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56 老化に伴う消化器系の変化で正しいのはどれか。
1.大腸の蠕動運動が低下する。
2.膵液分泌量が増加する。
3.唾液分泌量が増加する。
4.胃粘膜が萎縮する。
解答1
解説
・消化管では、消化液の分泌低下、蠕動運動の低下が起こる。
・腸の運動低下、腹筋の弛緩、直腸内圧閾値上昇により、便秘傾向になる。
1.〇 正しい。大腸の蠕動運動が低下する。なぜなら、加齢に伴い、大腸の平滑筋が筋力低下するため。したがって、便の通過を遅らせ、高齢者における便秘の増加の一因となる。
・蠕動運動とは、管腔臓器において中枢側(口側)が収縮し末梢側(肛門側)が弛緩することで、末梢側(肛門側)に尿や消化管内容物を押し出していく運動のことである。
2.× 膵液分泌量は、「増加」ではなく低下する。なぜなら、加齢に伴い、膵臓の機能も低下傾向にあるため。
3.× 唾液分泌量は、「増加」ではなく低下する。なぜなら、加齢に伴い、唾液腺の萎縮や機能低下が起こるため。したがって、口の中が乾燥しやすくなり(口腔乾燥症)、食べ物が飲み込みにくくなったり(嚥下障害)、虫歯や歯周病のリスクが高まったりする。
4.× 胃粘膜が萎縮する原因は、主に慢性的な炎症(ヘリコバクター・ピロリ菌感染)である。ただし、加齢によっても胃粘膜が萎縮するため、どうしても選択肢が無ければ選択の余地がある。
ヘリコバクター・ピロリ菌は、慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃癌などに関与している菌である。ヘリコバクター・ピロリ菌は、井戸水などにより経口感染するヒトなどの胃に生息するらせん型のグラム陰性微好気性細菌である。単にピロリ菌と呼ばれることもある。アンモニアを遊離し、局所をアルカリ化することによって胃粘膜の障害をきたす病原菌である。胃炎や胃潰瘍の発生に関与する。
57 令和3年度(2021年度)の高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査で、養介護施設従事者等による高齢者虐待について正しいのはどれか。
1.虐待の種類は心理的虐待が最も多い。
2.被虐待高齢者は女性が全体の90%を占める。
3.発生要因は養介護施設従事者等のストレスの問題が最も多い。
4.虐待件数は養介護施設従事者等による虐待より養護者によるものが多い。
解答4
解説
1.× 虐待の種類は、「心理的虐待(2位:38.1%)」ではなく身体的虐待(1位:51.5%)が最も多い(※データ引用:「高齢者虐待の実態把握等のための調査研究事業」厚生労働省様HPより)。
2.× 被虐待高齢者は女性が全体の「90%」ではなく約70%を占める。特定された被虐待者1,366人の属性は、性別は「女性」が71.3%を占めており、年齢は75歳以上が86.1%(85歳以上が59.4%)を占めていた(※引用:「高齢者虐待の実態把握等のための調査研究事業」厚生労働省様HPより)。
3.× 発生要因は、「養介護施設従事者等のストレスの問題(2位:22.9%)」ではなく「教育・知識・介護技術等に関する問題(1位:56.2%)」が最も多い(※引用:「高齢者虐待の実態把握等のための調査研究事業」厚生労働省様HPより)。
4.〇 正しい。虐待件数は、養介護施設従事者等による虐待より養護者によるものが多い。
・養介護施設従事者等による高齢者虐待の判断件数は739件。
・養護者による高齢者虐待の判断件数は16,426件。
(※引用:「高齢者虐待の実態把握等のための調査研究事業」厚生労働省様HPより)
58 医療ニーズが高い要介護者が「通い」「訪問」「泊まり」のサービスを組み合わせて受けられる地域密着型サービスはどれか。
1.短期入所療養介護
2.看護小規模多機能型居宅介護
3.地域密着型特定施設入所者生活介護
4.認知症対応型共同生活介護〈グループホーム〉
解答2
解説
1.× 短期入所療養介護とは、介護老人保健施設や診療所、病院などに短期間入所してもらい、医師や看護職員、理学療法士等による医療や機能訓練、日常生活上の支援などを行うサービスである。 一定期間、介護から解放される利用者家族にとって、自分の時間を持つことができたり介護負担の軽減を図ることができる。
2.〇 正しい。看護小規模多機能型居宅介護は、医療ニーズが高い要介護者が「通い」「訪問」「泊まり」のサービスを組み合わせて受けられる地域密着型サービスである。
・看護小規模多機能型居宅介護とは、通称「かんたき」と呼ばれ、医療ニーズが高い要介護高齢者に対し、「通い(デイサービス機能)」「訪問(訪問看護・介護機能)」「泊まり(ショートステイ機能)」の3つのサービスを、ケアプランに基づいて柔軟に組み合わせ、同一事業所が一体的に提供する地域密着型サービスである。
3.× 地域密着型特定施設入所者生活介護とは、小規模な有料老人ホームや軽費老人ホーム(ケアハウス)などに入居している高齢者に対し、日常生活上の介護や機能訓練、療養上の世話を提供するサービスである。
4.× 認知症対応型共同生活介護〈グループホーム〉とは、認知症高齢者グループホームともいい、認知症である者について、共同生活を営むべき住居において、入浴・排泄・食事などの介護、その他日常生活上の世話および機能訓練を行うことをいう。共同生活のなかで利用者の認知症の改善を図る施設である。
59 ポリファーマシーの説明で正しいのはどれか。
1.医療者の指示どおりに服薬しない状況
2.多剤併用による有害な事象が生じている状態
3.認知機能の低下により服薬管理が困難な状態
4.処方されている薬の内容を理解していない状況
解答2
解説
1.× 医療者の指示どおりに服薬しない状況は、「服薬アドヒアランスの不良」と言われる。
・アドヒアランス(adherence)とは、医療現場で患者が治療方針の決定に賛同し、積極的に治療を受けることを意味する言葉である。つまり、患者が賛同、能動的に治療を受けることを指す。
2.〇 正しい。多剤併用による有害な事象が生じている状態は、ポリファーマシーの説明である。
・ポリファーマシーとは、「Poly」+「Pharmacy」で「多くの薬」ということである。多くの薬を服用することにより副作用などの有害事象を起こすことである。ただし、ポリファーマシーが多剤併用ということではなく、多剤併用が悪いことでもありません。
3.× 認知機能の低下により服薬管理が困難な状態は、ポリファーマシーそのものの定義ではない。
4.× 処方されている薬の内容を理解していない状況は、「薬剤リテラシーの不足」と言われる。
・ヘルスリテラシーとは、WHOによると「健康の増進や維持に役立つ情報にアクセスし、理解し、利用する個人の意欲や能力となる認知的で社会的なスキル」とされる。
60 介護医療院の説明で正しいのはどれか。
1.健康保険法に基づき設置される。
2.入所対象者は要介護3以上である。
3.要介護高齢者の長期療養・生活施設である。
4.看護職員数は入所者100人当たり3人である。
解答3
解説
介護医療院とは、介護保険法に基づかれ、要介護高齢者の長期療養・生活のための施設である。目的として、要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護および機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことである。
1.× 「健康保険法」ではなく介護保険法に基づき設置される。
・健康保険法とは、労働者及びその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関する医療保険給付等について定めた日本の法律である。
2.× 入所対象者は、「要介護3以上」ではなく要介護1以上である。
3.〇 正しい。要介護高齢者の長期療養・生活施設である。介護医療院は、医療ニーズが高い要介護高齢者に対し、長期にわたる療養上の管理、看護、医学的管理の下での介護、機能訓練、その他日常生活上の世話を提供する施設である。
4.× 看護職員数は、入所者「100人当たり3人」ではなく「6人あたり1人以上」である。
①医師は、入居者48人あたり1人以上もしくは100人あたり1人以上である。
②介護職員は、入居者3人あたり1人以上である。
③看護職員は、入居者6人あたり1人以上である。