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66 母乳栄養を希望している母親への説明で適切なのはどれか。
1.「お母さんは飲酒しても大丈夫です」
2.「赤ちゃんは日焼けした方が良いです」
3.「お母さんは納豆を多く摂取しましょう」
4.「お母さんはコーヒーを1日6杯以上飲んでも大丈夫です」
解答3
解説
1.× お母さんは、飲酒「を控えるべきである」。なぜなら、アルコールは、母乳中に移行し、乳児に影響する可能性があるため。
2.× 赤ちゃんは、日焼け「を控えるべきである」。なぜなら、乳児の皮膚は薄く、体温調節機能も未熟で、日焼けによる皮膚障害や脱水の危険があるため。
3.〇 正しい。「お母さんは納豆を多く摂取しましょう」と伝える。なぜなら、母乳栄養児では、ビタミンKが不足しやすいため。納豆はビタミンKを多く含む食品である。新生児・乳児ではビタミンKが不足しやすく、欠乏すると消化管出血や頭蓋内出血などのビタミンK欠乏性出血症を起こすことがある。
・ビタミンKは、血液凝固、つまり出血を止める働きに必要なビタミンである。
4.× お母さんは、コーヒーを1日6杯以上「というのは控えたほうが良い」。妊婦のカフェイン摂取は、1日300㎎までが望ましい。ちなみに、コーヒー1杯で60㎎のカフェインが入っているといわれている。コーヒー、紅茶、日本茶にはリラックス効果があるため、妊娠しているからといって禁止する必要はないが、カフェインと代謝物質は、胎盤を通過しやすく、羊水と胎児の血中に移行する。胎児は肝臓機能が未熟であり、カフェインを代謝するのに時間がかかり、長時間高濃度のカフェインにさらされ、胎盤の血管収縮や胎児心拍数の増加をきたす可能性がある。したがって、妊娠中にカフェインを摂りすぎると、流産したり、胎児の成長に影響を及ぼし低体重になったりするおそれがある。また、胎児の成長に必要な鉄分の吸収を阻害する可能性がある。
67 仕事上のストレスに対して、ラザルス(Lazarus.R.S.)が提唱した情動焦点型のストレスコーピングはどれか。
1.好きな漫画を読む。
2.仕事に役立つ本で学習する。
3.休日も出勤して仕事を終わらせる。
4.同僚とプレゼンテーションの練習をする。
解答1
解説
問題志向のコーピング(問題焦点型コーピング)は、ラザルス,S.R,が提唱した心理的ストレスへの対処方法のひとつである。問題中心の対処とは、問題を明確化して、問題そのものを解決しようとすることを指し、「問題焦点型コーピング」と呼ばれる。一方、気晴らしなどで情動を軽減することは、「情動焦点型コーピング」と呼ばれる。
1.〇 正しい。好きな漫画を読む。なぜなら、好きな漫画を読むことは、仕事上の問題そのものを解決する行動ではなく、ストレスによって生じた気分や感情を和らげる行動であるため。
・情動焦点型コーピングとは、ストレスの原因を直接変えるのではなく、ストレスによって生じた感情を調整する対処法である。たとえば、不安を落ち着かせる、気分転換をする、リラックスする、感情を発散する、趣味に没頭するなどが含まれる。
2.× 仕事に役立つ本で学習する。
3.× 休日も出勤して仕事を終わらせる。
4.× 同僚とプレゼンテーションの練習をする。
これらは「問題焦点型コーピング」に該当する。なぜなら、仕事に役立つ本で学習することは、ストレスの原因である仕事上の課題を解決・改善しようとする行動であるため。
・問題焦点型コーピングとは、ストレスの原因そのものに働きかける対処法である。たとえば、知識不足がストレスなら勉強する、業務量が多いなら計画を立てる、困っているなら上司に相談する、プレゼンが不安なら練習する、といった行動である。
68 Aさんは大地震で被災し、負傷者や亡くなった人を多く目撃した。1か月後、避難所を巡回していた看護師に、自分だけが生き残って申し訳ないと感じていると話した。Aさんへの声かけで適切なのはどれか。
1.「生き残ったAさんは幸せですよ」
2.「そう感じるのは正常な反応ですよ」
3.「嫌なことは早く忘れたほうがいいですよ」
4.「頑張ってこれを乗り越えないといけません」
解答2
解説
・大地震で被災。
・Aさんは、負傷者や亡くなった人を多く目撃した。
・1か月後:「自分だけが生き残って申し訳ないと感じている」と話した。
→ほかの選択肢が消去できる理由もあげられるようにしよう。
1.× 「生き残ったAさんは幸せですよ」と伝える必要はない。なぜなら、Aさんのつらさを軽視する声かけであるため。Aさんは、生き残ったことに罪悪感を抱いており、「幸せ」と評価されることで苦痛が否定されたように感じる可能性がある。
2.〇 正しい。「そう感じるのは正常な反応ですよ」と伝える。なぜなら、災害後に罪悪感や自責感を抱くことは、異常ではなく、強いストレス体験後にみられるしばしばみられる反応(サバイバーズ・ギルト)であるため。
・サバイバーズ・ギルトとは、事故・災害・戦争などで自分が生き残ったことに対して、「なぜ自分だけ助かったのか」「自分が代わりに何かできたのではないか」と罪悪感を抱く状態である。
3.× 「嫌なことは早く忘れたほうがいいですよ」と伝える必要はない。なぜなら、トラウマ体験は、本人の意思だけで簡単に忘れられるものではないため。また、「早く忘れたほうがいい」と言われると、本人は自分の気持ちを話しにくくなる可能性もある。
4.× 「頑張ってこれを乗り越えないといけません」と伝える必要はない。なぜなら、Aさんは、すでに強い罪悪感と心理的苦痛を抱えており、「頑張れ」という言葉は自責感を強めることがあるため。
69 ヤーロム(Yalom.I.D.)の集団精神療法の治療的因子のうち、普遍性に関する説明はどれか。
1.これまで知らなかった情報や助言を得ることができる。
2.人間の生や死、生きる意味について考えることができる。
3.他の人の回復と成長が、自分の回復と成長への希望となる。
4.自分の抱えている問題は、自分だけが抱えている問題ではないと気付く。
解答4
解説
①希望の注入:他のメンバーの回復や変化を見ることで、「自分もよくなれる」という希望を持てること。
②普遍性:自分だけが悩んでいるのではなく、他者も似た苦しみを抱えていると知り、孤立感が和らぐこと。
③情報の伝達:治療者やメンバーから、症状・対処法・人間関係などについて知識や助言を得ること。
④愛他主義:他者を助けたり支えたりする経験を通じて、自分の価値や役割を感じられること。
⑤初期家族関係の修正的再体験:集団内で、親子・兄弟関係のような過去の対人パターンが再現され、それをより健康的にやり直せること。
⑥社会的技能の発達:集団の中で、話し方・聞き方・自己表現・対人距離などの社会的スキルを学ぶこと。
⑦模倣行動:治療者や他のメンバーの態度・考え方・対処法を見て、自分も取り入れること。
⑧対人学習:他者との関わりを通じて、自分の対人パターンや他人への影響に気づき、修正していくこと。
⑨集団凝集性:集団に受け入れられている、所属している、安全に話せると感じること。治療の土台になる因子。
⑩カタルシス:抑えていた感情を表現し、安心感や解放感を得ること。
⑪実存的因子:人生には孤独・死・責任・自由・限界があることを受け止め、自分の生き方を考えること。
1.× これまで知らなかった情報や助言を得ることができる。
これは、「情報の伝達」に関する説明である。
2.× 人間の生や死、生きる意味について考えることができる。
これは、「実存的因子」に関する説明である。
3.× 他の人の回復と成長が、自分の回復と成長への希望となる。
これは、「希望の注入」に関する説明である。
4.〇 正しい。自分の抱えている問題は、自分だけが抱えている問題ではないと気付く。
これは、「普遍性」に関する説明である。
70 4人の小児の入院患者を受け持っている日勤の看護師が、患者に付き添っている母親から立て続けにナースコールを受けた。
訪室の優先順位が高いのはどれか。
1.胃腸炎の3歳児、母親が抱っこ中に嘔吐した。
2.化学療法中の7歳児、点滴静脈内注射の刺入部が腫れた。
3.急性肺炎の2歳児、抗菌薬の点滴静脈内注射が終了した。
4.鼠径ヘルニア手術後の1歳児、ヘパリンロック中の静脈内留置針が抜けたが、出血はない。
解答2
解説
1.× 胃腸炎の3歳児、母親が抱っこ中に嘔吐したより優先されるものがほかにある。なぜなら、現時点で直ちに生命に重篤な障害へつながる情報が乏しいため。
・感染性胃腸炎とは、細菌やウイルスなどの病原体による感染症である。病原体により異なるが、潜伏期間は1~3日程度である。ノロウイルスによる胃腸炎では、主な症状は吐き気、おう吐、下痢、発熱、腹痛であり、小児ではおう吐、成人では下痢が多い。
2.〇 正しい。化学療法中の7歳児、点滴静脈内注射の刺入部が腫れたことに対する対応が最も優先される。なぜなら、化学療法中の点滴刺入部腫脹は、抗がん薬の血管外漏出の可能性があり、組織障害や壊死を起こす危険があるため。
・血管外漏出とは、点滴や注射で投与した薬液が、本来入るべき血管内から漏れ出し、周囲の皮下組織に入り込むことである。抗がん剤など刺激の強い薬では、痛み、腫れ、発赤を起こし、重い場合は皮膚や組織が傷つくことがある。そのため早期発見と適切な処置が重要である。
3.× 急性肺炎の2歳児、抗菌薬の点滴静脈内注射が終了したより優先されるものがほかにある。なぜなら、抗菌薬の点滴が終了しただけで、急変や重大な合併症を示す情報ではないため。
4.× 鼠径ヘルニア手術後の1歳児、ヘパリンロック中の静脈内留置針が抜けたが、出血はないことより優先されるものがほかにある。なぜなら、留置針が抜けても出血がなく、ヘパリンロック中で薬剤投与中ではないため。したがって、直ちに重篤な状態につながる可能性は低い。1歳児では体動が多く、留置針が抜けることがある。まずは、抜針部の出血、腫脹、皮下出血、感染リスク、再確保の必要性を確認する。
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