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次の文を読み109~111の問いに答えよ。
Aさん(37歳、初産婦)は妊娠40週5日で妊娠経過は順調である。午前6時から15分おきの子宮収縮が始まり、午前9時から5~7分周期の陣痛がある。午前10時に入院し、入院時のバイタルサインは、体温36.9℃、脈拍80/分、血圧134/86mmHg。子宮口3cm開大、未破水であった。
111 Aさんの児は日齢4。児のバイタルサインに異常はない。経皮ビリルビン検査で生理的範囲を超え、医師の診察の結果、高ビリルビン血症と診断された。保育器に収容してスタンド型光線療法器で治療を開始することになった。
Aさんへの説明で適切なのはどれか。
1.「母乳を中止します」
2.「母児同室は継続できます」
3.「薄い衣服を着て治療します」
4.「アイマスクをして治療します」
解答4
解説
・Aさん(37歳、初産婦)
・妊娠40週5日20時30分:女児を正常分娩で出産。
・Aさんの児(日齢4)。
・児のバイタルサイン:異常はない。
・経皮ビリルビン検査:生理的範囲を超え、高ビリルビン血症と診断。
・保育器に収容:スタンド型光線療法器で治療を開始。
→光線療法とは、主に新生児黄疸の際に用いられる。新生児に特殊な光線を当てて治療する方法である。光源は450~470nm付近の波長の青色LEDで、その光の作用で毒性の高い間接型ビリルビンを直接型に変え、体外への排出を促す。早ければ治療開始後2~3日で血中ビリルビン値は正常値に戻り、治療が完了する。
1.× 母乳を中止する必要はない。なぜなら、光線療法中でも母乳育児は通常継続できるため。むしろ、高ビリルビン血症では、便や尿からビリルビンを排泄することが重要であるため、哺乳を続けて排泄を促すことは大切である。
2.× 「母児同室は継続できます」と断定して伝えることはできない。なぜなら、スタンド型光線療法器の治療中は光の照射、体温管理、眼の保護、皮膚状態、排泄、ビリルビン値などを観察する必要があるため。施設や治療方法によっては母児同室で行える場合もあるが、今回の条件では「母児同室は継続できます」と断定することはできない。
3.× 「薄い衣服を着て」ではなく、肌を露出して治療する。なぜなら、光線療法は皮膚に光を当ててビリルビンを分解する治療であるため。したがって、衣服で皮膚を覆うと効果が低下する。
4.〇 正しい。「アイマスクをして治療します」と伝える。なぜなら、光線療法の光から新生児の眼を保護する必要があるため。光線療法では、強い光を新生児の皮膚に照射する。強い光を使用するため、そのままでは網膜などの目に悪影響(網膜障害や毒性)を与えるリスクがある。したがって、眼に光が直接入らないよう、治療中はアイマスクを装着する。
(総)ビリルビンとは、赤血球が壊れたときにできる黄色い色素のことである。総ビリルビンは、①間接ビリルビンと②直接ビリルビンをあわせていう。基準値:0.2〜1.2mg/dLである。肝細胞の障害により、直接ビリルビンが上昇する。急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん、自己免疫性肝炎などがあげられる。腎臓からも排泄され、主に肝臓で代謝されるため、肝臓や胆嚢の状態を知るための重要な指標となる。一方、間接ビリルビンが上昇する代表的な疾患は溶血性貧血であり、溶血により多くの赤血球が壊れ、ビリルビンが肝臓の処理能力を超えて過剰に増加する。
次の文を読み112~114の問いに答えよ。
Aさん(26歳、女性)は高校生のころからリストカットを繰り返し、ボーダーラインパーソナリティ症〈境界性パーソナリティ障害〉の診断を受けている。最近仕事が忙しくなったパートナーに「今すぐ返事が欲しい。私を見捨てるのか」とメールを送り続け、帰宅したパートナーが、手首から血を流しているAさんを見つけた。パートナーに付き添われて総合病院の救急外来を受診したAさんは、意識清明で神経損傷はなく、手首の処置をした看護師に「消えてしまいたい。生きている意味がない」と話した。
112 処置時の看護師の声かけで適切なのはどれか。
1.「パートナーの気持ちを考えましょう」
2.「死にたいと思うほどつらかったのですね」
3.「メールの返信はすぐにはできないものですよ」
4.「つらくても自分を傷つけることはやめましょう」
解答2
解説
・Aさん(26歳、女性)ボーダーラインパーソナリティ症〈境界性パーソナリティ障害〉。
・高校生のころ:リストカットを繰り返す。
・最近仕事が忙しくなったパートナーに「今すぐ返事が欲しい。私を見捨てるのか」とメールを送り続けた。
・帰宅したパートナーが、手首から血を流しているAさんを見つけた。
・意識清明で神経損傷はない。
・看護師に「消えてしまいたい。生きている意味がない」と話した。
→境界性パーソナリティ障害では、感情の不安定性と自己の空虚感が目立つ。こうした空虚感や抑うつを伴う感情・情緒不安定の中で突然の自殺企図、あるいは性的逸脱、薬物乱用、過食といった情動的な行動が出現する。このような衝動的な行動や表出される言動の激しさによって、対人関係が極めて不安定である。見捨てられ不安があり、特定の人物に対して依存的な態度が目立ち、他者との適切な距離が取れないなどといった特徴がある。
【関わり方】
患者が周囲の人を巻き込まないようにするための明確な態度をとる姿勢が重要で、また患者の自傷行為の背景を知るための面接が必要である。
1.× 「パートナーの気持ちを考えましょう」と伝えるより優先されるものが他にある。なぜなら、Aさんの苦痛を受け止める前に、他者への配慮を求める声かけであるため。Aさんは責められた、迷惑をかけたと言われたと感じ、さらに孤立感や自己否定感を強める可能性がある。
2.〇 正しい。「死にたいと思うほどつらかったのですね」と伝える。なぜなら、Aさんのつらさを否定せず、共感的に受け止める声かけであるため。まずは、患者の背景を知るための関係づくりや面接が必要である。
3.× 「メールの返信はすぐにはできないものですよ」と伝えるより優先されるものが他にある。なぜなら、Aさんは、見捨てられる不安が高まり、自傷に至ったことである。さらに怒りや絶望感が強まる可能性がある。
4.× 「つらくても自分を傷つけることはやめましょう」と伝えるより優先されるものが他にある。なぜなら、Aさんの行為を否定するように受け取られかねないため。まず必要なのは、自傷に至るほどのつらさを受け止め、安全を確保することである。
次の文を読み112~114の問いに答えよ。
Aさん(26歳、女性)は高校生のころからリストカットを繰り返し、ボーダーラインパーソナリティ症〈境界性パーソナリティ障害〉の診断を受けている。最近仕事が忙しくなったパートナーに「今すぐ返事が欲しい。私を見捨てるのか」とメールを送り続け、帰宅したパートナーが、手首から血を流しているAさんを見つけた。パートナーに付き添われて総合病院の救急外来を受診したAさんは、意識清明で神経損傷はなく、手首の処置をした看護師に「消えてしまいたい。生きている意味がない」と話した。
113 Aさんは興奮が続いたため、精神科医の診察を受け、入院となった。入院後は担当のB看護師に何度も声をかけていた。入院3日の深夜、B看護師に「パートナーが電話に出ないので、私の代わりに電話してほしい」と依頼があった。B看護師がすぐに対応できないことを伝えると「Bさんを私の担当から外してほしい」と複数の看護師に訴えた。B看護師は「私が忙しかったから、Aさんを怒らせてしまった」と話している。
看護チームの対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
1.B看護師の担当患者を減らす。
2.Aさんの希望に応じて担当者を変更する。
3.パートナーに、Aさんに電話をするよう連絡する。
4.カンファレンスでチーム内の看護師の感情を共有する。
5.日中に時間を決めて話を聞くことを、Aさんに伝える。
解答4・5
解説
・Aさん(26歳、女性、境界性パーソナリティ障害)。
・興奮が続いたため、入院。
・入院後は担当のB看護師に何度も声をかけていた。
・入院3日の深夜、B看護師に「パートナーが電話に出ないので、私の代わりに電話してほしい」と依頼があった。
・B看護師がすぐに対応できないことを伝えると「Bさんを私の担当から外してほしい」と複数の看護師に訴えた。
・B看護師は「私が忙しかったから、Aさんを怒らせてしまった」と話している。
→境界性パーソナリティ障害では、感情の不安定性と自己の空虚感が目立つ。こうした空虚感や抑うつを伴う感情・情緒不安定の中で突然の自殺企図、あるいは性的逸脱、薬物乱用、過食といった情動的な行動が出現する。このような衝動的な行動や表出される言動の激しさによって、対人関係が極めて不安定である。見捨てられ不安があり、特定の人物に対して依存的な態度が目立ち、他者との適切な距離が取れないなどといった特徴がある。
【関わり方】
患者が周囲の人を巻き込まないようにするための明確な態度をとる姿勢が重要で、また患者の自傷行為の背景を知るための面接が必要である。
1.× B看護師の担当患者を減らす「必要はない」。なぜなら、Aさんの反応は、境界性パーソナリティ障害でみられやすい、見捨てられ不安や対人関係の不安定さが影響している可能性があるため。つまり、B看護師の対応の責任ではない。
2.× Aさんの希望に応じて担当者を変更する「必要はない」。なぜなら、Aさんの希望・要求を通すと、その訴えのエスカレートが考えられるため。また、ここで希望どおりに担当者を変更すると、「不満を強く訴えれば担当を変えられる」という学習につながり、さらなる治療的関係が不安定になる。
3.× パートナーに、Aさんに電話をするよう連絡する「必要はない」。なぜなら、さらなる依存的な対人行動を強める可能性があるため。要求が次第にエスカレートする可能性があるため、治療の枠組みをしっかり作って、過度に依存的な関係を作らないことが重要である。それを超える欲求に対しては応じないことが必要である。
4.〇 正しい。カンファレンスでチーム内の看護師の感情を共有する。なぜなら、境界性パーソナリティ障害の患者への対応では、看護師側の感情をチームで共有し、対応を統一することが重要であるため。B看護師は「私が忙しかったから、Aさんを怒らせてしまった」と自責的になっている。一般的にも、境界性パーソナリティ障害の患者への関わりでは、看護師が罪悪感、怒り、無力感、過剰な責任感を抱きやすくなる。カンファレンスで感情や対応方針を共有することで、チームとして一貫した治療的関わりができる。
5.〇 正しい。日中に時間を決めて話を聞くことを、Aさんに伝える。なぜなら、時間や枠組みを明確にして関わることで、Aさんの不安を受け止めながら依存や混乱を防げるため。
次の文を読み112~114の問いに答えよ。
Aさん(26歳、女性)は高校生のころからリストカットを繰り返し、ボーダーラインパーソナリティ症〈境界性パーソナリティ障害〉の診断を受けている。最近仕事が忙しくなったパートナーに「今すぐ返事が欲しい。私を見捨てるのか」とメールを送り続け、帰宅したパートナーが、手首から血を流しているAさんを見つけた。パートナーに付き添われて総合病院の救急外来を受診したAさんは、意識清明で神経損傷はなく、手首の処置をした看護師に「消えてしまいたい。生きている意味がない」と話した。
114 入院後1週、Aさんは気分の変動があり、夕方になるとイライラして、ホールでテレビを見ている他の入院患者に大声で攻撃的な発言を繰り返した。看護師が声をかけると「テレビの大きな音が父の声に聞こえた。子どものころ、父が毎晩お酒を飲んで暴れたので怖かった」と話した。
Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
1.他の患者に大声を出さないよう指導する。
2.過去のつらい体験は思い出さないよう伝える。
3.日中、大音量のテレビに慣れる練習を提案する。
4.気持ちを言語化したことを肯定的にフィードバックする。
解答4
解説
・Aさん(26歳、女性、境界性パーソナリティ障害)。
・興奮が続いたため、入院。
・入院後1週:気分の変動があり、夕方になるとイライラして、ホールでテレビを見ている他の入院患者に大声で攻撃的な発言を繰り返した。
・看護師が声をかけると「テレビの大きな音が父の声に聞こえた。子どものころ、父が毎晩お酒を飲んで暴れたので怖かった」と話した。
→Aさんは、単に「他の患者がうるさいから怒っている」のではなく、音刺激がトラウマ記憶を呼び起こし、恐怖や怒りにつながっている。
1.× 他の患者に大声を出さないよう指導するより優先されるものが他にある。なぜなら、他の患者に大声を出さないよう指導するだけでは、Aさんの恐怖や混乱への対応にならないため。。
2.× 過去のつらい体験は思い出さないよう伝える「必要はない」。なぜなら、「思い出さないように」と言われても、トラウマ体験をもつ患者は、音・におい・言葉・時間帯などをきっかけに過去の恐怖がよみがえるため。また、Aさんは「話してはいけない」「わかってもらえない」と感じかねない。
3.× 日中、大音量のテレビに慣れる練習を提案するより優先されるものが他にある。なぜなら、トラウマを誘発する刺激は、容易に慣れるものではないため。むしろ、Aさんは再び強い恐怖や怒りを体験し、興奮や攻撃的言動が増える可能性がある。
4.〇 正しい。気持ちを言語化したことを肯定的にフィードバックする。なぜなら、Aさんが攻撃的行動の背景にある恐怖やつらさを言葉で表現できたことは、感情調整につながる重要な一歩であるため。境界性パーソナリティ障害では、強い感情を抱えきれず、衝動的な行動や対人トラブルにつながることがある。そのため、怒りや不安を行動ではなく言葉で表現できるよう支援することが重要である。
次の文を読み115~117の問いに答えよ。
Aさん(27歳、男性、会社員)は1人で暮らしている。最近、事務部門から営業部門に異動になった。新しい人間関係と慣れない仕事で帰宅後も緊張が取れず、眠れない日が続いていた。異動から3週目の朝、会社のエレベーターに乗ると、息苦しさ、動悸からパニック発作を起こした。その後も不眠とパニック発作が出現したため、異動から2か月後、精神科クリニックを受診し、パニック症〈パニック障害〉と診断された。主治医からは、短時間型の睡眠薬と抗うつ薬が処方された。また、職場の協力を得て、苦手な仕事のサポートをしてもらうことになった。受診から2日、Aさんから「また発作が起きるのではないかと考えてしまい、家から出られません」とクリニックに電話があった。
115 Aさんの状況に対するクリニックの看護師のアセスメントで適切なのはどれか。
1.予期不安がある。
2.うつ症状が悪化している。
3.睡眠薬の持ち越し効果がある。
4.仕事に対するストレスが増している。
解答1
解説
・Aさん(27歳、男性、会社員、1人暮らし)。
・最近:事務部門から営業部門に異動。
・新しい人間関係と慣れない仕事で帰宅後も緊張が取れず、眠れない日が続いていた。
・異動から3週目の朝:会社のエレベーターに乗ると、息苦しさ、動悸からパニック発作を起こした。
・異動から2か月後:精神科クリニックを受診し、パニック症〈パニック障害〉と診断。
・主治医から:短時間型の睡眠薬と抗うつ薬が処方された。
・職場の協力を得て、苦手な仕事のサポートをしてもらうことになった。
・受診から2日:Aさん「また発作が起きるのではないかと考えてしまい、家から出られません」と。
→パニック障害とは、突然前触れもなく(誘因なく)、動悸・息苦しさ・めまいなどの症状が出現するパニック発作を繰り返し、そのため「またあの発作が起きたらどうしよう」と過度に心配になって、外出などが制限される病気である。
1.〇 正しい。予期不安がある。なぜなら、Aさんは「また発作が起きるのではないか」と心配し、外出できなくなっているため。
・予期不安とは、パニック発作を一度経験して、「あの恐ろしい発作がまた起きるのではないか」という不安感が生じることである。パニック発作にはこの予期不安が必ず伴い、発作を繰り返すごとにこの不安がさらに強くなっていき症状を悪化させていく。
2.× うつ症状が悪化している「とはいえない」。なぜなら、Aさんの主訴は、抑うつ気分の悪化ではなく、発作再発への不安であるため。
・うつ症状とは、主に気分の落ち込み、興味・喜びの低下、意欲低下、食欲低下、自責感、希死念慮などの症状である。
3.× 睡眠薬の持ち越し効果がある「とはいえない」。なぜなら、Aさんには翌朝の眠気やふらつきなど、持ち越し効果を示す情報がないため。
・持ち越し効果とは、ハングオーバーともいい、睡眠薬の場合でいうと、作用が翌日まで残り、眠気、だるさ、注意力低下、ふらつきなどが出ることである。
4.× 仕事に対するストレスが増している「とはいえない」。なぜなら、現在は職場の協力が得られ、苦手な仕事のサポートを受けることになっているため。
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