第115回(R8) 看護師国家試験 解説【午後1~5】

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1 令和4年(2022年)の国民生活基礎調査で、男性の有訴者の症状で最も多いのはどれか。

1.頻尿
2.腰痛
3.肩こり
4.目のかすみ

解答

解説

(※図引用:「Ⅲ 世帯員の健康状況」厚生労働省HPより)

国民生活基礎調査とは?

国民生活基礎調査とは、保健、医療、福祉、年金、所得など国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画及び運営に必要な基礎資料を得るとともに、各種調査の調査客体を抽出するための親標本を設定することを目的とした厚生労働省が行う基幹統計調査である。

1.× 頻尿は、男性の有訴者率で第3位である。

2.〇 正しい。腰痛は、男性の有訴者率で第1位である。
・有訴者とは、病気やけが等で自覚症状のある者をいう。

3.× 肩こりは、男性の有訴者率で第2位である。

4.× 目のかすみは、女性の有訴者率で第4位である。
目のかすみは、老眼、白内障、ドライアイ、糖尿病網膜症、緑内障などでみられる。例えば、白内障のある高齢者が「視界がぼやける」「まぶしい」と訴えることはある。

 

 

 

 

 

2 要介護認定を行うのはどれか。

1.市町村
2.診療所
3.都道府県
4.介護保険審査会

解答

解説

(図引用:みんなの介護様HPより)

1.〇 正しい。市町村が要介護認定を行う。なぜなら、市町村は介護保険の保険者であり、介護認定審査会の判定結果に基づいて要介護認定を行うため。

2.× 診療所は、要介護認定を直接行う主体ではない。なぜなら、介護保険制度において、診療所や医師の役割は、主に主治医意見書の作成であるため。
・診療所とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であって、患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。

3.× 都道府県は、要介護認定を直接行う主体ではない。なぜなら、都道府県は、介護保険制度において、市町村支援、介護サービス事業者の指定・指導、介護保険審査会の設置などの役割を持つため。

4.× 介護保険審査会は、要介護認定を直接行う主体ではない。なぜなら、介護保険制度において、介護保険審査会は、主に認定結果などへの不服申立てを扱う機関であるため。ここで混同しやすいのは、介護認定審査会と介護保険審査会である。介護認定審査会は、市町村に設置され、一次判定結果や主治医意見書などに基づいて二次判定を行う。一方、介護保険審査会は、認定結果などに不服がある場合の審査請求を扱う機関である。
・介護保険審査会とは、介護サービスの利用に関する不服申し立てを審査・判断する公的な機関である。処分に違法または不当な点がないかを審査し、審査請求に理由があると認めたときは、裁決により処分の全部又は一部を取り消し、区市町村が改めて処分をやり直すことになる。

覚えるべき要点:介護保険審査会は不服申立て、要介護認定は市町村。

介護保険法とは?

介護保険法とは、1997年12月に公布された法律で、40歳以上で介護が必要になった人の自立生活を支援するために、国民が負担する保険料や税金を財源として、日常生活の行為にかかるさまざまな介助やリハビリなどのサービスにかかる給付を行うことを目的にしている。加齢に伴って生じる心身の変化による疾病等により介護を要する状態となった者を対象として、その人々が有する能力に応じ、尊厳を保持したその人らしい自立した日常生活を営むことができることを目指している。

 

 

 

 

3 介護保険制度における、最も高い自己負担割合はどれか。

1.1割
2.3割
3.5割
4.7割

解答

解説

介護保険法とは?

介護保険法とは、1997年12月に公布された法律で、40歳以上で介護が必要になった人の自立生活を支援するために、国民が負担する保険料や税金を財源として、日常生活の行為にかかるさまざまな介助やリハビリなどのサービスにかかる給付を行うことを目的にしている。加齢に伴って生じる心身の変化による疾病等により介護を要する状態となった者を対象として、その人々が有する能力に応じ、尊厳を保持したその人らしい自立した日常生活を営むことができることを目指している。

1.× 1割は、介護保険制度における、最も「低い」自己負担割合である。
・介護サービスの自己負担は、1~3割と収入に応じて異なる。65歳以上の方は1割または一定以上の所得のある場合は2割、特に所得の高い場合は3割となる。40歳から64歳までの方は1割となる。

2.〇 正しい。3割は、介護保険制度における、最も高い自己負担割合である。なぜなら、介護保険の利用者負担割合は1割、2割、3割の範囲で設定されており、その上限が3割であるため。
・介護サービスの自己負担は、1~3割と収入に応じて異なる。65歳以上の方は1割または一定以上の所得のある場合は2割、特に所得の高い場合は3割となる。40歳から64歳までの方は1割となる。

3~4.× 5割/7割は、介護保険制度における利用者の自己負担割合ではない

 

 

 

 

 

4 患者が治療について十分な説明を受け、自己決定する権利の行使を支えるのはどれか。

1.ラポール
2.ケアリング
3.コーピング
4.インフォームド・コンセント

解答

解説

1.× ラポールとは、疎通性のよい対人関係を指し、医療スタッフと患者・家族などとの間に高い信頼関係があることをいう。ラポールには3原則とされる要素があり、①相手を肯定・尊重すること、②類似性・行動の同調、③ペーシングとリーディングである。ペーシングとは、話し方や呼吸のペース、視線、精神状態などを相手に合わせることである。ペーシングにより距離を縮めたあとは、質問や提案を会話に含めて会話をリードするリーディングが有効となる。

2.× ケアリングとは、メイヤロフ.M.が提唱し、他者の自己実現を援助する行動である。そこでは、ケアするひとがケアされるひとを受け容れることが求められるのだが、それと同時に、ケアされるひともケアするひとを受け容れる必要がある。つまり、ケアリングにおいては、ケアするひとの働きかけとケアされるひとの応答が要請されるのである。

3.× コーピングとは、心理学用語でストレスへの対処法や努力のことをさす。ラザルスは「8つ種類がある」とされ、逃避型とは問題を忘れようとお酒を飲んだり、逃げたいと考えたりするやりかたである。人に当たり散らしたり、問題を他人のせいにしたりすることもここに含まれる。

4.〇 正しい。インフォームド・コンセントは、患者が治療について十分な説明を受け、自己決定する権利の行使を支えるものである。
・インフォームド・コンセントは、「十分な説明を受けたうえでの同意・承諾」を意味する。医療者側から診断結果を伝え、治療法の選択肢を提示し、予想される予後などについて説明したうえで、患者自らが治療方針を選択し、同意のもとで医療を行うことを指す。診断結果の伝達には「癌の告知」という重要な問題も含まれる。

 

 

 

 

 

5 看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定されている都道府県ナースセンターの業務はどれか。

1.訪問看護業務
2.看護師免許証の交付
3.看護師等への無料の職業紹介
4.特定行為に係る看護師の研修

解答

解説

看護師等の人材確保の促進に関する法律とは?

この法律は、我が国における急速な高齢化の進展及び保健医療を取り巻く環境の変化等に伴い、看護師等の確保の重要性が著しく増大していることにかんがみ、看護師等の確保を促進するための措置に関する基本指針を定めるとともに、看護師等の養成、処遇の改善、資質の向上、就業の促進等を、看護に対する国民の関心と 理解を深めることに配慮しつつ図るための措置を講ずることにより、病院等、看護を受ける者の居宅等看護が提供される場所に、高度な専門知識と技能を有する看護師等を確保し、もって国民の保健医療の向上に資することを目的とする。

(業務) 第十五条 都道府県センターは、当該都道府県の区域内において、次に掲げる業務を行うものとする。 ①病院等における看護師等の確保の動向及び就業を希望する看護師等の状況に関する調査を行うこと。
②訪問看護、その他の看護についての知識及び技能に関し、看護師等に対して研修を行うこと。
③前号に掲げるもののほか、看護師等に対し、看護についての知識及び技能に関する情報の提供、相談その他 の援助を行うこと。
④第十二条第一項に規定する病院その他の病院等の開設者、管理者、看護師等確保推進者等に対し、看護師等 の確保に関する情報の提供、相談その他の援助を行うこと。
看護師等について、無料の職業紹介事業を行うこと
⑥看護師等に対し、その就業の促進に関する情報の提供、相談その他の援助を行うこと。
⑦看護に関する啓発活動を行うこと。
⑧前各号に掲げるもののほか、看護師等の確保を図るために必要な業務を行うこと。

(※引用:「看護師等の人材確保の促進に関する法律」厚生労働省HPより)。

1.× 訪問看護業務は、都道府県ナースセンターの業務ではない。しかし、「②訪問看護、その他の看護についての知識及び技能に関し、看護師等に対して研修を行うこと」が記載されている。ちなみに、訪問看護業務を行っているのは、病院・診療所等の訪問看護事業所と訪問着護ステーションである。
・訪問看護業務とは、病気や障害のある人の自宅を看護師等が訪問し、療養上の世話や診療の補助を行うサービスである。

2.× 看護師免許証の交付は、都道府県ナースセンターの業務ではない。保健師助産師看護師法 第七条に「看護師になろうとする者は、看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない」と記載されている(※一部引用:「保健師助産師看護師法 第七条」e-GOV法令検索様HPより)。

3.〇 正しい。看護師等への無料の職業紹介は、都道府県ナースセンターの業務である。「⑤看護師等について、無料の職業紹介事業を行うこと」と記載されている。ちなみに、都道府県ナースセンターは都道府県知事が指定する。

4.× 特定行為に係る看護師の研修は、都道府県ナースセンターの業務ではない。なぜなら、特定行為研修は、厚生労働大臣が指定する指定研修機関で行われる制度であるため。
・特定行為とは、高度な技能と知識を必要とされる診療の補助行為のことを指す。診療の補助であり、看護師が手順書により行う場合には、実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされる行為のことである。

 

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