第115回(R8) 看護師国家試験 解説【午後11~15】

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11 摂食中枢が存在する部位はどれか。

1.延髄
2.小脳
3.下垂体
4.視床下部

解答

解説

1.× 延髄とは、呼吸や循環、消化機能などの生命維持に関係する様々な中枢が集まっている。橋や延髄は脳幹と呼ばれる。

2.× 小脳とは、後頭部の下方に位置し、筋緊張や身体の平衡の情報を処理し運動や姿勢の制御(運動系の統合的な調節)を行っている。

3.× 下垂体とは、脳の直下にあって、さまざまホルモンを分泌する内分泌器官である。下垂体の前葉からは、副腎皮質刺激ホルモン、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、乳汁分泌ホルモン、性腺刺激ホルモンが、下垂体の後葉からは抗利尿ホルモンが分泌される。

4.〇 正しい。視床下部は、摂食中枢が存在する。
・視床下部とは、間脳に位置し、内分泌や自律機能の調節を行う総合中枢である。 ヒトの場合は脳重量のわずか0.3%、4g程度の小さな組織であるが、多くの神経核から構成されており、体温調節やストレス応答、摂食行動や睡眠覚醒など多様な生理機能を協調して管理している。つまり、視床下部は自律神経の最高中枢である。

 

 

 

 

 

12 脊髄神経で頸神経の対の数はどれか。

1.1対
2.5対
3.8対
4.12対

解答

解説

(※図引用:「イラスト素材:脊柱(側面)」illustAC様より)

1.× 1対は、尾骨神経の数である。

2.× 5対は、腰神経と仙骨神経の数である。

3.〇 正しい。8対は、頸神経の数である。

4.× 12対は、胸神経の数である。

 

 

 

 

13 感覚性言語中枢はどれか。

1.視覚野
2.体性感覚野
3.Broca〈ブローカ〉野
4.Wernicke〈ウェルニッケ〉野

解答

解説

1.× 視覚野は、目から入った視覚情報を処理する大脳皮質の領域である。主に後頭葉に存在する。

2.× 体性感覚野は、触覚・痛覚・温度覚・位置覚など身体の感覚を受け取る領域である。主に頭頂葉の中心後回に存在する。

3.× Broca〈ブローカ〉野は、運動性言語中枢である。言葉を話す・表出する働きに関わる中枢である。主に前頭葉に存在する。

4.〇 正しい。Wernicke〈ウェルニッケ〉野は、感覚性言語中枢である。聞いた言葉や読んだ言葉の意味を理解する中枢である。主に優位半球、通常は左半球の側頭葉後部に存在する。

 

 

 

 

 

14 心房細動について正しいのはどれか。

1.心電図でP波を認める。
2.心房の興奮は規則的である。
3.心房内に血栓を形成しやすい。
4.房室結節の興奮伝導障害である。

解答

解説

(図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)

心房細動とは?

心房細動は、心原性脳塞栓症の原因として最も多い不整脈である。心房細動は、心臓がこまかく震えている状態である。血栓ができやすいため脳塞栓の原因として最も多い。心房細動の特徴として、心房の興奮が形・大きさともに不規則であり、基線が揺れている(f波)。心房が正常に収縮しないためにP波が消失し、QRS波が不規則である。

心房細動を洞調律に戻す非薬物療法には、カテーテルアブレーションのほかに、R波に同期させた電気的除細動(同期カルディオバージョン)がある。電気的除細動は、血行動態が不安定で強い症状を伴う場合、抗不整脈薬による治療が無効または使用困難な場合などに選択される。

1.× 心電図でP波を「認めない」。つまり消失する。
・P波は、心房の興奮を意味する。

2.× 心房の興奮は、「不規則的」である。心房細動の特徴として、心房の興奮が形・大きさともに不規則であり、基線が揺れている(f波)。心房が正常に収縮しないためにP波が消失し、QRS波が不規則である。

3.〇 正しい。心房内に血栓を形成しやすい。なぜなら、心房細動では有効な心房収縮が失われ、心房内で血液が停滞しやすくなるため。

4.× 房室結節の興奮伝導障害であるのは、「房室ブロック」である。
・房室ブロックとは、洞結節からの電気信号が房室まで伝わらない状態で、程度に応じてペースメーカーの植え込みが必要である。

房室ブロックとは?

房室ブロックは、心房から心室への伝導障害をいう。第1度〜第3度に分類される。
・1度房室ブロック:心房から心室への伝導時間が延長するが、P波とQRS波の数や形は変わらない。
・2度房室ブロック
①ウェンケンバッハ型(モビッツⅠ型):PR間隔が徐々に延長してQRSが脱落する。
②モビッツⅡ型:心房から心室への伝導が突然途絶える。P波の後のQRSが突然脱落する。

・3度房室ブロック:心房からの刺激が途絶え、P波とQRSが無関係に生じるようになる。

 

 

 

 

 

15 成人の乏尿の説明で正しいのはどれか。

1.尿線が途切れる。
2.尿の勢いが弱い。
3.1日の尿量が400mL以下である。
4.1日の排尿回数が4回以下である。

解答

解説

尿とは?

健常者の尿は、1日に8回程度で、1,000~1,500mL程度である。尿は、生体内代謝産物を排泄するため、腎臓で血液が濾過され作られる。健康人では体重1kgあたり、1時間に約1mLの尿が排泄されるとされている。膀胱は通常100~150mLで最初の尿意(初発尿意)を感じる。成人膀胱の容量は、およそ300~500mL前後である。

希尿とは、日中に3回以下である。尿量は関係ない。
頻尿とは、日中に8回以上である。尿量は関係ない。
無尿とは、100 mL/日以下である。
乏尿とは、400 mL/日以下である
多尿とは、3,000 mL/日以上である。
正常な1日の尿量とは、1.000~1500mL/日である。

1.× 尿線が途切れるのは、排尿困難に関連する症状である。例えば、前立腺肥大症、尿道狭窄、膀胱収縮力の低下などでみられる。

2.× 尿の勢いが弱いのは、排尿時の尿流が低下している状態である。例えば、前立腺肥大症、尿道狭窄、神経因性膀胱などでみられる。

3.〇 正しい。1日の尿量が400mL以下である。乏尿は、腎機能や循環動態を評価するうえで重要な所見である。尿量が著しく減ると、体内に水分、ナトリウム、カリウム、尿素窒素、クレアチニンなどが蓄積しやすくなる。

4.× 1日の排尿回数が4回以下であることは、乏尿の定義ではない。
希尿とは、日中に3回以下である。

 

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