第107回(H30) 看護師国家試験 解説【午後6~10】

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6 スピリチュアルな苦痛はどれか。

1.手術後の創部痛がある。
2.社会的役割を遂行できない。
3.治療の副作用に心配がある。
4.人生の価値を見失い苦悩する。

解答4

解説

スピリチュアルペインとは?

トータルペイン(全人的苦痛)は、身体的・精神的・社会的・霊的(スピリチュアル)の4つの苦痛をいう。スピリチュアルペインとは、死を目前にした癌患者などが、患者自身の人生の否定・価値観の否定・存在自身の否定を受けたと感じることに起因する。抑うつ、不安、 怒り、いらだち、悲観などをいう。

1.× 手術後の創部痛があることは、身体的苦痛である。
2.× 社会的役割を遂行できないことは、社会的苦痛である。
3.× 治療の副作用に心配があることは、精神的苦痛である。
4.〇 正しい。人生の価値を見失い苦悩することは、スピリチュアル(霊的)的な苦痛である。スピリチュアルペインとは、死を目前にした癌患者などが、患者自身の人生の否定・価値観の否定・存在自身の否定を受けたと感じることに起因する。抑うつ、不安、 怒り、いらだち、悲観などをいう。

 

 

 

 

 

7 更年期の女性で増加するのはどれか。

1.卵胞刺激ホルモン(FSH)
2.テストステロン
3.プロラクチン
4.エストロゲン

解答1

解説

更年期とは?

更年期とは、閉経の5年前から5年後までの約10年、つまり、生殖期から非生殖期への間の移行期のことをさすことが多い。閉経の年齢は人によって異なり、40歳代前半に迎える人もいれば、50歳代後半になっても迎えない人もいる。

更年期障害とは、更年期に出現する器質的な変化に起因しない多彩な症状によって、日常生活に支障をきたす病態と定義される。更年期症状は大きく、①自律神経失調症状、②精神神経症状、③その他に分けられるが、各症状は重複して生じることが多い。治療の一つに、ホルモン補充療法(HRT)があげられる。ホルモン補充療法とは、エストロゲン(卵胞ホルモン)を補うことで、更年期障害を改善する治療法である。ほてり、のぼせ、発汗などといった代表的な症状に高い効果を示す。禁忌として、エストロゲン依存性悪性腫瘍(子宮内膜癌、乳癌)またその疑いのあるもの、重症肝機能障害、血栓性疾患などがあげられる。

1.〇 正しい。卵胞刺激ホルモン(FSH)は、更年期の女性で増加する。なぜなら、更年期(加齢)になるにつれ、卵巣の機能が低下するため。卵巣の機能が低下することで、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が減る。その減った分を代償するべく、脳下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)を増加させ、なんとか卵巣の機能を保とうとする。
2.× テストステロン(アンドロゲン、男性ホルモン)は、精巣から分泌される。作用は、筋肉の増大・骨格の発達・陰毛の発毛に作用する。女性でも卵巣や副腎からごく微量分泌され、分泌量の変化もわずかである。分泌量は、男性の人生の中で20〜30代の頃がピークといわれている。更年期とは関与しない。
3.× プロラクチン(催乳ホルモン)は、下垂体前葉から分泌される。作用は、乳腺の発育、乳汁の産生・分泌をもつ。したがって、出産後に多く分泌されるホルモンである。更年期とは関与しない。
4.× エストロゲン(卵胞ホルモン)は低下する。更年期障害の治療の一つに、ホルモン補充療法(HRT)があげられる。ホルモン補充療法とは、エストロゲン(卵胞ホルモン)を補うことで、ほてり、のぼせ、発汗などといった代表的な症状に高い効果を示す。

 

 

 

 

8 平成25年(2013年)の国民生活基礎調査で、要介護者からみた主な介護者の続柄で割合が最も多いのはどれか。

1.同居の父母
2.別居の家族
3.同居の配偶者
4.同居の子の配偶者

解答3

解説

(※図引用:「平成25年 国民生活基礎調査の概況」厚生労働省HPより)

MEMO

主な介護者をみると、要介護者等と「同居」が 61.6%で最も多く、次いで「事業者」が14.8%となっている。「同居」の主な介護者の要介護者等との続柄をみると、「配偶者」が 26.2%で最も多く、次いで「子」が 21.8%、 「子の配偶者」が 11.2%となっている。また、「同居」の主な介護者を性別にみると、男 31.3%、女 68.7%で女が多くなっている。年齢階級別にみると、男女ともに「60~69 歳」が27.7%、32.5%と多くなっている。(※引用:「3 主な介護者の状況」厚生労働省HPより)

1.× 同居の父母である割合は、0.5%である。
2.× 別居の家族である割合は、9.6%である。
3.〇 正しい。同居の配偶者である割合は、26.2%である。
4.× 同居の子の配偶者である割合は、11.2%である。

 

 

 

 

 

9 訪問看護ステーションの管理者になることができる職種はどれか。

1.医師
2.看護師
3.介護福祉士
4.理学療法士

解答2

解説

訪問看護ステーションとは?

訪問看護ステーションとは、住み慣れた自宅で療養生活が送れるように、医師や他の医療専門職、ケアマネジャーなどと連携し、訪問看護サービスを提供すること業所である。看護ケアを提供することで患者の療養生活をサポートするとともに、自立を目指した支援も行っている。訪問看護制度をもとに、医師の指示を受け、看護を必要とする人の居宅に看護師や保健師などを派遣する機関である。

1.× 医師とは、患者の容態・問診・検査データなどから病名と病状を確定する診断と、投薬や手術などにより病状を改善させる治療を行う専門職種である。これは医師法により定められている行為で、医師だけに許されている。ちなみに、医師法とは、医師全般の職務・資格などを規定する日本の法律である。つまり、一般人には禁止されている医療行為を、医師という有資格者に限って許可する法律である。
2.〇 正しい。看護師は、訪問看護ステーションの管理者になることができる職種である。「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準第三条(管理者)」において、「2指定訪問看護ステーションの管理者は、保健師助産師又は看護師でなければならない。ただし、やむを得ない理由がある場合は、この限りでない」と記載されている(※引用:厚生労働省HPより)。
3.× 介護福祉士とは、社会福祉士及び介護福祉士法を根拠とする国家資格で、身体が不自由な高齢者、身体もしくは精神に障害がある方に対し、食事や入浴、排泄の介助など日常生活を営むためのサポートをおこなうことである。つまり、主に患者の介護を行う。
4.× 理学療法士とは、医師の指示のもとに治療体操や運動・マッサージ・電気刺激・温熱などの物理的手段を用いて、運動機能の回復を目的とした治療法・物理療法(理学療法)を行う専門職であるため。つまり、関節可動域や筋力の向上などが役割である。

 

 

 

 

10 股関節の運動を図に示す。
 内転はどれか。

解答3

解説

1.× 股関節の屈曲運動である。
2.× 股関節の外転運動である。
3.〇 正しい。股関節の内転運動である。
4.× 股関節の内旋運動である。

 

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