第115回(R8) 看護師国家試験 解説【午後16~20】

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16 糸球体濾過機能を評価する項目はどれか。

1.アミラーゼ
2.トロポニン
3.γ-GTP〈γ-GT〉
4.クレアチニンクリアランス

解答

解説

1.× アミラーゼとは、でんぷんを分解して糖にする酵素である。体内では主に、膵臓、耳下腺(唾液腺)から分泌される。

2.× トロポニンとは、心筋に特異的に含まれる物質で、心筋が障害を受けたときに血液中で増える物質で、筋収縮の機序としては、①筋小胞体から放出されたCa2+がトロポニンと結合する。

3.× γ-GTP〈γ-GT〉は、肝胆道系の異常を推測する指標である。肝臓の解毒作用(タンパク質分解)に関係する酵素である。特に、アルコール性肝障害、胆汁うっ滞、胆道閉塞、薬剤性肝障害などで上昇しやすい項目である。

4.〇 正しい。クレアチニンクリアランスが糸球体濾過機能を評価する項目である。
・クレアチニンクリアランスとは、血漿中の特定成分を1分間に腎から尿中に排泄されるのに必要な血漿量で示される。
・クレアチニンとは、筋肉中のクレアチン代謝によって生じる老廃物である。血液中のクレアチニンは主に腎臓の糸球体でろ過され、尿中に排泄される。そのため、腎臓の糸球体濾過機能が低下すると、クレアチニンの排泄が低下し、血清クレアチニンが上昇し、クレアチニンクリアランスは低下する。

 

 

 

 

17 痛風の診断に用いる血液検査データはどれか。

1.尿酸
2.尿素窒素
3.血清ビリルビン
4.グリコヘモグロビン

解答

解説

痛風とは?

 痛風とは、体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気である。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれている。男性に頻発する単関節炎で、下肢、特に第1中足趾節関節に好発する。尿酸はプリン体の代謝の最終産物として産生され、代謝異常があると尿酸の産生過剰・排泄障害が生じ高尿酸血症となる。高尿酸血症は痛風や腎臓などの臓器障害を引き起こすほか、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣を合併しやすい。

1.〇 正しい。尿酸は、痛風の診断に用いる血液検査データである。なぜなら、痛風は、血清尿酸値の上昇によって尿酸塩結晶が関節に沈着して起こる疾患であるため。
・尿酸とは、「プリン体」という物質が体内で分解されてできるものである。分解場所は肝臓である。プリン体は運動したり臓器を動かしたりするためのエネルギー物質で、常に体内で作られている。

2.× 尿素窒素とは、血液のなかの尿素に含まれる窒素成分のことで、蛋白質が利用された後にできる残りかすといえる。通常は腎臓でろ過されて尿中へ排出されるが、腎臓の働きが低下すると、ろ過しきれない分が血液のなかに残る。つまり、尿素窒素の数値が高くなるほど、腎臓の機能が低下していることを表している。

3.× 血清ビリルビンとは、肝胆道系疾患溶血性疾患の評価に用いる項目である。
・総ビリルビンとは、赤血球が壊れたときにできる黄色い色素のことである。総ビリルビンは、①間接ビリルビンと②直接ビリルビンをあわせていう。基準値:0.2〜1.2mg/dLである。肝細胞の障害により、直接ビリルビンが上昇する。急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん、自己免疫性肝炎などがあげられる。腎臓からも排泄され、主に肝臓で代謝されるため、肝臓や胆嚢の状態を知るための重要な指標となる。

4.× グリコヘモグロビンとは、ヘモグロビンにブドウ糖(グルコース)が結合した糖化蛋白質(グリコヘモグロビン)のことである。過去1~2ヶ月の血糖状態を反映する指標で、糖尿病の血糖コントロールの指標として用いられる検査値である。

 

 

 

 

 

18 患者との面接技法で閉じた質問〈closed question〉はどれか。

1.「気分はいかがですか」
2.「背中の痛みはないですか」
3.「どのようなことが不安ですか」
4.「ご家族は何と言っていましたか」

解答

解説

質問の種類と特徴

開かれた質問
患者の自由な答えを求める質問
例:「他に気になるところはありますか?」

閉じられた質問
「はい・いいえ」で答えられる質問
例:「吐き気はありますか?」

中立的な質問
1つの答えしか求めない質問法
例:「水分はいつからとれていないですか?」

焦点型質問
1つの事柄を深く掘り下げる質問法
例:「頭痛についてもう少し詳しく教えてください。」

1.× 「気分はいかがですか」
これは、開かれた質問である。なぜなら、患者は「少し不安です」「吐き気があります」「昨日より楽です」など、自由に説明できるため。

2.〇 正しい。「背中の痛みはないですか
これは、閉じた質問である。なぜなら「ある/ない」「はい/いいえ」で答えられる質問であるため。

3.× 「どのようなことが不安ですか」
これは、開かれた質問である。なぜなら、患者は、病気、治療、費用、家族、仕事、退院後の生活など、さまざまな不安を自由に話すことができるため。

4.× 「ご家族は何と言っていましたか」
これは、開かれた質問である。なぜなら、患者が家族の発言内容を自由に説明できる質問であるため。

 

 

 

 

 

19 看護過程における情報の分析はどれか。

1.易感染状態
2.痛みの程度
3.呼吸困難感
4.白血球の値

解答

解説

MEMO

看護過程は、根拠を持った看護を実践するための思考過程である。根拠を持つためには、科学的根拠に基づいて情報の分析を行う必要がある。看護における問題解決過程とは、看護過程の流れ(①対象の全体像の把握(アセスメント)→②看護診断→③目標設定→④計画→⑤実施→⑥評価)を指す。また、クリティカル・シンキングとは、看護過程を展開するうえで重要な考え方のひとつである。批判的な思考能力・問題解決能力・創造的思考・意思決定能力などをいう。

1.〇 正しい。易感染状態であることは、看護過程における情報の分析である。なぜなら、「易感染状態」と判断できたのは、その他の情報を分析した結果であるため。
・易感染状態とは、感染を起こしやすい状態を意味する。例えば、白血球減少、発熱、創部の発赤、栄養状態の低下、免疫抑制薬の使用、糖尿病、化学療法中などの情報を総合して、「この患者は感染を起こしやすい状態にある」と判断する。
・情報の分析とは、情報の収集(客観的情報・主観的情報含め)を行い、看護アセスメントをすることである。

2.× 痛みの程度は、収集される情報である。なぜなら、痛みの程度は、患者から得られる主観的情報である。

3.× 呼吸困難感は、患者から得られる情報である。なぜなら、呼吸困難感は、患者が感じている主観的症状であり、分析前の情報であるため。

4.× 白血球の値は、客観的情報である。なぜなら、白血球の値は、血液検査で得られる客観的データであり、分析の材料であるため。
・白血球とは、血液中の細胞で、身体への異物の侵入から身体を守る働きがあり、病原菌や異物を取り込んで消化する免疫細胞である。好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球がある。

問題志向型医療記録とは?

問題志向型医療記録とは、患者の抱える問題に目を向け、患者の問題を中心に行う医療(POM:problem oriented medical)の考え方に合わせた記録方法のことをいう。問題(プロブレム) 毎に情報を整理し、問題毎にSOAP(subjective, objective, assessment, plan)に分けて記載する方法のこと。記載内容は以下のように整理する。

①S(Subjective):主観的情報
②O(Objective):客観的情報
③A(Assessment):評価
④P(Plan):計画

 

 

 

 

 

20 呼吸のパターンを図に示す。Cheyne-Stokes〈チェーン-ストークス〉呼吸はどれか。

1.①
2.②
3.③
4.④

解答

解説

(※図引用:「異常呼吸」日本臨床検査医学会様HPより)

1.× ①は、正常呼吸である。正常呼吸は、規則的で、深さも一定の呼吸である。

2.× ②は、ビオー呼吸である。
・ビオー呼吸とは、不規則に早く深い呼吸が突然中断され、無呼吸となり、また早く深い呼吸に戻る呼吸である。原因疾患は、①呼吸中枢の障害、②髄膜炎の末期に起こる。

3.〇 正しい。は、チェーン-ストークス呼吸である。
・チェーンストークス呼吸とは、数十秒間程度の無呼吸が続いた後、外呼吸を再開すると1回換気量が次第に増加し、極大に達すると今度は1回換気量が減少して、再び数十秒間の無呼吸に至るというサイクルが続く、異常な外呼吸の仕方である。呼吸中枢の低酸素症(脳出血、脳梗塞)、動脈血循環の不良、低酸素血症のいずれかが原因となる。

4.× ④は、クスマウル呼吸である。
・クスマウル呼吸とは、異常に深大な呼吸が連続し、規則正しく続く状態である。 運動時にも同様の呼吸がみられることがある。 糖尿病性ケトアシドーシス、腎不全に伴う尿毒症、昏睡時などに認められる。

 

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