第107回(H30) 看護師国家試験 解説【午後36~40】

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36 感染症の成立過程において、予防接種が影響を与える要素はどれか。

1.病原体
2.感染源
3.感染経路
4.宿主の感受性

解答4

解説

MEMO

感染が成立するためには、感染の3要素(①感染源:病原体、②感受性宿主、③感染経路)が必要である。①病原体は、病気を引き起こす微生物のことである。ちなみに、感染源とは、病原体が生存・増殖できる場所(人や動物)のことである。②感受性宿主は、いわゆる感染しやすい人のことである。③感染経路は、病原体が宿主に感染する方法である。予防接種は、これらの要素を制御することはできないが、宿主の感受性を減らすことによって、感染の拡大を防止することができる。

1.× 病原体とは、病気を引き起こす微生物のことである。これは滅菌殺菌などで感染予防する。
2.× 感染源とは、病原体が生存・増殖できる場所(人や動物)のことである。これは隔離早期治療駆除などで感染予防する。
3.× 感染経路は、病原体が宿主に感染する方法(空気感染や飛沫感染、接触感染など)である。これは手洗いマスクなどで感染予防する。
4.〇 正しい。宿主の感受性は、予防接種が影響を与える要素である。なぜなら、予防接種は、宿主の免疫システムを刺激して病原体に対する免疫力を高め、感染症の発病を防ぐことができるため。

感染経路と感染症

感染には、①接触感染、②空気感染、③飛沫感染がある。

①接触感染(例:流行性角結膜炎、疥癬、ノロウイルス感染症など)
(1)直接接触感染:感染者の皮膚粘膜との直接接触による伝播・感染する。
(2)間接接触感染:感染者の微生物で汚染された衣類、周囲の器物、環境などとの接触による伝播・感染する。

②飛沫感染(例:風疹、流行性耳下腺炎、 インフルエンザ、マイコプラズマ、百日咳など)
咳やくしゃみなどに伴って発生する飛沫(粒径5μm以上の粒子)が経気道的にヒトの粘膜に付着し感染する。飛散する範囲は1m以内であることが特徴。

③空気感染(例:結核、水痘、麻疹など)
飛沫核 (粒径5μm未満の粒子に付着した微生物)が長期間空中を浮遊し、これを吸い込むことで感染が伝播・感染する。

(※参考:「医療施設等における感染対策ガイドライン」厚生労働省様HPより)

 

 

 

 

 

37 Aさん(85歳、女性)。左側の人工股関節置換術後10日である。日中は看護師の援助によって車椅子でトイレまで行くことは可能であるが、夜間はポータブルトイレを使用している。
 Aさんの夜間の療養環境を整える上で適切なのはどれか。

1.足側のベッド柵は下げておく。
2.着脱しやすいスリッパを用意する。
3.ポータブルトイレはAさんのベッドの右側に置く。
4.移動時につかまれるようにオーバーテーブルを整える。

解答3

解説

本症例のポイント

・Aさん(85歳、女性)。
左側人工股関節置換術後:10日。
・日中:看護師の援助によって車椅子でトイレまで行く。
・夜間:ポータブルトイレを使用している。
→本症例は、左人工股関節置換術後10日であることから、左足が患側、右足が健側のベッドサイドの環境を整える必要がある。高齢者の転倒の原因として、①内的要因:加齢変化、疾患・障害、使用中の薬物など、②外的要因:屋内外の生活環境、履き物、衣服などがあげられる。ちなみに、【高齢者の転倒による骨折】①大腿骨近位部骨折、②脊椎圧迫骨折、③上腕骨近位部骨折、④橈骨遠位端骨折である。

1.× 足側のベッド柵は下げておく必要はない。なぜなら、足側のベッド柵は下げておくと、ベッドからの転落する恐れがあるため。本症例は、日中でも看護師の援助が必要なことからも、足側のベッド柵を上げて、排泄時はナースコールで看護師を呼ぶように伝える。
2.× 着脱しやすいスリッパを用意する必要はない。なぜなら、スリッパでの移動は、すり足になりやすく転倒の危険性が高まるため。
3.〇 正しい。ポータブルトイレはAさんのベッドの右側に置く。本症例は、左人工股関節置換術後10日であることから、左足が患側、右足が健側のベッドサイドの環境を整える必要がある。右足(健側)を活用して安全に移乗するために、ポータブルトイレは右側に置く。
4.× 移動時につかまれるようにオーバーテーブルを整える必要はない。むしろ、転倒の危険性が高いため、捕まらないように指導する。なぜなら、オーバーテーブルは、通常移動しやすいようにキャスターが取り付けられており、動いて転倒するおそれがあるため。ちなみに、オーバーテーブルとは、患者がベッド上で坐位をとって食事をしたり、文字を書いたり、読書するときに使用するテーブルである。

 

 

 

 

38 1948年に、看護教育の現状等に関する大規模な調査報告書「これからの看護(Nursing for the future)」を著した人物はどれか。

1.リチャーズ, L.
2.ブラウン, E. L.
3.レイニンガー, M. M.
4.ゴールドマーク, J. C.

解答2

解説

1.× リチャーズ, L.(リンダ・リチャーズ)は、アメリカ合衆国の看護師である。アメリカの看護師の母ともいわれる。アメリカと日本で、入院患者の個々の診療記録を取っていくためのシステムを初めて確立した看護師でもある。1886年(明治19年)に来日し、日本への近代看護の導入と定着化に貢献した。
2.〇 正しい。ブラウン, E. L.は、1948年に、看護教育の現状等に関する大規模な調査報告書「これからの看護(Nursing for the future)」を著した。「ブラウンレポート」とも呼ばれる。他にも、看護学校の病院からの独立、看護教育の質の向上などを規定した。
3.× レイニンガー, M. M.は、文化人類学研究の経験に基づき、「民族看護学」という独自の学説を切り開いた看護理論家である。レイニンガー看護論の著者である。ヒューマンケアリングの概念(癒し・安寧)が看護の本質であると捉え、メイヤロフが提唱したケアリングの基本概念である「他者にケアを行うことで自分自身の成長に繋がる」という概念に文化的要素を取り入れ、文化的価値・信条・慣習に矛盾しないケアを提供することが第一であると説いている。
4.× ゴールドマーク, J. C.は、1920年代のアメリカで、戦争による看護教育の質の低下が著しく、改善の方策として「ゴールドマークレポート」を発表した。この報告書で指摘された看護教育の問題は、公衆衛生の知識不足、技術教育施設の不備、
不適切な教師による看護教育などである。このレポートにより、アメリカにおける看護教育は大学教育の一環として実施されるようになり、大学教育において理論と実践を統合する看護大学を設置するきっかけともなった。

 

 

 

 

 

39 ノンレム睡眠中の状態で正しいのはどれか。

1.骨格筋が弛緩している。
2.夢をみていることが多い。
3.大脳皮質の活動が低下している。
4.組織の新陳代謝が低下している。

解答3

解説

人の睡眠

ヒトの睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠に分けられ、約90分を1サイクルとしてー晩に4~5回繰り返している。睡眠は、深いノンレム睡眠から始まり、睡眠欲求が低下する朝方に向けて、徐々に浅いノンレム睡眠が増えていく。その間に約90分周期でレム睡眠が繰り返し出現し、睡眠後半に向けて徐々に一回ごとのレム睡眠時間が増加する。レム睡眠では、身体は休息しているが、脳はある程度活動している。一方、ノンレム睡眠では、脳が休息するが、身体はある程度活動性を維持しているため、①新陳代謝を促進する成長ホルモンの分泌が増加、②エネルギー代謝の抑制、③体温の低下があげられる。

1~2.4.× 骨格筋が弛緩している/夢をみていることが多い/組織の新陳代謝が低下しているのは、レム睡眠の特徴である。レム睡眠では、身体は休息しているが、脳はある程度活動している。
3.〇 正しい。大脳皮質の活動が低下しているのは、ノンレム睡眠である。ノンレム睡眠では、脳が休息するが、身体はある程度活動性を維持しているため、①新陳代謝を促進する成長ホルモンの分泌が増加、②エネルギー代謝の抑制、③体温の低下があげられる。

 

 

 

 

40 麻薬の取り扱いで正しいのはどれか。

1.看護師は麻薬施用者免許を取得できる。
2.麻薬を廃棄したときは市町村長に届け出る。
3.アンプルの麻薬注射液は複数の患者に分割して用いる。
4.麻薬及び向精神薬取締法に管理について規定されている。

解答4

解説

1.× 看護師は麻薬施用者免許を取得できない。これは、麻薬及び向精神薬取締法第3条2項7に「麻薬施用者の免許については、医師歯科医師又は獣医師」と記載されている(※参考:e-GOV法令検索様HPより)。ちなみに、麻薬施用者とは、病気治療の目的で業務上麻薬を施用又は交付したり、麻薬を記載した処方箋(麻薬処方箋)を交付することができるもののことをいう。 
2.× 麻薬を廃棄したときは、「市町村長」ではなく、都道府県知事に届け出る。これは、麻薬及び向精神薬取締法第29条に「(廃棄)麻薬を廃棄しようとする者は、麻薬の品名及び数量並びに廃棄の方法について都道府県知事に届け出て、当該職員の立会いの下に行わなければならない。ただし、麻薬小売業者又は麻薬診療施設の開設者が、厚生労働省令で定めるところにより、麻薬処方せんにより調剤された麻薬を廃棄する場合は、この限りでない」と記載されている(※参考:e-GOV法令検索様HPより)。
3.× あえて、アンプルの麻薬注射液は複数の患者に分割して用いる必要はない。なぜなら、「病院・診療所における麻薬管理マニュアル」では、麻薬注射剤を分割して2人以上の患者に施用することは、管理面、衛生面に問題がある場合は避けることとしている。また、同一患者に麻薬注射剤を施用する際、手術等で数回に分け連続して施用する場合であっても管理面、衛生面に問題がある場合は避ける。なお、施用残液のあるアンプル及び空アンプルは麻薬管理者に返納する。
4.〇 正しい。麻薬及び向精神薬取締法に管理について規定されている。ちなみに、麻薬及び向精神薬取締法とは、麻薬と向精神薬の乱用を防止し、中毒者に必要な医療を行うなどの措置を講じ、生産や流通について必要な規制を執り行うことによって、公共の福祉の増進を図ることを目的としている日本の法律である。医療用麻薬であるモルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、コデインおよびケタミンなどが、麻薬として規制されている。

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【5問】モルヒネについての問題「まとめ・解説」

 

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