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21 労働安全衛生法に基づく令和4年度(2022年度)の定期健康診断による有所見率の年次推移を以下に示す。
Aに該当するのはどれか。

1.血圧
2.心電図
3.血中脂質
4.血糖検査
5.肝機能検査
解答1
解説
有所見率=有所見者数/受診者数×100
有所見者数については、医師の診断が異常なし、要精密検査、要治療等のうち、異常なし以外の者を有所見者とする。また、同一の労働者が年2回以上定期健康診断を受診している場合、そのうち1回以上「有所見」と診断された労働者を1人としている。(※引用:「主な用語の定義」厚生労働省様HPより)
1.〇 正しい。血圧の有所見率は、令和4年〈2022年〉に18.2%であり、血中脂質に次いで高い水準で推移している項目である。
2.× 心電図の有所見率は、令和4年〈2022年〉に10.7%である。
3.× 血中脂質の有所見率は、令和4年〈2022年〉に31.6%である。
4.× 血糖検査の有所見率は、令和4年〈2022年〉に12.7%である。
5.× 肝機能検査の有所見率は、令和4年〈2022年〉に15.8%である。
22 喫食直前に加熱処理をしても予防が困難な食中毒の原因となるのはどれか。
1.サルモネラ菌
2.腸炎ビブリオ
3.ノロウイルス
4.黄色ブドウ球菌
5.腸管出血性大腸菌
解答4
解説
1.× サルモネラ菌は、喫食直前の十分な加熱で予防しやすい食中毒原因菌である。
・サルモネラ菌とは、腸管内で増殖し、腸管上皮へ侵入して炎症を起こす菌である。原因として、弁当類、生乳、生卵・肉類があげられる。潜伏期間は8~48時間で、38~40℃の発熱が3~5日続く。他の症状として、嘔吐(軽度)、腹痛(軽度)、下痢(中等度:ときに血便)、神経症状(なし)があげられる。
2.× 腸炎ビブリオは、喫食直前の十分な加熱で予防しやすい食中毒原因菌である。
・腸炎ビブリオとは、食中毒の原因となる細菌で、海水や海産の魚介類などに生息している。4℃以下ではほとんど繁殖しない。腸炎ビブリオの症状は、潜伏期間が12時間前後で、主症状としては耐え難い腹痛があり、水様性や粘液性の下痢がみられる。下痢は日に数回から多いときで十数回、しばしば発熱(37〜38℃)や嘔吐、吐き気がみられる。
3.× ノロウイルスは、ウイルス自体を十分に加熱して不活化することで予防できる。
・ノロウイルスとは、もっとも一般的な胃腸炎の原因である。感染者の症状は、非血性下痢、嘔吐、胃痛(悪心・嘔吐、水様性下痢腹痛、発熱等の急性胃腸炎)が特徴である。発熱や頭痛も発生する可能性がある。症状は、通常ウイルス曝露後12〜48時間で発症し、回復は通常1〜3日以内である。合併症はまれだが、特に若人、年配者、他の健康上の問題を抱えている人では、脱水症状が起こることがある。原因として、①カキ等の二枚貝、②感染者の嘔吐物等への接触や飛沫による二次感染である。感染経路は、経口感染、接触感染、飛沫感染、空気(飛沫核)感染による。
4.〇 正しい。黄色ブドウ球菌は、喫食直前に加熱処理をしても予防が困難な食中毒の原因となる。なぜなら、黄色ブドウ球菌は、食品中で耐熱性エンテロトキシンを産生し、この毒素は通常の加熱では失活しにくいため。
・黄色ブドウ球菌とは、食中毒の原因となるだけでなく、おでき、にきびや、水虫等に存在する化膿性疾患の代表的起因菌である。健康な人でものどや鼻の中などに高率で検出され、動物の皮膚、腸管、ホコリの中など身近にも存在している。5類感染症のひとつである。
5.× 腸管出血性大腸菌は、喫食直前の十分な加熱で予防しやすい食中毒原因菌である。
・腸管出血性大腸菌とは、赤痢菌が産生する志賀毒素類似のベロ毒素を産生し、激しい腹痛、水様性の下痢、血便を特徴とする。特に、小児や老人では、溶血性尿毒症症候群や脳症(けいれんや意識障害など)を引き起こしやすいので注意が必要である。原因食品は、ハンバーグ、生肉、生レバー、井戸水などである。
23 耐糖能異常の頻度の地域比較調査を行った。A地区では空腹時血糖126mg/dL以上、B地区では随時血糖200mg/dL以上とHbA1c6.5%以上を組み合わせて評価していたことが明らかになった。
疫学調査法における問題点はどれか。
1.交絡
2.偶然誤差
3.情報の偏り〈バイアス〉
4.選択の偏り〈バイアス〉
5.リードタイムバイアス
解答3
解説
・耐糖能異常の頻度の地域比較調査を行った。
・A地区:空腹時血糖126mg/dL以上、
・B地区:随時血糖200mg/dL以上とHbA1c6.5%以上を組み合わせて評価していた。
→本問では、A地区では空腹時血糖126mg/dL以上、B地区では随時血糖200mg/dL以上とHbA1c6.5%以上を組み合わせている。空腹時血糖、随時血糖、HbA1cは、それぞれ測定条件や意味が異なる。
①空腹時血糖とは、空腹時の血糖値である。
②随時血糖とは、食事時間に関係なく測定した血糖値である。
③HbA1cとは、過去1〜2か月程度の平均的な血糖状態である。
1.× 交絡とは、曝露と疾病の両方に関連する第三の因子が、見かけ上の関連をゆがめることである。たとえば、運動習慣と糖尿病の関係を調べるとき、年齢や肥満が両方に関係していると、真の関連がゆがむことがある。
2.× 偶然誤差とは、偶然によって測定値や結果がばらつくことである。偶然誤差は、サンプル数が少ない、測定値がたまたまばらつく、などの場合に起こる。
3.〇 正しい。情報の偏り〈バイアス〉は、本問の疫学調査法における問題点である。なぜなら、A地区とB地区で、耐糖能異常の測定・判定基準が異なり、得られる情報に系統的な偏りが生じるため。
・情報の偏り〈情報バイアス〉とは、疾病や曝露の情報収集、測定、分類、診断の過程で生じる系統的な誤差である。
4.× 選択の偏り〈バイアス〉とは、調査対象者の選ばれ方や参加の仕方に偏りがあることで生じるバイアスである。選択バイアスは、研究に参加した人と参加しなかった人の特徴が異なる場合や、対象者の抽出方法が偏っている場合に起こる。
5.× リードタイムバイアスとは、スクリーニングなどで病気を早く発見したことにより、生存期間が見かけ上長く見える偏りである。リードタイムとは、病気を通常より早く発見できた期間のことである。
24 令和元年の国民健康・栄養調査における調査結果の図を示す。
女性の年齢階級別の健康状況に関する割合が図のように分布する項目はどれか。

1.運動習慣のある者
2.糖尿病が強く疑われる者
3.肥満者(BMI≧25kg/m2)
4.やせの者(BMI<18.5kg/m2)
5.生活習慣病のリスクを高める量の飲酒者
解答5
解説
1.× 運動習慣のある者は、一般に高齢層で割合が高くなりやすい。特に、女性の運動習慣は、若年・中年層では仕事、家事、育児、介護などで時間が取りにくい。
2.× 糖尿病が強く疑われる者は、加齢とともに割合が高くなりやすい。特に、2型糖尿病は、加齢、肥満、運動不足、遺伝的要因などが関係する。
3.× 肥満者(BMI≧25kg/m2)は、年齢とともに体重増加や体組成変化が起こり、中高年以降で肥満者割合が高くなる。特に、食生活、身体活動量、閉経後の代謝変化、筋肉量低下などが関係する。
4.× やせの者(BMI<18.5kg/m2)は、20歳代など若い年代で割合が高くなりやすい点が特徴である。なぜなら、20歳代女性で過度なダイエットや体型志向によるため。
5.〇 正しい。生活習慣病のリスクを高める量の飲酒者が該当する。これは、中年期女性では、仕事や家庭、ストレス、飲酒習慣の変化などにより、飲酒量が増える場合があると考えられている。一方、高齢期では飲酒量が減る人も多く、70歳以上では割合が低くなる。
25 エビデンスレベルが最も低いのはどれか。
1.記述研究
2.コホート研究
3.専門家の意見
4.システマティックレビュー
5.1つ以上のランダム化比較試験
解答3
解説

(※図:Minds診療ガイドライン作成の手引き2014に記載されている「エビデンスのレベル分類」)
1.× 記述研究は、エビデンスのレベルⅤである。
・記述的研究とは、個別の症例の治療を経験した後に、教科書的な経過をたどらなかったもの、あるいは教科書的な治療を超える工夫を行ったものについて、今後の参考に資するために詳細を報告する。
2.× コホート研究は、エビデンスレベルⅣaである。
・コホート研究は、前向きコホート研究・後向きコホート研究・縦断研究があり、短期間に大量のデータを得られるという長所があるが、一方で時間経過による変化が及ぼす影響、因果関係については把握できないという短所がある。
3.〇 正しい。専門家の意見は、エビデンスレベルⅥである。なぜなら、専門家の意見は、個人の経験や知識に基づくものであり、系統的な研究データに基づく根拠ではないため。
4.× システマティックレビューは、エビデンスレベルⅠである。
・システマティックレビューとは、複数の研究を系統的に収集・評価・統合して結論を導く研究方法である。研究を都合よく選ぶのではなく、あらかじめ決めた方法で文献を検索し、質を評価し、結果を統合する。特に、質の高いランダム化比較試験を対象にしたシステマティックレビューは、非常に高いエビデンスとされる。
5.× 1つ以上のランダム化比較試験は、エビデンスレベルⅡである。
・ランダム化比較試験とは、「ランダムに割り付けた対象群間で前向きに効果の差を比較する試験」である。ある集団の対象者を実験的予防、治療、介入などを受けるか受けないかにより介入群と対照群の2群に無作為に配分した疫学的研究方法である。
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