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36 人体には使用しない消毒薬はどれか。
1.グルタラール
2.ポビドンヨード
3.塩化ベンザルコニウム
4.クロルヘキシジングルコン酸塩
解答1
解説
1.〇 正しい。グルタラールは、人体には使用しない消毒薬である。
・グルタラールとは、被消毒物の材質に与える影響が少なく、各種器具・機器、内視鏡などの消毒に有用である。しかし、薬液が皮膚に付着した場合、皮膚の着色や発疹、発赤等の過敏症状を起こすことがあり、また、蒸気は眼や呼吸器等の粘膜に対して刺激作用を示すことなどから、その使用には十分な 注意が必要である。
2.× ポビドンヨードは、人体(皮膚・粘膜)の消毒に広く使用される消毒薬である。
・ポビドンヨードとは、世界中で感染対策に使われている代表的な殺菌消毒剤の有効成分のひとつである。施設に感染症が流行していない場合は、ポビドンヨードやアルコール溶液などで断端を消毒することは勧められていない。
3.× 塩化ベンザルコニウムは、人体(皮膚・粘膜)の消毒に広く使用される消毒薬である。
・塩化ベンザルコニウムとは、一般細菌・真菌類に抗菌作用を示す。使用出来る用途が幅広く、手指の殺菌・消毒をはじめ、創傷面・口腔内の殺菌・消毒から理容室・美容室での消毒や食器・器具類,家屋・乗物等、ゴミ箱・冷蔵庫等,幅広い箇所の消毒に使用できる。ただし、低水準消毒薬であるため、ノロウイルスに有効とは言えない。
4.× クロルヘキシジングルコン酸塩は、人体(皮膚・粘膜)の消毒に広く使用される消毒薬である。
・クロルヘキシジングルコン酸塩とは、手術時手洗い、手術部位の皮膚、創傷部位(創傷周辺皮膚)、血管内留置カテーテル挿入部位の皮膚などに使用する。特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対しても有効である。
37 リラクセーションを目的とした腹式呼吸の方法で適切なのはどれか。
1.浅い呼吸を繰り返す。
2.呼吸に意識を集中する。
3.1分間に20回のペースで行う。
4.吸気と呼気の時間の比率を2:1とする。
解答2
解説
胸式呼吸とは、肋間筋の働きで胸郭を広げることによって行う呼吸運動である。
1.× 「浅い」ではなく深い呼吸を繰り返す。なぜなら、ストレスを感じている時や緊張している時(交感神経が優位)、人は無意識に浅く速い呼吸になりがちであるため。したがって、リラクセーション効果を得るためには、深く、ゆっくりとした呼吸を促す。
2.〇 正しい。呼吸に意識を集中する。なぜなら、呼吸に意識を集中することで、副交感神経を優位にする効果があるため。したがって、呼吸の深さやリズム、お腹の動きに意識を向けるよう促す。
3.× 1分間に20回のペースで行うのは、「多すぎる」。なぜなら、成人の安静時の呼吸数は、1分間に12〜20回程度であるため。したがって、リラクセーションを深めるためには、呼吸をゆっくりと深く行うことが重要である。
4.× 吸気と呼気の時間の比率を「2:1」ではなく1:2とする。つまり、呼気(息を吐く時間)を吸気よりも長くすることが重要である。なぜなら、呼気を長くすることで副交感神経が優位になり、リラックス効果が高まるため。
38 高濃度の酸素吸入によってCO2ナルコーシスを生じる危険性が最も高いのはどれか。
1.無気肺
2.肺塞栓症
3.間質性肺炎
4.慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉
解答4
解説
慢性閉塞性肺疾患の患者は、慢性的に血中CO2濃度が上昇しており、体内のCO2濃度を感知する中枢化学受容体での感受性が鈍くなっている。したがって、普段の呼吸運動は低酸素を感知している酸素の受容体(末梢化学受容体)からの刺激によって起こっている。しかし、高濃度の酸素を投与されると酸素の受容体は体内に酸素が十分にあると判断し、呼吸中枢を抑制して呼吸運動が減弱する。その結果、体内に高度のCO2蓄積が起こり、意識障害などの中枢神経症状が起こる。
1.× 無気肺は、高濃度の酸素吸入によってCO2ナルコーシスを生じる危険性が低い。なぜなら、無気肺により酸素化能力が低下するが、通常はCO2の排出にはあまり大きな影響を与えないため。
・無気肺とは、何らかの原因によって、肺含気量の減少および、これに基づく肺容量減少を呈した病態をいう。無気肺の一般的な原因は、気管支の閉塞である。
2.× 肺塞栓症は、高濃度の酸素吸入によってCO2ナルコーシスを生じる危険性が低い。なぜなら、肺塞栓症により、ガス交換が障害され低酸素血症を引き起こすが、換気そのものには問題がないため。
・肺塞栓症とは、肺動脈に血栓が詰まる病気のこと。血栓の9割以上は脚の静脈内にでき、この血栓を「深部静脈血栓症」といい、それが血液の流れに乗って右心房、右心室を経由して肺動脈まで運ばれてきて、肺塞栓症の原因となる。肺塞栓症と深部静脈血栓症は、極めて関係が深い病気で、二つを合わせて「静脈血栓塞栓症」と呼ばれる。深部静脈血栓症患者の約50%は潜在性の肺塞栓症を有し、肺塞栓症患者の30%以上は証明可能な深部静脈血栓症患者を有すると報告されている。
3.× 間質性肺炎は、高濃度の酸素吸入によってCO2ナルコーシスを生じる危険性が低い。なぜなら、間質性肺炎により、通常はCO2貯留よりも低酸素血症が先行するため。したがって、慢性的な高二酸化炭素血症を呈しているケースは多くない。
・間質性肺炎とは、肺の間質組織の線維化が起こる疾患の総称で、慢性的かつ進行性の特徴を持つ。病因は、喫煙、職業上の曝露、感染、免疫不全などである。症状は咳、痰、呼吸困難などで、早期には特徴的な症状がないこともある。
4.〇 正しい。慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉は、高濃度の酸素吸入によってCO2ナルコーシスを生じる危険性が最も高い。なぜなら、慢性閉塞性肺疾患により、体外に排出する能力が低下し、体内にCO2が蓄積しやすい慢性的な高二酸化炭素血症の状態にあることが多いため。
・慢性閉塞性肺疾患とは、以前には慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称である。他の特徴として、肺の過膨張、両側肺野の透過性亢進、横隔膜低位、横隔膜の平低化、滴状心などの特徴が認められる。進行性・不可逆性の閉塞性換気障害による症状が現れる。
増加:残気量・残気率・肺コンプライアンス・全肺気量・PaCO2
減少:一秒率・一秒量・肺活量・肺拡散能・PaO2
39 左肘を固定するために三角巾を置く位置を図に示す。
適切なのはどれか。
解答1
解説
(※図引用:「三角巾の使い方、矢印」illustAC様より)
1.〇 正しい。三角巾の正しい使用法は、負傷した腕を安静にし、適切な位置で支えることである。【巻き方】まず、三角巾を広げ、一番長い辺(斜辺)を体の前に来るように、そして直角の角が負傷した肘の真下に来るように置く。負傷した腕を胸に沿わせ、肘関節を約90度屈曲位に保つ。三角巾の下側の端を、負傷した腕の指先から肘までを包み込むように持ち上げ、肩の方へ回す。上側の端と下側の端を首の後ろで結び、腕がしっかりと支えられていることを確認する。結び目が首に当たらないよう、肩の横にずらす。
2~5.× 図のように、無理矢理に巻いた場合、固定が不十分であったり、首に回し吊るすことができない。
40 新鮮凍結血漿の説明で正しいのはどれか。
1.30〜37℃の湯で融解する。
2.輸血には輸液セットを使用する。
3.融解後は48時間以内に使用する。
4.融解後に直ちに使用しない場合は20〜24℃で保管する。
解答1
解説
新鮮凍結血漿は、新生児には先天性血栓性血小板減少性紫斑病や凝固因子の補充、赤血球濃厚液輸血時などに使用される。新鮮凍結血漿(FFP)は採血して4時間以内の全血を遠心分離して得た血漿を凍結したものである。
1.〇 正しい。30〜37℃の湯で融解する。なぜなら、新鮮凍結血漿には凝固因子など熱に不安定なタンパク質が含まれており、高すぎる温度で融解するとこれらの成分が変性し、効果が失われたり、副反応の原因になったりする可能性があるため。また、低すぎる温度では完全に融解しないこともある。
2.× 輸血には、「輸液セット」ではなく専用のろ過装置が備わった輸血セットを使用する。なぜなら、輸血製剤中に含まれる凝集塊や微小な凝血塊などを除去し、患者さんの血管内への異物の混入を防ぎ、輸血に伴う合併症(例:肺塞栓症)のリスクを低減するため。
3.× 融解後は、「48時間以内」ではなく遅くとも24時間以内(3時間以内を推奨)に使用する。なぜなら、新鮮凍結血漿に含まれる不安定な凝固因子(特に第V因子や第VIII因子)は、融解後は時間とともに活性が低下していくため。
4.× 融解後に直ちに使用しない場合は、「20〜24℃」ではなく2〜6℃で保管する。なぜなら、融解後の新鮮凍結血漿を室温(20〜24℃)で保管すると、細菌が増殖しやすくなり、また凝固因子の活性も急速に低下するため。