第111回(R4) 看護師国家試験 解説【午後21~25】

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21 転倒・転落を起こすリスクを高める薬はどれか。

1.降圧薬
2.抗凝固薬
3.気管支拡張薬
4.副腎皮質ステロイド薬

解答1

解説
1.〇 正しい。降圧薬は、転倒・転落を起こすリスクを高める薬である。降圧薬の主な副作用として、頭痛、顔面紅潮、ほてり感、熱感、動悸、貧血、ふらつき、めまい、発疹などである。
2.× 抗凝固薬の主な副作用として、鼻血、皮下出血、歯肉出血、血尿、結膜出血、貧血、創傷出血、喀血(せきがでるときに血がでる)、口腔内出血、痔出血、網膜出血、メレナ(黒色便)などである。
3.× 気管支拡張薬の主な副作用として、手の震え、動悸、脈が速くなる、筋肉がつるなどの症状である。
4.× 副腎皮質ステロイド薬の主な副作用として、①易感染性、②骨粗鬆症、③糖尿病、④消化性潰瘍、⑤血栓症、⑥精神症状(うつ病)、⑦満月様顔貌(ムーンフェイス)、中心性肥満などである。

ステロイドの副作用

【ステロイドの機序】
ステロイドは細胞の中に入った後にグルココルチコイド受容体に結合する。ステロイドの結合したグルココルチコイド受容体は、細胞の核内へ移行し、炎症に関与する遺伝子の発現を調節すると言われている。 この結果として強力な抗炎症作用と免疫抑制作用が発揮される。

【ステロイドの副作用】
軽度:中心性肥満、体重増加、満月様顔貌
重度:消化管潰瘍、糖尿病、感染症、骨粗鬆症・骨壊死、筋炎、精神症状(抑うつ、せん妄)

ステロイドを長期的に内服した場合、体内でステロイドホルモンが分泌されなくなることがある。そのため、急に薬の内服を止めると体内のステロイドホルモンが不足し、倦怠感や血圧低下、吐き気、低血糖などの症状が起こることがある。これをステロイド離脱症候群という。

(※参考:「副腎皮質ステロイド」日本リウマチ学会様HP)

 

 

 

 

 

22 注射針の刺入角度が45〜90度の注射法はどれか。

1.皮下注射
2.皮内注射
3.筋肉内注射
4.静脈内注射

解答3

解説

注射部位の深さ

深さ:表皮→真皮→皮下組織→静脈→筋肉の順に深くなる。
角度:皮内(ほぼ水平)→皮下注射(10~30度)→筋肉内注射(45~90度)である。

注射部位が浅ければ刺入角度を小さくし、注射部位が深ければ刺入角度を大きくする。

1.4.× 皮下注射/静脈内注射の刺入角度は、10〜30度である。ちなみに、静脈注射法とは、静脈内に直接薬液を入れる方法で、薬物作用は迅速かつ強力で最も効果的である。 
2.× 皮内注射の刺入角度は、ほぼ水平である。
3.〇 正しい。筋肉内注射の刺入角度は、45〜90度である。

 

 

 

 

23 点滴静脈内注射で輸液ポンプを使用する際に設定する項目はどれか。

1.薬剤名
2.終了時間
3.投与月日
4.1時間あたりの流量

解答4

解説

輸液ポンプとは?

輸液ポンプとは、一定の速度で正確な点滴静脈内注射を連続で行うための装置である。多量の輸液を確実に注入したり、微量の薬液を正確に持続注入するなど、一定の注入速度で長時間の点滴静脈内注射を実施することができる。抗癌薬、血管拡張薬、昇圧薬、持続麻酔薬、抗凝固薬、各種ホルモン剤などの持続注入に用いられる。

1~3.× 薬剤名/終了時間/投与月日は、「設定する項目」ではなく確認すべき項目である。
4.〇 正しい。1時間あたりの流量は、点滴静脈内注射で輸液ポンプを使用する際に設定する項目である。輸液ポンプと、一定の速度で正確な点滴静脈内注射を連続で行うための装置である。

 

 

 

 

 

24 褥瘡の深達度分類で水疱形成のステージはどれか。

1.Ⅰ
2.Ⅱ
3.Ⅲ
4.Ⅳ

解答2

解説

MEMO

褥瘡の深さの評価は、①米国褥瘡諮問委員会(NPUAP)と②日本褥瘡学会学術教育委員会(DESIGN)による分類がある。

①米国褥瘡諮問委員会(NPUAP)
DTI疑い(SDTI):深さ判定不明
ステージⅠ:消退しない発赤 
ステージⅡ:部分欠損または水疱 
ステージⅢ:全層組織損傷(脂肪層の露出)
ステージⅣ:全層組織欠損
判定不能:皮膚または組織の全層欠損・深さ判定不能
壊死組織で覆われている全層損傷

②日本褥瘡学会学術教育委員会(DESIGN)
d0:皮膚損傷・発赤なし
d1:持続する発赤
d2:真皮までの損傷 
D3:皮下組織までの損傷
D4:皮下組織を超える損傷
D5:関節腔・体腔に至る損傷
 U:深さ判定不能の場合

1.× Ⅰは、消退しない発赤のステージである。
2.〇 正しい。は、水疱形成のステージである。部分欠損または水疱 のステージである。
3.× Ⅲは、全層組織損傷(脂肪層の露出)である。筋・腱組織、骨は露出していない程度の損傷である。
4.× Ⅳは、全層組織欠損である。筋・腱組織、骨の露出を伴う損傷である。

 

 

 

 

25 最も高い照度を必要とするのはどれか。

1.病室
2.手術野
3.トイレ
4.病棟の廊下

解答2

解説
1.× 病室は、100~200ルクスが推奨される。
2.〇 正しい。手術野は、最も高い照度を必要とする。1000ルクスである。
3~4.× トイレ/病棟の廊下は、100ルクスが推奨される。

(※図引用:「照度基準」日本工業標準調査会様より)

 

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