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次の文を読み41~43の問いに答えよ。
Aさん(45歳、男性)は高校の国語教諭。9か月前の定期健康診断では特に異常はなかった。1か月ほど前から咳嗽が出現し、市販の咳止め薬で様子をみていた。昨日から咳嗽が増強し、発熱もみられたため近医を受診したところ、胸部エックス線検査で異常陰影が認められ、呼吸器外来のある病院を紹介された。喀痰塗抹抗酸菌検査陽性で結核菌PCR検査陽性が判明したため、感染性の肺結核と診断され、直ちに入院となった。診断した医師から保健所へ発生届が提出された。
41 Aさんへの保健所の対応で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.薬剤感受性試験結果を把握する。
2.解熱後3日経過すれば退院できると説明する。
3.入院中は保健師が毎日病院を訪問して服薬確認を行う。
4.胸部エックス線検査で陰影が消失するまでは職場に復帰できないと説明する。
5.感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に基づいて結核登録票に登録する。
解答1・5
解説
・Aさん(45歳、男性、高校の国語教諭)。
・喀痰塗抹抗酸菌検査陽性:結核菌PCR検査陽性が判明した。
・感染性の肺結核と診断され、直ちに入院となった。
・診断した医師から保健所へ発生届が提出された。
→ほかの選択肢の消去理由もあげられるようにしよう
1.〇 正しい。薬剤感受性試験結果を把握する。なぜなら、結核治療では、結核菌が抗結核薬に感受性をもつか、耐性をもつかによって治療方針や治療期間が変わるため。
・薬剤感受性試験とは、検出された結核菌に対して、イソニアジド〈INH〉、リファンピシン〈RFP〉などの抗結核薬が効くかを調べる検査である。結核医療の基準でも、薬剤感受性検査の結果が判明した時点で、必要に応じて抗結核薬を変更する。
2.× 解熱後3日経過すれば退院できると説明する「ことはできない」。なぜなら、感染性肺結核の退院には、発熱だけでなく咳・痰などの症状、喀痰検査結果、治療継続と感染拡大防止が可能かを含めて判断する必要があるため。厚生労働省資料では、退院可能な状態として、①2週間以上の標準的化学療法、②臨床症状の消失、③異なる日の喀痰塗抹または培養検査が連続3回陰性、④退院後の治療継続と感染防止が可能であることなどが示されいる。
3.× 入院中は、保健師が毎日病院を訪問して服薬確認を行う「ことはしない」。なぜなら、入院中は病院が服薬管理を担当するため。この根拠として、入院中のDOTSでは、病院が直接服薬確認や教育指導を行い、保健所は医療機関と連携して退院後も含めた服薬支援体制を整える役割である。
・DOTSとは、直接服薬確認療法と訳され、患者が適切な容量の薬を服用するところを医療従事者が目の前で確認し、治癒するまでの経過を観察する治療方法である。
4.× 胸部エックス線検査で陰影が消失するまでは職場に復帰できないと説明する「わけではない」。なぜなら、職場復帰で重要なのは、胸部陰影の完全消失ではなく、感染性が低下し、治療継続と感染拡大防止が可能であることであるため。
5.〇 正しい。感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に基づいて結核登録票に登録する。なぜなら、感染症法(第53条の12)では、保健所長が結核登録票を備え、管轄区域内の結核患者などに関する事項を記録しなければならないと定められているため。
・結核登録票とは、患者の診断、治療状況、菌検査、服薬支援、経過観察などを継続的に管理するためのものです。感染症法第53条の12に基づき、保健所長は結核患者および一定の結核回復者を登録する。
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
Aさん(45歳、男性)は高校の国語教諭。9か月前の定期健康診断では特に異常はなかった。1か月ほど前から咳嗽が出現し、市販の咳止め薬で様子をみていた。昨日から咳嗽が増強し、発熱もみられたため近医を受診したところ、胸部エックス線検査で異常陰影が認められ、呼吸器外来のある病院を紹介された。喀痰塗抹抗酸菌検査陽性で結核菌PCR検査陽性が判明したため、感染性の肺結核と診断され、直ちに入院となった。診断した医師から保健所へ発生届が提出された。
42 Aさんの濃厚接触者に対する接触者健康診断を計画した。
他者への感染の可能性がある期間の始期はどれか。
1.前回の定期健康診断実施日の翌日
2.前回の定期健康診断実施日の3か月後
3.結核診断日の3か月前
4.発熱出現の2週前
5.発熱が出現した日
解答3
解説

(※引用:「改正感染症法に基づく結核の接触者健康診断の手引き」厚生労働省様HPより)
・Aさん(45歳、男性、高校の国語教諭)。
・9か月前の定期健康診断:特に異常なし。
・1か月ほど前:咳嗽が出現。
・昨日:咳嗽が増強、発熱もみられた。
・胸部エックス線検査:異常陰影が認められた。
・喀痰塗抹抗酸菌検査陽性:結核菌PCR検査陽性が判明した。
・感染性の肺結核と診断され、直ちに入院となった。
・診断した医師から保健所へ発生届が提出された。
→ほかの選択肢の消去理由もあげられるようにしよう
1.× 前回の定期健康診断実施日の翌日は、感染性期間の始期に該当しない。なぜなら、Aさんは、9か月前の定期健康診断では異常がなかったため。喀痰塗抹陽性肺結核では原則として診断日から3か月前を基本に接触者調査を行う。
2.× 前回の定期健康診断実施日の3か月後は、感染性期間の始期に該当しない。なぜなら、Aさんの場合、前回健診は9か月前で異常なしで、そこから3か月後、つまり診断の約6か月前を感染性期間の始期とする根拠がないため。結核の接触者健診では、感染源患者の排菌状況、症状、胸部画像、診断日などから感染性期間を推定する。
3.〇 正しい。結核診断日の3か月前は、感染性期間の始期に該当する。なぜなら、喀痰塗抹陽性の肺結核では、過去の画像所見や菌検査で感染性期間を明確に推定できる場合を除き、結核診断日の3か月前を感染性期間の始期とするため。
4~5.× 発熱出現の2週前/発熱が出現した日は、感染性期間の始期に該当しない。なぜなら、結核の感染性は発熱よりも、咳嗽などの呼吸器症状や排菌状況と関連して評価するため(排菌状況・診断日・症状から判断する)。結核では、発熱が出る前から咳や痰により結核菌を排出している可能性がある。そのため、発熱を基準に感染性期間を決めるのは不適切である。
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
Aさん(45歳、男性)は高校の国語教諭。9か月前の定期健康診断では特に異常はなかった。1か月ほど前から咳嗽が出現し、市販の咳止め薬で様子をみていた。昨日から咳嗽が増強し、発熱もみられたため近医を受診したところ、胸部エックス線検査で異常陰影が認められ、呼吸器外来のある病院を紹介された。喀痰塗抹抗酸菌検査陽性で結核菌PCR検査陽性が判明したため、感染性の肺結核と診断され、直ちに入院となった。診断した医師から保健所へ発生届が提出された。
43 Aさんの職場の高校では、教職員の結核発症を契機に平常時から適切な結核対策をとるため、保健所の指導を受けることとした。
保健所の保健師から高校への指導内容として適切なのはどれか。
1.「BCG未接種の生徒および教職員には接種を勧奨してください」
2.「結核患者が発生したクラスでは1週間の学級閉鎖を実施してください」
3.「咳が長引く教職員や生徒にはN95マスクをつけるよう指導してください」
4.「毎年度の職員健康診断ではインターフェロンγ遊離試験〈IGRA〉を全員に実施してください」
5.「職員健康診断の胸部エックス線検査で要精密となった教職員には速やかに専門医療機関での検査を促してください」
解答5
解説
・Aさん(45歳、男性、高校の国語教諭、感染性の肺結核)。
・職場の高校:教職員の結核発症を契機に平常時から適切な結核対策をとる。
→ほかの選択肢の消去理由もあげられるようにしよう。
1.× 「BCG未接種の生徒および教職員には接種を勧奨してください」と伝える必要はない。なぜなら、BCGは、主に乳幼児期の重症結核予防を目的とした定期接種であるため。したがって、高校生や成人の教職員に一律に接種勧奨するものではない。
・BCGワクチン(BCG接種)とは、ウシ型結核菌の実験室培養を繰り返して作製された細菌、および、それを利用した結核に対する生ワクチンである。1歳まで(標準として生後5か月から8か月まで)に1回接種する。主に小児の結核の発症・重症化予防に効果があるとされている。
2.× 「結核患者が発生したクラスでは1週間の学級閉鎖を実施してください」と伝える必要はない。なぜなら、結核は、インフルエンザのように短期間の学級閉鎖で感染拡大を抑える疾患ではないため。接触状況に応じた疫学調査と接触者健康診断が重要である。
3.× 「咳が長引く教職員や生徒にはN95マスクをつけるよう指導してください」と伝える必要はない。なぜなら、咳が続く本人にはサージカルマスク等で咳エチケットを行い、速やかに医療機関を受診させることが重要であるため。N95マスクは、主に結核患者に対応する医療従事者などが着用する防護具である。
・N95マスクとは、アメリカ合衆国労働安全衛生研究所のN95規格をクリアし、認可された微粒子用マスクのこと。N95マスクの役割は空気感染源を捕集し、着用者の呼吸器感染のリスクを低減することである。
4.× 「毎年度の職員健康診断ではインターフェロンγ遊離試験〈IGRA〉を全員に実施してください」と伝える必要はない。なぜなら、接触者健康診断などで対象を選んで実施するものであるため。
・インターフェロンγ遊離試験〈IGRA〉とは、結核患者との接触後に潜在性結核感染症を評価する際などに用いられる。
5.〇 正しい。「職員健康診断の胸部エックス線検査で要精密となった教職員には、速やかに専門医療機関での検査を促してください」と伝える。なぜなら、結核対策では、症状が軽い段階や健診異常の段階で早期に精密検査につなげ、発見の遅れによる校内感染を防ぐことが重要であるため。
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
A市では傷病分類別の標準化死亡比〈SMR〉による市の健康課題の把握と、課題への対策を検討するために実態調査を計画した。
44 ある疾患についての県とA市の年齢階級別死亡数を表に示す。
県を基準集団としたA市の標準化死亡比〈SMR〉を求めよ。
ただし、基準を100とし、小数点以下の数値が得られた場合には小数点以下第1位を四捨五入すること。

解答:①②③
①:0~9
②:0~9
③:0~9
解答128
解説
標準化死亡比(SMR)とは、期待死亡数と実際の死亡数の比をいう。年齢(階級)別死亡率が基礎集団(通常は全国)と同じであると仮定したときに期待(予測)される死亡数であり、実際の死亡数をこれで除したものが標準化死亡比(SMR)である。
① 県の年齢階級別死亡率を求める。
・40歳未満の年齢階級別死亡率
→200(県死亡数)÷400,000(県人口)=0.0005(県の死亡率)
・40~64歳の年齢階級別死亡率
→400(県死亡数)÷400,000(県人口)=0.001(県の死亡率)
・65歳以上の年齢階級別死亡率
→400(県死亡数)÷200,000(県人口)=0.002(県の死亡率)
② A市の期待死亡数を求める。
県の死亡率をA市の人口に当てはめる。
・40歳未満のA市の期待死亡数
6,000(A市人口)×0.0005(県の死亡率)=3人(A市の期待死亡数)
・40~64歳のA市の期待死亡数
6,000(A市人口)×0.001(県の死亡率)=6人(A市の期待死亡数)
・65歳以上のA市の期待死亡数
8,000(A市人口) 0.002(県の死亡率)=16人(A市の期待死亡数)
期待死亡数の合計:3+6+16=25人
③ SMRを求める。
A市の観察死亡数は32人である。
SMR=観察死亡数÷期待死亡数×100
今回のケースに当てはめると
SMR=32÷25×100
=128
次の文を読み44~46の問いに答えよ。
A市では傷病分類別の標準化死亡比〈SMR〉による市の健康課題の把握と、課題への対策を検討するために実態調査を計画した。
45 標準化死亡比〈SMR〉分析から脳血管疾患が重要課題であることが分かり、年齢、性別、栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、服薬、病歴について郵送法による無記名式の市民アンケート調査を行うことにした。
この調査について正しいのはどれか。
1.病歴は要配慮個人情報ではない。
2.相談や苦情の問合せ先は記載しない。
3.参加を拒否できる機会を設定しなくてはならない。
4.調査対象者以外の地域住民には研究内容の説明を行わない。
解答3
解説
・標準化死亡比〈SMR〉分析から脳血管疾患が重要課題である。
・郵送法による無記名式の市民アンケート調査を行う。
・年齢、性別、栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、服薬、病歴について答える。
→ほかの選択肢が消去できる理由もあげられるようにしよう。
1.× 病歴は、要配慮個人情報「である」。なぜなら、病歴は、不当な差別や偏見などの不利益が生じないように特に配慮して取り扱うべき情報であるため。
・要配慮個人情報とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいう(※引用:「個人情報の保護に関する法律」e-GOV法令検索様HPより)。
2.× 相談や苦情の問合せ先は記載「すべきである」。なぜなら、研究対象者や関係者からの相談・問合せ・苦情に適切かつ迅速に対応する体制が必要であるため。
3.〇 正しい。参加を拒否できる機会を設定しなくてはならない。なぜなら、研究参加は、自由意思に基づくものであり、参加しないことによって不利益を受けてはならないため。インフォームド・コンセントに関連する。
・インフォームド・コンセントとは、患者・家族が病状や治療について十分に理解し、また、医療職も患者・家族の意向や様々な状況や説明内容をどのように受け止めたか、どのような医療を選択するか、患者・家族、医療職、ソーシャルワーカーやケアマネジャーなど関係者と互いに情報共有し、皆で合意するプロセスである。
4.× 調査対象者以外の地域住民に「も」、研究内容の説明を「行うべきである」。なぜなら、地域住民という一定の集団を対象に実施するため。地域住民にも研究の内容や意義への理解を得るよう努める必要がある。例えば、A市では「脳血管疾患のSMRが高い」という地域課題をもとに市民調査を行う。この場合は、対象者への個別説明だけでなく、市の広報、ホームページ、保健センター窓口などで調査の目的、方法、結果の活用方針を周知することが望ましい。
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