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41 糖尿病の在宅療養者に行うフットケアの説明で適切なのはどれか。
1.「素足で過ごしましょう」
2.「足の皮膚を保湿してください」
3.「足浴には42℃のお湯を使ってください」
4.「爪は指の先端よりも短く切ってください」
解答2
解説
糖尿病には、主に3大合併症として、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害があげられる。なかでも糖尿病性神経障害とは、糖尿病に合併する末梢神経障害である。症状は、①眼筋・眼瞼挙筋麻痺、③下肢の腱反射低下、④振動覚障害、しびれなどが特徴である。上肢よりも下肢,近位部よりも遠位部が障害されやすい。感覚障害は、手部や足部に左右対称におこることが多い。
1.× なるべく「素足」ではなく、靴下を履いて過ごす。なぜなら、靴下を履くことで、両足を保護し、外傷予防となるため。
2.〇 正しい。「足の皮膚を保湿してください」と説明する。なぜなら、糖尿病患者は、皮膚の乾燥により、ひび割れやすく、そこから細菌が侵入して感染を起こすリスクが高いため。保湿剤を使用することで、皮膚のバリア機能を保ち、ひび割れを防ぎ、皮膚を健康な状態に保つことができる。
3.× 足浴には「42℃の熱め」ではなく37〜40℃程度のぬるま湯のお湯を使う。なぜなら、高温のお湯を用いると熱傷のおそれがあるため。そのうえ、糖尿病神経障害により知覚が鈍麻している場合、熱傷に気づかないまま感染などをきたしてしまう可能性もある。また、足部が正常な足浴に関しても、足の皮膚温が全身の中で最も低いことに留意し、37~40℃程度の湯を使うことが多い。
4.× 爪は、指の先端「よりも短く」ではなく、足趾の先端と直線にしておく。なぜなら、深爪にするときに誤って皮膚を傷つけてしまう恐れがあるため。あえて深爪にするメリットはない。
42 胃瘻からの経管栄養を行う在宅療養者の家族に説明する内容で正しいのはどれか。
1.流動(ミキサー)食は注入できる。
2.注入前に胃瘻の瘻孔部を消毒する。
3.胃瘻カテーテルは週に1回交換する。
4.注入中は体位を15度のFowler〈ファウラー〉位にする。
解答1
解説
1.〇 正しい。流動(ミキサー)食は注入できる。ミキサー食は、患者さんの嗜好や栄養状態に合わせて調整できる利点があり、コストを抑えることにもつながる。ただし、チューブの詰まりを防ぐため、食物繊維の多いものや固形物は避けるべきである。
2.× 注入前に胃瘻の瘻孔部を「消毒」する必要はない。なぜなら、日常的なケアとして、流水と石けんで優しく洗浄し、十分に乾燥させることで十分であるため。消毒液は、皮膚に刺激を与えたり、かぶれの原因になったりする可能性がある。
3.× 胃瘻カテーテルは、「週」ではなく数か月に1回交換する。胃瘻カテーテルの種類(バルーン型、バンパー型など)によって異なり、一般的には、バルーン型は1~2ヶ月ごと、バンパー型は4~6ヶ月ごとに交換する。
4.× 注入中は、体位を「15度」ではなく30~45度のFowler〈ファウラー〉位にする。なぜなら、栄養剤の逆流や誤嚥性肺炎のリスクを軽減するため。15度のファウラー位では、食道から胃への逆流や、胃内容物の誤嚥の予防には不十分である。
43 Aちゃん(1歳7か月、女児)は先天性水頭症のため脳室-腹腔〈V-P〉シャント造設術を受けて退院した。Aちゃんは歩行障害があり、母親が1人で育てている。退院後、訪問看護師が訪問すると、Aちゃんの母親は「子どもが泣くとイライラします。この先Aを育てていく自信がなく、経済的にも生活していけるか不安です」と話した。
このとき、訪問看護師が母親に勧める相談先で最も適切なのはどれか。
1.居住地の社会福祉協議会
2.居住地の保健センター
3.障害児の子育てグループ
4.入院していた病院の医療相談室
解答2
解説
・Aちゃん(1歳7か月、女児、先天性水頭症)
・脳室-腹腔〈V-P〉シャント造設術を受け退院。
・歩行障害あり、母親が1人で育てている(訪問看護師)。
・退院後:Aちゃんの母親「子どもが泣くとイライラします。この先Aを育てていく自信がなく、経済的にも生活していけるか不安です」と話した。
→母親の発言から、ほかの選択肢が消去できる理由もあげられるようにしよう。
1.× 居住地の社会福祉協議会より優先されるものが他にある。
・社会福祉協議会とは、地域の実情に応じた住民の福祉の増進を目的とする民間の自主的団体である。高齢者を対象にすることが多い。主な活動として、ボランティア団体の支援やボランティア活動に関する相談、情報提供だけでなく、全国の福祉関係者や福祉施設等事業者の連絡・調整や、社会福祉のさまざまな制度改善に向けた取り組みなども行っている。日常生活自立支援事業の実施・申請窓口も担う。
2.〇 正しい。居住地の保健センターは、訪問看護師が母親に勧める相談先である。なぜなら、居住地の保健センターは、育児ストレスや精神的な負担に対しての相談業務、経済的な問題な対しての相談(社会福祉協議会などの関連機関との連携窓口)ができるため。
・市町村保健センターとは、健康相談、保健指導、健康診査など、地域保健に関する事業を地域住民に行うための施設である。地域保健法に基づいて多くの市町村に設置されている。産前・産後の事業も行われている。
3.× 障害児の子育てグループより優先されるものが他にある。なぜなら、今回、精神的・経済的な問題で、専門的な相談先が必要であるため。
・障害児の子育てグループとは、親の会ともいい、普段悩んでいる悩みを話して、他のお母さんがアドバイスしたり共感したりする、いわゆる座談会のようなものである。
4.× 入院していた病院の医療相談室より優先されるものが他にある。なぜなら、病院の医療相談室(医療ソーシャルワーカー)は、入院時の相談(医療費の相談、退院後の療養生活に関する助言、医療費助成制度の案内など)に特化しているため。
・医療ソーシャルワーカーとは、社会福祉士や児童福祉司など社会福祉支援活動を行う人の総称で、病気になった患者や家族を社会福祉の立場からサポートする医療機関などにおける福祉の専門職である。社会福祉の立場から患者やその家族の抱える経済的・心理的・社会的問題の解決、調整を援助する役割がある。
44 地域包括ケアシステムの構成要素はどれか。
1.交通
2.雇用
3.情報
4.住まい
解答4
解説
(※引用:「地域包括ケアシステムの捉え方」厚生労働省様HPより)
1.× 交通/雇用/情報/は、地域包括ケアシステムの構成要素とはいえない。
4.〇 正しい。住まいは、地域包括ケアシステムの構成要素である。地域包括ケアシステムは、5つの構成要素(住まい・医療・介護・予防・生活支援)が互いに連携しながら有機的な関係を担っている。高齢者のプライバシーと尊厳が十分に守られた「住まい」が提供され、その住まいにおいて安定した日常生活を送るための「生活支援・福祉サービス」があることが基本的な要素となる。そのような土台があればこそ初めて、専門職による「医療・看護」「介護・リハビリテーション」「保健・予防」が効果的な役目を果たすものと考えられる。
地域包括ケアシステムとは、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で生活を継続することができるよう、包括的な支援・サービス提供体制の構築を目指すものである。この地域包括ケアシステムが効果的に機能するために、「4つの助(自助・互助・共助・公助)」の考え方が連携し、課題解決に向け取り組んでいく必要がある。
「公助」は税による公の負担。
「共助」は介護保険などリスクを共有する仲間(被保険者)の負担。
「自助」には「自分のことを自分でする」ことに加え、市場サービスの購入も含まれる。
「互助」は相互に支え合い、費用負担が制度的に裏づけられていない自発的なものである。
45 成人の心肺蘇生法における圧迫部位を図に示す。
正しいのはどれか。
1.①
2.②
3.③
4.④
解答4
解説
1~3.× ①/②/③は、成人の心肺蘇生法における圧迫部位とはいえない。なぜなら、圧迫部位が効率よく血流を促すことができないため。
4.〇 正しい。④(胸骨下半分)は、成人の心肺蘇生法における圧迫部位である。
・胸骨圧迫とは、心停止した傷病者の心臓付近を圧迫することにより脳や心臓に血液の循環を促す心肺蘇生を目的とした一次救命処置である。成人と幼児で適する力の入れ具合や胸骨の沈み具合が異なるが、妊婦と成人では胸骨(下半分)が、5cmほど沈むように胸骨圧迫をする。一方で、幼児では年齢に応じた体格の差があるため、成人のような絶対値を当てはめることができない。