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16 正期産児と比較した早産児の特徴で正しいのはどれか。
1.不感蒸泄量が多い。
2.肺内の気道抵抗が相対的に小さい。
3.肝・筋のグリコーゲン貯蔵が多い。
4.障害された中枢神経系は可塑性が低い。
解答1
解説
過期産児とは:在胎42週以上に出生した児。
正期産児とは:在胎37週以降42週未満に出生した児。
早産児とは:在胎22週以降37週未満に出生した児。
超早産児とは:在胎28週未満に出生した児。
1.〇 正しい。不感蒸泄量が多い。なぜなら、早産児は、皮膚の角質層が未熟で水分を保持する能力が低いため。さらに体重あたりの体表面積が大きいことで、不感蒸泄量が多い。
・不感蒸泄とは、発汗のように自覚されない水分の蒸散(呼吸など)のことである。
2.× 肺内の気道抵抗が、相対的に「小さい」ではなく大きい。なぜなら、早産児は、気道径が細く、気道が軟らかく虚脱しやすいため。気道抵抗は、気道の半径が小さくなるほど急激に増加する。
・気道抵抗とは、気道を流れる空気の「通りにくさ」を意味し、気道内径の変化を伴う気道障害の指標となる。喘息など閉塞性換気障害のある人では、呼気時の気道抵抗は著明に上昇する。
3.× 肝・筋のグリコーゲン貯蔵が「多い」ではなく少ない。なぜなら、胎児のグリコーゲン蓄積は、主に妊娠後期に進むため。早産児では十分に蓄積される前に出生するため。
・グリコーゲンとは、多糖類の一種で、エネルギーを貯蔵し人間の活動に欠かせないものである。普段は、肝臓や骨格筋等に蓄えられており、急激な運動を行う際のエネルギー源として、あるいは空腹時の血糖維持に利用される。
4.× 障害された中枢神経系は、可塑性が「低い」ではなく高い。なぜなら、発達期の脳は、神経回路が形成・再編成されている途中であるため。したがって、損傷後にも他の神経回路が機能を補う可能性がある。
・可塑性とは、脳や神経が経験や損傷に応じて、構造や機能を変化させる能力である。
17 妊娠37週以降の胎児心拍モニタリングで正常なのはどれか。
1.基線が100bpmである。
2.40分以上にわたり基線細変動が5bpm以下である。
3.30秒の間に基線から15bpm以上上昇し、2分未満で戻る。
4.子宮収縮と同時に基線から30bpm低下し、2分未満で戻る。
解答3
解説
胎児心拍数基線は、10分間の区間の平均心拍数で5の倍数で表現する。基線は一過性変動部分や基線細変動増加の部分は除外し、2分間以上持続している部分で判断する。胎児心拍数基線細変動は、胎児心拍数基線が判読可能な部分で判読する。基線細変動は、胎児心拍数基線の細かい変動で、定義上、1分間に2サイクル以上の胎児心拍数の変動で、振幅、周波数とも規則性がないものを指す。
①胎児心拍数基線
・頻脈:160bpm以上
・正常脈:110bpm~160bpm
・徐脈:110bpm未満
②胎児心拍数基線細変動
・細変動消失:肉眼的に認められない
・細変動減少:5bpm以下
・細変動中等度:6~25bpm
・細変動増加:26bpm以上
1.× 基線が100bpmである場合、徐脈として評価される。
2.× 40分以上にわたり基線細変動が5bpm以下である場合、細変動減少として評価される。
3.〇 正しい。30秒の間に基線から15bpm以上上昇し、2分未満で戻る。これは、妊娠37週以降の胎児心拍モニタリングで正常(一過性頻脈)である。なぜなら、妊娠32週以降の一過性頻脈は、胎児心拍数が基線から15 bpm以上上昇し、15秒以上2分未満持続するものと定義されるため。
・一過性頻脈とは、胎児が体を動かすとき(胎動があるとき)、一時的に心拍数が多くなることをいい、一定範囲で出るのが正常である。
4.× 子宮収縮と同時に基線から30bpm低下し、2分未満で戻る場合、一過性徐脈として評価される。なぜなら、胎児心拍数が基線から30 bpm低下する現象は、一過性徐脈であり、その正常・異常の判断には子宮収縮との時間関係や低下の形状を詳しく評価する必要があるため。
18 14歳の女子。地域の思春期相談窓口に電話をかけ「他に相談する場所がない。でもうまく話せる自信がない」と話した。
電話を受けた助産師の初期対応で最も適切なのはどれか。
1.思春期に多い相談内容を例示して話を促す。
2.相談のために行動を起こしたことをねぎらう。
3.話したいことを明確にしてからもう一度電話するように勧める。
4.相談内容によっては親や教師へ連絡する場合があることを伝える。
解答2
解説
・14歳の女子。
・地域の思春期相談窓口に電話「他に相談する場所がない。でもうまく話せる自信がない」と話した。
→まず「相談してよかった」「ここなら話してもよい」と感じられる関係づくりが最優先である。
1.× 思春期に多い相談内容を例示して話を促すより優先されるものが他にある。なぜなら、助産師側が相談内容を誘導してしまう可能性があるため。この段階で、月経のこと?、恋愛のこと?、性のこと?、家族のこと?などとこちらから具体例を並べると、本人が本当に話したい内容とは異なる方向へ誘導される可能性がある。したがって、思春期相談ではまず、本人のペースを尊重して、話せる範囲から話してもらう。
2.〇 正しい。相談のために行動を起こしたことをねぎらう。なぜなら、思春期の相談では、まず相談者の不安を軽減して信頼関係を形成し、安心して話せる環境を整えることが重要であるため。相談のために行動を「電話してくれてありがとう」、「相談しようと思って行動できたことは大切です」と受け止めることで、自己肯定感を損なわず、信頼関係を構築し、次の会話につなげることが大切である。
3.× 話したいことを明確にしてからもう一度電話するように勧める必要はない。なぜなら、思春期の相談者がせっかく助けを求めてきた機会を失い、相談を断念させてしまう可能性があるため。相談内容を明確にするのは、助産師が対話を通じて一緒に整理していく。
4.× 相談内容によっては親や教師へ連絡する場合があることを伝える必要はない。なぜなら、相談開始直後に親や教師への連絡可能性を強調すると、本人の警戒心を高め、相談を続けられなくなる可能性があるため。思春期相談では、本人が安心して相談できるようプライバシーと守秘を尊重することが基本である。
19 52歳の女性。事務職。2年前から無月経である。「最近よく汗をかき、体が熱いです。しょっちゅうイライラしています」と訴え、生活に関する助言を求めている。
生活指導で適切なのはどれか。
1.「仕事をされているので特に運動は必要ないでしょう」
2.「体力維持のためにカロリーの高い食事を摂りましょう」
3.「職場の定期健康診断を受けていれば問題ないでしょう」
4.「友人との交際など、自分に合った気分転換方法を見つけましょう」
解答4
解説
・52歳の女性(事務職、2年前から無月経)
・「最近よく汗をかき、体が熱いです。しょっちゅうイライラしています」と訴える。
・生活に関する助言を求めている。
→本症例は、閉経後の更年期症状がみられる。活指導では、適度な運動、バランスのよい食事、十分な休養、ストレス対処、定期健診が基本である。
1.× 更年期の女性には、仕事をしていても適度な運動習慣が勧めることが多い。なぜなら、本症例は事務職であり働いていても身体活動量が十分と考えにくいため。また、一般的に、更年期以降は、筋力低下、骨量減少、生活習慣病リスク上昇がみられ、運動がこれらの予防に有効であるため。
2.× 必ずしも、体力維持のためにカロリーの高い食事を勧めることはしない(優先されない)。むしろ、閉経後は、基礎代謝が低下し、肥満や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病リスクが高まりやすい。したがって、バランスのよい食事を勧めることが多い。
3.× 「職場の定期健康診断を受けていれば問題ないでしょう」といいきれない。なぜなら、更年期女性では、一般健診だけでは十分に評価できない婦人科疾患や骨粗鬆症などのリスクにも注意が必要であるため。一般的、職場の定期健康診断では、女性の疾患(子宮頸がん検診、乳がん検診、骨粗鬆症評価、更年期症状の評価など)をすべて網羅しているとは限らない。
4.〇 正しい。「友人との交際など、自分に合った気分転換方法を見つけましょう」と伝える。なぜなら、更年期にはホルモン変化だけでなく、心理社会的ストレス(仕事・家庭・対人関係など)も症状に影響しやすいため。したがって、ストレス軽減が症状緩和に役立つ。
更年期障害とは、更年期に出現する器質的な変化に起因しない多彩な症状によって、日常生活に支障をきたす病態と定義される。更年期症状は大きく、①自律神経失調症状、②精神神経症状、③その他に分けられるが、各症状は重複して生じることが多い。治療の一つに、ホルモン補充療法(HRT)があげられる。ホルモン補充療法とは、エストロゲン(卵胞ホルモン)を補うことで、更年期障害を改善する治療法である。ほてり、のぼせ、発汗などといった代表的な症状に高い効果を示す。禁忌として、エストロゲン依存性悪性腫瘍(子宮内膜癌、乳癌)またその疑いのあるもの、重症肝機能障害、血栓性疾患などがあげられる。
20 分娩予定日の算出で正しいのはどれか。
1.人工授精施行日に280日を加える。
2.基礎体温の高温相の2日目に266日を加える。
3.hMG-hCG療法のhCG投与日に280日を加える。
4.体外受精・胚移植の体外受精日に266日を加える。
解答4
解説
1.× 人工授精施行日に、「280日」ではなく266日を加える。分娩予定日は基本的に、①最終月経初日+280日または、②受精日(排卵日)+266日で求める。つまり、「月経開始日なら280日」「受精・排卵日なら266日」が重要である。
2.× 基礎体温の高温相の2日目に266日を加える「ものではない」。なぜなら、排卵は、一般に基礎体温が低温相から高温相へ移行する前後に起こり、高温相2日目はすでに排卵後である可能性が高いため。
3.× hMG-hCG療法のhCG投与日に280日を加える「ものではない」。なぜなら、hCG投与日は、最終月経初日ではなく排卵誘発の時点に近く、さらに排卵は通常hCG投与後しばらくして起こるため。
・hMG-hCG療法とは、排卵障害に対して行う不妊治療である。まずhMG製剤で卵巣を刺激し、卵胞を発育させる。その後、hCG製剤を投与して排卵を起こす方法である。多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群(OHSS)に注意が必要である。
4.〇 正しい。体外受精・胚移植の体外受精日に266日を加える。なぜなら、受精日は、妊娠2週0日相当であり、そこから予定日である妊娠40週0日までは266日であるため。通常の妊娠週数は、最終月経初日=妊娠0週0日として計算する。標準的には約14日後に排卵・受精するため、280日-14日=266日となる。体外受精では自然妊娠より受精した時期が明確なので、受精日を基準に予定日を決めやすいという特徴がある。
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