第104回(R3) 助産師国家試験 解説【午後26~30】

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26 切迫早産で入院中の妊婦。持続点滴静脈内注射で硫酸マグネシウムの投与が行われている。
 高マグネシウム血症のリスクが高まる状態はどれか。

1.肥満
2.不眠
3.便秘
4.尿量減少
5.羊水過少

解答

解説

妊婦に対する硫酸マグネシウム

【作用効果】
①切迫早産における子宮収縮の抑制
②重症妊娠高血圧症候群における子癇の発症抑制及び治療

【副作用】
マグネシウム中毒(眼瞼下垂、膝蓋腱反射の消失、筋緊張低下、心電図異常(房室ブロック、伝導障害)、呼吸数低下、呼吸困難等)
②心(肺)停止、呼吸停止、呼吸不全
③横紋筋融解症
④肺水腫
⑤イレウス(腸管麻痺)

(※参考「医療用医薬品 : マグセント」より)

1~3.5.× 肥満/不眠/便秘/羊水過少は、高マグネシウム血症のリスクが高まる状態とはいえない。高マグネシウム血症とは、血清マグネシウム濃度が2.6mg/dL(1.05mmol/L)を上回ったことである。主な原因は腎不全が多い。症状としては、低血圧、呼吸抑制、心停止などがある。診断は血清マグネシウム濃度の測定による。治療にはグルコン酸カルシウムの静注があり、フロセミドを投与してもよい。重症例では血液透析が役立つ場合がある。
4.〇 正しい。尿量減少は、高マグネシウム血症のリスクが高まる状態である。硫酸マグネシウムは切迫早産における子宮収縮の抑制目的で使用される。尿量減少などの腎機能障害のある妊婦はマグネシウム排泄障害により血中マグネシウム濃度が上昇し高マグネシウム血症を引き起こす可能性がある。

 

 

 

 

 

 

27 正常な妊娠経過の経産婦に認められる所見と妊娠週数の組合せで正しいのはどれか。

1.Piskacek〈ピスカチェック〉徴候:妊娠16週ころ
2.胎動初覚:妊娠18週ころ
3.前駆陣痛:妊娠24週ころ
4.組織学的内子宮口開大:妊娠28週ころ
5.産徴:妊娠34週ころ

解答

解説

1.× Piskacek〈ピスカチェック〉徴候は、「妊娠16週ころ」ではなく妊娠6〜12週頃に著明となる。Piskacek〈ピスカチェック〉徴候とは、妊娠初期には子宮の増大が均等に進まず、着床部が膨隆し柔らかくなる徴候である。
2.〇 正しい。胎動初覚は、「妊娠18週ころ(経産婦)」に著明となる。胎動初覚とは、初めて胎児が動いたことを感じることで、①経産婦は妊娠18週頃、②初産婦は妊娠20週頃に著明となる。
3.× 前駆陣痛は、「妊娠24週ころ」ではなく妊娠28週以降に著明となる。前駆陣痛とは、妊娠28週以降の妊娠末期に起こる間隔が不規則な陣痛のことである。前駆陣痛とは、臨月におこることが多い、腹痛や腰痛のことで、あたかも陣痛のように痛みを伴う子宮収縮であるが、間隔や持続時間が不規則であるのが特徴である。
4.× 組織学的内子宮口開大は、「妊娠28週ころ」ではなく分娩第2期の娩出期に著明となる。妊娠22週から37週未満で、組織学的内子宮口開大が認められた場合は、切迫早産が疑われる。組織学的内子宮口とは、子宮内膜と子宮頸部内膜との境界を示し、解剖学的内子宮口は肉眼的な子宮腔と子宮頸管の組織学的な境界を示す。分娩第1期間に解剖学的内子宮口が開大し生理的収縮輪と呼ばれる。その後分娩第2期に組織学的内子宮口開大する。
5.× 産徴は、「妊娠34週ころ」ではなく分娩第1期の開口期に見られる。産徴とは、お産の開始頃にみられる血性で粘液性のおりものをいう。赤ちゃんを包んでいる卵膜は、初めは子宮壁に付着しているが、子宮頸管が少しずつ開大すると卵膜は子宮壁から剥がれ出し、出血が起こる。この出血が頚管の粘液とともに排出されたものが産徴(おしるし)である。子宮口が開大し始めると内子宮付近の卵膜が子宮壁から剥がれ、血液と粘液が混じった分泌物を認めることである。

 

 

 

 

28 40歳の初産婦。妊娠経過は順調であったが、妊娠38週の妊婦健康診査で血圧が140/95mmHgとなり、分娩誘発が行われて順調に経腟分娩した。産褥1日目に突然「胃のあたりが痛い」と訴え、苦悶様表情を浮かべている。意識は清明で血圧170/110mmHg、脈拍100/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)である。
 直ちに行うべき検査はどれか。

1.上部消化管内視鏡検査
2.胸部エックス線撮影
3.肝機能の血液検査
4.血液ガス分析
5.脳波検査

解答

解説

本症例のポイント

40歳の初産婦(妊娠経過:順調)
・妊娠38週の妊婦健康診査:血圧140/95mmHg
・分娩誘発が行われて順調に経腟分娩。
・産褥1日目に突然「胃のあたりが痛い」と訴え、苦悶様表情を浮かべている。
・意識は清明、血圧170/110mmHg、脈拍100/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。
→本症例は、妊娠高血圧症候群が疑われる。妊娠高血圧症候群の合併症は、合併症には子癇発作や高血圧による脳出血、心不全、肺水腫、HELLP症候群、常位胎盤早期剥離、胎児発育不全、胎盤機能不全など多岐に渡る。ちなみに、妊娠高血圧症候群とは、妊娠時に高血圧(血圧140/90mmHg以上)を発症した場合をいう。妊娠前から高血圧を認める場合、もしくは妊娠20週までに高血圧を認める場合を高血圧合併妊娠という。妊娠20週以降に高血圧のみ発症する場合は妊娠高血圧症、高血圧と蛋白尿を認める場合は妊娠高血圧腎症と分類される。

1.× 上部消化管内視鏡検査より優先度が高いものが他にある。上部消化管内視鏡とは、一般に消化器科にて用いられる内視鏡もしくは検査・治療手技のこと。食道、胃、十二指腸までの上部消化管を観察する。主な適応疾患として①逆流性食道炎、②胃炎(ピロリ菌未感染、ピロリ菌現感染、ピロリ菌既感染・除菌後)、③胃ポリープ、④十二指腸潰瘍、⑤食道がんなどである。
2.× 胸部エックス線撮影より優先度が高いものが他にある。胸部エックス線撮影は肺や心臓の状態を調べる検査であり、主な適応疾患として、肺結核や肺炎などの炎症、肺癌、肺膿傷、肺気腫などの疾患や、気管支拡張症、心臓肥大などである。
3.〇 正しい。肝機能の血液検査は直ちに行うべき検査である。HELLP症候群とは、妊娠中あるいは産褥期に溶血(hemolysis)、肝酵素上昇(elevated liver enzymes)、血小板減少(low platelet)を呈し、多臓器障害をきたして母体生命を脅かす重篤な妊産婦救急疾患である。主な症状は上腹部(心窩部あるいは右季肋部)痛であり、嘔気や嘔吐、強い倦怠感を伴うこともある。今回妊娠時に高血圧を発症した妊娠高血圧症候群であり、妊娠高血圧症候群は重症になると血圧上昇、蛋白尿に加えてけいれん発作(子癇)、脳出血、肝臓や腎臓の機能障害、HELLP症候群などを引き起こすことがある。直ちに行う検査としては、HELLP症候群の3徴候である①溶血、②肝酵素上昇、③血小板減少を血液検査所見で確認する。
4.× 血液ガス分析より優先度が高いものが他にある。血液ガス分析とは、血液中に含まれる酸素や二酸化炭素の量、pHを測定する検査である。主に呼吸器疾患(呼吸性アシドーシス、呼吸性アルカローシス、代謝性アシドーシス、代謝性アルカローシスなど)などを精査するために実施する。
5.× 脳波検査より優先度が高いものが他にある。脳波検査は、主にてんかんや意識障害、痙攣発作などの場合に行われる。

 

 

 

 

 

 

29 日齢5の正期産新生児。哺乳は良好だが、胸部聴診で収縮期心雑音を聴取した。聴取した心雑音の最強点を図に示す。バイタルサインは、体温37.2℃、呼吸数80/分、心拍数150/分(整)、血圧65/40mmHg、下肢の経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉99 %(room air)であった。
 心雑音の原因として最も考えられるのはどれか。

1.機能性心雑音
2.重症肺動脈狭窄症
3.心室中隔欠損症
4.総肺静脈還流異常症
5.動脈管開存症

解答

解説

本症例のポイント

・正期産新生児(日齢5)。
・哺乳:良好、胸部聴診:収縮期心雑音を聴取。
・バイタルサイン:体温37.2℃、呼吸数80/分、心拍数150/分(整)、血圧65/40mmHg、下肢の経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉99 %(room air)
→本症例は、心室中隔欠損症が疑われる。なぜなら、本症例は日齢5にもかかわらず、バイタルサインの呼吸数が安静時から呼吸数80/分(多呼吸)となっているため。多呼吸が生後2~3日後も続く場合は、肺血流量増加型の心疾患(心室中隔欠損症)が疑われる。ちなみに、心室中隔欠損症の症状として、①肺動脈に血液が多く流れることにより、肺に血液がうっ滞する現象である「肺うっ血」や肺動脈の血圧が上昇する「肺高血圧」という状態を引き起こす。それにより呼吸が苦しくなり、多呼吸(呼吸数の増加)や陥没呼吸(肋骨の下が凹む呼吸様式)という呼吸器症状が初めに見られ、呼吸が苦しいことで哺乳不良や体重増加不良へとつながる。これらの症状を心不全症状と呼ぶ。

1.× 機能性心雑音より優先度が高いものが他にある。なぜなら、本症例は日齢5にもかかわらず、バイタルサインの呼吸数が安静時から呼吸数80/分(多呼吸)となっているため。機能性心雑音(無害性心雑音)とは、駆出性収縮期雑音が聴取され心臓に病気が無いのに聞こえる雑音で、血液が心臓を流れる際に心臓の壁や弁にあたるときに生じる音である。ちなみに、心雑音には、①機能性心雑音と②病的心雑音の2種類がある。
2.× 重症肺動脈狭窄症より優先度が高いものが他にある。肺動脈弁狭窄症とは、肺動脈流出路が狭小化することによって、収縮期の右室から肺動脈への血流が妨げられる病態である。ほとんどの症例が先天性であり、多くは成人期まで無症状である。徴候としては漸増漸減性の駆出性雑音(例:II音の分裂開大およびP2の遅延、粗い)などがある。診断は心エコー検査による。症状がみられる患者と圧較差が大きい患者には、バルーン弁形成術が必要である。
3.〇 正しい。心室中隔欠損症が心雑音の原因として最も考えられる。心室中隔欠損症では、聴診で胸骨左縁第2~3肋間駆出性収縮期心雑音が聴取される。なぜなら、本症例は日齢5にもかかわらず、バイタルサインの呼吸数が安静時から呼吸数80/分(多呼吸)となっているため。多呼吸が生後2~3日後も続く場合は、肺血流量増加型の心疾患(心室中隔欠損症)が疑われる。ちなみに、心室中隔欠損症とは、心室を隔てる壁に穴が開いているため血液の交通が生じる病気である。欠損を通る血液は左心室から右心室へ流れ、肺動脈に血液が多く流れることにより、肺うっ血や肺高血圧を引き起こす。多呼吸や陥没呼吸という呼吸器症状がみられ、哺乳不良や体重増加不良などの心不全症状が生じる。心室中隔欠損症の症状として、①肺動脈に血液が多く流れることにより、肺に血液がうっ滞する現象である「肺うっ血」や肺動脈の血圧が上昇する「肺高血圧」という状態を引き起こす。それにより呼吸が苦しくなり、多呼吸(呼吸数の増加)や陥没呼吸(肋骨の下が凹む呼吸様式)という呼吸器症状が初めに見られ、呼吸が苦しいことで哺乳不良や体重増加不良へとつながる。これらの症状を心不全症状と呼ぶ。
4.× 総肺静脈還流異常症より優先度が高いものが他にある。なぜなら、総肺静脈還流異常症の場合は、①II音の亢進や②軽度の収縮期雑音を聴取できるため。総肺静脈還流異常症とは、すべての肺静脈が左心房には還らずに、上大静脈・門脈・右心房など体静脈に還流している先天性心疾患である。チアノ-ゼ心不全を生じるが、チアノーセが軽い例では多呼吸、体重増加不良などの所見しか認めないため診断が遅れることがある。
5.× 動脈管開存症より優先度が高いものが他にある。なぜなら、動脈管開存症の場合は、特徴的な所見として連続性心雑音がみられるため。動脈管開存症とは、胎児期に開存している大動脈と肺動脈間に存在する動脈管が出生後も自然閉鎖せず開存状態を維持した疾患である。つまり、出生後に動脈管が自然閉鎖しない病気である。大動脈から肺動脈への短絡が生じ、管が大きいと左心系の容量負荷になる。出生後は肺動脈圧が下がるため、胎児期とは逆に大動脈から肺動脈へ血液が流れるようになり、肺の血流が増加する。したがって、典型例では、ピークがⅡ音に一致した漸増・漸減型で、高調・低調両成分に富む荒々しい雑音(machinery murmur)が左第2肋間を中心に聴取される。

子どもの心雑音とは?

収縮期心雑音とは、収縮期に発生する雑音のことである。心臓には血液を全身に送り出す①収縮期と、血液を心臓内に貯めこむ②拡張期の2つの周期がある。心雑音はこの収縮期に発生する雑音(収縮期雑音)と、拡張期に発生する雑音(拡張期雑音)がある。 

心音は、「ドックン、ドックン」と表記するが、これ以外の音が聞こえたり、通常よりも一部の音が大きく聞こえることを一般的に「心雑音」と呼ぶ。この場合、「心音の異常」という意味で「心雑音」が使われるが、正確には間違っています。「心音の異常」のうち、心臓および心臓に近い太い血管の中を通る血流により発生する異常を心雑音と呼ぶ。また、心音の異常は①病的心雑音と②無害性雑音に分けられる。①病的心雑音は、心臓や血管が狭い場合や逆流がある場合に聞こえることが多い。一方で、②無害性雑音は、血流が勢いよく流れていることで乱流が生じる原因が多い。

【心音の異常の種類】
・異常心音:Ⅰ音、Ⅱ音の音が亢進、減弱する。また、正常でも呼吸によって、Ⅱ音は二つに分かれて聞こえるが、呼吸によらず常に分かれて聞こえることもある(固定性分裂)。ちなみに、「ドックン」の「ドッ」であるⅠ音と「クン」であるⅡ音に分かれ、Ⅰ音とⅡ音の間を収縮期と呼び、Ⅱ音からⅠ音の間を拡張期と呼ぶ。

・過剰音:心雑音よりも短い、瞬間的に聞こえる音である。収縮期に聞こえる駆出音やクリック音やⅢ音、Ⅳ音というものがこれにあたる。

・心雑音
①収縮期雑音:駆出性雑音、逆流性雑音、機能性雑音がある。
②拡張期雑音:Ⅱ音から続いて聞こえる音(blowing murmur)、Ⅱ音とつながりがなく聞こえる音(rumbling murmur)がある。
③収縮期・拡張期雑音:連続性雑音、収縮期拡張期雑音(to and flow murmur)がある。

(※参考「子どもの心雑音」コアラ小児科アレルギー科様HPより)

 

 

 

 

30 Aさん(31歳、既婚)。妊娠歴なし。会社の子宮頸がん検診で細胞診異常の指摘を受けた。その後、挙児希望があり、婦人科外来を受診した。子宮頸部組織検査で軽度異形成(CIN1)、ヒトパピローマウイルス〈HPV〉核酸検査で16型陽性であった。
 助産師の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.「出産後には自然治癒します」
2.「定期的に産婦人科に通院しましょう」
3.「妊娠のためには人工授精が必要です」
4.「頸部病変の悪化がなければ妊娠することができます」
5.「すぐに子宮頸癌のワクチンの接種を受けてください」

解答2・4

解説

本症例のポイント

・Aさん(31歳、既婚、妊娠歴なし)
・会社の子宮頸がん検診で細胞診異常の指摘を受けた。
・その後、挙児希望があり、婦人科外来を受診した。
・子宮頸部組織検査:①軽度異形成(CIN1)、②ヒトパピローマウイルス〈HPV〉核酸検査で16型陽性。
→①子宮頸部異形成とは、子宮頸癌の前段階であり、軽度異形成(CIN1) 、中等度異形成(CIN2) 、高度異形成(CIN3)の3段階がある。軽度異形成(CIN1) 、中等度異形成(CIN2) の場合は自然治癒することもあるが、出産後に必ず自然治癒するとは言えないため経過観察や必要に応じて治療が必要である。

②ヒトパピローマウイルス〈HPV〉核酸検査で16型陽性について、子宮がんの原因になると考えられているヒトパピローマウイルス〈HPV〉ウイルスには、将来がんになる可能性の高いハイ・リスクグループが20種類位あると考えられている。その中でも16型と18型が特に危険で、16型が平均「1年以上感染していると」、将来要注意になる確率が高いという研究結果が出た。ヒトパピローマウイルス〈HPV〉16型陽性と判定された人が平均1年後に再度陽性と判定されると、将来、前がん状態の1つと考えられる中等度異形成上皮やそれ以上の病的な状態になる確率が高くなるというものである。

1.× 「出産後には自然治癒します」と断言することはできない子宮頸部異形成とは、子宮頸癌の前段階であり、軽度異形成(CIN1) 、中等度異形成(CIN2) 、高度異形成(CIN3)の3段階がある。軽度異形成(CIN1) 、中等度異形成(CIN2) の場合は自然治癒することもあるが、出産後に必ず自然治癒するとは言えないため経過観察や必要に応じて治療が必要である。また、軽度異形成(CIN1)は、6か月ごとに細胞診と必要に応じてコルポスコピーでフォローすることが勧められている。ちなみに、コルポスコピーとは、腟の外にカメラ機器を置き、腟の奥にある子宮頸部を拡大観察する検査法である。
2.〇 正しい。「定期的に産婦人科に通院しましょう」と説明する。軽度異形成(CIN1) の定期的に産婦人科に通院し、妊娠中にも細胞診やコルポスコープを数回行い経過観察する必要がある。
3.× 「妊娠のためには人工授精が必要です」は誤った説明である。軽度異形成(CIN1)では自然妊娠は可能である。
4.〇 正しい。「頸部病変の悪化がなければ妊娠することができます」と説明する。子宮頸癌は妊娠初期の検査にも含まれており、進行が進んでおらず頸部病変の悪化がなければ妊娠できる。
5.× 「すぐに子宮頸癌のワクチンの接種を受けてください」と説明する優先度が低い。なぜなら、ヒトパピローマウイルス〈HPV〉感染症を防ぐワクチン(HPVワクチン)は、小学校6年~高校1年相当の女子を対象に、定期接種が行われているため。ヒトパピローマウイルス〈HPV〉ワクチンは、子宮頸がんをおこしやすいタイプであるHPV16型と18型の感染を防ぐことができ、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぐ。本症例の場合は、すでに「ヒトパピローマウイルス〈HPV〉核酸検査で16型陽性」と診断されている。

挙児希望とは?

挙児希望とは、医療現場では来院時に子どもを生むことを希望している場合を呼ぶ。ただし、施設や論文の中で、それぞれ厳密に異なるときがあり、すぐにではなくとも将来的に子どもを望んでいれば 「挙児希望」に含まれることもある。

 

 

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