第106回(R5)助産師国家試験 解説【午後11~15】

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11 Aさん(28歳、初産婦)は妊娠38週0日、身長160cm、体重66kg(非妊時体重55kg)である。児は頭位で回旋異常はない。児の推定体重は2,800g。
 分娩の進行状況と呼吸法の誘導の組合せで適切なのはどれか。

1.子宮口全開大、肛門圧迫感はない。:陣痛発作時に努責を促す。
2.児頭が排臨し抑えきれない努責感がある。:努責しないよう促す。
3.児の後頭結節が恥骨弓下を滑脱する。:陣痛間欠時に努責を促す。
4.児頭が発露し第3回旋する。:短息呼吸を促す。

解答

解説

”児頭の産道通過機転”

第1回旋(屈曲):児頭が骨盤入口部に進入する時、児頭は両耳結合線を軸とする横軸回旋をして強い前屈位をとる(後頭位)。この第1回旋により、先進部は小泉門となり、小斜径で産道に接するようになる。
第2回旋(内回旋):児頭は先進する小泉門が常に母体前方に向かうように、胎児長軸を軸とする縦軸回旋をしながら下降する(前方後頭位)。分娩所要時間のうち、この過程に最も時間を要する。
第3回旋(伸展):児頭後頭部が恥骨結合下を通過して、後部が恥骨下縁に接すると、そこを支点として頭部が反屈状に横軸回旋する。この運動によって、児頭は前頭、顔面、オトガイ部の順に会陰を滑って娩出される。第1回旋の逆の動きである。
第4回旋(外回旋):児頭娩出に引き続き、肩甲の下降が起こり、それに伴って児の顔面が母体大腿内側を向く縦軸回旋をする。第2回旋の逆の動きである。

第1・第3回旋:胎児の姿勢を変化させる回旋(胎勢回旋・横軸回旋)である。
第2・第4回旋:体幹の向きが移動する回旋(胎向回旋・縦軸回旋)である。

1.× 子宮口全開大、肛門圧迫感はない段階は、「分娩第1期」である。陣痛発作時に努責を促すのは、「分娩第2期以降」である。早いタイミングで努責(いきみ)を行うと産道に傷がついたり赤ちゃんの頭に無理がかかったりする。分娩第1期は呼吸法や肛門圧迫で努責(いきみ)を逃す。
2.× 児頭が排臨し抑えきれない努責感があるのは、「分娩第2期」である。排臨とは、第2期に起こる陣痛発作時に陰裂間に児頭が見えて陣痛間欠期には見えなくなる現象である。一方、努責しないよう促すのは、「分娩第1期」である。早いタイミングで努責(いきみ)を行うと産道に傷がついたり赤ちゃんの頭に無理がかかったりする。分娩第1期は呼吸法や肛門圧迫で努責(いきみ)を逃す。
3.× 児の後頭結節が恥骨弓下を滑脱するのは、「分娩第2期(第3回旋)」である。陣痛間欠時に努責を促すことは、分娩時を通して行わない。なぜなら、陣痛間欠時に努責を促すことは、母体の損傷につながりかねないため。陣痛間欠とは、個々の収縮を陣痛発作、発作終了から次の発作までの休止をいう。
4.〇 正しい。児頭が発露し第3回旋したとき、短息呼吸を促すことは誘導の組合せで適切といえる。発露とは、陣痛が増強して胎児がさらに下降して児頭は陣痛間欠期でも後退しなくなる状態である。短息呼吸とは、赤ちゃんの頭が出る瞬間に会陰部を傷つけないよう、お腹の力をゆるめて自然に産道を通過させるために行う。いきみから短息呼吸への切り替えは、助産師がリードする。〈方法〉①両手を胸に置き、体中の筋肉をゆるめ、口を開けハッハッハッと息を早く吐く呼吸をする。②息が続かなくなったら、息つぎをする。

分娩期

【分娩第1期】
陣痛の開始から、子宮口(子宮頸部)が完全に開く(全開大、約10cm)までの期間を指す。

・分娩第1期
「①潜伏期」と「②活動期」に分けられる。
①潜伏期:陣痛がリズミカルになり、子宮頸部が薄くなり4cmほど開いた状態まで(初産婦で12時間・経産婦で5時間程度かかる)の時期を示す。
②活動期:子宮口が4センチから10cm(全開)に開き、胎児の一部が胎盤内に降りてくる(初産婦で3時間・経産婦で2時間程度かかる)。いきみたくなって来る段階である。

・分娩第2期:赤ちゃんが産道を通っている間
子宮口が完全に開大してから胎児を娩出するまでの期間を指す。この段階は初産婦では平均45~60分間、経産婦では15~30分間続く。

・分娩第3期:「後産」の時期
胎児を娩出してから胎盤を娩出するまでの期間である。この段階は数分間で終わるのが普通であるが、最大30分ほど続くこともある。

 

 

 

 

 

12 第2前方後頭位での正常分娩における児頭の娩出機転で正しいのはどれか。

1.児頭の先進部がHodge〈ホッジ〉骨盤平行平面区分で第3平行平面にある場合、矢状縫合は骨盤横径に一致する。
2.児頭の最大周囲径が骨盤入口部にある場合、小泉門は2時方向にある。
3.児頭の最大周囲径が骨盤峡部にある場合、大泉門は7時方向にある。
4.骨重積は左頭頂骨が右頭頂骨の上に重なる。

解答

解説

(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」)

(※図引用:「C.産婦人科検査法16.骨盤計測」)

1.× 児頭の先進部がHodge〈ホッジ〉骨盤平行平面区分で、「第3平行平面」ではなく第2平行平面にある場合、矢状縫合は骨盤横径に一致する。ちなみに、第3平行平面にある場合、矢状縫合は骨盤斜径に一致する。
2.× 児頭の最大周囲径が骨盤入口部にある場合、小泉門は「2時」ではなく8方向にある。なぜなら、第1回旋に相当し、糸状縫合が骨盤横径に一致するため。
3.× 児頭の最大周囲径が骨盤峡部にある場合、大泉門は「7時」ではなく5時方向にある。なぜなら、矢状縫合は、骨盤濶部では骨盤斜径に、骨盤峡部では前後径に一致するため。
4.〇 正しい。骨重積は左頭頂骨が右頭頂骨の上に重なる。骨重積とは、児頭が産道を通過する際に周囲から強く圧迫され、頭骨の辺縁が互いに重なり合うことである。母体の骨盤に合わせて変形し、産道内通過が容易になるこの胎児の頭蓋が変形する性質を応形機能という。

Hodgeの平行平面

ホッジの平行平面とは、骨盤入口平面に平行な4つの平面を想定して区分する方法である。主にX線写真にて評価する。CP(chief plane:主要面)という表現を用いる。

CPⅠ : 第Ⅰ平行平面(岬角ー恥骨結合上縁)(骨盤入口平面)
CPⅡ : 第Ⅱ平行平面(恥骨結合下縁で入口平面に平行)
CPⅢ : 第Ⅲ平行平面(坐骨棘で入口平面に平行)
CPⅣ : 第Ⅳ平行平面(仙骨先端で入口平面に平行)

”児頭の産道通過機転”

第1回旋(屈曲):児頭が骨盤入口部に進入する時、児頭は両耳結合線を軸とする横軸回旋をして強い前屈位をとる(後頭位)。この第1回旋により、先進部は小泉門となり、小斜径で産道に接するようになる。
第2回旋(内回旋):児頭は先進する小泉門が常に母体前方に向かうように、胎児長軸を軸とする縦軸回旋をしながら下降する(前方後頭位)。分娩所要時間のうち、この過程に最も時間を要する。
第3回旋(伸展):児頭後頭部が恥骨結合下を通過して、後部が恥骨下縁に接すると、そこを支点として頭部が反屈状に横軸回旋する。この運動によって、児頭は前頭、顔面、オトガイ部の順に会陰を滑って娩出される。第1回旋の逆の動きである。
第4回旋(外回旋):児頭娩出に引き続き、肩甲の下降が起こり、それに伴って児の顔面が母体大腿内側を向く縦軸回旋をする。第2回旋の逆の動きである。

第1・第3回旋:胎児の姿勢を変化させる回旋(胎勢回旋・横軸回旋)である。
第2・第4回旋:体幹の向きが移動する回旋(胎向回旋・縦軸回旋)である。

 

 

 

 

 

13 Aさん(32歳、初産婦)は妊娠39週2日、5時に陣痛発来し11時に入院した。17時の内診所見は子宮口6cm開大、Station-1。19時に訪室するとベッドに横になり、陣痛間欠3分、陣痛発作30秒であった。内診所見は子宮口7cm開大、Station±0、未破水、バイタルサインは、体温36.7℃、脈拍76/分、整、血圧122/64mmHgであった。胎児心拍数陣痛図はreassuring fetal statusであった。
 このときの助産師の対応で適切なのはどれか。

1.水分摂取を控えるよう説明する。
2.病棟の廊下の歩行を勧める。
3.医師に連絡する。
4.人工破膜を行う。

解答

解説

(※図引用:「Friedman曲線」20.正常経腟分娩の管理より)

本症例のポイント

・Aさん(32歳、初産婦、妊娠39週2日)
・5時:陣痛発来
・11時:入院。
・17時:内診所見は子宮口6cm開大、Station-1。
・19時:訪室するとベッドに横になり、陣痛間欠3分、陣痛発作30秒。
・内診所見:子宮口7cm開大、Station±0、未破水、バイタルサインは、体温36.7℃、脈拍76/分、整、血圧122/64mmHg。
・胎児心拍数陣痛図:reassuring fetal status
→本症例は、微弱陣痛に発展する恐れがある。したがって、陣痛を促すケアが求められる。微弱陣痛とは、一旦分娩開始した(陣痛の間隔が10分以内ごとであり 、痛みを伴う子宮収縮により分娩が進行)にも関わらず、陣痛の強さが弱く、発作の持続が短く、かつ陣痛の間隔が長くなってしまい、分娩が進行しない状態をいう。子宮口の開き具合により、6分30秒以上(子宮口の開き:4~6cm)、6分以上(子宮口の開き:7~8cm)、4分以上(子宮口の開き:9~10cm)が陣痛周期の目安とされている。ちなみに、reassuring fetal status(RFS)とは、健常な胎児の状態を呼び、安心できない胎児の状態をnon-reassuring fetal status(NRFS)と呼ぶ。

1.× 水分摂取を控えるよう説明する必要はない。なぜなら、分娩の準備として、体温が上昇したり、発汗・呼吸などにより、水分が失われやすいため。水分はコップ1~2杯/1時間を目安に摂取を促す。陣痛による腸管圧迫等により悪心・嘔吐を生じることがあるため、飲食は少量ずつ摂取するように勧める。
2.〇 正しい。病棟の廊下の歩行を勧める。なぜなら、適度な運動は、陣痛を促すことができるため。
3.× 医師に連絡する優先度は低い。なぜなら、母体と胎児の状態は安定しているため。
4.× 人工破膜を行う必要はない。なぜなら、人工破膜の適応とはいえないため。人工破膜とは、内診時に内子宮口 から赤ちゃんを包んでいる卵膜を破る処置のことで、人工的に破水させ、陣痛を誘発させることを目的としている。分娩までの時間が長引いた場合は、自然な破水と同様、子宮内感染について注意する必要がある。

(※引用:「人工破膜実施フローチャート」日本産婦人科医会より)

分娩期

【分娩第1期】
陣痛の開始から、子宮口(子宮頸部)が完全に開く(全開大、約10cm)までの期間を指す。

・分娩第1期
「①潜伏期」と「②活動期」に分けられる。
①潜伏期:陣痛がリズミカルになり、子宮頸部が薄くなり4cmほど開いた状態まで(初産婦で12時間・経産婦で5時間程度かかる)の時期を示す。
②活動期:子宮口が4センチから10cm(全開)に開き、胎児の一部が胎盤内に降りてくる(初産婦で3時間・経産婦で2時間程度かかる)。いきみたくなって来る段階である。

・分娩第2期:赤ちゃんが産道を通っている間
子宮口が完全に開大してから胎児を娩出するまでの期間を指す。この段階は初産婦では平均45~60分間、経産婦では15~30分間続く。

・分娩第3期:「後産」の時期
胎児を娩出してから胎盤を娩出するまでの期間である。この段階は数分間で終わるのが普通であるが、最大30分ほど続くこともある。

 

 

 

 

 

14 産後1か月の健康診査で褥婦が「お産した後から、咳やくしゃみをすると少し尿が漏れます」と話した。子宮収縮は良好で、内診時に子宮頸部の下垂を認めた。バイタルサインは、体温36.4℃、脈拍76/分、整、血圧126/70mmHg、尿蛋白(-)、尿糖(-)、潜血(-)であった。
 このときのアセスメントで正しいのはどれか。

1.切迫性尿失禁である。
2.安静が必要な状態である。
3.骨盤底筋群の弛緩がある。
4.下部尿路系の炎症を起こしている。

解答

解説

本症例のポイント

【産後1か月の健康診査】
・褥婦「お産した後から、くしゃみをすると少し尿が漏れます」と。
・子宮収縮:良好、内診時に子宮頸部:下垂。
・バイタルサイン:体温36.4℃、脈拍76/分、整、血圧126/70mmHg、尿蛋白(-)、尿糖(-)、潜血(-)であった。
→本症例は、腹圧性尿失禁が疑われる。出産を機に、骨盤底筋群の損傷を受けたことにより失禁するものを、腹圧性尿失禁に分類される。尿失禁とは、【定義】自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうことであり、大きく2種類に大別される。①器質性尿失禁:排尿機構の障害に起因する。そこから①腹圧性、②切迫性、③溢流性、④反射性などがある。②機能性尿失禁:排尿動作の遅れなどに起因する。

1.× 「切迫性尿失禁」ではなく腹圧性尿失禁である。切迫性尿失禁とは、膀胱が自身の意思に反して収縮することで、急に排尿したくなりトイレに行くまでに我慢できずに漏れてしまう失禁である。原因として膀胱にうまく尿がためられなくなる過活動膀胱が多く、脳血管障害など排尿にかかわる神経の障害で起きることもある。過活動性膀胱に対して、電気刺激療法や磁気刺激療法が有効とされる。つまり、薬物療法を用いる。一方、腹圧性尿失禁とは、腹圧をかけるような運動時(重い荷物を持ち上げたときなど)に尿が漏れる状態で、男性よりも女性に多くみられる。尿道括約筋を含む骨盤底の筋肉が弱くなることが原因で、加齢、出産、喫煙、肥満などと関連している。
2.× 安静が必要な状態であると断言できない。むしろ、出産により損傷した骨盤底筋をトレーニングして、筋力を回復させることが重要となる。
3.〇 正しい。骨盤底筋群の弛緩がある。なぜなら、本症例は、出産を機に、骨盤底筋群の損傷を受け尿失禁をきたしているため。骨盤底筋体操とは、尿失禁の予防・改善のために肛門挙筋および尿道周囲、膣周囲の括約筋群を鍛える方法である。骨盤底筋群などの筋力増強力は、一般的には腹圧性尿失禁や過活動膀胱、および骨盤臓器脱に有効とされている。
4.× 下部尿路系の炎症を起こしている場合、尿路感染症を疑う。尿路感染症は、感染診断名としては、①腎盂腎炎と②膀胱炎とに分けられる。一方で、その病態による一般的分類法として尿路基礎疾患のある・なしで、複雑性と単純性とに分ける。頻度として多い女性の急性単純性膀胱炎は外来治療の対象である。急性単純性腎盂腎炎は高熱のある場合、入院が必要なこともある。複雑性尿路感染症は、膀胱炎、腎盂腎炎とも、症状軽微な場合、外来治療が原則であるが、複雑性腎盂腎炎で尿路閉塞機転が強く高熱が認められるものでは、入院の上、腎瘻造設などの外科的ドレナージを要することもある。それら病態を見極めるための検査として、画像診断(超音波断層、静脈性腎盂造影、X線CTなど)が必要となる。感染症としての診断には、適切な採尿法による検尿で膿尿を証明すること、尿培養にて原因菌を同定し薬剤感受性を検査することが基本である。【疑うべき臨床症状】尿路感染症の症状は、急性単純性膀胱炎では排尿痛、頻尿、尿意切迫感、残尿感、下腹部痛が、急性単純性腎盂腎炎では発熱、悪寒、側腹部痛が、主たるものである。複雑性尿路感染症では膀胱炎、腎盂腎炎それぞれにおいて、単純性と同様の症状が見られるが、無症状に近いものから、強い症状を呈するものまで幅が広い。上部尿路閉塞に伴う膿腎症では高熱が続くこともある(※引用:「尿路感染症」総合南東北病院より)。

骨盤底筋体操とは?

骨盤底筋は子宮、膀胱、直腸を含む骨盤臓器を支える筋肉で、骨盤底筋を強化することで尿漏れ対策となる。仰臥位が基本的な姿勢であるが、伏臥位や座位など日常生活の中でどんな姿勢で行ってもよい。座位や膝立て背臥位などで、上体の力を抜いてお尻の穴を引き上げて「きゅっ」とすぼめ、5秒キープする動作を10~20回ほど繰り返す方法と、すぼめたりを繰り返す方法の2種類ある。

 

 

 

 

 

15 産褥14日の褥婦は、急な熱感、疲労感および腰部右側に強い痛みが出現し、受診した。体温38.7℃、乳房緊満(+)、乳汁分泌は良好。腹壁から子宮は触れず、子宮体部の圧痛はない。腰背部の叩打痛がある。淡黄色の悪露が極少量ある。
 このとき考えられるのはどれか。

1.産褥熱
2.胆石症
3.乳腺炎
4.腎孟腎炎

解答

解説

本症例のポイント

・褥婦(産褥14日):急な熱感、疲労感、腰部右側に強い痛み。
・体温38.7℃、乳房緊満(+)、乳汁分泌:良好。
・腹壁から子宮は触れず、子宮体部の圧痛はない。
腰背部の叩打痛がある。
・淡黄色の悪露が極少量ある。
→本症例は、腎孟腎炎が疑われる。(急性)腎盂腎炎とは、細菌が腎臓の中に入って、炎症が起きている状態である。 尿路感染症の症状は、急性単純性膀胱炎では排尿痛、頻尿、尿意切迫感、残尿感、下腹部痛が、急性単純性腎盂腎炎では発熱、悪寒、側腹部痛が、主たるものである。

1.× 産褥熱とは、骨盤内感染によって分娩後24時間~産褥10日目に、2日以上にわたって38℃以上の発熱が続くことである。産褥子宮内膜炎では子宮に圧痛を認め、悪露は膿汁様で悪臭がある。 悪露滞留では子宮に圧痛はなく、悪露は減少する。
2.× 胆石症とは、胆汁の流れる胆道に石(胆石)ができてしまう病気の総称である。原因となる胆石は、胆汁に含まれる成分が溶けきれず石のように固まることで発生する。もっとも頻度が高いコレステロール石は胆汁のコレステロール濃度が高くなることで発生する。症状として、放散痛や吐き気、嘔吐である。胆石症の放散痛は、右肩甲骨部、腰、上腹部への放散痛が生じる。
3.× 乳腺炎とは、乳汁を分泌する乳腺で炎症を起こす病気である。産後1週間以内にみられることが多く、うっ滞した乳汁が乳管内で炎症を起こすことで生じる。通常、症状は片側の乳房に生じることが多い。症状として乳房の熱感、痛み、腫れ、発熱や倦怠感が見られる。Aさんの場合は、症状が両側性であるが、乳房の炎症所見や発熱が認められることから、うっ滞性乳腺炎を発症している可能性が考えられる。
4.〇 正しい。腎孟腎炎が考えられる。(急性)腎盂腎炎とは、細菌が腎臓の中に入って、炎症が起きている状態である。 20~40歳代では、男女比は1対30である。なぜなら、膀胱炎からの逆行性感染によって生じることが多いため。したがって、解剖学的に尿道が短く膀胱炎になりやすい女性に多い。また、女性は男性よりも尿道が短く尿道口と肛門が近いため、細菌が膀胱へ侵入しやすいことが原因の一つとして挙げられる。症状が急に現れるが、治療が早くできると症状は3日~5日で落ち着く。 しかし、症状が悪くなれば入院する必要があるため、注意する必要がある。

尿路感染症

尿路感染症は、感染診断名としては、①腎盂腎炎と②膀胱炎とに分けられる。一方で、その病態による一般的分類法として尿路基礎疾患のある・なしで、複雑性と単純性とに分ける。頻度として多い女性の急性単純性膀胱炎は外来治療の対象である。急性単純性腎盂腎炎は高熱のある場合、入院が必要なこともある。複雑性尿路感染症は、膀胱炎、腎盂腎炎とも、症状軽微な場合、外来治療が原則であるが、複雑性腎盂腎炎で尿路閉塞機転が強く高熱が認められるものでは、入院の上、腎瘻造設などの外科的ドレナージを要することもある。それら病態を見極めるための検査として、画像診断(超音波断層、静脈性腎盂造影、X線CTなど)が必要となる。感染症としての診断には、適切な採尿法による検尿で膿尿を証明すること、尿培養にて原因菌を同定し薬剤感受性を検査することが基本である。

【疑うべき臨床症状】
尿路感染症の症状は、急性単純性膀胱炎では排尿痛、頻尿、尿意切迫感、残尿感、下腹部痛が、急性単純性腎盂腎炎では発熱、悪寒、側腹部痛が、主たるものである。複雑性尿路感染症では膀胱炎、腎盂腎炎それぞれにおいて、単純性と同様の症状が見られるが、無症状に近いものから、強い症状を呈するものまで幅が広い。上部尿路閉塞に伴う膿腎症では高熱が続くこともある。

(※引用:「尿路感染症」より)

(※画像引用:「尿路感染症 表3 腎盂腎炎の重症度判定のための所見,検査」より)

 

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