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21 胎盤剝離徴候のうち、子宮底の位置の変化を観察するのはどれか。
1.Ahlfeld徴候
2.Küstner徴候
3.Schröder徴候
4.Strassmann徴候
解答3
解説
1.× Ahlfeld徴候とは、胎盤剥離徴候のひとつで、胎児娩出直後に臍帯の腟入口に位置する部に止血鉗子で目じるしをつけておくと、胎盤が剥離下降してくるとこの目じるしが10〜15cm外方へ下垂する現象である(※読み:アールフェルド徴候)。
2.× Küstner徴候とは、胎盤剥離徴候のひとつで、恥骨上を押すと子宮は押しつぶされて子宮底部は頭側に移動する。剥離していないと臍帯も一緒に引き戻されるが、剥離していると引き戻されず、むしろ臍帯が出る(※読み:キュストナー徴候)。
3.〇 正しい。Schröder徴候は、胎盤剝離徴候のうち、子宮底の位置の変化を観察する。
・Schröder徴候とは、胎盤剥離徴候のひとつで、児娩出後ほぼ臍高にあった子宮底が胎盤剥離するとやや上昇し右に傾く(※読み:シュレーダー徴候)。
4.× Strassmann徴候とは、胎盤剥離徴候のひとつで、一方の手で臍帯を持ち、他方の手で子宮底を叩いても手に響かない。癒着しているときは手に響く(※読み:シュトラスマン徴候)。
22 胎内環境不良を疑う胎児付属物の所見はどれか。
1.臍帯偽結節
2.臍帯の卵膜付着
3.羊水中の白色の浮遊物
4.胎盤母体面の5%程度の白色梗塞
解答2
解説
1.× 臍帯偽結節は、胎内環境不良を示す所見ではない。なぜなら、臍帯偽結節の多くは、正常変異を示し、臍帯血管の蛇行などによって結節状にみえるだけであるため。したがって、血流障害を起こさないことが多い。
2.〇 正しい。臍帯の卵膜付着は、胎内環境不良を疑う胎児付属物の所見である。なぜなら、臍帯血管が胎盤実質に直接付着せず、保護の乏しい卵膜上を走行するため。したがって、血流障害や胎児発育不全などを伴う可能性がある。一方、正常の臍帯は、胎盤実質に付着し、臍帯血管はWharton膠質によって保護されている。
3.× 羊水中の白色の浮遊物は、通常は胎脂などによる生理的所見である。なぜなら、妊娠末期には、胎児の皮膚を覆う胎脂や剝離した上皮などが羊水中に混じり、白色浮遊物として観察されることがあるため。
・胎脂とは、胎児の皮膚を覆う白色の脂肪様物質である。不潔なものではなく、児の肌を細菌や乾燥などから守る効果があり、生まれてからの数日間は沐浴をせず、タオルでふくだけのドライケアなどもある。
4.× 胎盤母体面の5%程度の白色梗塞の場合(少量)、必ずしも病的ではない。なぜなら、妊娠末期の胎盤では、小範囲の白色梗塞が加齢性・成熟性変化としてみられることがあり、胎盤機能に大きく影響しない場合があるため。
・胎盤梗塞とは、胎盤の血流が途絶えて組織が壊死した状態である。梗塞が、広範囲、多発性、胎盤中央部、妊娠高血圧症候群などを伴う。
23 34歳の1回経産婦。3年前に分娩所要時間38時間で3200gの児を経膣分娩した。妊娠39週0日。児の推定体重は2710g。助産師外来にて「前回のお産では痛みが何時間も続く中で、陣痛室でずっと孤独で本当につらかった」とうつむいて話す。
この産婦に対する最初の声かけで適切なのはどれか。
1.「つらかったことが忘れられないのですね」
2.「もっと長い時間かけて産む人もいますよ」
3.「前回のことは忘れた方が、今回のお産がスムーズに進みますよ」
4.「今回のお子さんは小さめだし分娩時間も半分くらいで済みますよ」
解答1
解説
・34歳の1回経産婦。
・3年前:分娩所要時間38時間で3200gの児を経膣分娩。
・助産師外来にて「前回のお産では痛みが何時間も続く中で、陣痛室でずっと孤独で本当につらかった」とうつむいて話す。
→本症例は、前回の分娩について強い苦痛と孤独感の体験を語っている。最初の対応で重要なのは、事実を訂正したり励ましたりすることではなく、まず感情を受け止め、共感的に言語化することである。
1.〇 正しい。「つらかったことが忘れられないのですね」と最初の声かけをする。なぜなら、この言葉かけは、産婦の体験と感情を受け止める共感的な対応といえるため。本症例は、前回の分娩で感じた「長時間の苦痛」と「孤独」を今も強く抱えており、まずその感情を受容することが信頼関係の形成につながるため。
2.× 「もっと長い時間かけて産む人もいますよ」と伝える必要はない。なぜなら、他者との比較は、本人が経験した苦痛や孤独感を否定されたと感じさせる可能性があるため。
3.× 「前回のことは忘れた方が、今回のお産がスムーズに進みますよ」と伝える必要はない。なぜなら、本人が現在も苦痛を感じている体験を無理に忘れさせようと伝えることは、感情を否定されたと感じ取られかねないため。共感的・受動的な態度で、本人と一緒に整理することが重要である。
4.× 「今回のお子さんは小さめだし分娩時間も半分くらいで済みますよ」と伝える必要はない。なぜなら、胎児推定体重が前回より小さいことだけで分娩時間を「半分くらい」と予測することはできず、根拠がない発言になるため。
24 無痛分娩(硬膜外麻酔)で正しいのはどれか。
1.微弱陣痛に注意を要する。
2.sleeping babyが出生する。
3.麻酔持続時間は約24時間である。
4.局所麻酔薬を注入してから3~5分で作用する。
解答1
解説
・無痛分娩とは、麻酔を用いて痛みを緩和しながら分娩を行うことである。お産の痛みについて悩みや不安がある症例に対し、無痛分娩の検討を促す。硬膜外麻酔は他の産痛緩和法よりも産痛緩和効果は高い。
・硬膜外麻酔とは、局所麻酔の一つ。 硬膜外腔に局所麻酔薬やオピオイドを投与することにより、鎮痛を得るものである。しかし、分娩第 2期遷延、オキシトシン使用頻度の増加、吸引鉗子分娩の増加、胎児機能不全による帝王切開分娩のリスク等を高める可能性がある。したがって、硬膜外麻酔のメリットとデメリットについて、産婦が理解したうえで、産婦が選択できるようにする。
1.〇 正しい。微弱陣痛に注意を要する。なぜなら、硬膜外麻酔では、疼痛伝達だけでなく運動神経や自律神経にも一定の影響が及び、子宮収縮や母体の努責が弱くなることがあるため。
・微弱陣痛とは、一旦分娩開始した(陣痛の間隔が10分以内ごとであり 、痛みを伴う子宮収縮により分娩が進行)にも関わらず、陣痛の強さが弱く、発作の持続が短く、かつ陣痛の間隔が長くなってしまい、分娩が進行しない状態をいう。子宮口の開き具合により、6分30秒以上(子宮口の開き:4~6cm)、6分以上(子宮口の開き:7~8cm)、4分以上(子宮口の開き:9~10cm)が陣痛周期の目安とされている。
2.× sleeping babyが出生する「とはいえない」。なぜなら、硬膜外麻酔では、薬剤を母体の硬膜外腔へ局所投与するため。したがって、全身投与した鎮静薬・麻薬性鎮痛薬に比べて胎児への薬剤移行と中枢神経抑制が少ない。
・sleeping babyとは、出生直後の新生児が麻酔薬や鎮静薬などの影響を受け、眠ったように活気が乏しく、筋緊張低下や呼吸抑制を示す状態である。全身麻酔などでみられることがある。
3.× 麻酔持続時間は、「約24時間」ではなく1~3時間程度(1回の注入)である。無痛分娩では硬膜外カテーテルから局所麻酔薬を持続または追加投与するため、必要に応じて分娩終了まで鎮痛効果を維持できる。つまり、硬膜外麻酔の作用時間は、使用薬剤・濃度・投与方法によって異なり、カテーテルから持続投与や追加投与することで必要な期間だけ鎮痛を維持する。
4.× 局所麻酔薬を注入してから、「3~5分」ではなく10~20分(一般的に)で作用する。なぜなら、硬膜外腔に投与された局所麻酔薬が神経根へ浸透して作用するまでには一定の時間が必要であるため。したがって、硬膜外麻酔は、脊髄くも膜下麻酔に比べて作用発現がゆっくりとなる。
25 正常新生児に人工乳を補足すべき状況はどれか。
1.生後2日、血糖値が40mg/dl
2.生後3日、出生時体重から7%減少
3.生後4日、血清総ビリルビン値が14mg/dl
4.生後5日、体重増加が20g/日
解答1
解説
人工乳とは、何らかの理由で母乳が与えられない場合、調製粉乳による人工乳が使用されることが多い。現在では母乳の代用品としての調製粉乳の品質も向上し、母乳の場合と比べても大差なく育児ができるようになっている。
1.〇 正しい。生後2日、血糖値が40mg/dlの場合、人工乳を補足すべき状況といえる。なぜなら、生後24時間以降では血糖値40mg/dLは低値(低血糖)であり、脳へのエネルギー供給不足を防ぐため速やかな授乳・補足が必要となるため。ちなみに、通常は12時間頃までに45mg/dL以上へ上昇し、生後2日(出生後24~48時間)の新生児では、血糖値は一般に45~50mg/dL以上を保つことが目安である。
2.× 生後3日、出生時体重から7%減少の場合のみでは、通常、人工乳を補足する必要ない。なぜなら、出生後数日間には体液の減少などによる生理的体重減少が起こるため。
・生理的体重減少とは、生後数日間は、胃の大きさも小さいため、母乳を飲む量も少なく生後2~3日目までは自然と体重が減る現象のことである。出生体重の3~10%の範囲であり、生後3~5日がそのピークである。減少率の求め方は、出生時体重からの減少の割合である。つまり、「(出生時の体重-現在の体重)÷出生時の体重×100」で算出される。
3.× 生後4日、血清総ビリルビン値が14mg/dlの場合より優先されるものが他にある。なぜなら、生理的黄疸は生後3~5日ごろにピークとなるため。日本の基準では、出生体重2,500g以上で生後72~96時間の光線療法開始目安は18 mg/dLである。
4.× 生後5日、体重増加が20g/日の場合のみでは、通常、人工乳を補足する必要ない。なぜなら、出生後の生理的体重減少を過ぎて体重が増加に転じており、一日体重増加量の範囲内であるため。
【正常乳児の一日体重増加量の目安】
・0~3か月:25~30g
・3~6か月:20~25g
・6~9か月:15~20g
・9~12か月:7~10g
黄疸とは、皮膚や粘膜が胆汁色素(ビリルビン)で黄色に染まることで、胆汁色素の血漿中濃度の上昇により生じる。原因としては、①溶血によるもの、②肝細胞の障害によるもの、③胆汁の流れの障害によるもの、④体質によるもの、などがある。胆汁は肝臓で作られ、胆管を通じて十二指腸に排出されるが、その流れが障害されたときに生じる黄疸のことを閉塞性黄疸と呼ぶ。多くは総胆管結石や腫瘍により、胆管が閉塞することが原因となる。
新生児黄疸(生理的黄疸)とは、生後間もない新生児の大半にみられる黄疸である。黄疸になると、皮膚や白目の色が次第に黄色味を帯びるが、新生児でみられる黄疸のほとんどは、生理的におきる新生児黄疸(生理的黄疸)である。この新生児黄疸(生理的黄疸)は、およそ生後3~5日目をピークに自然と治まっていくものである。過度に心配する必要はない。起きる機序として、新生児でのビリルビン産生の亢進、グルクロン酸抱合能の未熟、腸肝循環の亢進などにより、出生後に一過性に高間接ビリルビン血症となり、生理的黄疸となる。
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