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次の文を読み45~47の問いに答えよ。
Aさん(12歳、女子、小学6年生)は5月の3週目に頭痛と立ちくらみで2回保健室に来室したが、短時間の休養で授業に戻った。5月の4週目の本日、5時間目の体育の授業中に、運動場でAさんが頭痛、嘔気、ふらつきを訴えていると養護教諭に連絡が入った。5時間目の授業開始時点の気温は32.5℃、湿度61.0%であった。体育ではリレーの練習をしていた。養護教諭が到着すると、Aさんはしゃがみこんでおり、熱中症が疑われた。
46 Aさんは6月の1週目と2週目にも、頭痛や倦怠感を訴えて保健室に来室した。養護教諭が話を聞くと、放課後に中学受験のための学習塾と、バレエ教室に通っていることが分かった。Aさんはバレエ教室の仲間と比較して太り気味な体型であることを気にしており、学習塾で食べるために母親が作った弁当を捨てていると話した。養護教諭がAさんの身体計測をすると、身長150.8cm、体重36.0kg、肥満度-16.5%であった。
養護教諭が支援を検討するために追加で必要なAさんの情報で、最も適切なのはどれか。
1.母親への相談状況
2.学級での活動の様子
3.就学後の身体計測結果
4.バレエ教室での運動強度
5.中学受験へのストレスの程度
解答3
解説
・Aさん(12歳、女子、小学6年生)
・身長150.8cm、体重36.0kg、肥満度-16.5%。
・6月1、2週目:頭痛や倦怠感を訴えて保健室に来室。
・放課後に中学受験のための学習塾と、バレエ教室に通っている。
・バレエ教室の仲間と比較して太り気味な体型であることを気にしている。
・学習塾で食べるために母親が作った弁当を捨てている。
→Aさんのやせや食事制限の評価としては身体計測の経過確認が優先される。
1.× 母親への相談状況より優先されるものが他にある。なぜなら、Aさんは、「母親が作った弁当を捨てている」と話しているため。これは、母親がAさんの食事摂取状況を正確に把握していない可能性が考えられる。
2.× 学級での活動の様子より優先されるものが他にある。なぜなら、Aさんの中心課題は、身体面(①弁当を捨てていること、②体型への強いこだわり、③肥満度-16.5%)であるため。友人関係に変化があるなどの情報が必要な場合は、学級での活動の様子を優先的に収集する必要がある。
3.〇 正しい。就学後の身体計測結果が最も優先される。なぜなら、小児のやせや体重減少を評価するには、現在値だけでなく成長曲線上の推移を確認する必要があるため。Aさんの肥満度は、-16.5%で、明確な「やせ」の基準である-20%には達していない。しかし、弁当を捨てている、体型を太り気味と認識している、頭痛・倦怠感・立ちくらみを繰り返していることから、摂食障害や過度な食事制限のリスクがある。
4.× バレエ教室での運動強度より優先されるものが他にある。なぜなら、Aさんの中心課題は、身体面(①弁当を捨てていること、②体型への強いこだわり、③肥満度-16.5%)であるため。一方、バレエは、体型への意識が高まりやすい環境であり、仲間と比較して太り気味だと気にしやすい環境といえる。
5.× 中学受験へのストレスの程度より優先されるものが他にある。なぜなら、Aさんの中心課題は、身体面(①弁当を捨てていること、②体型への強いこだわり、③肥満度-16.5%)であるため。設問文を読む限り、体型への強いこだわりが、心理的ストレスに寄与している可能性が高い。
次の文を読み45~47の問いに答えよ。
Aさん(12歳、女子、小学6年生)は5月の3週目に頭痛と立ちくらみで2回保健室に来室したが、短時間の休養で授業に戻った。5月の4週目の本日、5時間目の体育の授業中に、運動場でAさんが頭痛、嘔気、ふらつきを訴えていると養護教諭に連絡が入った。5時間目の授業開始時点の気温は32.5℃、湿度61.0%であった。体育ではリレーの練習をしていた。養護教諭が到着すると、Aさんはしゃがみこんでおり、熱中症が疑われた。
47 9月になり、夏休みが終了して登校したAさんは、スポーツ大会に向けて早朝ランニングに取り組んでいると話した。身体計測の結果、身長151.4cm、体重34.2kg。肥満度-21.5%であった。
養護教諭が担任と協力して専門医療機関への受診を勧める上で、連携する職種として適切なのはどれか。
1.学校医
2.栄養教諭
3.保健主事
4.スクールソーシャルワーカー
解答1
解説
・Aさん(12歳、女子、小学6年生)
・6月1、2週目:身長150.8cm、体重36.0kg、肥満度-16.5%。
・9月:スポーツ大会に向けて早朝ランニングに取り組んでいる。
・身体計測の結果:身長151.4cm、体重34.2kg。肥満度-21.5%。
→Aさんの肥満度は、肥満度-21.5%で、明確な「やせ」の基準である-20%に達している。摂食障害が疑われる。
1.〇 正しい。学校医が最も優先される。なぜなら、Aさんの肥満度は、肥満度-21.5%で、明確な「やせ」の基準である-20%に達し、摂食障害が疑われるため。学校医は、児童生徒の健康問題について医学的判断を行い、必要時に医療機関受診につなげる役割を担う。
・学校医とは、就学時や定期的な健康診断をはじめ、修学旅行やマラソン大会など学校行事にあわせた健康チェックや健康相談を行ったり、心の相談や性に関する相談にも応えたりする。また、集団健康管理の点から伝染病・感染症対策についての必要な指導と助言とを行っている。
2.× 栄養教諭より優先されるものが他にある。なぜなら、栄養教諭は、食に関する指導や学校給食管理を担う職種であるため。Aさんの食事内容や栄養教育には関与できるが、医療的判断や専門医療機関への受診勧奨の中心にはなりにくい。
・栄養教諭とは、食育と栄養管理の専門家である。
3.× 保健主事より優先されるものが他にある。なぜなら、保健主事は、学校保健計画や学校内の保健活動の調整を担う職種であるため。個別児童の医療的判断や専門医療機関への受診勧奨の中心にはならない。
・保健主事とは、保健計画の中心的存在である。
4.× スクールソーシャルワーカーより優先されるものが他にある。なぜなら、スクールソーシャルワーカーは、児童生徒を取り巻く家庭・学校・地域の環境調整や福祉的支援を担う職種であるため。医療的評価や専門医療機関受診の判断では学校医が優先される。
・スクールソーシャルワーカーとは、学校で子どもが抱える生活上の困りごとを支援する専門職である。いじめ、不登校、貧困、家庭環境などの背景をふまえ、本人・保護者・教員・関係機関をつなぐ役割を担う。子どもが安心して学び、生活できる環境を整える存在である。
摂食障害には、①神経性無食症、②神経性大食症がある。共通して肥満恐怖、自己誘発性嘔吐、下剤・利尿剤の使用抑うつの症状がみられる。作業療法場面での特徴として、過活動、強迫的なこだわり、抑うつ、対人交流の希薄さ、表面的な対応がみられる。患者の性格として、細かい数値へのこだわり(①体重のグラム単位での増減、②この食べ物はあの食べ物より〇カロリー多いなど)がみられる。
【摂食障害の作業療法のポイント】
①ストレス解消、②食べ物以外へ関心を向ける、③自信の回復(自己表出、他者からの共感、自己管理)、④過度の活動をさせない、⑤身体症状、行動化に注意する。
【性格的特徴】
①強情、②負けず嫌い、③執着心が強い、③極端な行動に及びやすい。
次の文を読み48~50の問いに答えよ。
A市で震度6強の地震が発生した。発災後9日目、立ち上げた10か所の避難所では、他自治体から派遣された保健師チームが、避難所の環境整備や避難者の健康観察を行っている。
48 A市の保健師は派遣された保健師チームから「避難者の中で6割以上を占める高齢者は、区画されたエリアで日中座っていることが多い。内服薬があと数日でなくなる人も散見される。地震を思い出して夜間眠れないという声が増えてきた。乳幼児を連れた家族は家族だけの時間を持ちたいと言い車中泊に切り替えた人もいる。日中、避難所に人が少ない時に、これまで見かけなかった人が避難所を覗いていたという声がある」という報告を受けた。
このときのA市の保健師の活動で適切なのはどれか。
1.日中の見張り役を担う。
2.高齢者個々への直接支援を率先して担う。
3.災害派遣精神医療チーム〈DPAT〉の巡回を提案する。
4.車中泊の家族への支援時間を減らすことを保健師チームへ指示する。
5.内服薬が必要な人の残薬を保健師チームで管理することを指示する。
解答3
解説
・震度6強の地震が発生(発災後9日目)。
【派遣された保健師チームからの報告】
①避難者の中で6割以上を占める高齢者は、区画されたエリアで日中座っていることが多い。
②内服薬があと数日でなくなる人も散見される。
③地震を思い出して夜間眠れないという声が増えてきた。
④乳幼児を連れた家族は家族だけの時間を持ちたいと言い車中泊に切り替えた人もいる。
⑤日中、避難所に人が少ない時に、これまで見かけなかった人が避難所を覗いていたという声がある。
→避難者に災害後の精神的ストレス反応が広がっている可能性がある。ほかの選択肢の消去理由もあげられるようにしよう。
1~2.× 日中の見張り役を担う/高齢者個々への直接支援を率先して担うことはできない。なぜなら、保健師の役割は、避難者の健康状態や生活環境を把握し、必要な支援につなぐことであるため。避難所の防犯対策を含め直接支援は、保健師が単独で担う業務ではなく、避難所運営者や自治体災害対策本部、警察、地域住民などと連携して対応する内容である。
3.〇 正しい。災害派遣精神医療チーム〈DPAT〉の巡回を提案する。なぜなら、地震を思い出して夜間眠れないという声が増えており、避難者に災害後の精神的ストレス反応が広がっている可能性があるため。したがって、精神保健医療の専門チームであるDPATの巡回を提案する。
4.× 車中泊の家族への支援時間を減らすことを保健師チームへ指示する必要はない。むしろ、継続的な把握と支援が必要である。なぜなら、車中泊者は避難所内にいないため支援から漏れやすく、健康リスクが高い対象であるため。例えば、エコノミークラス症候群〈深部静脈血栓症・肺塞栓症〉や乳幼児の脱水や体温調節困難、授乳・離乳食・衛生管理の困難などである。
5.× 内服薬が必要な人の残薬を保健師チームで管理することを指示する必要はない。なぜなら、内服薬の管理は、医療機関(特に薬剤師、医療救護班等)とも連携して行うべきであるため。したがって、保健師の役割として、内服薬が必要な人を把握し、薬の種類、残数、かかりつけ医、処方内容、受診手段などを確認する。そして、医療救護班、薬剤師会、地域の医療機関、災害処方体制などにつなげることが大切である。
災害時には、災害ストレスの対応に特化した、専門的な研修・訓練を受けた災害派遣精神医療チーム(DPAT:Disaster Psychiatric Assistance Team)が組織される。DPATは、主に精神科医師・看護師・業務調査員などで構成される。先遣隊を構成する医師は、精神保健指定医でなければならない。先遣隊以外の班を構成する医師は、精神保健指定医であることが望ましい。構成員については、現地のニーズに合わせて、児童精神科医・薬剤師・保健師・精神保健福祉士や臨床心理技術者などを含めて適宜構成される。
DPAT活動3原則として、以下のSSS(スリーエス)が挙げられる。①Self-sufficiency:自己完結型の活動、②Share:積極的な情報共有、③Support:名脇役であれ、である。

(※図引用:「災害時の医療救護活動のフェーズ区分と必要な活動」東京都保健医療局様HPより)
次の文を読み48~50の問いに答えよ。
A市で震度6強の地震が発生した。発災後9日目、立ち上げた10か所の避難所では、他自治体から派遣された保健師チームが、避難所の環境整備や避難者の健康観察を行っている。
49 発災後2か月が過ぎ、A市では親族宅へ引っ越したり仮設住宅へ入居したりする人も増えてきた。保健師は、被災者の中に生活再建に希望を持てず不安が強い人や、家族を失い孤独感を強めている人、避難先でこれまでのコミュニティを失い役割を見出せず無気力になっている人、これらによって閉じこもりがちになっている人等、支援が必要な人が複数いることを把握している。
この時期の仮設住宅での保健活動で適切なのはどれか。
1.住民同士が語り合える場をつくる。
2.罹災証明を発行する窓口を立ち上げる。
3.深部静脈血栓症〈DVT〉の予防啓発をする。
4.課題が把握できている人を優先して対応する。
解答1
解説

(※図引用:「災害時の医療救護活動のフェーズ区分と必要な活動」東京都保健医療局様HPより)
・震度6強の地震が発生。
・発災後2か月:親族宅へ引っ越したり仮設住宅へ入居したりする人も増えてきた。
・支援が必要な人が複数いることを把握している。
(①被災者の中に生活再建に希望を持てず不安が強い人、②家族を失い孤独感を強めている人、③避難先でこれまでのコミュニティを失い役割を見出せず無気力になっている人、④これらによって閉じこもりがちになっている人等)
→現在は、発災後2か月で亜急性期~慢性期である。
1.〇 正しい。住民同士が語り合える場をつくる。なぜなら、亜急性期~慢性期では、避難生活の長期化やコミュニティの喪失によって孤立、無気力、閉じこもりが生じやすいため。したがって、住民同士が交流し、気持ちを共有できる場づくりが必要である。
2.× 罹災証明を発行する窓口を立ち上げることは、保健師の仮設住宅での保健活動とはいえない。なぜなら、罹災証明は、住家被害の程度を証明する行政手続きであるため。
・罹災証明とは、住宅の被害状況を自治体が調査し、被害程度を証明するものである。生活再建支援金、税や保険料の減免、義援金、仮設住宅入居などの手続きに関係する。
3.× 深部静脈血栓症〈DVT〉の予防啓発をするより優先されるものが他にある。なぜなら、現在は亜急性期~慢性期であるため。深部静脈血栓症〈DVT〉の予防啓発は、特に発災直後から避難所・車中泊などで移動制限が強い時期に優先される対策である。
・深部静脈血栓症とは、深部静脈に血の塊(血栓)ができることである。血栓が足の静脈から心臓や肺に向かって流され、肺の血管に詰まった場合、肺塞栓症を引き起こす。
4.× 課題が「把握できている人」を優先して対応するより優先されるものが他にある。なぜなら、現在は、支援ニーズを表出できない人や閉じこもって見えにくくなっている人も多いため。把握できている人だけに対応すると、支援が必要な人を見落とす危険がある。
次の文を読み48~50の問いに答えよ。
A市で震度6強の地震が発生した。発災後9日目、立ち上げた10か所の避難所では、他自治体から派遣された保健師チームが、避難所の環境整備や避難者の健康観察を行っている。
50 発災後7か月が経過し、ボランティアも含め外部支援者は減ってきた。A市では、12名の保健師の内2名が被災によって退職した。働いている保健師の中には「笑っても良いのだと思ったのは被災後6か月だった」と語る人もいる。一方で、住民からは育児相談や中断している育児支援教室に関する問い合わせが増えてきた。A市の統括保健師は、休止していた母子保健事業の全面再開と共に、次の災害へ備えた保健師の活動体制作りを考えている。
A市の統括保健師によるスタッフへの対応で適切なのはどれか。
1.保健所保健師に事業の再開を依頼する。
2.保健師チームによる応援の増強を要請する。
3.住民への全戸訪問を最優先するように伝える。
4.職場で保健師自らの気持ちを話す機会を作る。
解答4
解説
・震度6強の地震が発生。
・発災後7か月:ボランティアも含め外部支援者は減ってきた。
・12名の保健師の内2名が被災によって退職。
・働いている保健師の中には「笑っても良いのだと思ったのは被災後6か月だった」と語る人もいる。
・住民から、育児相談や中断している育児支援教室に関する問い合わせが増えてきた。
・A市の統括保健師は、休止していた母子保健事業の全面再開と共に、次の災害へ備えた保健師の活動体制作りを考えている。

(※図引用:「災害時の医療救護活動のフェーズ区分と必要な活動」東京都保健医療局様HPより)
1.× 保健所保健師に事業の再開を依頼する必要はない。なぜなら、育児支援教室(育児相談など)は、基本的に市町村が主体となって実施するものであるため。
2.× 保健師チームによる応援の増強を要請する必要はない。なぜなら、現在は、発災後7か月の復興期であるため。外部支援が縮小し、被災自治体が通常業務を再構築していく段階である。したがって、まず内部の持続可能な活動体制とスタッフケアを整えることが重要である。
3.× 住民への全戸訪問を最優先するように伝えることの優先度は低い。なぜなら、なぜなら、発災後7か月で保健師数が減少かつ疲弊している状況であるため。したがって、全戸訪問を最優先すると保健師の負担が過大になる。現在は、優先順位をつけた支援とスタッフケアが必要である。
4.〇 正しい。職場で保健師自らの気持ちを話す機会を作る。なぜなら、被災自治体の保健師は支援者であると同時に被災者でもあり、復興期には蓄積した疲労や心理的負担へのケアが必要であるため。したがって、職場で自らの気持ちを話す機会を作ることが適切である。
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