第107回(H30) 看護師国家試験 解説【午後51~55】

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51 子どもの権利について述べている事項で最も古いのはどれか。

1.児童憲章の宣言
2.児童福祉法の公布
3.母子保健法の公布
4.児童の権利に関する条約の日本の批准

解答2

解説

1.× 児童憲章の宣言は、昭和26年(1951年)である。児童憲章とは、日本国憲法の精神に基づき、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童の幸福を図るために定められた児童の権利宣言である。児童憲章の前文には、「児童は、人として尊ばれる。児童は、社会の一員として重んぜられる。児童は、よい環境の中で育てられる」とある。
2.〇 正しい。児童福祉法の公布は、選択肢の中で最も古い昭和22年(1947年)である。児童福祉法とは、児童の福祉を担当する公的機関の組織や、各種施設及び事業に関する基本原則を定める日本の法律である。児童が良好な環境において生まれ、且つ、心身ともに健やかに育成されるよう、保育、母子保護、児童虐待防止対策を含むすべての児童の福祉を支援する法律である。
3.× 母子保健法の公布は、昭和40年(1965年)である。母子保健法とは、母性、乳幼児の健康の保持および増進を目的とした法律である。母子保健に関する原理を明らかにするとともに、母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導、健康診査、医療その他の措置を講じ、もって国民保健の向上に寄与することを目的として制定された法律である。各種届出は市町村長または特別区、指定都市の区長に届け出る。
4.× 児童の権利に関する条約の日本の批准は、平成6年(1994年)である。批准とは、条約に対する国家の最終的な確認、確定的な同意(の手続き)のことである。児童の権利に関する条約とは、児童の権利について定める国際条約である。通称は子どもの権利条約。締約国は規定された児童の権利を保障する義務を負うことになる。

国連児童基金(UNICEF)とは?

国連児童基金とは、第二次世界大戦によって荒廃した国々の子どもたちに緊急の食料を与え、健康管理を行う目的で1946年に設立された。 ユニセフは開発途上国の子どもや母親に長期の人道援助や開発援助を行う。 ユニセフは緊急援助基金から開発機関へと発展した。

設置年:昭和21(1946)年
本部:ニューヨーク
協力形態:多国間協力
事業内容:①開発途上国や紛争中の国の子供の支援、②児童の権利に関する条約(子供権利条約)の普及
備考:保健、栄養、水・衛生、教育、HIV/エイズ、保護、緊急支援、アドボカシー(政策提言)などの活動を実施している。

(※「UNICEFについて」UNICEF東京事務所様HPより)

 

 

 

 

 

52 ピアジェ, J.の認知発達理論において2〜7歳ころの段階はどれか。

1.感覚-運動期
2.具体的操作期
3.形式的操作期
4.前操作期

解答4

解説

認知認識理論

 ピアジェは、子どもの様子を分析することを通じて乳幼児期の認知の発達を「実際の行為を頭の中でイメージし、行為の結果を想像する(操作)」ことができるまでの4つの段階に分けた。

①感覚運動期(0〜2歳頃):対象を見る・触るなど感覚を通じてとらえ、対象をつかんで投げるなど運動的な働きかけを介して認識する時期である。
前操作期(2歳~7歳頃):急激に言語を獲得することでイメージの思考ができるようになる(表象的思考)。
③具体的操作期(7歳頃~11歳頃):「保存の概念」を理解できるようになる。具体的な対象をみて、ものごとの関係を考えるようになる第一段階(おはじきを用いて足し算を理解するなど)と、あることがらと別のことがらの共通項を推理し、別の角度からの見え方を推測するなど、より抽象的に思考できるようになる第二段階がある。
④形式的操作期(11歳〜):論理的な思考ができるようになるという特徴がある。仮説演繹的思考(仮説に基づいて結論を導くこと)、組合せ思考(あることがらを生じさせる要因の組合せを系統的に調べ見つけること)、計量的な比例概念(ものごとの共変関係を理解できる)などである。

1.× 感覚-運動期は、0~2歳の発達段階を指す。
2.× 具体的操作期は、7~11歳の発達段階を指す。
3.× 形式的操作期は、12歳以降の発達段階を指す。
4.〇 正しい。前操作期は、2~7歳を指す。

 

 

 

 

53 乳歯について正しいのはどれか。

1.6〜8か月ころから生え始める。
2.5〜7歳ころに生えそろう。
3.全部で28本である。
4.う蝕になりにくい。

解答1

解説

乳歯とは?

乳歯とは、生後6~8か月頃から下顎の中切歯が生え始め、2~3歳頃に20本すべて生えそろう歯のことをいう。生える順番として、正中線から外側に向けて切歯(前歯)2本、犬歯(八重歯)1本、臼歯(奥歯)2本が並び、右上、右下、左上、左下にそれぞれ同様に生える。6歳頃から12歳頃にかけて、乳歯から永久歯に生え変わり、永久歯になると親知らずも含め32本となる。

1.〇 正しい。6〜8か月ころから生え始める
2.× 生えそろうのは、「5〜7歳ころ」ではなく2~3歳ころである。
3.× 全部で「28本」ではなく、20本である。永久歯になると親知らずも含め32本となる。
4.× う蝕に、「なりにくい」のではなくなりやすい。なぜなら、乳歯は永久歯と比較すると、エナメル質や象牙質の厚みが薄い(石灰化度が低い)ため。ちなみに、う蝕(齲蝕・うしょく)とは、いわゆる虫歯のことで、口腔内の細菌が糖質から作った酸によって、歯質が脱灰されて起こる歯の実質欠損である。

 

 

 

 

 

54 乳児への散剤の与薬について、親に指導する内容で適切なのはどれか。

1.ミルクに混ぜる。
2.はちみつに混ぜる。
3.少量の水に溶かす。
4.そのまま口に含ませる。

解答3

解説

MEMO

【小児への与薬】
①哺乳と哺乳の間や哺乳直前の空腹時に与薬をすすめる(授乳直後の満腹時に与薬すると嫌がったり、嘔吐することがあるため)
②ミルクや離乳食には決して混ぜてはならない(ミルク嫌いや偏食の原因になるため)
③散剤が処方された場合は、白湯や糖水(砂糖水)に溶解する。
〜全量が服薬できるようにするための工夫〜
・散剤の量に合わせてなるべく少量の水分で行う。
・少量の水分で練ってペースト状にしたものを頬の奥や上顎などの口腔内につけ、その後水分を飲ませて与薬をすすめる。

1.× ミルクに混ぜるの必要はない。なぜなら、散剤は苦く、主なエネルギー源であるミルクに混ぜてしまうと、ミルク嫌いになり栄養が摂取できなくなる可能性があるため。また、ミルクを残した場合に薬を全量服用できないおそれもあるため。
2.× はちみつに混ぜる必要はない。なぜなら、はちみつにはボツリヌス菌が含まれているため。厚生労働省は、腸内環境が整っていない1歳未満の乳児にはちみつを与えると乳児ボツリヌス症を発生する危険性が高いため、与えないように注意喚起をしている。
3.〇 正しい。少量の水に溶かす。他にも、白湯や砂糖水で飲ませても良い。全量が服薬できるようにするための工夫として、①散剤の量に合わせてなるべく少量の水分で行う。②少量の水分で練ってペースト状にしたものを頬の奥や上顎などの口腔内につけ、その後水分を飲ませて与薬をすすめることがあげられる。
4.× あえて、そのまま口に含ませる必要はない。なぜなら、散剤の苦さによって、その後飲まなくなるおそれがあるため。また無理やり散剤をそのまま口に入れると、啼泣だけでなく、誤嚥や嘔吐の危険性がある。

ボツリヌス中毒症とは?

ハム、 キャビア、小児ではハチミツなどが原因となる。潜伏期は12~36時間で、毒素型食中毒に属し、発熱は通常目立たない。神経毒により末梢神経障害をきたし、球麻痺(発語障害、嚥下障害)、 外眼筋麻痺(複視、眼瞼下垂)、呼吸筋麻痺などをきたす。

 

 

 

 

55 入院中に陰圧室に隔離すべき感染症はどれか。

1.麻疹
2.風疹
3.手足口病
4.流行性耳下腺炎

解答1

解説

陰圧室とは?

 陰圧室とは、室内の空気や空気感染する可能性のある細菌が外部に流出しないように、気圧を低くしてある病室のことである。空気感染隔離室とも呼ばれる。空気感染する感染症は、麻疹水痘(みずぼうそう)結核が代表的疾患である。感染症にはさまざまな感染経路があるが、陰圧室に隔離すべきということは、患者周囲の空気を外に飛散させてはならないということである。

1.〇 正しい。麻疹は、空気感染する感染症の代表疾患である。麻疹とは、麻疹ウイルスの感染後、10~12日間の潜伏期ののち発熱や咳などの症状で発症する病気のこと。38℃前後の発熱が2~4日間続き、倦怠感(小児では不機嫌)があり、上気道炎症状(咳、鼻みず、くしゃみなど)と結膜炎症状(結膜充血、目やに、光をまぶしく感じるなど)が現れて次第に強くなる。
2.× 風疹は、飛沫感染による。風疹とは、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症である。難聴・白内障・心奇形である。妊婦が妊娠初期に風疹に感染すると、不顕性であっても経胎盤的に胎児に影響を与え、先天性風疹症候群と呼ばれる先天異常を引き起こすことがある
3.× 手足口病は、飛沫・接触感染による。手足口病とは、手のひらや足の裏、口の中などに小さな水ぶくれのような発疹ができるウイルス感染症である。原因はコクサッキーウイルスやエンテロウイルスといったウイルスへの感染である。5歳までの子どもがかかることが多く、夏に流行のピークを迎える。
4.× 流行性耳下腺炎は、飛沫・接触感染による。流行性耳下腺炎とは、2~3週間の潜伏期(平均18日前後)を経て発症し、片側あるいは両側の唾液腺の腫脹を特徴とするウイルス感染症である。通常1~2 週間で軽快する。最も多い合併症は髄膜炎であり、その他髄膜脳炎、睾丸炎、卵巣炎、難聴、膵炎などを認める場合がある。

感染経路と感染症

感染には、①接触感染、②空気感染、③飛沫感染がある。

①接触感染(例:流行性角結膜炎、疥癬、ノロウイルス感染症など)
(1)直接接触感染:感染者の皮膚粘膜との直接接触による伝播・感染する。
(2)間接接触感染:感染者の微生物で汚染された衣類、周囲の器物、環境などとの接触による伝播・感染する。

②飛沫感染(例:風疹、流行性耳下腺炎、 インフルエンザ、マイコプラズマ、百日咳など)
咳やくしゃみなどに伴って発生する飛沫(粒径5μm以上の粒子)が経気道的にヒトの粘膜に付着し感染する。飛散する範囲は1m以内であることが特徴。

③空気感染(例:結核、水痘、麻疹など)
飛沫核 (粒径5μm未満の粒子に付着した微生物)が長期間空中を浮遊し、これを吸い込むことで感染が伝播・感染する。

(※参考:「医療施設等における感染対策ガイドライン」厚生労働省様HPより)

 

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