第105回(H28) 看護師国家試験 解説【午後71~75】

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71 ビタミンの欠乏とその病態との組合せで正しいのはどれか。

1.ビタミンA:壊血病
2.ビタミンB1:代謝性アシドーシス
3.ビタミンC:脚気
4.ビタミンD:悪性貧血
5.ビタミンE:出血傾向

解答2

解説

1.× ビタミンAの欠乏は、「壊血病」ではなく眼球乾燥症・夜盲症の原因となる。夜盲症とは、暗いところではたらく網膜の細胞に異常があり暗順応が障害されて、暗いところや夜に見えにくくなる病気である。ちなみに、壊血病とは、ビタミンC欠乏が原因で起こる結合組織の異常から毛細血管が脆弱化して出血しやすくなる病気である。
2.〇 正しい。ビタミンB1の欠乏は、代謝性アシドーシスの原因となる。また、このほかビタミンB1欠乏の代表的な症状として、脚気、ウェルニッケ脳症がある。代謝性アシドーシスとは、HCO₃⁻(重炭酸イオン)が低下している状態である。重炭酸イオンを含んだ膵液や胆汁の喪失、腎臓での再吸収障害、体内の酸性物質が過剰になり、その中和のための消費増大によって起こる。ビタミンB1を併用せずに高カロリー輸液を行うと、ピルビン酸が代謝できなくなり、重篤な代謝性アシドーシスを引き起こすことがある。
3.× ビタミンCの欠乏は、「脚気」ではなく壊血病の原因となる。脚気とは、炭水化物の代謝に関わる大切な栄養素(ビタミンB1)が不足するし、末梢神経障害や心不全、全身の倦怠感、食欲不振、手足のしびれ・むくみなどの症状が出る病気である。
4.× ビタミンDの欠乏は、「悪性貧血」ではなくくる病(乳幼児や小児)、骨軟化症(骨軟化症)の原因となる。くる病とは、小児期に見られる骨の石灰化不全であり、主に成長障害と骨の弯曲が起こる疾患である。ビタミンDの代謝あるいは感受性の障害により、骨に石灰化が起こらず、強度が不足する病気である。 成人期ではビタミンD依存性骨軟化症と呼ばれる。小児期には成長も障害され、骨X線検査で特徴的な所見を呈し、ビタミンD依存性くる病とも呼ばれる。ちなみに、悪性貧血はビタミンB12の欠乏で起こる。
5.× ビタミンEの欠乏は、「出血傾向」ではなく溶血性貧血および神経脱落症状の原因となる。溶血性貧血とは、血管の中を流れる赤血球が破壊される(溶血)ことにより起こる貧血の一種である。これにより、血液中の赤血球の数が減少し、貧血状態になる。溶血性貧血は、血液中のビリルビン(赤血球の分解産物)の量が増加することで黄疸となる。ちなみに、出血傾向は、ビタミンK欠乏が原因で起こる。

悪性貧血とは?

悪性貧血とは、ビタミンB12または葉酸の欠乏によって生じる巨赤芽球性貧血の中である。最も発生頻度が高いビタミンB12欠乏性の貧血が悪性貧血である。ビタミンB12は胃液中の内因子との結合によって小腸下部で吸収され、葉酸とともに骨髄内での赤血球生成に利用される。悪性貧血は、高度の萎縮性胃炎による内因子分泌の欠乏が一次的原因である。その結果、回腸末端部からのビタミンB12の吸収障害をおこす。欠乏症状として①動悸、②めまい、③耳鳴り、④全身倦怠感、⑤舌炎、⑥悪心、⑦嘔吐、⑧下痢、⑨神経症状として四肢の知覚異常、⑩歩行困難、⑪視力障害などがおこる。時には興奮,軽い意識混濁などの精神障害をきたすこともある。

 

 

 

 

 

72 日本人の食事摂取基準(2015年版)で、身体活動レベルⅠ、70歳以上の男性の1日の推定エネルギー必要量はどれか。

1.1,450kcal
2.1,850kcal
3.2,000kcal
4.2,200kcal
5.2,500kcal

解答2

解説

(※図引用:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」厚生労働省HPより)

1.× 1,450kcalは、身体活動Ⅱの6~7歳の女性の推定エネルギー必要量である。
2.〇 正しい。1,850kcalは、身体活動レベルⅠの70歳以上の男性の推定エネルギー必要量である。
3.× 2,000kcalは、身体活動Ⅱの30~49歳の女性の推定エネルギー必要量である。また、身体活動Ⅲの70歳以上の女性の推定エネルギー必要量でもある。
4.× 2,200kcalは、身体活動Ⅱの70歳以上の男性の推定エネルギー必要量である。
5.× 2,500kcalは、身体活動Ⅲの70歳以上の男性の推定エネルギー必要量である。

(※図引用:「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」厚生労働省HPより)

 

 

 

 

 

73 触診法による血圧測定で適切なのはどれか。

1.血圧計は患者の心臓の高さに置く。
2.マンシェットの幅は上腕全体を覆うサイズを選ぶ。
3.150mmHgまで加圧して減圧を開始する。
4.加圧後に1拍動当たり2〜4mmHgずつ減圧する。
5.減圧開始後に初めて脈が触知されたときの値を拡張期血圧とする。

解答4

解説

1.× 患者の心臓の高さに置くのは、「血圧計」ではなく、マンシェットの位置である。血圧計を置く位置で、血圧値に影響しないが、血圧計は看護師の目線と水平になるようにすることが大切である。なぜなら、目線に角度があると正確な数値を読み取ることができないため。
2.× マンシェットの幅は、「上腕全体を覆う」のではなく成人では14cmサイズ(上腕の長さの2/3)を選ぶ。なぜなら、マンシェットは、上腕動脈の上にゴム嚢の中心の位置がくるように巻く。ちなみに、マンシェットの幅が広すぎると血圧値は本来の値よりも低く、狭いと高くなる傾向がある。
3.× 減圧を開始するのは、「150mmHgまで加圧してから」ではなく、橈骨動脈が触知されなくなってからさらに20~30mmHg程度、加圧してから開始する。
4.〇 正しい。加圧後に1拍動当たり2〜4mmHgずつ減圧する。なぜなら、減圧速度が遅すぎると患者に負担やストレスがかかり、逆に速すぎると血圧は低く測定されたり、正確な値を測定できないため。
5.× 減圧開始後に初めて脈が触知されたときの値は、「拡張期血圧」ではなく、収縮期血圧である。ちなみに、拡張期血圧は、脈が触知している状態から触知できなくなった値である。拡張期血圧とは、心臓が拡張したときの血圧を指す。 拡張期圧、最小血圧、最低血圧ともいう。 拡張期とは、全身から戻った血液が心臓にたまり、心臓が拡張している状態である。

血圧測定

血圧測定には①触診法と②聴診法がある。

【触診法(収縮期血圧の測定)】
①橈骨動脈(または肘窩上腕動脈)を触知し、70mmHgまで速やかに加圧する。
②脈を触知しなくなるまで、10mmHgずつ加圧する。
③脈を触知しなくなった点から、20~30mmHg加圧する。
④1拍動に2~4mmHgの速度で減圧する。
⑤脈が触れ始めた時点の圧を収縮期血圧とする。

【聴診法(収縮期血圧と拡張期血圧の測定)】
①聴診器を肘窩上腕動脈の上に置く(マンシェットより末梢側)。
②触診法で確認した収縮期血圧の20~30mmHg上まで加圧する。
③1拍動につき2~4mmHgの速度で減圧する。
④コロトコフ音が聴こえ始めた時点の圧を収縮期血圧とする。
⑤1拍動につき2~4mmHgの速度で減圧を続ける。
⑥ コロトコフ音が聴こえなくなった時点の圧を拡張期血圧とする。

 

 

 

 

 

 

74 待機的に行う食道静脈瘤硬化療法について正しいのはどれか。

1.全身麻酔下で行う。
2.前日に下剤を内服する。
3.治療後48時間の安静が必要である。
4.治療翌日の朝から常食を開始する。
5.治療後に胸部痛が出現する可能性がある。

解答5

解説

食道静脈瘤硬化療法とは?

食道静脈瘤硬化療法とは、食道静脈瘤に対して、内視鏡的に血管(静脈瘤)の内外に小さな針を刺して、そこから界面活性剤(硬化剤)を注入し、静脈瘤の出血(破裂)を防止する方法をいう。つまり、血管内に血栓を作り、食道静脈瘤や供給路を閉塞させる。食道静脈瘤硬化療法は局所麻酔で行われる。検査当日の朝食から食事を止める。治療後問題がなければ翌日の昼食から流動食が開始され、安静が解除される。合併症として、胸部痛、発熱、食道穿孔、腎不全、肺梗塞、食道狭窄などが考えられる。

1.× 「全身麻酔下」ではなく、局所麻酔で行う。なぜなら、食道静脈癌硬化療法は、内視鏡室で小さな針を指す程度で行えるため。
2.× 前日に下剤を内服する必要はない。なぜなら、下部消化管との関連性は低いため。検査当日の朝食から食事を止め、治療後問題がなければ翌日の昼食から流動食が開始され、安静が解除される。
3.× 治療後48時間の安静は必要ない。なぜなら、局所麻酔で、術後に特段問題がなければ歩行も可能であるため。翌日の昼食から流動食が開始され、安静が解除されることが多い。
4.× いきなり、治療翌日の朝から常食を開始することはしない。なぜなら、翌日は出血のリスクがまだ高い時期であるため。一般的に、検査当日の朝食は食事を止めることが多い。心配であれば、先生に相談しながら進めておくとよい。
5.〇 正しい。治療後に胸部痛が出現する可能性がある。食道静脈瘤硬化療法後の合併症として、胸痛・発熱・食道潰瘍・食道狭窄などがある。

(※図引用:「内視鏡的食道静脈瘤硬化療法 入院診療計画書」黒部市民病院様HPより)

 

 

 

 

 

75 老人性白内障の症状で正しいのはどれか。

1.涙が流れ出る状態が続く。
2.小さい虫が飛んでいるように見える。
3.明るい場所ではまぶしくてよく見えない。
4.遠見視力は良好であるが近見視力は低下する。
5.暗い部屋に入ると目が慣れるのに時間がかかる。

解答3

解説

白内障とは?

白内障とは、水晶体が年齢とともに白く濁って視力が低下する病気である。主な原因は加齢である。他にも、糖尿病や妊娠初期の風疹ウイルス感染などにより生じる。

1.× 涙が流れ出る状態が続くのは、流涙症(鼻涙管狭窄症)の症状である。目には、異物が入ると、涙を出して排除する働きがある。原因として、バイ菌が入った時の結膜炎や、花粉症、痛み、かゆみなどがあげられる。
2.× 小さい虫が飛んでいるように見えるのは、飛蚊症(※読み:かぶんしょう)の症状である。飛蚊症とは、小さな虫、糸くずのようなものが飛んで見えることをいう。加齢のほか、網膜剥離や網膜裂孔、ぶどう膜炎などで見られる。
3.〇 正しい。明るい場所ではまぶしくてよく見えないのは、老人性白内障の症状である。この症状を羞明(※読み:しゅうめい)という。羞明とは、強い光を受けた際に、不快感や眼の痛みなどを生じることをいう。したがって、病室を暗めに設定する必要がある。
4.× 遠見視力は良好であるが近見視力は低下するのは、老視(老眼)の症状である。ちなみに、老人性白内障では、遠見視力・近見視カともに低下する。
5.× 暗い部屋に入ると目が慣れるのに時間がかかるのは、暗順応の低下の症状である。白内障の症状ではなく、一般的な華麗で生じることが多い。視覚は、明るさに慣れていく明順応と、暗さに慣れていく暗順応がある。これを明暗順応という。明所から暗所に移動した際、暗順応により完全に見えるようになるのには、30分ほどかかる。逆に、暗所から明所に移動した際、まぶしさに慣れる明順応は数分で完了する。

 

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