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21 病室の湿度で適切なのはどれか。
1.10%
2.30%
3.50%
4.70%
解答3
解説
一般的な病室の湿度は、夏期は50〜60%、冬期は40〜50%程度が望ましい。ちなみに温度は、夏季は25〜27℃程度、冬季は20〜22℃程度が望ましい。
1~2.× 約10%/約30%は、湿度が低すぎる。室内の湿度が低すぎるとウイルスが蔓延しやすい。
3.〇 正しい。約50%は、病室の湿度である。一般的な病室の湿度は、夏期は50〜60%、冬期は40〜50%程度が望ましい。ちなみに温度は、夏季は25〜27℃程度、冬季は20〜22℃程度が望ましい。
4.× 約70%は、湿度が高すぎる。室内の湿度が高すぎるとカビやダニが繁殖しやすい。
22 空気感染(飛沫核感染)の予防策はどれか。
1.消毒薬の噴霧
2.病室の陽圧換気
3.N95マスクの着用
4.ラビング法の手指消毒
解答3
解説
感染には、①接触感染、②空気感染、③飛沫感染がある。
①接触感染(例:流行性角結膜炎、疥癬、ノロウイルス感染症など)
(1)直接接触感染:感染者の皮膚粘膜との直接接触による伝播・感染する。
(2)間接接触感染:感染者の微生物で汚染された衣類、周囲の器物、環境などとの接触による伝播・感染する。
②飛沫感染(例:風疹、流行性耳下腺炎、 インフルエンザ、マイコプラズマ、百日咳など)
咳やくしゃみなどに伴って発生する飛沫(粒径5μm以上の粒子)が経気道的にヒトの粘膜に付着し感染する。飛散する範囲は1m以内であることが特徴。
③空気感染(例:結核、水痘、麻疹など)
飛沫核 (粒径5μm未満の粒子に付着した微生物)が長期間空中を浮遊し、これを吸い込むことで感染が伝播・感染する。
(※参考:「医療施設等における感染対策ガイドライン」厚生労働省様HPより)
1.× 消毒薬の噴霧は、一般的に行われない。なぜなら、患者や医療従事者の気道や肺に刺激を与え、健康被害を引き起こす可能性があるため。
2.× 病室は、「陽圧」ではなく陰圧換気に設定する。
・陰圧感染隔離室は、室内の気圧を室外よりも低くすることでウィルス等で汚染された可能性のある空気を室外に逃さないようにして感染症の拡大を防止する方法である。
3.〇 正しい。N95マスクの着用は、空気感染(飛沫核感染)の予防策である。
・N95マスクとは、アメリカ合衆国労働安全衛生研究所のN95規格をクリアし、認可された微粒子用マスクのことである。N95マスクの役割は空気感染源を捕集し、着用者の呼吸器感染のリスクを低減することである。
4.× ラビング法の手指消毒は、主に接触感染の予防策である。
・ラビング法(擦式法)とは、アルコール擦式製剤を手掌にとり、乾燥するまで擦り込んで消毒する方法である。特別な手洗い設備を必要としないため、簡便に手洗いができる。
23 成人の持続点滴静脈内注射の方法で適切なのはどれか。
1.点滴筒には1/5の薬液を満たす。
2.刺入部が見えないように固定する。
3.刺入部は関節などの活動を妨げる部位を避ける。
4.液面が刺入部から30cmの高さになるように輸液バッグをかける。
解答3
解説
持続点滴静脈内注射とは、大量の薬品を持続的に静脈内に注入する方法である。治療においても使用頻度が高く、与薬ミスや感染防止対策なども多い処置である。主に前腕正中皮静脈、橈側皮静脈、 尺側皮静脈が用いられる。表在性の静脈にならどこにでも行うことができ、針の固定が容易で、太く弾力のある血管を選択する。麻痺側、利き手などを避けることが推奨されている。
1.× 点滴筒には、「1/5」ではなく1/3の薬液を満たす。なぜなら、滴下速度が不安定になったり、輸液中の気泡が入りやすくなるリスクもあるため。
【経管栄養の手順】
①全身状態を観察し健康状態を把握する。
②姿勢を整える。
③介助者は手洗いをする。
④チューブの固定の確認と固定位置を確認する。
⑤チューブ先端が胃内にあることを確認する。
⑥注射器で吸引し胃内容を確認する。
⑦注入する栄養剤を準備する。
⑧注入液を点滴筒(ドリップチェンバー)の1/3程度までいれチューブ接続部まで満たす。
⑨鼻からチューブをたどって確認し、接続する。
⑩クレンメを調節し注入速度を決める。
⑪注入中の観察をする。
⑫終了後、接続部をはずし、白湯を注入し、確実にふたをする。
2.× 刺入部が、「見えない」ではなく見えるように固定する。なぜなら、刺入部が見えないように固定すると、針の抜去、漏れ、腫脹、発赤、痛みなどの異常を早期に発見することができないため。特に、静脈炎や点滴漏れは速やかに対応する必要がある。
3.〇 正しい。刺入部は、関節などの活動を妨げる部位を避ける。なぜなら、関節部に刺入すると、患者さんが体を動かすたびに針が血管壁を刺激したり、抜けやすくなったりして、痛みや静脈炎、点滴漏れなどのトラブルを引き起こしやすくなるため。
4.× 液面が刺入部から、「30cm」ではなく50cmの高さになるように輸液バッグをかける。なぜなら、点滴の滴下速度は、輸液バッグの高さ(重力)に比例するため。一般的に、十分な滴下速度を確保するためには、刺入部から輸液バッグの液面までの高さ(50cm)を確保する必要がある。
24 体位ドレナージの目的はどれか。
1.関節拘縮の予防
2.痛みの軽減
3.睡眠の導入
4.排痰の促進
解答4
解説
体位ドレナージは重力を利用して痰の排出を図る方法である。痰貯留部位が上、気管支が下となる体位をとり、痰を排出する。
1.× 関節拘縮の予防は、体位ドレナージの直接的な目的ではない。
・関節拘縮の予防は、体位変換や関節可動域訓練(ROM訓練)が一般的である。
2.× 痛みの軽減は、体位ドレナージの直接的な目的ではない。
・痛みの軽減は、原因となる病態の治療、鎮痛薬の投与、安静などが一般的である。
3.× 睡眠の導入は、体位ドレナージの直接的な目的ではない。
・睡眠の導入は、環境調整(室温、照明、騒音)、リラックスできる体位、睡眠導入剤の使用などが一般的である。
4.〇 正しい。排痰の促進は、体位ドレナージの目的である。
・体位ドレナージは重力を利用して痰の排出を図る方法である。痰貯留部位が上、気管支が下となる体位をとり、痰を排出する。
25 心静止の患者に投与する薬剤はどれか。
1.ドパミン
2.アトロピン
3.リドカイン
4.アドレナリン
解答4
解説
・心静止とは、心臓の電気的な活動が停止している状態である。心臓が止まってしまって、もう動かないという状態を指し、再び動くことはない。
・心停止とは、心臓がブルブルとけいれんしてポンプとしての機能がなくなり、心臓から正常に血液を送り出すことができない状態を指す。
1.× ドパミンは、用量に応じて心拍数や心収縮力を増加させたり、血管を収縮させたりする作用を持つ強心薬・昇圧薬である。
2.× アトロピンは、副交感神経の働きを抑えることで心拍数を増加させる作用がある。そのため、主に徐脈に対する治療薬として用いられる。
3.× リドカインは、致死性不整脈(主に心室細動や無脈性心室頻拍など)に対する抗不整脈薬として用いられる。心臓の電気的な興奮を抑制する作用がある。局所麻酔作用薬であるため、抗不整脈薬として使われる。
4.〇 正しい。アドレナリンは、心静止の患者に投与する薬剤である。アドレナリンのα作用による末梢血管収縮作用が重要であるため。脳や心臓への血流を改善し、心拍再開の可能性を高める効果が期待できる。
・アドレナリンは、α作用(血管収縮作用)とβ作用(心収縮力増強作用、心拍数増加作用)を併せ持つカテコラミンである。