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61 学校感染症の出席停止基準で正しいのはどれか。
1.麻しんは解熱するまで。
2.伝染性紅斑は紅斑が消失するまで。
3.水痘は発疹がすべて痂皮化するまで。
4.流行性耳下腺炎は腫脹消失後7日を経過するまで。
解答3
解説

1.× 麻しんは、「解熱するまで」ではなく「解熱した後 3 日を経過するまで」である。
2.× 伝染性紅斑は、「紅斑が消失するまで」ではなく「発疹(リンゴ病)のみで全身状態が良ければ登校可能」である。
3.〇 正しい。水痘は、発疹がすべて痂皮化するまで。
なぜなら、水痘では、水疱内容に感染力があり、痂皮化するまでは感染拡大の危険があるため。
・水痘とは、いわゆる「みずぼうそう」のことで、水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスによって引き起こされる発疹性の病気である。子供の頃にかかった水痘ウイルスが数十年の潜伏期間を経て、免疫機能が低下した時などに再活性化(回帰感染)して起こる。
4.× 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)は、「腫脹消失後7日を経過するまで」ではなく「耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫脹が発現した後5日間を経過し、かつ、全身状態が良好となるまで」である。
・流行性耳下腺炎とは、2~3週間の潜伏期(平均18日前後)を経て発症し、片側あるいは両側の唾液腺の腫脹を特徴とするウイルス感染症である。通常1~2 週間で軽快する。最も多い合併症は髄膜炎であり、その他髄膜脳炎、睾丸炎、卵巣炎、難聴、膵炎などを認める場合がある。
62 Aちゃん(4歳、女児)は1か月前から発熱が続いており、大学病院に紹介され入院した。静脈麻酔で鎮静して骨髄穿刺を行うこととなった。
検査に際して適切なのはどれか。
1.穿刺部位が上後腸骨棘のとき、体位は腹臥位である。
2.骨髄液は骨膜から採取される。
3.穿刺直後の穿刺部位はヨード系消毒薬で消毒する。
4.検査終了後12時間は水平仰臥位を保つ。
解答1
解説
骨髄穿刺とは、骨髄液を採取して塗抹標本を作製する検査で、原因不明の貧血、血小板減少、汎血球減少の原因検索などに用いられる。穿刺部位は、成人の場合:(上)後腸骨棘、胸骨(後腸骨稜が使えない時のみ)、小児の場合:(上)後腸骨棘、脊椎骨棘突起、脛骨などである。
1.〇 正しい。穿刺部位が上後腸骨棘のとき、体位は腹臥位である。なぜなら、上後腸骨棘は、背側にある腸骨の突出部であるため。したがって、上後腸骨棘から穿刺する場合、腹臥位にして骨盤部を露出する。
2.× 骨髄液は、「骨膜」ではなく骨髄腔から採取される。なぜなら、骨髄液は、骨の内部にある骨髄腔に存在するため。骨髄腔には造血細胞があり、赤血球、白血球、血小板のもとになる細胞が存在する。
・骨膜とは、骨の表面を覆っている膜である。
3.× 穿刺直後の穿刺部位は、「ヨード系消毒薬で消毒する」ことではなく、圧迫止血と清潔な保護を実施する。ヨード系消毒薬などによる皮膚消毒は、通常、穿刺前に行う。穿刺前に消毒し、無菌操作で穿刺することで感染を予防する。
4.× 検査終了後12時間は水平仰臥位を保つ「必要はない」。ちなみに、腰椎穿刺後の場合、検査終了後の安静時間は、通常「1時間〜2時間程度」のベッド上安静(背臥位)を推奨されている。これは「腰椎穿刺後頭痛」の予防とされている。
・腰椎穿刺とは、診断・検査のために脳脊髄液を採取するために、脊柱管に針を挿入する医療処置である。腰椎穿刺の主な理由は、脳や脊髄を含む中枢神経系の病気の診断に役立てることである。これらの状態の例には、髄膜炎およびくも膜下出血などがある。
63 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉によって労働者が請求できるのはどれか。
1.育児時間
2.産後休業
3.育児休業給付
4.労働時間の短縮
解答4
解説
育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)は、育児・介護に携わる労働者について定めた日本の法律である。①労働者の育児休業、②介護休業、③子の看護休暇、④介護休暇などが規定されている。
1.× 育児時間は、『労働基準法(第67条)』に規定されている。「第六十七条 生後満一年に達しない生児を育てる女性は、第三十四条の休憩時間のほか、一日二回各々少なくとも三十分、その生児を育てるための時間を請求することができる。②使用者は、前項の育児時間中は、その女性を使用してはならない(※引用:「労働基準法」e-GOV法令検索様HPより)」。
2.× 産後休業とは、母体保護の見地から認められている休業で、労働基準法で定められている。 休業日数は、産前休暇は出産予定日を含む6週間(双子以上は14週間)以内で、出産予定日よりも実際の出産日が後の場合はその差の日数分も産前休業に含まれる。産後休暇は8週間以内(単児・双子以上関係ない)である。
3.× 育児休業給付は、雇用保険制度による給付である。雇用保険の被保険者が、子の出生後8週間の期間内に合計4週間分(28日)を限度として、産後パパ育休(出生時育児休業・2回まで分割取得できます)を取得した場合、一定の要件を満たすと「出生時育児休業給付金」の支給を受けることができる。また、原則1歳未満の子を養育するために育児休業(2回まで分割取得できます)を取得した場合、一定の要件を満たすと「育児休業給付金」の支給を受けられる(※参考:「育児休業給付について」厚生労働省HPより)。
4.〇 正しい。労働時間の短縮は、育児・介護休業法によって労働者が請求できる。
・第二十三条(所定労働時間の短縮措置等)において、「事業主は、その雇用する労働者のうち、その三歳に満たない子を養育する労働者であって育児休業をしていないものに関して、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づき所定労働時間を短縮することにより当該労働者が就業しつつ当該子を養育することを容易にするための措置を講じなければならない」と記載されている(※引用:「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」e-GOV法令検索様HPより)。
64 一般不妊治療はどれか。
1.胚移植
2.顕微授精
3.人工授精
4.体外受精
解答3
解説
①一般不妊治療とは、排卵日に合わせて性交の時期を調整するタイミング法や、精子を子宮内へ注入する人工授精などである。卵子を体外に取り出さず、体内での受精を目指す治療である。
②生殖補助医療とは、卵子を体外に取り出し、体外で受精させた受精卵〈胚〉を子宮へ戻す治療で、一般不妊治療より高度な方法である。体外受精、顕微授精、胚移植などである。
1.× 胚移植は、生殖補助医療である。
・胚移植とは、体外で受精・培養した胚を子宮内へ戻す治療である。卵子や胚を体外で取り扱うため生殖補助医療に含まれる。
2.× 顕微授精は、生殖補助医療である。
・顕微授精とは、体外で卵子に精子を直接注入する高度な生殖医療である。精子数が少ない、精子の運動率が低い、通常の体外受精では受精しにくい場合などに行われる。卵子と精子を体外で操作するため生殖補助医療に含まれる。
3.〇 正しい。人工授精は、一般不妊治療である。なぜなら、卵子や胚を体外で扱わないため。
・人工授精とは、採取した精液を処理し、排卵時期に合わせて精子を子宮内へ注入する方法である。受精そのものは体内、つまり卵管内で自然に起こることを期待する。
4.× 体外受精は、生殖補助医療である。
・体外受精とは、採卵手術により排卵直前に体内から取り出した卵子を体外で精子と受精させる治療である。受精が正常に起こり細胞分裂を順調に繰り返して発育した良好胚を体内に移植すると妊娠率がより高くなることから、一般的には2~5日間の体外培養後胚を選んで腟から子宮内に胚移植する。
65 経産道感染するのはどれか。
1.トキソプラズマ
2.パルボウイルス
3.B群溶血性レンサ球菌
4.成人T細胞白血病ウイルス
解答3
解説
①経胎盤感染とは、妊娠中に、母体の血液中の病原体が胎盤を通って胎児へ移る感染である。胎内感染ともいう。代表例は、トキソプラズマ、風疹ウイルス、サイトメガロウイルス、パルボウイルスB19などである。
②上行感染とは、腟や子宮頸管にいる病原体が、子宮内へ上がって胎児や羊水に感染するものである。破水後や子宮内感染で問題になる。産道感染と近い場面で扱われることもあるが、分娩前から子宮内へ広がる点が特徴である。
③経産道感染とは、分娩時、赤ちゃんが産道を通るときに、母体の腟や肛門周囲にいる病原体に触れて感染するものである。代表例はB群溶血性レンサ球菌〈GBS〉で、早発型新生児GBS感染症は産道曝露で起こる。
④経母乳感染とは、出生後、母乳を介して病原体が赤ちゃんへ移る感染である。代表例は成人T細胞白血病ウイルス〈HTLV-1〉で、主に母乳中の感染リンパ球を介して感染する。
1.× トキソプラズマは、主に経胎盤感染である。
・トキソプラズマとは、原虫の一種のトキソプラズマによる人獣共通感染症で、経胎盤感染で、児に水頭症や脳内石灰化、知的能力障害などを起こすことがある。加熱処理の不十分な肉に生存するシスト、土壌中やネコの糞中に存在するオーシストから水平感染する。
2.× パルボウイルスは、主に経胎盤感染である。
・パルボウイルスとは、小児でよくみられる両頬の紅斑を特徴とした伝染性紅斑(リンゴ病)の原因ウイルスである。通常は年長児に好発する予後良好な急性感染症である。成人では不顕性感染が多いが、妊娠中の初感染によって胎児水腫や胎児死亡を引き起こすことがある(一部引用:「ヒトパルボウイルスB19母子感染の実態」NID国立感染症研究所様HPより)。
3.〇 正しい。B群溶血性レンサ球菌は、経産道感染である。
・B群溶血性レンサ球菌とは、腸や腟などに存在する常在細菌の一種で、多くの人が保有しており無症状である場合が多い。 一方、妊婦の方が感染していると出産時の産道感染などにより、新生児がB群連鎖球菌感染症を起こす。
4.× 成人T細胞白血病ウイルスは、主に経母乳感染である。
・ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)は、成人T細胞白血病(ATL)というリンパ球の悪性腫瘍や、HTLV-1関連脊髄症(HAM)と呼ばれる慢性の神経疾患の原因ウイルスで、日本に現在約80万人の感染者が存在すると推定されている。約40年以上の潜伏期の後に年間1000人に1人の割合で発症するとされている。ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の主な感染経路は、①性的接触、②血液感染、③母子感染である。母乳からウイルスが感染することが証明されている感染症は、①HIV(ヒト免疫不全ウイルス) 、②HTLV1(成人T 細胞白血病ウイルス )、③CMV(サ イトメガロウイルス)である。母子感染では、主に経母乳感染することから、母子感染率を減らすには人工栄養が最も確実な方法である。
【母乳における対応】
①人工栄養:もっとも確実で推奨される。感染源となるリンパ球を含んだ母乳を遮断できる。
②短期母乳:母体から移行抗体が存在するとされる生後90日以内の授乳のみ実施。
③加工母乳:搾乳して一定時間冷凍保存した母乳を与える。
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