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26 分娩第1期における産婦の食事で適切なのはどれか。
1.食事を全量摂取するよう伝える。
2.食物繊維の多い食べ物を勧める。
3.血糖値が緩やかに上昇する食べ物を勧める。
4.水分は口渇を認めたときに摂取するよう説明する。
5.硬膜外麻酔分娩の希望がある場合は固形物の摂取を禁止する。
解答5
解説
分娩第1期とは、陣痛の開始から、子宮口(子宮頸部)が完全に開く(全開大、約10cm)までの期間を指す。
・分娩第1期
「①潜伏期」と「②活動期」に分けられる。
①潜伏期:陣痛がリズミカルになり、子宮頸部が薄くなり4cmほど開いた状態まで(初産婦で12時間・経産婦で5時間程度かかる)の時期を示す。
②活動期:子宮口が4センチから10cm(全開)に開き、胎児の一部が胎盤内に降りてくる(初産婦で3時間・経産婦で2時間程度かかる)。いきみたくなって来る段階である。
1.× 必ずしも、食事を全量摂取するよう伝える「必要はない」。なぜなら、分娩第1期は、陣痛により食欲低下や悪心・嘔吐が起こることがあるため。低リスク妊婦では飲食が勧められるが、本人の希望に合わせて水分や消化のよい物を少量ずつ摂ることが大切である。
2.× 必ずしも、食物繊維の多い食べ物を勧める「必要はない」。なぜなら、陣痛時は悪心や食欲低下が起こりやすく、多量の食物繊維は腹部膨満感を招くことがあるため。
3.× 必ずしも、血糖値が緩やかに上昇する食べ物を勧める「必要はない」。なぜなら、分娩中は陣痛に多くのエネルギーを使うため。したがって、血糖値を緩やかに上げる食品に限定する必要はない。低リスク妊婦では、本人が摂りやすい水分や消化のよい食品を少量ずつ取り、脱水やエネルギー不足を防ぐことが優先される。
4.× 必ずしも、水分は口渇を認めたときに摂取するよう説明する「必要はない」。なぜなら、分娩中は発汗、呼吸数増加、長時間の陣痛により脱水になりやすいため。したがって、口渇が出てからではなく、少量ずつこまめに摂ることが望ましい。
5.〇 正しい。硬膜外麻酔分娩の希望がある場合は、固形物の摂取を禁止する。なぜなら、硬膜外麻酔分娩では、分娩経過中に緊急帝王切開や麻酔対応が必要になる可能性があり、胃内容物による嘔吐・誤嚥を予防する必要があるため。
27 全てのこどもや若者が将来にわたって幸せな生活ができる社会を実現することを目的に制定された法律はどれか。
1.児童福祉法
2.母子保健法
3.こども基本法
4.少子化社会対策基本法
5.成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対して必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律〈成育基本法〉
解答3
解説
こども基本法とは、すべてのこどもを権利の主体として尊重し、差別を防ぎ、意見を聴き、最善の利益を優先することを定めた法律である。国や自治体が、こども施策を社会全体で総合的に進める基本となる法律である。
1.× 児童福祉法とは、児童の福祉を担当する公的機関の組織や、各種施設及び事業に関する基本原則を定める日本の法律である。児童が良好な環境において生まれ、且つ、心身ともに健やかに育成されるよう、保育、母子保護、児童虐待防止対策を含むすべての児童の福祉を支援する法律である。
2.× 母子保健法とは、母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るため、母子保健に関する原理を明らかにするとともに、母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導、健康診査、医療その他の措置を講じ、もって国民保健の向上に寄与することを目的として制定された法律である。
3.〇 正しい。こども基本法は、全てのこどもや若者が将来にわたって幸せな生活ができる社会を実現することを目的に制定された法律である。
・こども基本法の第一条(目的)において、「この法律は、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指して、社会全体としてこども施策に取り組むことができるよう、こども施策に関し、基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及びこども施策の基本となる事項を定めるとともに、こども政策推進会議を設置すること等により、こども施策を総合的に推進することを目的とする。」と記載されている(※引用:「こども基本法」e-GOV法令検索様HPより)。
4.× 少子化社会対策基本法とは、少子化の主たる要因であった晩婚化・未婚化に加え、「夫婦の出生力そのものの低下」という新たな現象の把握と急速な少子化の進行を踏まえ、国民や社会の意識変革を迫る目的で制定された、日本の法律である。
5.× 成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対して必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律〈成育基本法〉とは、妊娠・出産期から子どもが成人するまで、本人・保護者・妊産婦に必要な医療や保健、福祉、教育などを切れ目なく提供するための法律である。国や自治体、医療関係者などの責務を定め、家庭の経済状況にかかわらず健やかに成長できる環境を目指すものである。
28 女性を中心としたケア〈Women-centered care〉で述べられている特徴はどれか。2つ選べ。
1.安全
2.自立
3.健康寿命の延伸
4.パートナーシップ
5.ガイドラインの遵守
解答1・4
解説
女性を中心にしたケアとは、女性の身体的・精神的・社会的な健康状態を高めることを目的とする概念である。それぞれの女性が自ら定義する健康を志向する権利の保障のもと女性が持つ力を十分に発揮できるよう支援する。中心概念は「尊重」「安全」「意思決定」「エンパワー」などの要素を核とする。
1.〇 正しい。安全は、女性を中心としたケアの特徴の1つである。女性が安心して意思決定し、ケアを受けられる安全な環境を保障することが重視される。身体的安全、心理的安全、プライバシーの保護、暴力や虐待からの保護、尊厳を傷つけられない環境なども様々な要素の安全を含む。
2~3.5.× 自立/健康寿命の延伸/ガイドラインの遵守は、女性を中心としたケアの特徴とはいえない。
・健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を指す。これは高齢者保健、生活習慣病予防、地域保健、健康増進施策などで重要な概念である。
4.〇 正しい。パートナーシップは、女性を中心としたケアの特徴の1つである。女性と対等な協働関係を築き、女性の意思決定を支えることが重視される。
・パートナーシップとは、助産師や医療者が女性を「指導される対象」として扱うのではなく、女性の経験、価値観、希望、生活背景を尊重しながら、ともにケアを考える関係である。
29 簡略更年期指数表に沿って確認する症状はどれか。2つ選べ。
1.疲れやすい
2.頻尿である
3.乾燥感がある
4.汗をかきやすい
5.性交障害がある
解答1・4
解説

(※引用:「簡略更年期指数(SMI)」東戸塚はまゆめ内科様HP)
簡略更年期指数表(SMI)とは、ほてり、発汗、イライラ、不眠、肩こりなど10項目の症状を自己評価し、重症度に応じて点数化する表である。合計は0~100点で、更年期症状の程度や受診の目安を把握するために用いるが、診断を確定する検査ではない。
1.4.〇 正しい。「疲れやすい」「汗をかきやすい」は、簡略更年期指数表に沿って確認する症状である。
・更年期とは、閉経の5年前から5年後までの約10年、つまり、生殖期から非生殖期への間の移行期のことをさすことが多い。閉経の年齢は人によって異なり、40歳代前半に迎える人もいれば、50歳代後半になっても迎えない人もいる。
・更年期障害とは、更年期に出現する器質的な変化に起因しない多彩な症状によって、日常生活に支障をきたす病態と定義される。更年期症状は大きく、①自律神経失調症状、②精神神経症状、③その他に分けられるが、各症状は重複して生じることが多い。治療の一つに、ホルモン補充療法(HRT)があげられる。ホルモン補充療法とは、エストロゲン(卵胞ホルモン)を補うことで、更年期障害を改善する治療法である。ほてり、のぼせ、発汗などといった代表的な症状に高い効果を示す。禁忌として、エストロゲン依存性悪性腫瘍(子宮内膜癌、乳癌)またその疑いのあるもの、重症肝機能障害、血栓性疾患などがあげられる。
2.× 頻尿である。
3.× 乾燥感がある。
5.× 性交障害がある。
これらは、更年期に関連しうるが、簡略更年期指数表の10項目には含まれない。簡略更年期指数表(SMI)は、主に血管運動神経症状、自律神経症状、精神神経症状、運動器症状などを簡便に評価する尺度である。
30 マーサー,R.T.の母親役割移行過程理論の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.子どもの特性は母親役割獲得に影響を及ぼす。
2.母親は産後4か月までに母親役割を獲得する。
3.母親役割獲得のプロセスには3つの段階がある。
4.ハイリスク妊娠の女性と家族には適応できない理論である。
5.妊娠中の母親役割に対する心理・社会的準備段階にあたるのは予期的段階である。
解答1・5
解説
マーサー(Mercer R.T.)は、自分なりの母親像を獲得する母親獲得過程は、①妊娠期の予期的段階に始まり、②出産後に形式的段階、③非形式的段階と順次経過し、④最終地点である個人的段階に移行する。
➀妊娠期に妊娠に専念し、胎児へ関心や愛着をはぐくみ母親となる準備をする段階(予期的段階)。②産後2~6週間に身体の回復をしつつ、児の合図と世話を学ぶ段階(形式的段階)。➂産後最初の4ヶ月間、正常な経過の中で児の世話への自信を高める段階(非形式的段階)。➃産後4ヶ月以降に母親としての自己を確立する段階(個人的段階)。産後約1年かかるとされている。
1.〇 正しい。子どもの特性は母親役割獲得に影響を及ぼす。なぜなら、マーサーの理論では、母親役割獲得は母親だけで完結するものではなく、母親と子どもの相互作用の中で発達する過程であるため。例えば、母親役割獲得は、母親の特性だけでなく、子どもの気質・健康状態・反応性にも影響される。
・母親役割獲得とは、母親が子どもを世話する行動を身につけ、母親としての自信・満足感・自己同一性を形成していく過程である。
2.× 母親は産後4か月までに母親役割を獲得する「ものではない」。産後約1年かかるとされている。ただし、母親役割獲得を、一定時点で完了する固定的なものではなく、時間をかけて発達し続ける過程として捉えている。
3.× 母親役割獲得のプロセスには、「3つの段階」ではなく4つの段階がある。なぜなら、マーサーの母親役割獲得過程は、①予期的段階、②形式的段階、③非形式的段階、④個人的段階の4段階で構成されるため。
4.× ハイリスク妊娠の女性と家族「にも適応となる」理論である。なぜなら、マーサーの理論は、母親役割獲得に影響する多様な因子を考慮する理論であるため。したがって、ハイリスク状況にある女性や家族の支援にも活用できる。
5.〇 正しい。妊娠中の母親役割に対する心理・社会的準備段階にあたるのは予期的段階である。
・予期的段階とは、妊娠期に妊娠に専念し、胎児へ関心や愛着をはぐくみ母親となる準備をする段階である。妊婦は「自分が母親になる」ことを少しずつ受け止め、胎児への愛着を形成し、母親としての役割を学び始める。
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