11 感染症のアウトブレイクに該当するのはどれか。
1.全都道府県で季節性インフルエンザが流行している。
2.1年前に発生が確認された新興感染症が世界的に流行している。
3.特定の都道府県の地域内で、ある感染症が常在的にみられている。
4.高齢者施設で感染性胃腸炎の患者が発生し、1週間で合計10人が発症した。
解答4
解説
アウトブレイクとは?
アウトブレイクとは、特定の地域・施設・集団など限られた範囲で、通常予想される数を超えて感染症患者が発生することである。全国的・世界的な流行ではなく、学校、病院、高齢者施設などで短期間に患者が集団発生する場合を指す。
1.× 全都道府県で季節性インフルエンザが流行している。
→これは、「アウトブレイク」ではなく、流行・エピデミックである。なぜなら、特定の施設や集団に限局した短期間の集団発生ではないため。
・エピデミックとは、ある地域や国など比較的広い範囲で、感染症の患者数が通常の予測を超えて急増する流行のことである。特定施設内の集団発生であるアウトブレイクより規模が大きいが、世界的流行であるパンデミックほど広範囲ではない。
2.× 1年前に発生が確認された新興感染症が世界的に流行している。
→これは、「アウトブレイク」ではなく、パンデミックである。なぜなら、特定の施設や集団に限局した短期間の集団発生ではないため。
・パンデミックとは、感染症が国や大陸を越えて世界的に広がり、多くの人に流行している状態である。特定地域内の流行であるエピデミックより規模が大きく、世界的流行ともいう。新型インフルエンザや新型コロナウイルス感染症のように、人々の移動によって複数の国で同時期に患者が増える場合が該当するのである。
3.× 特定の都道府県の地域内で、ある感染症が常在的にみられている。
→これは、「アウトブレイク」ではなく、エンデミックである。なぜなら、特定の施設や集団に限局した短期間の集団発生ではないため。
・エンデミックとは、特定の地域や集団で、ある感染症が常に一定の頻度でみられる状態のことである。急激に患者が増える流行ではなく、その地域に定着して継続的に発生している点が特徴である。日本語では「地域流行」や「地方病的流行」ともいう。例として、特定地域でマラリアが常在する場合などがあるのである。
4.〇 正しい。高齢者施設で感染性胃腸炎の患者が発生し、1週間で合計10人が発症した。
→これは、アウトブレイクに該当する。なぜなら、高齢者施設という限られた集団内で、1週間という短期間に10人が発症しているため。
12 感染症発生動向調査事業について正しいのはどれか。
1.保健所が積極的疫学調査として実施する。
2.4類感染症は全ての患者について集計する。
3.医療機関は患者居住地を管轄する保健所へ報告する。
4.2009年の新型インフルエンザの流行を契機に開始された。
解答2
解説
感染症発生動向調査事業とは
感染症発生動向調査は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」に基づく施策として位置づけられた調査で、感染症の発生情報の正確な把握と分析、その結果の国民や医療機関への迅速な提供・公開により、感染症に対する有効かつ的確な予防・診断・治療に係る対策を図り、多様な感染症の発生及びまん延を防止することを目的としている。
【感染症発生動向調査による全数把握対象疾患】
全数把握対象疾患を診断したすべての医師が、患者の発生について届け出なければならない。
①新感染症の疑い
②新型インフルエンザ等感染症
③指定感染症
④1~4類までの全疾患と5類の一部疾患
定点把握対象疾患とは、5類感染症の定点把握対象疾患を指す。都道府県知事により指定された医療機関(指定届出機関)のみ、医療機関の管理者が患者の発生について届け出なければならない。主な疾患として、インフルエンザ(鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ等感染症を除く)、性器クラミジア感染症、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、その他の感染症(各省で指定)である。
(※参考:「感染症発生動向調査について」厚生労働省HPより)
1.× 保健所が積極的疫学調査として実施することと、感染症発生動向調査事業との関連性は低い。なぜなら、感染症発生動向調査は、感染症の発生情報を継続的に収集・分析・提供するサーベイランスであるため。したがって、個別事例の感染源や接触者を詳しく調べる積極的疫学調査とは目的が異なる。
・積極的疫学調査とは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(第15条)に基づき、感染症の発生を予防し、又は感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかにするための調査を指す。感染拡大防止対策に用いることを目的として行われる調査であり、保健所や国立感染症研究所などの公的な機関が行う。
2.〇 正しい。4類感染症は全ての患者について集計する。
【感染症発生動向調査による全数把握対象疾患】
全数把握対象疾患を診断したすべての医師が、患者の発生について届け出なければならない。
①新感染症の疑い
②新型インフルエンザ等感染症
③指定感染症
④1~4類までの全疾患と5類の一部疾患
3.× 医療機関は、「患者居住地を管轄する保健所」ではなく原則として最寄りの保健所へ報告する。根拠として、「感染症法」の3章:感染症に関する情報の収集及び公表における第十二条(医師の届出)である。
4.× 2009年の新型インフルエンザの流行を契機に開始された「わけではない」。2009年は「開始の契機」ではなく、既存のサーベイランス体制が活用された時期といえる。
・感染症発生動向調査は、1981年(昭和56年)に感染症の発生情報を正確に集めて分析し、国民や医療機関へ速やかに知らせることで、予防・診断・治療に役立て、流行やまん延を防ぐための制度である。
13 令和4年の歯科疾患実態調査において、80歳で20本以上の歯を有する者の割合で正しいのはどれか。
1.24.1%
2.38.3%
3.51.6%
4.72.1%
解答3
解説
MEMO
[3]現在歯の状況(8020達成者等)
・20歯以上の自分の歯を有する者は、55歳以上では一部の年齢階級を除いて増加傾向であった。
・8020達成者の割合(80歳で20本以上の歯を有する者の割合)は、75歳以上85歳未満の20本以上歯を有する者の割合から
51.6%と推計され、前回調査時(51.2%)とほぼ同じであった。
・男女別に見た20歯以上歯を有する者の割合及び1人平均現在歯数は、65歳以上では女性において高値であった。
(※引用:「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」厚生労働省様HPより)
1~2.4.24.1%/38.3%/72.1%は該当しない。
3.〇 正しい。51.6%は、令和4年の歯科疾患実態調査において、80歳で20本以上の歯を有する者の割合である。

(※引用:「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」厚生労働省様HPより)
14 A社では定期健康診断の結果、BMIが基準を上回る職員が増加していることから、社員食堂でヘルシーメニューを提供することにした。
A社の活動として当てはまるのはどれか。
1.健康経営
2.コラボヘルス
3.作業環境管理
4.リワーク支援
解答1
解説
1.〇 正しい。健康経営が、A社の活動として該当する。なぜなら、健康経営とは、従業員の健康を企業の生産性向上や組織活性化につながる経営資源として捉え、会社全体で健康づくりに取り組む活動であるため。例えば、健康診断結果などをもとに、食事・運動・メンタルヘルス対策などを行い、従業員の活力向上や生産性向上、医療費削減、企業価値の向上を目指すものである。
2.× コラボヘルスとは、健康保険組合等の保険者と事業主が積極的に連携し、明確な役割分担と良好な職場環境のもと、加入者(従業員・家族)の予防・健康づくりを効果的・効率的に実行することである。たとえば、A社とA社の健康保険組合が協力して、健診結果を分析し、肥満者に特定保健指導を案内したり、糖尿病重症化予防プログラムを実施したりする場合は、コラボヘルスといえる。
3.× 作業環境管理とは、労働衛生の3管理のひとつで、作業環境中の有機溶剤や粉じんなど有害因子の状態を把握して、できる限り良好な状態で管理していくことである。危険有害物を取り扱っている作業場があれば、その物質の有害性、取扱量、作業場所への発散状況などを調べ、必要な措置を講じる。
4.× リワーク支援とは、うつ病などで休業している人や休職と復職を繰り返している人に対して、復職への準備として、実際の仕事で使うスキル(パソコン操作やプレゼンテーションなど)に慣れていくためのプログラムを提供して、円滑に復職できるようにするものである。
15 災害対策基本法に基づく市町村の役割はどれか。
1.避難所の指定
2.傷病者の広域搬送
3.基幹災害拠点病院の整備
4.被災者生活再建支援金の支給
解答1
解説
災害対策基本法とは?
災害対策基本法とは、①防災計画の作成、②災害予防、③災害応急対策、④災害復旧および防災に関する財政金融措置など、災害対策の基本を定めている。国民の生命、身体及び財産を災害から保護し、もって、社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とした法律である。
1.〇 正しい。避難所の指定は、災害対策基本法に基づく市町村の役割である。
・第四十九条の七(指定避難所の指定)において、「市町村長は、想定される災害の状況、人口の状況その他の状況を勘案し、災害が発生した場合における適切な避難所の確保を図るため、政令で定める基準に適合する公共施設その他の施設を指定避難所として指定しなければならない」と記載されている(※引用:「災害対策基本法」e-GOV法令検索様HPより引用)。
2.× 傷病者の広域搬送は、災害医療体制、災害拠点病院、DMAT、都道府県、国などが連携して行う広域的な医療対応である。
3.× 基幹災害拠点病院の整備は、主に都道府県レベルの災害医療体制に関する事項である。なぜなら、基幹災害拠点病院は原則として各都道府県に1か所設置される災害医療の中核施設であるため。
4.× 被災者生活再建支援金の支給は、災害対策基本法ではなく、被災者生活再建支援法に基づく制度である。
・被災者生活再建支援法とは、自然災害で住宅が全壊するなど生活基盤に大きな被害を受けた世帯に、支援金を支給する制度を定めた法律である。住宅の被害程度や再建方法に応じて支援し、生活の安定と被災地の復興を促すものである。