第112回(R5) 看護師国家試験 解説【午後106~110】

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次の文を読み106~108の問いに答えよ。
 Aさん(28歳、初産婦)は妊娠38週1日、順調な経過で経膣分娩した。産後は夫が育児休業を取得し、自宅で夫と2人で子育てをする予定である。産褥1日、バイタルサインは、体温 36.7℃、脈拍 70/分、整、血圧118/68mmHg、Hb 12.0g/dL。子宮底は臍下2横指のところに硬く触れている。悪露は赤色で中等量、凝血の混入はない。Aさんは授乳時に後陣痛を訴えている。会陰縫合部に腫脹や発赤はなく、痛みは自制内である。尿意の自覚があり、残尿感や排尿困難感はない。

問題106 Aさんの産褥1日のアセスメントで正しいのはどれか。

1.貧血がある。
2.感染徴候がある。
3.正常な経過である。
4.子宮復古不全である。

解答

解説

本症例のポイント

・Aさん(28歳、初産婦)
・妊娠38週1日:順調な経過で経膣分娩。
・産後の予定:夫が育児休業を取得、自宅で夫と2人で子育てをする。
産褥1日:体温36.7℃、脈拍70/分、整、血圧118/68mmHg、Hb 12.0g/dL
・子宮底:臍下2横指、硬く触れている。
・悪露:赤色で中等量、凝血の混入なし。
・授乳時:後陣痛の訴えあり。
・会陰縫合部:腫脹や発赤はなし痛み自制内
・尿意:自覚あり、残尿感や排尿困難感:ない。
→本症例の観察した評価項目から、適切な選択肢を選ぶ必要がある。各選択肢の定義をしっかり押さえておくことが重要である。

1.× 貧血とはいえない。なぜなら、本症例のHb 12.0g/dLであるため。(Hb)ヘモグロビンとは、酸素分子と結合する性質を持ち、肺から全身へと酸素を運搬する役割を担っている。ヘモグロビンの値が、男性は13g/dl以下、女性は11g/dl以下になると、「貧血」と診断される。
2.× 感染徴候があるとはいえない。なぜなら、本症例の会陰縫合部は、腫脹や発赤なし、痛み自制内であるため。感染がある場合、炎症の4徴候である「熱感」「腫脹」「発赤」「疼痛」があったり、明らかな感染創がみられる。
3.〇 正しい。正常な経過である。Aさんの子宮底の位置、硬さ、悪露の色・量ともに産褥1日の正常範囲にあり、子宮収縮は良好である。ちなみに、後陣痛とは、赤ちゃんを出産した後に、子宮が元の大きさに戻ろうと収縮する時に生じる痛みのことである。子宮を収縮させることで、胎盤が剥がれた部分の血管断裂部を圧迫し、止血する役割がある。分娩後に子宮が収縮し、元の大きさに戻ろうとすることを子宮復古といい、産後6週~8週で妊娠前の状態に戻る。正常な子宮復古の経過の場合、産褥7日頃の子宮底高は恥骨結合上縁にわずかに触れる程度である。
4.× 子宮復古不全とはいえない。なぜなら、本症例は産褥1日であり、著明な異常は見られないため。子宮復古不全とは、妊娠によって大きくなった子宮が出産を終えて元に戻る過程である子宮復古に異常が起き、通常の子宮収縮が認められない病態である。 原因は、①子宮内に胎盤の一部が残っている場合(子宮内残留)や、②母体疲労によるもの、③胎盤や卵膜の子宮内感染など原因は多岐に渡る。

子宮復古の状態

・分娩直後:①子宮底長(11~12cm)、②子宮底の高さ(臍下2~3横指)、③悪露の色調・におい(赤色:鮮血性、血液のにおい)
・分娩後12時間:①子宮底長(15cm)、②子宮底の高さ(臍高~臍上1~2横指少し右方に傾く)、③悪露の色調・におい(赤色:鮮血性、血液のにおい)
・1~2日:①子宮底長(11~17cm)、②子宮底の高さ(臍下1~2横指)、③悪露の色調・におい(赤色:鮮血性、血液のにおい)
・3日:①子宮底長(9~13cm)、②子宮底の高さ(臍下2~3横指)、③悪露の色調・におい(褐色、赤褐色:軽い異臭)
・4日:①子宮底長(9~10cm)、②子宮底の高さ(臍と恥骨結合の中央:臍恥中央)、③悪露の色調・におい(褐色、赤褐色:軽い異臭)
・5日:①子宮底長(8~11cm)、②子宮底の高さ(恥骨結合上縁3横指)、③悪露の色調・におい(褐色、赤褐色:軽い異臭)
・6日:①子宮底長(8~11cm)、②子宮底の高さ(恥骨結合上縁3横指)、③悪露の色調・におい(褐色、赤褐色:軽い異臭)
・7~9日:②子宮底の高さ(恥骨結合上わずかに触れる)、③悪露の色調・におい(褐色、赤褐色:軽い異臭)
・10日以降~3週間:②子宮底の高さ(腹壁上より触知不能)、③悪露の色調・におい(黄色・無臭)
・4~6週間:③悪露の色調・におい(白色・無臭)

 

 

 

 

 

次の文を読み106~108の問いに答えよ。
 Aさん(28歳、初産婦)は妊娠38週1日、順調な経過で経膣分娩した。産後は夫が育児休業を取得し、自宅で夫と2人で子育てをする予定である。産褥1日、バイタルサインは、体温 36.7℃、脈拍 70/分、整、血圧118/68mmHg、Hb 12.0g/dL。子宮底は臍下2横指のところに硬く触れている。悪露は赤色で中等量、凝血の混入はない。Aさんは授乳時に後陣痛を訴えている。会陰縫合部に腫脹や発赤はなく、痛みは自制内である。尿意の自覚があり、残尿感や排尿困難感はない。

問題107 産褥3日、Aさんの夫から「退院後は私が子どもの沐浴をします。子どもの身体の洗い方は動画で学んだのですが、沐浴のときに注意することはありますか。寒い時期なので心配です」と看護師に質問があった。
 Aさんの夫への説明で適切なのはどれか。

1.「着替え用の衣類が冷たくないか、沐浴前に確認しておきましょう」
2.「10分程度お湯に浸けて赤ちゃんを温めましょう」
3.「ベビーバスには50℃のお湯を準備しましょう」
4.「沐浴する場所の室温は30℃に設定しましょう」

解答

解説

本症例のポイント

・Aさん(28歳、初産婦)
・妊娠38週1日:順調な経過で経膣分娩。
・産褥3日:Aさんの夫から「退院後は私が子どもの沐浴をします。子どもの身体の洗い方は動画で学んだのですが、沐浴のときに注意することはありますか。寒い時期なので心配です」と。
→沐浴とは、からだを水で洗うことである(※読み:もくよく)。出産直後は、温かい乾いたタオルで全身を拭き保温することが多い。沫浴は、生後4~5日頃までせず、血液や羊水など汚れた部位のみ拭き取り、胎脂を残しておくドライテクニックを採用している施設が多い。

1.〇 正しい。「着替え用の衣類が冷たくないか、沐浴前に確認しておきましょう」と指導する。なぜなら、入浴後の体温の喪失を防ぐことができるため。入浴後は、水滴による蒸散で体温が奪われやすいため注意する必要がある。
2.× お湯に浸けて赤ちゃんを温めるのは、「10分程度」ではなく5分程度が望ましい。なぜなら、新生児の体温調整機能は未熟であるため。体温調整機能が未熟な年齢のうちは、掛け物や衣類を調整するなど児を温めすぎないようにすることで、高体温化を予防する必要がある。
3.× ベビーバスは、「50℃」ではなく37~40℃のお湯を準備する。お湯の温度は、夏37度~39度、冬38度~40度くらいが適温である。湯温計があれば確認する。これも新生児の体温調整機能は未熟であるためである。
4.× 沐浴する場所の室温は、「30℃」ではなく24~25℃に設定する。新生児は体温調整機能が未熟であるため、新生児に肌着と着物を各1枚身につけさせ、バスタオルをかけている状態が望ましい。その際の室温は24~25℃、室温50~60%に保つことが望ましい。

熱伝導形態

熱には3つの熱伝導形態があり、①熱伝導、②対流熱、③熱放射である。
①熱伝導は、物質を介して熱が伝わることをいう。(簡単にいうと、直接触れることによる熱の移動)
②対流熱は、液体や気体の流れに乗って熱が移動することをいう。
③熱放射は、温度差がある物体の間で、熱が移動することをいう。
④エネルギー変換熱は、電磁波や超音波など体内で吸収されて熱エネルギーに変換することをいう。

 

 

 

 

 

次の文を読み106~108の問いに答えよ。
 Aさん(28歳、初産婦)は妊娠38週1日、順調な経過で経膣分娩した。産後は夫が育児休業を取得し、自宅で夫と2人で子育てをする予定である。産褥1日、バイタルサインは、体温 36.7℃、脈拍 70/分、整、血圧118/68mmHg、Hb 12.0g/dL。子宮底は臍下2横指のところに硬く触れている。悪露は赤色で中等量、凝血の混入はない。Aさんは授乳時に後陣痛を訴えている。会陰縫合部に腫脹や発赤はなく、痛みは自制内である。尿意の自覚があり、残尿感や排尿困難感はない。

問題108 産褥5日、子宮収縮は臍恥中央、褐色悪露が少量、歩行時に会陰部痛がある。授乳は母乳のみで行っている。Aさんは「この子の世話が大変で、次の妊娠はしばらく考えられません。結婚前は経口避妊薬を服用していましたが、 産後の避妊はどうしたらよいか教えてください」と看護師に話した。
 Aさんへの説明で適切なのはどれか。

1.「基礎体温法が適しています」
2.「経口避妊薬は産後1か月から服用できます」
3.「性交再開時からコンドームを使用しましょう」
4.「母乳を与えている間は妊娠の心配はありません」

解答

解説

本症例のポイント

・Aさん(28歳、初産婦)
・妊娠38週1日:順調な経過で経膣分娩。
・産褥5日:子宮収縮は臍恥中央、褐色悪露が少量、歩行時に会陰部痛あり。
・授乳:母乳のみ
・Aさん「この子の世話が大変で、次の妊娠はしばらく考えられません。結婚前は経口避妊薬を服用していましたが、 産後の避妊はどうしたらよいか教えてください」と。
→経口避妊薬とは、エストロゲンとプロゲステロンの2種類のホルモンからなる。正確に服用できれば避妊効果は確実であるが、短所として、悪心や少量の不正性器出血を起こすことがある。血栓症、心筋梗塞などのリスクを伴う場合がある。

【利点】女性主体で避妊ができる。正確に服用すれば、避妊効果は確実である。以下のような避妊以外の利点がある。
・子宮体癌、卵巣癌の発生率低下。
・子宮内膜症の症状緩和。
・月経困難症、月経前症候群の改善。

【欠点】服用開始後1~2週間くらいまで、悪心や少量の不正性器出血を起こすことがある。血栓症、心筋梗塞などのリスクを伴う場合がある。

【禁忌】
大手術の前後および長期間安静状態を要する患者。
35歳以上で1日15本以上の喫煙者。
血栓性素因のある者。
重症の高血圧症患者。
血管病変を伴う糖尿病患者。
産後4週以内の者
授乳中(産後6か月未満)の者など

1.× 「基礎体温法が適しています」とはいえない。なぜなら、産後の排卵周期は不規則になることが多いため。これは、ホルモンのバランスが不安定であるため起こりえる。基礎体温法とは、月経が規則正しく発来する女性に有用である。基礎体温法は、薬剤を使わず行えるが、排卵日を正確に予測することは不可能なので、避妊効果は劣る。ちなみに、周期的禁欲法(オギノ式避妊法)とは、生理(月経)周期から排卵日を予測して避妊する方法である。1年間に25%の人が妊娠するといった報告がある。
2.× 「経口避妊薬は産後1か月から服用できます」とはいえない。なぜなら、本症例は、母乳のみの授乳を行っているため。経口避妊薬の禁忌として、産後4週以内の者や授乳中(産後6か月未満)の者などが該当する。経口避妊薬は、母乳量や質の低下に寄与する。
3.〇 正しい。「性交再開時からコンドームを使用しましょう」と説明する。コンドーム(バリア法)は、産後1か月検診後の最初の性交渉から使用できる。コンドームは、正しく使えば妊娠する確率は2%(理想的な使い方)であるが、正しく使用していなかったり、外れてしまうケースも多く、その場合の妊娠する確率は18%である。
4.× 「母乳を与えている間は妊娠の心配はありません」とはいえない。なぜなら、授乳中はずっとプロラクチンが分泌し、このホルモンが排卵を抑制し妊娠しにくくはなるが、妊娠しないとはいえないため。また、授乳中であっても約50%が20週までに排卵する。授乳をやめると、ほとんどの人が6週間以内に月経が再開する。授乳をしない場合は、産後2~3か月で月経が始まることが多くある。

経口避妊薬の服用が禁忌な場合

①本剤の成分に対し過敏性素因のある女性
②エストロゲン依存性腫瘍(例えば乳癌、子宮体癌、子宮筋腫),子宮頸癌、性器癌及びその疑いのある患者
③診断の確定していない異常性器出血のある患者
④血栓性静脈炎,肺塞栓症,脳血管障害,冠動脈疾患またはその既往歴のある患者
⑤35歳以上で1日15本以上の喫煙者
⑥血栓症素因のある女性
⑦抗リン脂質抗体症候群の患者
⑧大手術の術前4週以内,術後2週以内,産後4週以内及び長期間安静状態の患者
⑨重篤な肝障害のある患者
⑩肝腫瘍のある患者
⑪脂質代謝異常のある患者
⑫高血圧のある患者(軽度の高血圧の患者を除く)
⑬耳硬化症の患者
⑭妊娠中に黄疸、持続性そう痒症または妊娠ヘルペスの既往歴のある女性
⑮妊娠または妊娠している可能性のある女性
⑯授乳婦
⑰思春期前の女性

(一部引用:「経口避妊薬(OC)の処方の手順」日本産婦人科医会より)

 

 

 

 

 

次の文を読み109~111 の問いに答えよ。
 Aさん(58歳、男性)は、年金の給付を受けて生活している父親(82歳)と2人暮らしで、母親は2年前に亡くなっている。20歳のときに統合失調症と診断された。20歳代で何回か仕事に就いたが長続きはしなかった。40歳からは無職で、デイケアへ通所していた。1年前にデイケアを中断してからは、ほとんどの時間を自宅で過ごしているが、月1回の外来通院は継続している。Aさんが飲まなかった薬がたくさん残っていることを父親が発見し、主治医に相談した。この相談をきっかけに、週1回の精神科訪問看護を導入することになった。初回訪問時にAさんは「薬は飲み忘れたんです。心配かけてごめんなさい」と父親と訪問看護師に話した。

問題109 このときの訪問看護師の対応で優先度が高いのはどれか。

1.父親に薬の管理を依頼する。
2.薬を飲み忘れない方法を話し合う。
3.外来受診時に薬局の薬剤師に服薬指導を依頼する。
4.デイケアの再開を主治医と相談するように提案する。

解答

解説

本症例のポイント

・Aさん(58歳、男性、20歳:統合失調症
・2人暮らし(年金生活の父親、82歳)
・月1回の外来通院:継続している。
飲まなかった薬がたくさん残っていることを父親が発見。
・週1回の精神科訪問看護:導入。
・Aさん「薬は飲み忘れたんです。心配かけてごめんなさい」と。
→本症例は、統合失調症の維持期であると考えられる。この時期は、できるだけ再発の防止に努める必要がある。

1.× 父親に薬の管理を依頼する優先度は低い。なぜなら、Aさん「薬は飲み忘れたんです。心配かけてごめんなさい」と、飲み忘れについて反省しているようであるため。また、Aさんは58歳で、父親は82歳であるため。
2.〇 正しい。薬を飲み忘れない方法を話し合う。飲み忘れない方法を確立することで、統合失調症の再発防止につながる。
3.× 外来受診時に薬局の薬剤師に服薬指導を依頼する優先度は低い。なぜなら、Aさんの発言(飲み忘れた時の反省)から、内服の必要性は理解している可能性が高いため。
4.× デイケアの再開を主治医と相談するように提案する優先度は低い。なぜなら、Aさんは1年前にデイケアを中断してから、再開の希望は聞かれていないため。ちなみに、精神科デイケアとは、精神科に通院している患者を対象に、①居場所を提供したり、②疾患の再発予防、③日常生活技能の改善、④社会復帰のための援助を目的とした施設である。病院内に設置されていることが多い。目標に向けて提供するリハビリテーションは変わるが、おもにレクリエーションや社会生活技能訓練(SST)などを行う。

統合失調症とは?

統合失調症とは、幻覚・妄想・まとまりのない発語および行動・感情の平板化・認知障害ならびに職業的および社会的機能障害を特徴とする。原因は不明であるが、遺伝的および環境的要因を示唆する強固なエビデンスがある。好発年齢は、青年期に始まる。治療は薬物療法・認知療法・心理社会的リハビリテーションを行う。早期発見および早期治療が長期的機能の改善につながる。統合失調症患者の約80%は、生涯のある時点で、1回以上うつ病のエピソードを経験する。統合失調症患者の約5~6%が自殺し,約20%で自殺企図がみられる。したがって、うつ症状にも配慮して、工程がはっきりしたものや安全で受け身的で非競争的なものであるリハビリを提供する必要がある。(※参考:「統合失調症」MSDマニュアル様HPより)

 

 

 

 

 

次の文を読み109~111 の問いに答えよ。
 Aさん(58歳、男性)は、年金の給付を受けて生活している父親(82歳)と2人暮らしで、母親は2年前に亡くなっている。20歳のときに統合失調症と診断された。20歳代で何回か仕事に就いたが長続きはしなかった。40歳からは無職で、デイケアへ通所していた。1年前にデイケアを中断してからは、ほとんどの時間を自宅で過ごしているが、月1回の外来通院は継続している。Aさんが飲まなかった薬がたくさん残っていることを父親が発見し、主治医に相談した。この相談をきっかけに、週1回の精神科訪問看護を導入することになった。初回訪問時にAさんは「薬は飲み忘れたんです。心配かけてごめんなさい」と父親と訪問看護師に話した。

問題110 初回訪問から1か月、訪問看護師はAさんが適切に服薬できていることを確認した。Aさんは「調子はいいですね。やる気も少し出てきました。主治医は今の薬を飲み続けるのがいいと話しています。ただ、夜の薬は朝に眠気が残るので昼まで寝てしまいます」と話した。
 このときの訪問看護師のAさんへの声かけで最も適切なのはどれか。

1.「朝起きられるように毎朝の日課を何か作りましょう」
2.「朝に眠気が残ることを主治医に相談してみませんか」
3.「来週は朝早く一緒に散歩へ行けるように訪問しますね」
4.「朝起こしてもらうようにお父さんにお願いしてみませんか」

解答

解説

本症例のポイント

・Aさん(58歳、男性、20歳:統合失調症
・2人暮らし(年金生活の父親、82歳)
・週1回の精神科訪問看護:導入。
・初回訪問から1か月:適切に服薬できている。
・Aさん「調子はいいですね。やる気も少し出てきました。主治医は今の薬を飲み続けるのがいいと話しています。ただ、夜の薬は朝に眠気が残るので昼まで寝てしまいます」と。
→本症例は、統合失調症の維持期である。この時期は、再発防止に加えて、良い生活の獲得や体力作りが必要となる。「夜の薬は朝に眠気が残るので昼まで寝てしまいます」ということで、そのことが阻害されている可能性が高い。

1.× 「朝起きられるように毎朝の日課を何か作りましょう」・「朝起こしてもらうようにお父さんにお願いしてみませんか」と伝える優先度は低い。なぜなら、朝起きれないのは薬の影響によるものと考えられるため。日課を作ったからと言って朝は起き上がれない可能性が高い。Aさんは、「夜の薬は朝に眠気が残るので昼まで寝てしまいます」と言っている。
2.〇 正しい。「朝に眠気が残ることを主治医に相談してみませんか」と伝える。なぜなら、Aさんの発言から、朝起きれないのは、夜の薬が影響している可能性が高いため。医師と相談することによって、薬の調整をしてもられる。
3.× 「来週は朝早く一緒に散歩へ行けるように訪問しますね」と伝える優先度は低い。なぜなら、Aさんから散歩の希望が聞かれていないため。統合失調症の維持期は、体力作りは重要な課題であるが、一方的に行うのではなく、Aさんの希望を聞きながら実施するのが望ましい。

 

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