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71 看護手順の目的で正しいのはどれか。
1.優先度の判断
2.個別的な看護の促進
3.看護業務の負担の軽減
4.看護ケアの水準の保持
解答4
解説
看護手順とは、清拭、注射、移乗介助などの看護ケアを安全かつ適切に行うための標準的な方法を示したものである。目的は、看護師によって手技や判断に大きな差が出ないようにし、一定の質と安全性を保つことである。個別性は看護計画で調整する。
1.× 優先度の判断は、看護手順の目的とはいえない。なぜなら、優先度の判断は、患者の状態や緊急性をアセスメントして決める看護判断であるため。
2.× 個別的な看護の促進は、看護手順の目的とはいえない。なぜなら、看護手順は標準的な実施方法を示すものであり、個別性は看護計画で反映するものであるため。
3.× 看護業務の負担の軽減は、看護手順の目的とはいえない。なぜなら、看護手順の本来の目的は、業務を楽にすることではなく、安全で質の高い看護を一定水準で提供することであるため。
4.〇 正しい。看護ケアの水準の保持は、看護手順の目的である。なぜなら、看護手順は看護ケアを標準化し、誰が実施しても一定の安全性と質を確保するための基準であるため。例えば、尿道留置カテーテル挿入の手順があることで、必要物品、無菌操作、挿入時の観察、固定方法、感染予防、記録内容が統一される。もし看護師ごとに方法がばらばらであれば、尿路感染、粘膜損傷、固定不良などのリスクが高まる。手順に基づくことで、経験年数にかかわらず、一定水準の安全なケアを提供できる。
72 病院の医療安全管理者が行う与薬の事故防止対策で適切なのはどれか。
1.与薬の業務プロセスを見直す。
2.事故を起こした職員の責任を追及する。
3.病棟ごとに与薬マニュアルを作成する。
4.事故の対象となった患者の個人情報を病院内で共有する。
解答1
解説
医療安全管理者とは、医療機関の管理者から委譲された権限に基づいて、組織全体を俯瞰した安全管理に関する医療機関内の体制の構築に参画し、委員会等の各種活動の円滑な運営を支援する。また、医療安全に関する職員への教育・研修、情報の収集と分析、対策の立案、医療事故・発生時の初動対応、再発防止策立案、発生予防および発生した医療事故の影響拡大の防止等に努める。そして、これらを通し、安全管理体制を組織内に根づかせ機能させることで、医療機関における安全文化の醸成を促進する。
(※一部引用:「医療安全管理者の業務指針および養成のための研修プログラム作成指針」厚生労働省HPより)
1.〇 正しい。与薬の業務プロセスを見直す。なぜなら、医療事故防止では、個人の不注意だけでなく、事故が起きた仕組みや流れを改善することが重要であるため。医療安全管理者は、事故報告をもとに原因分析を行い、再発を防ぐために業務手順や確認方法を改善する。
2.× 事故を起こした職員の責任を追及することは、医療安全管理者の適切な事故防止対策ではない。なぜなら、責任追及を中心にすると、事故やヒヤリ・ハットが報告されにくくなる可能性が高いため。つまり、医療安全では、事故が起きたときに「誰が悪いか」だけを追及するのではなく、「なぜ事故が起きたのか」を分析する。
3.× 「病棟ごと」ではなく病院全体で与薬マニュアルを作成する。なぜなら、病棟ごとに手順が異なると、職員の異動や応援勤務時に混乱し、事故の原因になるため。したがって、与薬手順は病院全体で標準化し、ばらつきを減らす必要がある。
4.× 事故の対象となった患者の個人情報を病院内で共有することは、医療安全管理者の適切な事故防止対策ではない。なぜなら、個人情報保護の観点から必要最小限の範囲で取り扱うべきであるため。医療事故の情報は、再発防止のため共有すべきなのは、事故の内容、発生要因、再発防止策などである。
73 災害亜急性期に行う看護師の活動で適切なのはどれか。
1.災害用物資の点検
2.災害対応マニュアルの整備
3.急性ストレス障害〈ASD〉に対するケア
4.心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉への介入
解答3
解説

(※図引用:「災害時の医療救護活動のフェーズ区分と必要な活動」東京都保健医療局様HPより)
1.× 災害用物資の点検は、主に平常時の災害準備として行う活動である。
・災害用物資の点検とは、飲料水、食料、医薬品、衛生用品、発電機、酸素、毛布、簡易トイレなどが使用可能か、期限切れがないか、必要量が確保されているかを確認することである。
2.× 災害対応マニュアルの整備は、主に平常時の災害準備として行う活動である。
・災害対応マニュアルとは、災害発生時の連絡体制、役割分担、避難経路、トリアージ体制、物資管理、患者搬送、職員参集方法などを定めたものである。
3.〇 正しい。急性ストレス障害〈ASD〉に対するケアは、災害亜急性期に行う看護師の活動である。なぜなら、急性ストレス障害は、災害などの強い外傷体験後、比較的早期に出現するストレス反応であるため。
・急性ストレス障害とは、交通事故・自然災害といった極めて強烈なストレスを原因として、その後、急性・一過性に解離症状(感情・感覚麻痺、健忘など)、PTSDと同様の再体験症状、回避症状などが出現し、著しい苦痛や社会的障害を生じている状態をいう。心的外傷後すぐに症状が出現し、持続期間は3日間~4週間である。
4.× 心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉への介入より優先されるものがほかにある。なぜなら、心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、1か月以上心的外傷による障害が持続した場合に生じることをいうため。
・心的外傷後ストレス障害とは、大規模な災害や事故の現場、他人の悲惨な死など、心理的に大きなストレスを受ける状況下に居合わせた場合、1か月以上心的外傷による障害が持続した場合に生じる。典型的な症状として、①感覚や情動の鈍化、②心的外傷を想起するような状況の回避、③再現的で侵入的な回想(フラッシュバック)や悪夢、④過覚醒、⑤驚愕反応の亢進などが認められる。
74 Aさん(34歳、女性)と夫はともに外国籍である。10年前に来日し、在留資格を有し、国民健康保険に加入している。Aさんは妊娠9週と診断され、日本で出産する予定である。
Aさんに対する説明で正しいのはどれか。
1.「日本での出生届は不要です」
2.「妊娠の届出は大使館にします」
3.「出産時に出産育児一時金が支給されます」
4.「妊婦健康診査における公費負担を受けることはできません」
解答3
解説
・Aさん(34歳、女性、妊娠9週)
・夫はともに外国籍である。
・10年前に来日し、在留資格を有し、国民健康保険に加入している。
・Aさんは妊娠9週と診断され、日本で出産する予定である。
→ほかの選択肢が消去できる理由もあげられるようにしよう。
1.× 日本での出生届は「必要である」。なぜなら、日本での出生届は、日本国内で子どもが出生した場合、出生の事実を市区町村に届け出る必要があるため。
・出生届とは、生まれてきたお子さんの氏名等を戸籍に記載するための届出である。戸籍に記載されることで、生まれてきたお子さんの親族関係が公的に証明され、住民票が作成される。なお、外国人のお子さんであっても、日本国内で出生した場合は、出生届をしなければならない。
2.× 妊娠の届出は、「大使館」ではなく住んでいる市区町村である。
・妊娠届は、『母子保健法(15条)』に規定されている。「(妊娠の届出)第十五条 妊娠した者は、厚生労働省令で定める事項につき、速やかに、市町村長に妊娠の届出をするようにしなければならない(※引用:「母子保健法」e-GOV法令検索様HPより)」
3.〇 正しい。「出産時に出産育児一時金が支給されます」と説明する。なぜなら、Aさんは国民健康保険に加入しているため。
・出産育児一時金とは、健康保険法に基づき、日本の公的医療保険制度の被保険者が出産したときに支給される手当金(1児ごとに42万円)である。そもそも正常な出産のときは病気とみなされないため、定期健診や出産のための費用は自費扱いとなる。出産育児一時金は直接支払制度となっている。直接支払制度とは、出産育児一時金42万円が直接医療機関に支払われる制度であり、分娩後、褥婦は医療機関に保険証を提示し、所定の合意書に記載することでこの制度を利用する。出産費用が出産育児一時金の額より少ない場合、その差額を被保険者等に支給する。したがって、日本の公的医療保険に加入していることが条件となる。
4.× 妊婦健康診査における公費負担を「受けることができる」。なぜなら、妊娠届を市区町村に提出すると、妊婦健康診査の費用助成を受けることができるため。妊婦健診は、医療保険が適用されず自費扱いであるが、市区町村が交付する受診票により費用の一部が助成される。
・妊婦健康診査とは、妊婦さんや赤ちゃんの健康状態を定期的に確認するために行うものである。妊婦健康診査の費用は、妊娠・出産は正常な経過であれば、保険適用されず自費診療となる。保険が適用されない妊婦健診費用の一部を自治体(市区町村)が負担している。妊婦検診の費用は、14回のすべてが負担対象となっているが、1回あたり平均で約5,000円である。妊婦健康診査の費用助成は、全自治体で行われている。ただし、96市区町村は、公費負担額が明示されていない(※参考:「妊婦健康診査の公費負担の状況について」厚生労働省HPより)。
75 2つ以上の核を持つ細胞はどれか。
1.単球
2.好中球
3.神経細胞
4.卵母細胞
5.骨格筋細胞
解答5
解説
1.× 単球は、通常1個の核を持つ。
・単球とは、白血球の一種で、最も大きなタイプの白血球である。マクロファージなどへ分化し、貪食・消化・殺菌などの機能を発揮する。単球は、末梢血白血球の2~9%を占める。ちなみに、マクロファージとは、単球から分化し、貪食能を有する。異物を貪食して抗原提示細胞になり、抗原情報がリンパ球に伝えられる。直径15~20μmの比較的大きな細胞で、全身の組織に広く分布しており、自然免疫(生まれつき持っている防御機構)において重要な役割を担っている。
2.× 好中球は、通常1個の核を持つ(分葉状の核)。
・分葉状の核とは、好中球の一種である分葉核球の核を指す。分葉核球の核は、2~5個に分葉しており、分葉した核の間は核糸でつながっている(1つの核がくびれて複数の葉に分かれて見えている状態である)。
・好中球とは、白血球の中で一番多く、細菌免疫の主役である。マクロファージが好中球に指令し、好中球は活性化・増殖する。末梢血白血球の40~70%を占め、生体内に細菌・真菌が侵入すると、まず好中球が感染部位に遊走し、菌を貪食する。細菌感染による急性炎症で最初に反応する。
3.× 神経細胞は、通常1個の核を持つ。
・神経細胞とは、脳や脊髄などの神経系を構成する細胞で、電気信号を発して情報をやりとりする特殊な細胞である。
4.× 卵母細胞は、通常1個の核を持つ。
・卵母細胞とは、卵子のもとになる細胞である。卵原細胞が有糸分裂で増殖した後に肥大したものが卵母細胞である。卵母細胞とは、発生の初期に原始生殖細胞が出現し、雌性の原始生殖細胞の結果である。
5.〇 正しい。骨格筋細胞は、2つ以上の核を持つ細胞である(多核細胞)。(骨格筋の)核は、多核細胞で、1つの筋線維が数百の核を持つ。これは、個々の細胞が融合し細胞質が混合しているためである。一方、心筋や内蔵筋では細胞は融合することなく基本的に単核である。

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