第110回(R3) 看護師国家試験 解説【午前1~5】

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問題の引用:第107回保健師国家試験、第104回助産師国家試験及び第110回看護師国家試験の合格発表

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。コメント欄にて誤字・脱字等、ご指摘お待ちしています。よろしくお願いいたします。

 

1 平成30年(2018年)の日本の総人口に最も近いのはどれか。

1.1億人
2.1億600万人
3.1億2600万人
4.1億4600万人

解答3

解説

(※図引用:総務省統計局「 人口推計(2018年(平成30年)10月1日現在)結果の要約」)

平成30年(2018年)の日本の総人口は、総人口は1億2644万3千人である。前年に比べ26万3千人(0.21%)の減少と8年連続で減少している。したがって、選択肢3.1億2.600万人が正しい。(※データ引用:総務省統計局「 人口推計(2018年(平成30年)10月1日現在)結果の要約」)

他のデータ

・15~64歳人口の割合は59.7%で,比較可能な1950年以降過去最低。
・70歳以上人口は97万9千人の増加,初めて2割を超える。
・75歳以上人口が初めて65歳以上人口の半数以上となる。

(※引用:総務省統計局「 人口推計(2018年(平成30年)10月1日現在)結果の要約」)

 

 

 

 

 

 

2 平成29年(2017年)の患者調査における外来受療率(人口10万対)で最も多い傷病はどれか。

1.新生物〈腫瘍〉
2.呼吸器系の疾患
3.消化器系の疾患
4.内分泌、栄養及び代謝疾患

解答3

解説

患者調査とは?

目的:病院・診療所を利用する患者について、傷病状況の実態を明らかにする。
調査頻度:3年に1回、医療施設静態調査と同時期に実施している。
調査対象:標本調査(全国の病院、一般診療所、歯科診療所から層化無作為により抽出した医療施設の患者)
調査項目:患者の性別、出生年月日、住所、入院・外来の種別、受療の状況等。
調査方法:医療施設の管理者が記入。

(参考:「患者調査(基幹統計)」厚生労働省HPより)

1.× 新生物〈腫瘍〉の外来受療率は、人口10万対197である。
2.× 呼吸器系の疾患の外来受療率は、人口10万対497である。
3.〇 正しい。消化器系の疾患の外来受療率は最も多い人口10万対1021である。
4.× 内分泌、栄養及び代謝疾患の外来受療率は、人口10万対350である。

(データ引用:厚生労働省「平成29年(2017)患者調査の概況」)

 

 




 

 

3 大気汚染物質はどれか。

1.フロン
2.カドミウム
3.メチル水銀
4.微小粒子状物質(PM2.5)

解答4

解説

大気汚染とは?

【大気汚染の定義】大気中に排出された物質が自然の物理的な拡散・沈着機能や化学的な除去機能、及び生物的な浄化機能を上回って大気中に存在し、その量が自然の状態より増加し、これらが人を含む生態系や物などに直接的、間接的に影響を及ぼすこと。自然一般にある空気組成を変化させる物質は総て広い意味での大気汚染物質である。
【発生源と種類】発生源は①自然起源と②人為起源に分けられる。①自然起源:火山排出物、森林火災、花粉の飛散、砂座・黄砂などの風による地面からの巻き上げ、海塩粒子などの風による海面からの巻き上げ、成層圏から対流闘に沈降するオゾンなどが上げられる。②人為起源:工場や火力発電所、自動車などの化石燃料の燃焼による排出物、生産活動により生成するガスや粒子状物質、廃楽物の処理に伴う粒子状物質や化学物質などが上げられる。
【一次汚染物質】発生源から直接発生する(一酸化炭素、二酸化硫黄、炭化水素、粉塵など)。
【二次汚染物質】環境大気中において化学変化により生成する(二酸化窒素、光化学オゾン、エアロゾルなど)
【ガス状大気汚染物質】①二酸化硫黄、②二酸化窒素、③浮遊粒子状物質、④一酸化炭素、(その他:一酸化窒素、ガス状硝酸、PAN、ガス状フッ素、塩化水素、アンモニア、メチルメルカブタン、硫化水素、硫化メチル、トリメチルアミン、二硫化メチル、アルデヒド、スチレンなど)

(※参考:「大気汚染の定義と汚染物質」環境省HPより)

 

1.× フロンは「大気汚染物質」でなく、オゾン層を破壊する原因物質で有名であるが、オゾン層を破壊するCFC(クロロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)を「特定フロン」、オゾン層を破壊しないHFC(ハイドロフルオロカーボン)を 「代替フロン」に分けられる。つまり、一概にフロンといっても場合によって指す物質の範囲は異なるため、大気汚染物質とは言えない。
2.× カドミウムは「大気汚染物質」でなく、イタイイタイ病の原因物質(四大公害病のひとつ)である。水質汚染や土壌汚染が問題となった。腎機能障害を起こし、カルシウム吸収が障害されて、骨が脆くなり骨折しやすくなる。
3.× メチル水銀は「大気汚染物質」でなく、水俣病の原因物質(四大公害病のひとつ)である。水質汚染が問題となった。中枢神経系への影響がある。
4.〇 正しい。微小粒子状物質(PM2.5)は大気汚染物質である。「浮遊粒子状物質(suspended particluate matter:spm)とは、大気中にして存在する粒径10μm以下の粒子のことをさす。人為起源と自然起源の物が混在しており、発生源から直接的に排出された粒子と、ガス状物質が大気中で粒子化した二次生成粒子がある。浮遊粒子状物質は視程の低下を招くばかりではなく特に徴粒子は、ガス状の大気汚染物質と共存することにより人の健康に悪影を及ぼす(※引用:「大気汚染の定義と汚染物質」環境省HPより)」。また、微小粒子状物質(PM25)は、2.5μm以下の微粒子で、大気中に浮遊しやすく、肺の奥まで達して呼吸器疾患に影響する。大気汚染物質として許容基準が定められている。

有機水銀について

有機水銀は特に胎児の中枢神経の発達に影響を及ぼすとされている。妊婦、幼児、近く妊娠を予定されている方は、有機水銀濃度が高い水産物を主菜とする料理を週1回以内(合計で週におおむね50~100g程度以下)にすることをお勧めしている。主に多くの有機水銀が含まれるものとして、マグロ類(マグロ、カジキ)、サメ類、深海魚類(キンメダイ、ムツ、ウスメバルなど)、鯨類(鯨、イルカ)などがあげられる。ちなみに、サンマ、イワシ、サバなどは、一般的に有機水銀濃度が低い水産物であるため、控える必要はない。

①四日市喘息(三重県):主に亜硫酸ガスによる大気汚染を原因。
②新潟水俣病:有機水銀(メチル水銀)による水質汚染や底質汚染を原因。
③イタイイタイ病(富山県):カドミウムによる水質汚染を原因
④熊本水俣病:有機水銀(メチル水銀)による水質汚染や底質汚染を原因

 

 

 

 

 

 

4 要介護認定の申請先はどれか。

1.市町村
2.診療所
3.都道府県
4.介護保険審査会

解答1

解説

(画像引用:みんなの介護様HPより)

 

1.〇 正しい。要介護認定の申請先は、市町村である。要介護認定を受けようとする被保険者は、市町村に申請し、介護認定審査会の審査・判定に基づき、市町村が認定する。
2.× 診療所は、『医療法』に定める医療提供施設である。診療所とは、患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設であり、医師又は歯科医師が医業又は歯科医業を行う場所である。ちなみに、クリニックとは医療施設の一つであり、おもに外来患者を診察する。
3.× 都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われる働きをする。必要な助言及び適切な援助をすることとされている。
4.× 介護保険審査会は、保険給付等に関する不服に対する審査請求について審査し裁決をする機関である。都道府県に設置されている。市町村の処分が法令、基準等に基づき適正に行われているかどうかを審査し、裁決する機関である。

 

 




 

 

5 看護師免許の付与における欠格事由として保健師助産師看護師法に規定されているのはどれか。

1.20歳未満の者
2.海外に居住している者
3.罰金以上の刑に処せられた者
4.伝染性の疾病にかかっている者

解答3

解説

欠格事由

第九条 次の各号のいずれかに該当する者には、前二条の規定による免許(以下「免許」という。)を与えないことがある。
一 罰金以上の刑に処せられた者
二 前号に該当する者を除くほか、保健師、助産師、看護師又は准看護師の業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者
三 心身の障害により保健師、助産師、看護師又は准看護師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
四 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
(※「保健師助産師看護師法第9条」e-GOV法令検索様HPより)

1~2.4.× 20歳未満の者/海外に居住している者/伝染性の疾病にかかっている者は、看護師免許の付与における欠格事由として保健師助産師看護師法に規定されていない。欠格事由とは、その事由に該当する者には免許を与えないことができる事由のことである。いずれも看護師免許の付与に該当する。
3.〇 正しい。罰金以上の刑に処せられた者は、看護師免許の付与における欠格事由として保健師助産師看護師法に規定されている。

保健師助産師看護師法とは?

保健師助産師看護師法とは、保健師・助産師および看護師の資質を向上し、もって医療および公衆衛生の普及向上を図ることを目的とする日本の法律である。通称は保助看法。(※一部引用:「保健師助産師看護師法」厚生労働省HPより)

 

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