【3問】看護管理についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

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105回 午後

35 患者と看護師との協働について適切なのはどれか。

1.患者が目標達成できるよう支援する。
2.治療に関する情報は看護師が占有する。
3.看護計画は看護師の視点を中心に立案する。
4.ケアは看護師の業務予定に基づき実施する。

解答1

解説

協働とは?

協働とは、共通の目的の実現のため、関係者が互いに理解し、それぞれの特性を活かしながら、協力・協調し活動することである。コラボレーション、パートナーシップともいう。

1.〇 正しい。患者が目標達成できるよう支援する。なぜなら、看護師は、ときとして患者の権利擁護者[アドボケイト・アドボケーター]としての役割も求められているため。権利擁護(アドボカシー)とは、自己の権利を十分に表明することができない者の人権を尊重し、当事者の権利を代弁者として擁護し、当事者の自己決定を支え、その人らしく生活すること(自己実現)を支援することである。アドボカシーは、「擁護」、「支持」、「唱道」などの意味をもつ言葉で、保鍵師の役割において、「代弁者」として用いられることが多い。患者や家族が自身の権利や利益を守るための自己決定ができるように、看護師は、患者や家族を保護し、情報を伝え、支えることでエンパワーメント(患者・家族を強引に説得したりするのではなく、自己決定できるように働きかけること)すること、さらに医療従事者との仲裁を行い、医療者間の調整をすることであると定義づけられている。
2.× 治療に関する情報は、看護師が「占有」することはしない。治療に関する情報は、患者や家族と共有する。なぜなら、看護職の倫理綱領における④「看護者は、人々の知る権利及び自己決定の権利を尊重し、その権利を擁護する」に反した行為となるため。
3.× 看護計画は、看護師の視点を「中心」に立案することはしない。看護計画は、患者本人の意思や自己決定を尊重して立案する。なぜなら、看護職の倫理綱領における④「看護者は、人々の知る権利及び自己決定の権利を尊重し、その権利を擁護する」に反した行為となるため。
4.× ケアは、「看護師」の業務予定に基づき実施することはしない。ケアは看護師の業務予定に合わせて実施するのではなく、ケアの優先順位や患者の状態にあわせて実施する。なぜなら、看護職の倫理綱領における④「看護者は、人々の知る権利及び自己決定の権利を尊重し、その権利を擁護する」に反した行為となるため。

看護職の倫理綱領とは?

①看護者は、人間の生命、人間としての尊厳及び権利を尊重する。
②看護者は、国籍、人種・民族、宗教、信条、年齢、性別及び性的指向、社会的地位、経済的状態、ライフスタイル、健康問題の性質にかかわらず、対象となる人々に平等に看護を提供する。
③看護者は、対象となる人々との間に信頼関係を築き、その信頼関係に基づいて看護を提供する。
④看護者は、人々の知る権利及び自己決定の権利を尊重し、その権利を擁護する。
⑤看護者は、守秘義務を遵守し、個人情報の保護に努めるとともに、これを他者と共有する場合は適切な判断のもとに行う。
⑥看護者は、対象となる人々への看護が阻害されているときや危険にさらされているときは、人々を保護し安全を確保する。
⑦看護者は、自己の責任と能力を的確に認識し、実施した看護について個人としての責任をもつ。
⑧看護者は、常に、個人の責任として継続学習による能力の維持・開発に努める。
⑨看護者は、他の看護者及び保健医療福祉関係者とともに協働して看護を提供する。
⑩看護者は、より質の高い看護を行うために、看護実践、看護管理、看護教育、看護研究の望ましい基準を設定し、実施する。
⑪看護者は、研究や実践を通して、専門的知識・技術の創造と開発に努め、看護学の発展に寄与する。
⑫看護者は、より質の高い看護を行うために、看護者自身の心身の健康の保持増進に努める。
⑬看護者は、社会の人々の信頼を得るように、個人としての品行を常に高く維持する。
⑭看護者は、人々がよりよい健康を獲得していくために、環境の問題について社会と責任を共有する。
⑮看護者は、専門職組織を通じて、看護の質を高めるための制度の確立に参画し、よりよい社会づくりに貢献する。
⑯看護職は、様々な災害支援の担い手と協働し、災害によって影響を受けたすべての人々の生命、健康、生活をまもることに最善を尽くす。

 

 

 

 

108回 午後

69 病院では、育児中の時短勤務、夜勤専従、非常勤など多様な労働時間や雇用形態の看護師が働いている。
 看護管理者が行うマネジメントで最も優先するのはどれか。

1.夜勤専従の看護師の休暇を増やす。
2.育児中の看護師の院内研修を免除する。
3.非常勤看護師は患者の受け持ちを免除する。
4.特定の看護師に仕事が集中しないよう調整する。

解答4

解説

看護管理者とは?

看護管理者とは、病院内の看護部門および病棟・看護の現場をマネジメントする人のことを指す。客観的な視点から物事を把握しつつ、さまざまなリソース(財政・物質・人員)を活用しながらチームを束ね、目標達成へと導いていくのが使命である。それぞれ「病院の経営陣の1人として」「部門の責任者として」「看護師のリーダーとして」マネジメント業務を遂行する必要がある。

1.× 夜勤専従の看護師の休暇を増やす優先度は低い。なぜなら、夜勤専従の看護師にもそれぞれの家庭事情や生活状況があるため。労働基準法に違反しないこと、「夜勤専従の看護師」とひとくくりしないことなど、その人の労働希望や要望に対応することが大切である。ちなみに、労働基準法には、夜勤専従看護師の夜勤回数は、特に制限はない。ただし、「1回の勤務が8時間」、「週に40時間の労働時間を超えない」という条件がある。
2.× あえて、育児中の看護師の院内研修を免除する必要はない。なぜなら、看護師の養成につながらないため。
3.× 非常勤看護師は、患者の受け持ちを免除する優先度は低い。なぜなら、非常勤看護師の受け持ち患者を免除した場合、常勤看護師の業務量が多くなり負担となるため。ちなみに、非常勤看護師とは、パート・アルバイトのことを指す。
4.〇 正しい。特定の看護師に仕事が集中しないよう調整する。なぜなら、特定の看護師に仕事が集中した場合、負担がかかるだけでなく、事故も発生しやすくなるため。看護管理者とは、病院内の看護部門および病棟・看護の現場をマネジメントする人のことを指す。客観的な視点から物事を把握しつつ、さまざまなリソース(財政・物質・人員)を活用しながらチームを束ね、目標達成へと導いていくのが使命である。

 

 

 

 

111回 午前

72 病棟で患者の口腔ケア改善に取り組むために担当チームを作った。
 これは看護管理のプロセスのどれか。

1.計画
2.指揮
3.統制
4.組織化

解答4

解説

ファヨールの管理原則

①計画:目標数値を設定し、外部・内部環境を分析して戦略を立案する。
②組織化:組織体を設計、もしくは再構築して各部門の役割と責任を明確する。
③指揮:達成に向けて指示を出す。
④調整:各部門の活動は部分最適になることがある。
⑤統制:評価・モニタリングして計画未達の場合には計画の修正や新たな施策を検討する。
そして、再び①〜④のプロセスを繰り返していきます。

1.× 計画とは、目標数値を設定し、外部・内部環境を分析して戦略を立案することである。
2.× 指揮とは、達成に向けて指示を出すことである。
3.× 統制とは、評価・モニタリングして計画未達の場合には計画の修正や新たな施策を検討することである。
4.〇 正しい。組織化が、「病棟で患者の口腔ケア改善に取り組むために担当チームを作った」ことに該当する。組織化とは、組織体を設計、もしくは再構築して各部門の役割と責任を明確することである。

 

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