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51 伝音性難聴について正しいのはどれか。
1.加齢で増悪する。
2.鼓膜穿孔は原因となる。
3.内耳から中枢側の障害で発生する。
4.アミノグリコシド系抗菌薬が原因である。
解答2
解説
・伝音性難聴とは、外耳や中耳などの「伝音器」と呼ばれる部分の障害によって起こる難聴である。
・感音性難聴とは、内耳や聴神経など「感音器」と呼ばれる部分の障害によって起こる難聴である。
1.× 加齢で増悪するのは、「感音性難聴」である。感音性難聴である老人性難聴とは、加齢によって耳(内耳)と脳(聴覚中枢)が障害されて聴こえにくくなっている状態である。
・伝音性難聴は、加齢との直接的な関連はほとんどない。
2.〇 正しい。鼓膜穿孔は原因となる。鼓膜穿孔とは、鼓膜に穴が開いている状態である。音が効率的に内耳に伝わりにくくなるため、伝音性難聴の原因となる。
・鼓膜とは、音波を振動として内耳に伝える重要な役割を担っている。
3.× 内耳から中枢側の障害で発生するのは、「感音性難聴」である。
・伝音性難聴は、外耳または中耳における音の伝達経路の障害によって発生する難聴である。
4.× アミノグリコシド系抗菌薬が原因であるのは、「感音性難聴」である。なぜなら、アミノグリコシド系抗菌薬は、内耳の蝸牛(特に有毛細胞)に障害を引き起こすため。感音性難聴のほかにも、平衡機能障害(めまい)を引き起こすことが知られている。
・アミノグリコシド系抗菌薬は、結核や非結核性抗菌症に使用される。副作用として、非可逆的第IV脳神経障害(難聴)や腎機能障害を生じる可能性がある。
(※図引用:「耳の構造・説明図」illustAC様より)
52 散瞳薬を用いた眼底検査を受ける成人への説明で適切なのはどれか。
1.「角膜を観察します」
2.「検査後に抗菌薬を点眼します」
3.「眼を閉じた状態で検査室に誘導します」
4.「点眼後30分で散瞳薬の効果が現れます」
解答4
解説
眼底検査とは、瞳孔を特殊な目薬(散瞳薬)で開くことにより構造を詳しく観察することができる基本的な眼科検査のひとつである。眼底出血、網膜剥離、視神経炎、黄斑変性などの病気を見つけ治療につなげていく。
散瞳薬とは、瞳孔を散大させる働きを持つ薬のことである。眼底検査の前処置等で使用する。副作用として、視界が眩しくなる羞明や目のかすみが出現する。したがって、散瞳薬使用後は、自動車等の乗り物の運転は数時間できない。禁忌は、緑内障である(さらに眼圧が上昇するため)。散瞳薬の効果は、点眼後15~30分ほどで最も大きく、薬効は6時間ほど継続する。
1.× 「角膜」ではなく眼底を観察する。眼底検査の主な目的は、眼底(網膜、視神経乳頭、黄斑など)を観察する。
2.× 検査後に抗菌薬を点眼する必要はない。なぜなら、眼底検査は侵襲性の低い処置であるため。
・抗菌薬とは、細菌を壊したり、増えるのを抑えたりする薬のことである。
3.× 眼を閉じた状態で検査室に誘導する必要はない。完全に目を閉じさせるより、安全に歩けるようサポートする。散瞳後の患者さんは視界がぼやけ、転倒のリスクがあるため、介助者が腕を貸したり、付き添って歩いたりすることが重要である。
4.〇 正しい。「点眼後30分で散瞳薬の効果が現れます」と説明する。散瞳薬の効果は6時間ほど継続する。したがって、車などの運転は危険であるため避ける。また、眼の疲労が強くなることがあるため、読書で細かい文字を見たり、細かい作業は避けた方が良い。
53 梅毒について正しいのはどれか。
1.ワクチンによる予防が可能である。
2.パートナーの検査は不要である。
3.ウイルス感染症である。
4.ばら疹を認める。
解答4
解説
梅毒とは、5類感染症の全数把握対象疾患であり、スピロヘータ(細菌)の一種である梅毒トロポネーマ感染により発症し、この梅毒トロポネーマが脳の実施まで至ると、進行性麻痺となる。性行為や胎盤を通じて感染する。梅毒に特徴的な症状として、陰茎・外陰部を中心に生じる無痛性の硬結(指で触れることのできる硬い丘疹)やバラ疹(全身にできる淡い紅斑)などがあり、進行すると神経系の病変を生じて死に至ることもある。
【臨床的特徴】
Ⅰ期梅毒:感染後3~6週間の潜伏期の後に、感染局所に初期硬結や硬性下疳、無痛性の鼠径部リンパ節腫脹がみられる。
Ⅱ期梅毒:感染後3か月を経過すると皮膚や粘膜に梅毒性バラ疹や丘疹性梅毒疹、扁平コンジローマなどの特有な発疹が見られる。
経過晩期:感染後3年以上を経過すると顕症梅毒としてゴム腫、梅毒によると考えられる心血管症状、神経症状、眼症状などが認められることがある。なお、感染していても臨床症状が認められないものもある。先天梅毒は、梅毒に罹患している母体から出生した児で、①胎内感染を示す検査所見のある症例、②Ⅱ期梅毒疹、骨軟骨炎など早期先天梅毒の症状を呈する症例、③乳幼児期は症状を示さずに経過し、学童期以後にHutchinson3徴候(実質性角膜炎、内耳性難聴、Hutchinson歯)などの晩期先天梅毒の症状を呈する症例がある。また、妊婦における梅毒感染は、先天梅毒のみならず、流産及び死産のリスクとなる。(※一部引用:「梅毒」厚生労働省HPより)
1.× ワクチンによる予防は「できない」。なぜなら、梅毒に対する有効なワクチンは、現在開発されていないため。コンドームの使用などによる安全な性行為が予防の基本となる。
2.× パートナーの検査も「必要である」。なぜなら、梅毒は性感染症であり、感染者と性的な接触があったパートナーも感染している可能性が非常に高いため。梅毒は症状がない時期もあり、パートナーが感染に気づいていないこともある。また、まずは感染症にかかったことをパートナーに伝えることで、治療がスムーズに進む可能性が高い。なぜなら、ピンポン感染(パートナー間で感染し合うこと)が生じにくくなるため。
3.× 「ウイルス」ではなく細菌感染症である。梅毒とは、性感染症の一種で、梅毒トレポネーマという細菌が粘膜から感染することによって起こる。
4.〇 正しい。ばら疹を認める。感染後3~6週間前後の潜伏期間後に性器、肛門、口などの感染部位にしこり、びらん、潰瘍などが現れるが、治療をしなくても一定期間が過ぎると最初の症状は消える。感染後数ヶ月すると手のひらや足の裏を含めた全身に赤い斑点(バラ疹)が広がる。
54 高齢者の看護におけるストレングスモデルの説明で適切なのはどれか。
1.自分で健康行動を判断して決められるよう支援すること
2.高齢者自身が健康的な生活を送るための活動を支援すること
3.健康課題の解決に向けて自分の能力を活かせるよう支援すること
4.特定の健康課題について効果的に遂行できるという自信を高めるよう支援すること
解答3
解説
ストレングスモデルとは、患者がもつ性格・技能・環境・関心などのよい点(ストロングポイント)に着目して、それを伸ばし、回復に向かわせるような取り組みを行うことをいう。
1.× 自分で健康行動を判断して決められるよう支援すること
これは、高齢者の自律性や意思決定に焦点を当てた支援である。
2.× 高齢者自身が健康的な生活を送るための活動を支援すること
これは、健康的な生活という目標に焦点を当てた支援である。
3.〇 正しい。健康課題の解決に向けて「自分の能力」を活かせるよう支援することは、ストレングスモデルの説明である。ストレングスモデルの核心は、高齢者が抱える健康課題(問題点)に焦点を当てるのではなく、高齢者が本来持っている潜在的な能力、経験、知恵、人間関係などの「強み」(ストレングス)を最大限に引き出し、それを活用して課題を乗り越える力を支援することにある。
4.× 特定の健康課題について効果的に遂行できるという自信を高めるよう支援すること
これは、「健康課題(問題点)」に焦点を当てた支援である。
55 日本の令和3年(2021年)の人口動態統計に基づく、65歳以上85歳未満における不慮の事故による死亡状況をグラフに示す。
Dはどれか。
1.窒息
2.交通事故
3.溺死及び溺水
4.転倒、転落、墜落
解答3
解説
1.× 窒息は、Cに該当する。
2.× 交通事故は、Aに該当する。
3.〇 正しい。溺死及び溺水は、Dに該当する。不慮の事故で死亡に至る場合、どの年代も溺死及び溺水が最も多い。
4.× 転倒、転落、墜落は、Bに該当する。