【7問】生殖器・受精についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

・まとめてもらいたい問題や希望、漏れがあったらコメントください。

・当HPに「キーワード検索」の機能がありますので、そちらも積極的にお使いください。

105回 午前

30 男性生殖器について正しいのはどれか。

1.精巣は腹腔内にある。
2.精囊は精子を貯留する。
3.前立腺は直腸の前面に位置する。
4.右精巣静脈は腎静脈に流入する。

解答3

解説

1.× 精巣は、「腹腔内」ではなく陰嚢内にある。ただ、精巣は胎生期には腹腔内にある。出生時には陰嚢内に下降する。ちなみに、腹腔内臓器とは、腹腔内に収納されている臓器のことをいう。胃、肝臓、胆嚢、脾臓、回腸、空腸、虫垂、横行結腸、S状結腸などがあげられる。
2.× 精囊は、「精子の貯留」ではなく、精液のおおよそ70%を占める精嚢液を産生分泌する。ちなみに、精子を貯留しているのは精巣上体である。
3.〇 正しい。前立腺は直腸の前面に位置する。前立腺は、膀胱の下側にあり尿道を取り囲むように存在している。そのため、直腸指診で腹側で触知できる。ちなみに、前立腺とは、男性にしかない生殖器の一つで、前立腺液といわれる精液の一部を作り、精子に栄養を与えたり、精子を保護する役割を持っている。
4.× 右精巣静脈は、「腎静脈」ではなく下大静脈に直接流入する。ちなみに、左精巣静脈は左腎静脈に流入する。なぜなら、下大静脈と腹部大動脈の位置関係から、腎静脈の長さは、右側は非常に短く左側は長くなっているため。

後腹膜器官とは?

後腹膜器官とは、後腹壁の壁側腹膜より後方に位置する臓器である。
後腹膜器官は、十二指腸、腎臓、副腎、尿管、腹部大動脈、下大静脈、交感神経幹である。

 

 

 

 

106回 午後

52 受胎のメカニズムで正しいのはどれか。

1.排卵は黄体形成ホルモン<LH>の分泌が減少して起こる。
2.卵子の受精能力は排卵後72時間持続する。
3.受精は卵管膨大部で起こることが多い。
4.受精後2日で受精卵は着床を完了する。

解答3

解説

(※図引用:「基礎編―人体発生―」腹腔内内ヘルニア大全HPより)

ポジティブフィードバックとネガティブフィードバック

【ネガティブフィードバック】
①エストロゲンレベルが上昇したらゴナドトロピンが低下する → ネガティブフィードバック
②エストロゲンレベルが低下したらゴナドトロピンが上昇する → ネガティブフィードバック

【ポジティブフィードバック】
①エストロゲンレベルが上昇したらゴナドトロピンも上昇する → ポジブフィードバック
※ポジブフィードバックは一定条件が整わないと発現しません。ヒトではストラジオールが 200 pg/ml 以上に達し、それが 48 時間以上持続した時のみ発現します。間脳や下垂体でどのような現象が起きているかは考慮する必要がありません。

(※図・一部引用:「ポジティブフィードバックとネガティブフィードバック」より)

1.× 排卵は黄体形成ホルモン<LH>の分泌が、「減少して」ではなく増加して起こる。①血中のエストロゲン濃度が上昇→②ポジティブフィードバックが働く→③下垂体前葉から黄体形成ホルモンの急激な放出が起こる→④排卵する。ちなみに、ポジティブフィードバックとは、何かが増加したことにより、対象も増加することである。
2.× 卵子の受精能力は、「排卵後72時間」ではなく排卵後約24時間持続する。ちなみに、射精後の精子は女性の膣内で、48~72時間生存する。なぜなら、女性の膣内は酸性に保たれているため。精子は酸性の環境に弱く、腟内の精子は射精後約30分で急速に運動性が失われ、受精能力がなくなる。精子自体、膣内でなければ1週間程度生存する。
3.〇 正しい。受精は、卵管膨大部で起こることが多い。それから卵割と細胞分裂を続けて胞胚となり、着床する。ちなみに、卵管は、子宮と繋がっており子宮側から間質部・峡部・膨大部・采部に分け、子宮から卵管先端に向かい徐々に通り道が太くなっていく。
4.× 受精卵は着床を完了するのは、「受精後2日」ではなく受精後6~7日かかる。ちなみに、着床とは、輸送された受精卵が子宮内膜に接着し、さらに埋没するまでの過程をいう。受精卵は、胚盤胞の状態で子宮内膜に接着する。着床は排卵後7~10日頃から始まり、受精後12日頃に完了する。

 

(※画像引用:日本医師会様HPより)

月経周期

・卵胞期:1回の月経周期が始まると脳の底の方にある下垂体というところから、卵を包んでいる卵胞を刺激する卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されはじめ、卵胞は大きくなると同時に女性ホルモン(エストロゲン)を分泌する時期。
・増殖期:女性ホルモン(エストロゲン)が新しい子宮内膜を成長させていく時期。卵胞期と増殖期とはだいたい同じ時期。
・黄体期:排卵した後の卵胞(黄体)から黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されるようになる時期。
・分泌期:子宮内膜が成長を止めて受精卵が着床できるよう準備をする時期。

 

 

 

107回 午後

88 妊娠の成立の機序で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.原始卵胞から卵子が排出される。
2.排卵後の卵子は卵管采によって卵管に取り込まれる。
3.受精は精子と卵子との融合である。
4.受精卵は子宮内で2細胞期になる。
5.着床は排卵後3日目に起こる。

解答2・3

解説

(※図引用:「基礎編―人体発生―」腹腔内内ヘルニア大全HPより)

1.× 「原始卵胞」ではなく、グラーフ卵胞(成熟卵胞)となった卵子が排出される。グラーフ卵胞(成熟卵胞)が発育、増大すると卵巣の表面に突出して破裂し、卵細胞は卵胞液とともに卵巣から腹腔内へと放出される。この現象を排卵という。
2.3.〇 正しい。排卵後の卵子は卵管采によって卵管に取り込まれる/受精は精子と卵子との融合である。排卵後、卵子は卵巣から卵管に取り込まれる。卵管では精子との出会いを待ち、受精することで受精卵ができる。したがって、受精とは、精子と卵子が合体融合して、受精卵が生じる現象を指す。受精は卵管膨大部で起こる。男性から射精された精子と卵巣から排卵された卵子は卵管内で受精卵となり、分裂を繰り返しながら卵管を輸送され、子宮内膜に着床し、妊娠が成立する。
4.× 受精卵は、「子宮内」ではなく卵管内で2細胞期となる。その後、分裂を繰り返し桑実胚の状態となって子宮に到達する。桑実胚(4日目)とは、割球が16個から32個の状態を指す。
5.× 着床は、「排卵後3日目」ではなく、排卵後7~10日ほど経ってから起こる。着床とは、輸送された受精卵が子宮内膜に接着し、さらに埋没するまでの過程をいう。受精卵は、胚盤胞の状態で子宮内膜に接着する。着床は排卵後7~10日頃から始まり、受精後12日頃に完了する。

胚盤胞に関する基礎知識

卵割球
・前核期胚(1日目)
・4分割期胚(2日目)
・8分割期胚(3日目)

桑実胚(4日目):割球が16個から32個の状態を指す。

胚盤胞(5日目):胎盤と胎児になる部分が確認できる状態になっているより成長した胚。

 

 

 

 

109回 午前

59 配偶子の形成で正しいのはどれか。

1.卵子の形成では減数分裂が起こる。
2.精子の形成では極体の放出が起こる。
3.成熟卵子はXまたはY染色体をもつ。
4.精子は23本の常染色体と1本の性染色体をもつ。

解答1

解説

配偶子とは?

配偶子とは、受精に参加する生殖細胞のことである。つまり、男性は精子、女性は卵子のことを指す。

1.〇 正しい。卵子の形成では減数分裂が起こる。卵子・精子ともに46本の染色体が23本に、半減する減数分裂が起こる。ちなみに、減数分裂とは、その名が示す通り、細胞あたりの染色体数を半減させる特殊な分裂様式である。
2.× 極体の放出が起こるのは、「精子の形成」ではなく卵子の形成である。2回の減数分裂でいらない遺伝子が半分ずつできるが、卵子はそれを極体として卵子の外に出す。それを第1極体、第2極体という。このシステムは、最終的に1個だけが必要な卵細胞の形成過程で、細胞質の量を減らさないのに役立っていると考えられている。 残された極体はやがて退化・消滅することになる。
3.× 「XまたはY染色体」をもつのは、「成熟卵子」ではなく成熟精子である。成熟卵子は「X染色体のみ」である。
4.× 精子は、「23本の常染色体」ではなく22本の常染色体と1本の性染色体をもつ。性染色体であるXまたはY染色体1本をもつ。

 

 

 

 

110回 午後

57 受精と着床についての説明で正しいのはどれか。

1.卵子が受精能をもつ期間は排卵後48時間である。
2.卵管采で受精が起こる。
3.受精卵は受精後4、5日で子宮に到達する。
4.受精卵は桑実腫の段階で着床する。

解答3

解説

(図引用:「看護師 イラスト集【フリー素材】」看護roo!様HPより)

1.× 卵子が受精能をもつ期間は、排卵後「48時間」ではなく約24時間である。ちなみに、精子の場合、体外への排出後48時間~72時間である。
2.× 受精が起こるのは、「卵管采」ではなく卵管膨大部である。卵管采とは、卵管の先の手のような部分(イソギンチャクのよう)である。卵巣から排卵された卵子は、卵管采にとらえられ卵管膨大部まで運ばれる。一方、膣内に射精された精子も、子宮腔、卵管を進み卵管膨大部へ到達する。
3.〇 正しい。受精卵は受精後4、5日で子宮に到達する。その後、受精後6~7日頃から子宮体部にある子宮内膜へ着床を開始する。受精卵ができてからおおよそ12日後に着床が完了し、妊娠が成立する。
4.× 受精卵が着床する段階は、「桑実腫」ではなく、胚盤胞である。なぜなら、受精卵が着床する段階は受精後6~7日頃であるため。桑実胚(4日目):割球が16個から32個の状態を指す。胚盤胞(5日目):胎盤と胎児になる部分が確認できる状態になっているより成長した胚のことをさす。

胚盤胞に関する基礎知識

卵割球
・前核期胚(1日目)
・4分割期胚(2日目)
・8分割期胚(3日目)

桑実胚(4日目):割球が16個から32個の状態を指す。

胚盤胞(5日目):胎盤と胎児になる部分が確認できる状態になっているより成長した胚。

 

 

 

 

111回 午前

80 射出される精子が通るのはどれか。

1.精囊
2.尿管
3.尿道
4.膀胱
5.前立腺

解答3

解説
1.× 精囊とは、精液のおおよそ70%を占める精嚢液を産生・分泌する働きを持つ器官である。ちなみに、精子を貯留しているのは精巣上体である。
2.× 尿管とは、腎臓(腎盂)から膀胱まで蠕動運動により尿を輸送する器官である。
3.〇 正しい。尿道は、射出される精子が通る。精巣で作られた精子は、精巣上体と呼ばれる管に蓄えられる。そこで精子は運動能力と受精能力を獲得し、性的刺激により脳から指令が出されると、精子は精管に押し出され、精管膨大部へと運ばれる。その後、精嚢や前立腺からの分泌液と混じって精液となり、尿道から体外へと放出される。
4.× 膀胱とは、骨盤の中にある袋状の臓器で、蓄尿と排尿の働きを持つ器官である。蓄尿時は膀胱が弛緩し、排尿時には膀胱が収縮する。排尿中枢は、仙髄(S2~4)にあり、膀胱壁が拡張するとその知覚が排尿中枢に伝えられる。普段は大脳から蓄尿の指令が出ているが、排尿の命令が出ると陰部神経を介して外尿道括約筋が弛緩し、副交感神経を介して排尿筋が収縮する。
5.× 前立腺とは、男性にしかない生殖器の一つで、前立腺液といわれる精液の一部を作り、精子に栄養を与えたり、精子を保護する役割を持っている。前立腺は、直腸と恥骨の間にあり、膀胱の出口で尿道を取り囲んでいる。

 

 

 

 

112回 午前

問題62 不妊症について正しいのはどれか。

1.約6割は原因不明である。
2.検査に基礎体温測定がある。
3.治療の1つに不妊手術がある。
4.女性の年齢は治療効果に影響しない。

解答

解説

不妊症とは?

不妊症とは、避妊せず性行為を続けているのにもかかわらず、約1年妊娠しないことである。原因はさまざまである。病気によって排卵のはたらきや、卵管・子宮・精巣など妊娠に関わる臓器が病気によって悪くなっていることなどが関係しているといわれている。時に原因が分からないこともある。

1.× 原因不明である割合は、「約6割」ではなく約1割である。原因の割合として、女性側約4割、男性側約2.5割、男女とも約2.5割である。ただし、各所で様々に研究し、調査中に妊娠した場合もあり、一概にはいえない。
2.〇 正しい。検査に基礎体温測定がある。なぜなら、基礎体温を毎日記録すると、体温を表わす線の変化によって、排卵日と妊娠しやすい時期がわかるため。基礎体温測定をだいたい3~6ヵ月ほど続けていると、その人の個人的なパターンが浮き彫りになって見えていき、内分泌・排卵因子への対応にもなる。また、タイミング法とは、最も妊娠しやすいタイミングに性交渉を行う方法がある。基礎体温や超音波検査、尿中黄体形成ホルモン検査などを参考にしながら排卵日を予測し、効果的な性交渉のタイミングをアドバイスする。もっとも自然な妊娠に近く、お二人にとって負担の少ない不妊治療のファーストチョイスである。
3.× 不妊手術は、「不妊」ではなくの妊娠を防ぐ(女性特有の病気を防ぐ)治療の一つである。不妊手術とは、生殖能力を喪失させる目的で行われる手術である。精子または卵子が通過する管をふさげば、生殖能力は失われる。卵巣そのものを取り除くため、卵巣腫瘍や卵胞嚢腫などのような卵巣におきる疾患を予防することができる。
4.× 女性の年齢は治療効果に「影響しない」のではなく影響する。なぜなら、年齢が上がるにつれて、卵子の質や量が低下するため。

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