神科病院へ入院することになった。
家族ストレス対処理論に基づいた保健師の情報収集の内容として適切なのはどれか。
1.家族が有する資源を踏まえた家族の対応
2.入院前後における親子の相互関係の変化
3.家族の社会生活と家庭生活の両立への対応
4.抑うつ状態が続くことによる家族全体の変化
解答1
解説
・3人暮らし:Aさん(42歳)、夫と長男(中学生)。
・抑うつ状態が続くため、精神科病院へ入院する。
→家族ストレス対処理論とは、家族はストレス出来事を、家族資源と意味づけを用いて受け止め、危機を回避・適応する存在であると捉える理論である。家族の対応力をみる考え方である。
1.〇 正しい。家族が有する資源を踏まえた家族の対応が最も優先される。なぜなら、家族ストレス対処理論では、ストレスに対して家族がどのような資源を活用して対処しているかを重視するため。例えば、①近隣に祖母がいて夕食づくりを支援できる、②学校の担任が長男の変化に気づける、③精神科訪問看護につなげられる、といった資源があれば、家族の危機を軽減できる。
2.× 入院前後における親子の相互関係の変化は、家族ストレス対処理論に該当しない。なぜなら、親子の相互関係の変化は家族関係の一側面であり、家族の資源や対処行動の把握までは含まれていないため。
3.× 家族の社会生活と家庭生活の両立への対応は、家族ストレス対処理論に該当しない。なぜなら、社会生活と家庭生活の両立は家族の生活機能の一部であるため。つまり、家族がもつ資源を含めたストレス対処全体を十分に捉えていない。
4.× 抑うつ状態が続くことによる家族全体の変化は、家族ストレス対処理論に該当しない。なぜなら、家族全体の変化はストレス反応の把握にあたり、家族がどのような資源を用いて対処しているかまでは評価できないため。
3 A地区の保健師は、住民同士が支え合う体制の構築を目指し、住民が定期的に交流できる企画を立案した。
初回の開催には住民15名が集まり、全員が初対面であった。開始期であるこのグループに対する保健師の支援で適切なのはどれか。
1.リーダーを決める。
2.参加者に進行を依頼する。
3.参加者間の衝突の有無を観察する。
4.一人ひとりを個別に捉え対応する。
解答4
解説
①準備期:初めて顔を合わせる前に準備する段階である。
【支援役割】①ニーズを探り援助対象を決定する。②組織のバックアップを受けて、メンバーは固定グループか開放グループか検討し、援助期間や頻度も決めておく。③メンバーの情報を集め理解をしておく。④記録用紙の様式も検討しておく。
②開始期:メンバーが集まってグループとして動き出すまでの段階である。
【支援役割】①メンバーは緊張しているため、ワーカー自身が受容的な雰囲気を作っていく。②グループワークを実施する目的・意義・理由・背景等の説明する。③基本的なルールや民主的な態度でグループ運営を行っていく。
③作業期:メンバーとグループ全体が、自分たちの課題に取り組み、目的達成のために成果が出るよう進めていく段階である。【支援役割】①メンバー個別に信頼関係を得ていく。②メンバーのプログラム参加の動機づけを高めるよう意見を反映する。③プログラム活動の目的を共有し、仲間意識を高める。④孤立するメンバーやサブグループが現われたら適切に対応する。⑤相互援助システムを形成する。
④終結期:グループ援助を終わりにする段階である。
【支援役割】①今まで共有した時間を振り返り、共に経験した感情を分かち合い、グループワークの成果を今後どのように生かしていくか考える。②必要に応じてメンバー個別に援助を行っていく。③各メンバーのグループ経験を評価する。
(※参考「グループの発達段階@本八幡」就労移行支援事業所リバーサル本八幡様HPより)
1.× リーダーを決める必要はない。なぜなら、リーダーを決めると、選ばれた人に負担がかかり、他の参加者も受け身になりやすくなるため。また、開始期の保健師の役割は、まず安心して参加できる場をつくることである。
2.× 参加者に進行を依頼する必要はない。なぜなら、開始期では参加者がグループの目的や雰囲気にまだ慣れておらず、主体的に進行する準備が整っていないため。いきなり進行を依頼すると、依頼された人が負担や不安を感じる可能性が高い。
3.× 参加者間の衝突の有無を観察する必要はない。なぜなら、参加者間の衝突は、関係性が深まり意見交換が活発になる段階で起こりやすい課題であるため。
4.〇 正しい。一人ひとりを個別に捉え対応する。なぜなら、開始期では参加者がまだ集団としてまとまっておらず、それぞれの不安・期待・参加動機を個別に把握する必要があるため。そのうえで、参加者同士が少しずつ関係をつくれるように、自己紹介、簡単な話題提供、少人数での交流などを工夫する。
4 Aさん(68歳、男性)は介護を受けることなく今までどおり健康な生活を続けたいと願っており、10年前から毎日1人でウォーキングをしていることを誇りに思っている。
Aさんの保健行動を促進するための保健師の声かけで最も適切なのはどれか。
1.「市の介護予防教室にも参加してみませんか」
2.「10年間も1人でよく続けられていらっしゃいますね」
3.「地域包括支援センターで介護予防の相談ができますよ」
4.「1人は心配なのでウォーキング仲間をつくってみませんか」
解答2
解説
・Aさん(68歳、男性)
・介護を受けることなく今までどおり健康な生活を続けたい。
・10年前から毎日1人でウォーキングをしていることを誇りに思っている。
→ほかの選択肢の消去理由もあげられるようにしよう。
1.× 「市の介護予防教室にも参加してみませんか」と伝える優先度は低い。なぜなら、Aさんはすでに自分なりの健康行動を10年間継続しているため。すでに、目標に向けて実施・継続している。まずはその行動を認めることが保健行動の促進につながる。
2.〇 正しい。「10年間も1人でよく続けられていらっしゃいますね」と伝える。なぜなら、Aさんの誇りに思っている健康行動を承認することで、自己効力感を高めることができるため。保健師の支援では、対象者の不足点を指摘するだけではなく、すでにできていることを見つけて強化することが大切である。
3.× 「地域包括支援センターで介護予防の相談ができますよ」と伝える優先度は低い。なぜなら、Aさんの思いは「介護を受けることなく今までどおり健康な生活を続けたい」ということであるため。
・地域包括支援センターとは、介護保険法に基づき各市町村によって設置されており、地域の高齢者の医療・福祉・介護・虐待など様々な事柄に関する相談窓口となっている。高齢者の総合相談のほか、介護予防、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメントなどを担う重要な機関である。
4.× 「1人は心配なのでウォーキング仲間をつくってみませんか」と伝える優先度は低い。なぜなら、Aさんは1人でウォーキングを10年間続けてきたことを誇りに思っているため。「1人は心配」という声かけは本人の達成感を弱める可能性がある。
5 A市の糖尿病予防教室では、参加者が記録する食事記録表をもとに保健師が健康教育を実施していた。
今回、健康教育の内容を変更し、持続自己血糖測定器を貸し出して測定した血糖値をもとに健康教育を実施した。持続自己血糖測定器の導入で健康教育の費用が10%増加したが、HbA1cの値が改善した者の割合は増えた。健康教育の評価を行うために、HbA1cの値が改善した人数を食事記録の実施群と持続自己血糖測定の実施群で比較する。
健康教育の評価で適切なのはどれか。
1.費用効果分析
2.費用効用分析
3.費用便益分析
4.費用最小化分析
解答1
解説
・糖尿病予防教室:参加者が記録する食事記録表をもとに保健師が健康教育を実施。
・健康教育の内容を変更し、持続自己血糖測定器を貸し出して測定した血糖値をもとに健康教育を実施。
・持続自己血糖測定器の導入で健康教育の費用が10%増加した。
・HbA1cの値が改善した者の割合は増えた。
・健康教育の評価を行うために、HbA1cの値が改善した人数を食事記録の実施群と持続自己血糖測定の実施群で比較する。
1.〇 正しい。費用効果分析が該当となる。なぜなら、費用効果分析は、費用と健康上の効果を自然単位で比較する分析であるため。
・コストエフェクティブネス分析(費用効果分析)は、成果を金額に換算せず(例:救命数や達成率)、同じ成果をより低コストで得られるか、または同コストでより大きな成果を比較する点が特徴である。
2.× 費用効用分析とは、費用と健康状態の改善度を比較する分析方法である。効果を「質調整生存年(QALY)」など、生活の質と生存年数を組み合わせた指標で表す点が特徴である。単に寿命が延びるかだけでなく、どの程度よい状態で生活できるかも評価する方法である。
3.× 費用便益分析とは、事業や治療にかかる費用と、それによって得られる便益をどちらも金銭に換算して比較する分析方法である。便益が費用を上回るかどうかを判断できる点が特徴である。医療だけでなく、公共事業や政策評価など幅広い分野で用いられる。
4.× 費用最小化分析とは、比較する治療法や事業の効果が同じであると考えられる場合に、費用だけを比較する分析方法である。効果に差がないため、より少ない費用で実施できる方法を選ぶことが目的である。薬剤や治療法の選択などで用いられる分析である。
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