第113回(R6) 看護師国家試験 解説【午後51~55】

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51 高齢者の不眠の要因はどれか。

 1.午前中に日光浴をする。
 2.昼食後に30分程度の午睡をする。
 3.就寝直前に42℃以上の風呂に入る。
 4.就寝前に100mL程度のホットミルクを飲む。

解答

解説

高齢者の睡眠の特徴

高齢者は、社会的な刺激が少ない状況におかれ、身体的・精神的活動能力が低下しているため、日中の活動量は減り、熟睡が困難になる。また、身体的要因や疾患のために夜間睡眠が妨げられやすくなる。さらに、加齢や脳の器質的障害に伴うサーカディアンリズムの変化が生じる。

 1.× 午前中に日光浴をすることは、良い睡眠を促す。なぜなら、光刺激(日光)により、覚醒を促し、睡眠・覚醒リズムの調整をするように働きかけられるため。メラトニンが適切に分泌されて、夜間の良質な睡眠につながる。メラトニンとは、夜間に脳の松果体から分泌されるホルモンで、体内時計による夜間の身体の休息を促す働きを持つ。
 2.× 昼食後に30分程度の午睡をすることは、問題ないといわれている。1時間以上の長時間の昼寝は夜間の睡眠を阻害する。これは、夜間の睡眠周期は約90分であるため、30分程度の昼寝は、深いノンレム睡眠に至らないので夜の睡眠に影響はない。むしろ一般的な高齢者は夜間の睡眠効率が低下するため、短時間の昼寝で夜間の睡眠不足を補う必要がある。
 3.〇 正しい。就寝直前に42℃以上の風呂に入ることは、高齢者の不眠の要因である。なぜなら42℃以上のお風呂は厚く感じ交感神経を優位にするため。40±1℃は、若干暖かさを感じ、リラックス効果の高い温度である。ちなみに、熱くも冷たくも感じない37℃前後の水温(不感温度)は、心拍数、血圧、呼吸数、酸素消費量など最も影響が少ない。人それぞれ温度の感じ方は異なるため、あくまでも目安で患者に聞きながら温度は調整する。
 4.× 就寝前に100mL程度のホットミルクを飲むことは、良い睡眠を促す。なぜなら副交感神経を優位にして、体の内部から温め、その後内部の温度が低下することで、入眠しやすい状態となるため。

 

 

 

 

 

52 高齢者のサルコペニアの予防に関する指導内容で適切なのはどれか。

 1.読書をする。
 2.飲酒をやめる。
 3.塩分を制限する。
 4.筋肉に負荷をかける運動をする。

解答

解説

サルコペニアとは?

サルコペニアは、加齢に伴う骨格筋量と骨格筋力の低下によって身体的な障害やQOLの低下を招いている状態のことをいう。サルコペニアの診断には、四肢骨格筋量の低下があることに加えて身体機能(歩行速度)の低下または、筋力(握力)の低下、下腿周径、5回椅子立ち上がりテストがある。

 1.× 読書をすることは、高齢者のサルコペニアの予防にはならない。なぜなら、読書と骨格筋量・力は関係性が薄いため。サルコペニアは、加齢に伴う骨格筋量骨格筋力の低下によって身体的な障害やQOLの低下を招いている状態のことをいう。
 2~3.× 飲酒をやめる/塩分を制限することは、生活習慣病の予防となる。生活習慣病とは、「食習慣、運動習慣、休養の取り方、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・進展に関与する疾患群」と定義されている。生活習慣病の背景因子として、①遺伝性因子、②環境因子、③生活習慣因子が考えらえているが、「生活習慣因子」は生活習慣病の積極的予防に最も重要な要素とされている。
 4.〇 正しい。筋肉に負荷をかける運動をすることは、高齢者のサルコペニアの予防となる。なぜなら、筋力強化につながるため。

フレイルとは?

フレイルとは、健常な状態と要介護状態(日常生活でサポートが必要な状態)の中間の状態のことをいう。多くは、「健康状態」→「フレイル」→「要介護状態」と経過する。
定義:加齢とともに心身の活動(運動機能や認知機能など)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態である。
診断基準に含まれるのは【①体重減少、②主観的疲労度、③日常生活活動量の低下、④歩行速度の低下、⑤握力の減弱】である。

 

 

 

 

 

53 新生児マススクリーニング検査(先天性代謝異常等検査)で正しいのはどれか。

 1.対象疾患数は5である。
 2.唾液を用いた検査である。
 3.早期新生児期に実施される。
 4.治療法が確立していない疾患を対象とする。

解答

解説

新生児マススクリーニングとは?

新生児マススクリーニングとは、生後4~6日目のすべての赤ちゃんを対象にした大切な検査で、赤ちゃんの代謝とホルモンの病気を見つけることを目的としている。赤ちゃんの中には、体に取り入れた栄養を、成長や活動のためのさまざまな物質に変化させる「代謝」に必要な酵素や、体の発育やはたらきを調節する「ホルモン」が生まれつき欠乏していたり、つくる力が弱い子がいる。このような赤ちゃんをそのままにしておくと知能障害や発育障害、ときにはショックや肝機能異常で生命にかかわることもあるが、これらの病気は早期の発見と治療によって障がいの発生を未然に防ぐことができる。

【検査の詳細】
出生体重2,000g未満の低出生体重児は、原則的には目齢4~6で第1回目の採血をし、さらに、
①生後1か月
②体重が2,500gに達した時期
③医療施設を退院する時期
のいずれか早い時期に、第1回目の検査の結果にかかわらず、第2回目の探血を実施することが望ましい。
出生体重2,000g以上の低出生体重児については、通常の方法で実施する。
出生体重2,000g未満の児で2回の採血を推奨する理由は次の通りである。
①低出生体重児であっても、生後早期に先天性代謝異常等の新生児スクリーニング検査を実施し疾患の早期発見に努めることは重要である。
②しかし、低出生体重児では生後早期からの経腸栄義が十分に行われず、一部の疾患では生後早期の検査結果が必ずしも病態を表さない可能性がある。
③さらに、一部の疾患では、生理調節機能の未熟性から、疾患を示峻する異常値を示さない可能性がある。

(※参考「新生児マス・スクリーニングにおける低出生体重児の採血時期に関する指針」日本小児内分泌学会より)

(※図引用:「タンデムマス法の導入にともなう新生児マススクリーニングの新しい体制」小児保健研究より)

 1.× 対象疾患数は、「5」ではなく23疾患である。先天性代謝異常等は、①先天性代謝異常、②先天性甲状腺機能低下症、③先天性副腎過形成症をあわせてよぶ。
 2.× 「唾液」ではなく採血を用いた検査である。
 3.〇 正しい。早期新生児期に実施される。新生児マススクリーニングとは、生後4~6日目のすべての赤ちゃんを対象にした大切な検査で、赤ちゃんの代謝とホルモンの病気を見つけることを目的としている。
 4.× 治療法が確立していない疾患を対象としているわけではない。むしろ、放置しておくと知能障害や発育障害、ときにはショックや肝機能異常で生命にかかわることもあるが、早期発見・早期治療によりによって障がいの発生を未然に防ぐ役割を持つ。

新生児マススクリーニング検査とは?

新生児マススクリーニングとは、赤ちゃんの先天性代謝異常等の病気をみつけるための検査である。先天性代謝異常等は、①先天性代謝異常、②先天性甲状腺機能低下症、③先天性副腎過形成症をあわせてよぶ。

①先天性代謝異常:生まれつき特定の酵素に異常があって起こる病気である。例えば、フェニルケトン尿症は特定のアミノ酸が体の中で正常に代謝されずに蓄積してしまうため、発育や知能の障害が現れる。しかし、新生児期に発見し治療用のミルクなどの食事療法を続ければ健康な生活を送ることができる。
②先天性甲状腺機能低下症:神経の発達や新陳代謝をつかさどる甲状腺ホルモンが正常に分泌されないため心身の発育不良を起こす。早期にホルモン補充などの適切な治療を開始すれば正常に発育する。
③先天性副腎過形成症:副腎からのホルモンが不足して体のなかのカリウムやナトリウムなどのバランスが崩れ、死にいたることもある病気である。早期に発見することで必要なホルモンを補うなどの治療で発症を抑えることができる。

 

 

 

 

 

54 遊具を図に示す。
 標準的な成長発達をしている1歳4か月の子どもの発達段階に適した遊具はどれか。

1.三輪車
2.ガラガラ
3.オルゴールメリー
4.手押し車(カタカタ)

解答

解説

(※図:日本版デンバー式発達スクリーニング検査)

1.× 三輪車は、3歳ごろの子どもの発達段階に適した遊具である。
2.× ガラガラは、3か月ごろの子どもの発達段階に適した遊具である。なぜなら、つかみが獲得される時期であるため。
3.× オルゴールメリーは、新生児期の子どもの発達段階に適した遊具である。胎児から聴覚が完成しているため、生まれた時からオルゴールの音を聞くことができる。ゆっくりとしたオルゴールの音は新生児を落ち着かせ、寝かしつける効果がある。
4.〇 正しい。手押し車(カタカタ)は、1歳4か月の子どもの発達段階に適した遊具である。1歳ころから上手に歩くことができる。

 

 

 

 

 

55 ピアジェ,J.の認知発達理論における段階と病気の説明に使用するツールの組合せで適切なのはどれか。

 1.感覚運動期:人体模型
 2.前操作期:印刷文書
 3.具体的操作期:動画
 4.形式的操作期:指人形

解答

解説
 1.× 感覚運動期(0〜2歳頃)は、対象を見る・触るなど感覚を通じてとらえ、対象をつかんで投げるなど運動的な働きかけを介して認識する時期である。人体模型で病気の説明をしても、理解は難しい。
 2.× 前操作期(2歳~7歳頃)は、急激に言語を獲得することでイメージの思考ができるようになる(表象的思考)。「印刷文書」ではなく人体模型や指人形で説明したほうが理解しやすい。
 3.〇 正しい。具体的操作期は、動画で説明する。具体的操作期(7歳頃~11歳頃)は、「保存の概念」を理解できるようになる。具体的な対象をみて、ものごとの関係を考えるようになる第一段階(おはじきを用いて足し算を理解するなど)と、あることがらと別のことがらの共通項を推理し、別の角度からの見え方を推測するなど、より抽象的に思考できるようになる第二段階がある。
 4.× 形式的操作期(11歳〜)は、論理的な思考ができるようになるという特徴がある。仮説演繹的思考(仮説に基づいて結論を導くこと)、組合せ思考(あることがらを生じさせる要因の組合せを系統的に調べ見つけること)、計量的な比例概念(ものごとの共変関係を理解できる)などである。「指人形」ではなく印刷文書で説明しても理解できる時期である。

認知認識理論

 ピアジェは、子どもの様子を分析することを通じて乳幼児期の認知の発達を「実際の行為を頭の中でイメージし、行為の結果を想像する(操作)」ことができるまでの4つの段階に分けた。

①感覚運動期(0〜2歳頃):対象を見る・触るなど感覚を通じてとらえ、対象をつかんで投げるなど運動的な働きかけを介して認識する時期である。
②前操作期(2歳~7歳頃):急激に言語を獲得することでイメージの思考ができるようになる(表象的思考)。
③具体的操作期(7歳頃~11歳頃):「保存の概念」を理解できるようになる。具体的な対象をみて、ものごとの関係を考えるようになる第一段階(おはじきを用いて足し算を理解するなど)と、あることがらと別のことがらの共通項を推理し、別の角度からの見え方を推測するなど、より抽象的に思考できるようになる第二段階がある。
④形式的操作期(11歳〜):論理的な思考ができるようになるという特徴がある。仮説演繹的思考(仮説に基づいて結論を導くこと)、組合せ思考(あることがらを生じさせる要因の組合せを系統的に調べ見つけること)、計量的な比例概念(ものごとの共変関係を理解できる)などである。

 

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