第105回(H28) 看護師国家試験 解説【午後31~35】

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31 感染性因子とその構成成分の組合せで正しいのはどれか。

1.細菌:核膜
2.真菌:細胞壁
3.プリオン:核酸
4.ウイルス:細胞膜

解答2

解説

感染性因子と構成要素

①真菌とは、真核生物ともいい、カビ、酵母、キノコの仲間である。核の他にミトコンドリアや小胞体など多くの小器官をもっている。核酸(DNAやRNA)を持つ。核を持つ。細胞膜を持つ。細胞壁を持つ

②細菌とは、原核生物ともいい、微生物の一種である。細胞核を持たず、単一の細胞で構成される。通常、細菌の大きさは真核生物の細胞に比べて小さい特徴を持つ。核酸(DNAやRNA)を持つ。核を持たない。細胞膜を持つ。細胞壁を持つ

③ウイルスとは、他生物の細胞を利用して自己を複製させる、極微小な感染性の構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなる。ウイルスは、①DNAウイルスと②RNAウイルスに分けられる。核酸(DNAやRNA)を持つ。核を持たない。細胞膜を持たない。細胞壁を持たない。

④プリオンとは、タンパク質からなる感染性因子のことである。ミスフォールドしたタンパク質がその構造を正常の構造のタンパク質に伝えることによって伝播する。核酸(DNAやRNA)を持たない。核を持たない。細胞膜を持たない。細胞壁を持たない。

1.× 細菌は、核膜を持たない。なぜなら、核を持たないため。核膜とは、真核生物のDNAを包み込んで細胞質から隔てている膜構造である。内膜と外膜と呼ばれる2つの脂質二重膜と、それら2層の膜を貫通するように核膜孔複合体が核内外の物質をやり取りする為の核膜孔を構成している。
2.〇 正しい。真菌は、細胞壁を持つ。真菌とは、真核生物ともいい、カビ、酵母、キノコの仲間である。核の他にミトコンドリアや小胞体など多くの小器官をもっている。核酸(DNAやRNA)を持つ。核を持つ。細胞膜を持つ。細胞壁を持つ
3.× プリオンは、核酸を持たない。なぜなら、タンパク質で構成されているため。核酸とは、RNA(リボ核酸)とDNA(デオキシリボ核酸)の総称で、ヌクレオチド(塩基+糖+リン酸)により構成されている。動物や植物の細胞核の中に存在し、ヒトの遺伝情報に関係するはたらきがある。核酸(DNAやRNA)を持たない。核を持たない。細胞膜を持たない。細胞壁を持たない。
4.× ウイルスは、細胞膜を持たない。ウイルスとは、他生物の細胞を利用して自己を複製させる、極微小な感染性の構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなる。

 

 

 

 

 

32 日本の世帯構造の平成元年(1989年)から25年間の変化で正しいのはどれか。

1.単独世帯数は増加している。
2.平均世帯人数は増加している。
3.ひとり親と未婚の子のみの世帯数は2倍になっている。
4.65歳以上の者のいる夫婦のみの世帯数は2倍になっている。

解答1

解説

(※表引用:「国民生活基礎調査」厚生労働省様HPより)

1.〇 正しい。単独世帯数は、増加している。平成元年の単独世帯数は786万6千世帯(20.0%)であったが、平成26年は1,366万2千世帯(27.1%)で増加している。ちなみに、単独世帯とは、世帯主が一人の世帯のことで、未婚率の増加や、核家族化の影響を受けて増加している。
2.× 平均世帯人数は、「増加」ではなく減少している。平成元年の平均世帯人数は3.10人であったが、平成26年は2.49人で減少している。
3.× ひとり親と未婚の子のみの世帯数は、2倍には達していない。平成元年のひとり親と未婚の子のみの世帯数は198万5千世帯であったが、平成26年は357万6千世帯で、1.8倍となっている。
4.× 65歳以上の者のいる夫婦のみの世帯数は、「2倍」ではなく3倍以上となっている。平成元年の65歳以上の者のいる夫婦のみの世帯数は225万7千世帯であったが、平成26年は724万2千世帯で、3.2倍となっている。

(※データ引用:「国民生活基礎調査」厚生労働省様HPより)

 

 

 

 

 

33 食品衛生法に定められていないのはどれか。

1.残留農薬の規制
2.食品添加物の規制
3.食品安全委員会の設置
4.ポジティブリスト制度の導入

解答3

解説

食品衛生法とは?

食品衛生法とは、日本において飲食によって生ずる危害の発生を防止するための日本の法律である。所管官庁は、厚生労働省と消費者庁である。食品と添加物などの基準、表示、検査などの原則を定めている。

1.〇 残留農薬の規制は、食品衛生法に定められている。第13条3項において、農薬、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律第二条第三項の規定に基づく農林水産省令で定める用途に供することを目的として飼料に添加、混和、浸潤その他の方法によつて用いられる物及び医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第一項に規定する医薬品であつて動物のために使用されることが目的とされているものの成分である物質が、人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める量を超えて残留する食品は、これを販売の用に供するために製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、保存し、又は販売してはならない。ただし、当該物質の当該食品に残留する量の限度について第一項の食品の成分に係る規格が定められている場合については、この限りでない(※引用:「食品衛生法」e-GOV法令検索様HPより)。
2.〇 食品添加物の規制は、食品衛生法に定められている。第12条において、人の健康を損なうおそれのない場合として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める場合を除いては、添加物並びにこれを含む製剤及び食品は、これを販売し、又は販売の用に供するために、製造し、輸入し、加工し、使用し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない(※引用:「食品衛生法」e-GOV法令検索様HPより)。
3.× 食品安全委員会の設置は、「食品衛生法」ではなく食品安全基本法に定められている。食品安全委員会とは、『食品安全基本法』により内閣府に設置されている食品のリスク評価を行う機関である。食品添加物や農薬などが人の健康に与える影響についてリスク評価を行う。
4.〇 ポジティブリスト制度の導入は、食品衛生法に定められている。ポジティブリスト制度とは、使用を認める物質のリスト(ポジティブリスト)を作成し、使用を認める物質以外は使用を原則として禁止する規制の仕組みである。一方、ネガティブリスト制度とは、禁止するものだけをリスト化する方法であり、デメリットとして、基準が設定されていないものを規制できないことがあげられる。

 

 

 

 

 

34 がん対策基本法で定められているのはどれか。

1.受動喫煙のない職場を実現する。
2.がんによる死亡者の減少を目標とする。
3.都道府県がん対策推進計画を策定する。
4.がんと診断されたときからの緩和ケアを推進する。

解答3

解説

がん対策基本法とは?

がん対策基本法とは、がんの治療法や予防法、早期発見対策などを効率的・計画的に推進するため、平成18年に定められた法律である。

1.× 受動喫煙のない職場を実現する(職場での受動喫煙の防止を定める)のは、『労働安全衛生法』である。労働安全衛生法の第68条の2(受動喫煙の防止)において、「事業者は、室内又はこれに準ずる環境における労働者の受動喫煙を防止するため、当該事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずるよう努めるものとする」と記載されている(※引用:「労働安全衛生法」e-GOV法令検索様HPより)。
2.× がんによる死亡者の減少を目標とするのは、がん対策基本法に基づいて策定された『がん対策推進基本計画』の目標である。がん対策推進基本計画とは、がんを予防する方法を普及啓発するとともに、研究を推進し、その結果に基づいた施策を実施することにより、がんの罹患者を減少させることを目的とした計画である。国民が利用し やすい検診体制を構築し、がんの早期発見・早期治療を促すことで、効率的かつ持続可能ながん対策を進め、がんの死亡者の減少を実現する。
3.〇 正しい。都道府県がん対策推進計画を策定するのは、『がん対策基本法』で定められている。がん対策基本法の第12条(都道府県がん対策推進計画)において、「都道府県は、がん対策推進基本計画を基本とするとともに、当該都道府県におけるがん患者に対するがん医療の提供の状況等を踏まえ、当該都道府県におけるがん対策の推進に関する計画を策定しなければならない」と記載されている(※引用:「がん対策基本法」e-GOV法令検索様HPより)。ちなみに、がん対策推進基本計画とは、がん対策基本法に基づき策定するものであり、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、がん対策の基本的方向について定めるとともに、都道府県がん対策推進計画の基本となるものである。
4.× がんと診断されたときからの「緩和ケア」ではなく、国立研究開発法人国立がん研究センターなどを推進する。がん対策基本法の第16条(医療機関の整備等)「国及び地方公共団体は、がん患者がその居住する地域にかかわらず等しくそのがんの状態に応じた適切ながん医療を受けることができるよう、専門的ながん医療の提供等を行う医療機関の整備を図るために必要な施策を講ずるものとする。2 国及び地方公共団体は、がん患者に対し適切ながん医療が提供されるよう、国立研究開発法人国立がん研究センター、前項の医療機関その他の医療機関等の間における連携協力体制の整備を図るために必要な施策を講ずるものとする。」に記載されている(※引用:「がん対策基本法」e-GOV法令検索様HPより)。

労働安全衛生法とは?

「労働安全衛生法」とは、労働者の安全と衛生についての基準を定めた日本の法律である。事業者は安全衛生管理体制を整備することが義務づけられており、それぞれの事業規模に応じた①衛生管理者、②総括安全衛生管理者などを選任しなければならない。

①衛生管理者
職場の衛生にかかわる技術的事項の管理を行う。少なくとも毎週1回作業場の巡視を行い、設備、作業方法または衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに健康障害防止措置を講じなければならない。

②総括安全衛生管理者
安全管理者、衛生管理者を指揮し、安全・衛生・健康・事故防止などの統括管理を行う。その事業場で統括管理する者(工場長、支店長 等)を充てなければならない。

 

 

 

 

 

35 患者と看護師との協働について適切なのはどれか。

1.患者が目標達成できるよう支援する。
2.治療に関する情報は看護師が占有する。
3.看護計画は看護師の視点を中心に立案する。
4.ケアは看護師の業務予定に基づき実施する。

解答1

解説

協働とは?

協働とは、共通の目的の実現のため、関係者が互いに理解し、それぞれの特性を活かしながら、協力・協調し活動することである。コラボレーション、パートナーシップともいう。

1.〇 正しい。患者が目標達成できるよう支援する。なぜなら、看護師は、ときとして患者の権利擁護者[アドボケイト・アドボケーター]としての役割も求められているため。権利擁護(アドボカシー)とは、自己の権利を十分に表明することができない者の人権を尊重し、当事者の権利を代弁者として擁護し、当事者の自己決定を支え、その人らしく生活すること(自己実現)を支援することである。アドボカシーは、「擁護」、「支持」、「唱道」などの意味をもつ言葉で、保鍵師の役割において、「代弁者」として用いられることが多い。患者や家族が自身の権利や利益を守るための自己決定ができるように、看護師は、患者や家族を保護し、情報を伝え、支えることでエンパワーメント(患者・家族を強引に説得したりするのではなく、自己決定できるように働きかけること)すること、さらに医療従事者との仲裁を行い、医療者間の調整をすることであると定義づけられている。
2.× 治療に関する情報は、看護師が「占有」することはしない。治療に関する情報は、患者や家族と共有する。なぜなら、看護職の倫理綱領における④「看護者は、人々の知る権利及び自己決定の権利を尊重し、その権利を擁護する」に反した行為となるため。
3.× 看護計画は、看護師の視点を「中心」に立案することはしない。看護計画は、患者本人の意思や自己決定を尊重して立案する。なぜなら、看護職の倫理綱領における④「看護者は、人々の知る権利及び自己決定の権利を尊重し、その権利を擁護する」に反した行為となるため。
4.× ケアは、「看護師」の業務予定に基づき実施することはしない。ケアは看護師の業務予定に合わせて実施するのではなく、ケアの優先順位や患者の状態にあわせて実施する。なぜなら、看護職の倫理綱領における④「看護者は、人々の知る権利及び自己決定の権利を尊重し、その権利を擁護する」に反した行為となるため。

看護職の倫理綱領とは?

①看護者は、人間の生命、人間としての尊厳及び権利を尊重する。
②看護者は、国籍、人種・民族、宗教、信条、年齢、性別及び性的指向、社会的地位、経済的状態、ライフスタイル、健康問題の性質にかかわらず、対象となる人々に平等に看護を提供する。
③看護者は、対象となる人々との間に信頼関係を築き、その信頼関係に基づいて看護を提供する。
④看護者は、人々の知る権利及び自己決定の権利を尊重し、その権利を擁護する。
⑤看護者は、守秘義務を遵守し、個人情報の保護に努めるとともに、これを他者と共有する場合は適切な判断のもとに行う。
⑥看護者は、対象となる人々への看護が阻害されているときや危険にさらされているときは、人々を保護し安全を確保する。
⑦看護者は、自己の責任と能力を的確に認識し、実施した看護について個人としての責任をもつ。
⑧看護者は、常に、個人の責任として継続学習による能力の維持・開発に努める。
⑨看護者は、他の看護者及び保健医療福祉関係者とともに協働して看護を提供する。
⑩看護者は、より質の高い看護を行うために、看護実践、看護管理、看護教育、看護研究の望ましい基準を設定し、実施する。
⑪看護者は、研究や実践を通して、専門的知識・技術の創造と開発に努め、看護学の発展に寄与する。
⑫看護者は、より質の高い看護を行うために、看護者自身の心身の健康の保持増進に努める。
⑬看護者は、社会の人々の信頼を得るように、個人としての品行を常に高く維持する。
⑭看護者は、人々がよりよい健康を獲得していくために、環境の問題について社会と責任を共有する。
⑮看護者は、専門職組織を通じて、看護の質を高めるための制度の確立に参画し、よりよい社会づくりに貢献する。
⑯看護職は、様々な災害支援の担い手と協働し、災害によって影響を受けたすべての人々の生命、健康、生活をまもることに最善を尽くす。

 

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